稽古風景
組手競技において、素早く相手との間合いを詰めるにはスピード(重心移動の速さ)、アジリティ(運動時に身体をコントロールする能力)、クイックネス(刺激に反応して素早く動き出す能力)が必須です。定番のラダーやマーカー、ハードルを活用することで運動能力を高めます。
リアクティブキャッチで手と目のコーディネーショントレーニングを行います。動きの中で、色を追跡し情報を迅速に処理。正確にキャッチすることで動体視力をUPします。どこに跳ねるか予測できないリアクションボールでも、バウンドに素早く反応し身体のバランスを崩さないようにキャッチし、相手の動き出しに反応出来るように繋げることがこのトレーニングの目的です。
4~8歳頃を「プレ・ゴールデンエイジ」、9~12歳頃を「ゴールデンエイジ」と呼ばれています。運動能力に関わる神経系統の成長は8歳までに80%、12歳までに100%に達します。100%に達するまでの間に神経系統に刺激を与え、いろいろな運動をさせることは、後の運動能力の向上に大きく役立ちます。運動においてなんでも即座に短時間に習得でき、動作習得の条件もピークに達するのがこの時期と言えます。
当道場では、楽しく遊びの中でコーディネーショントレーニングを用いて神経に刺激を与え、SAQトレーニングで組手競技に必要な敏捷性を高めていきます。
美しい(正しい)姿勢は、形・組手ともに必要です。基本稽古の中で軸を今どこに置いているか常にチェックします。ウォーターバッグを抱えながらの転身稽古では軸の左右の傾きがはっきりと可視化でき、とても有効です。首里手の系統に代表されるような流麗な技の連なりを演武するには必須の稽古メニューと言えます。移動足の抜き、軸足の寄せに加えチューブで負荷を加えることで、前方へ移動するスピードが格段に上がります。この稽古は瞬発力が必要な組手稽古にも当然活かされます。一見、地味と思われる基本稽古の積み重ねが、多くの人を魅了する演武に繋がると思います。ゆり道場では、苦しい稽古の時こそ笑顔で楽しく乗り切れるような工夫を凝らして稽古に励みます。
仮想の敵を相手に攻撃と防御を一連の流れとして組合せた「形」は女の子に非常に人気があります。女子選手の凛とした姿はかっこいいものがあります。また糸東流は形の種類が豊富にあることが挙げられます。体の線が細くともシャープな動きが得意な女子選手には、四方八方にリズミカルに転身を繰り返す動きが特徴の首里手の形、重心がどっしりとして地面に根が生えたような男子選手には、重厚な形が特徴の那覇手が向いているかもしれません。
「組手」は、防御できる間合いを保ちつつ攻撃をしかける駆け引きが醍醐味。安全防具を装着したノンコンタクト(寸止め)のポイント制空手です。
相手と相対した時の飛び込みの速さと、動き出しに反応する反射神経は、毎回行うSAQトレーニングによって磨かれます。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、形・組手ともに東京2020オリンピックの正式種目に採用されました。