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2024-08-15 09:15:00

劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 2/4

こんにちは!

 

劉衛流セミナー (2).jpeg

 

 

”空手道形のテクニックを学び競技力の向上を図る”

大会に出場しより上位入賞を目指す選手にとって学びを怠れば勝てるはずがありませんね。

正しい基本の中に競技のエッセンスを色付けするといったところでしょうか。

生徒の成績を少しでも上げ頑張って良かったと思ってもらえるように勉強を続けています。

 

 

05・佐久本 嗣男先生による指導(アーナン・スーパーリンペイ解説)

06・お手本演武とポイント

07・豊見城 あずさ先生によるセーパイ

 

 

佐久本 嗣男先生による指導(アーナン・スーパーリンペイ解説)

・武道の本質とはムダな動きをしないこと

・ストライクゾーン(身体の枠の範囲)を守る

 

 

・アーナン

最初の掌底の構え。

これは相手との間合いを図っています。

正中線を外してジグザグに動いています。

次の貫きと蹴りは一拍子で。

後方に向きを変え今度は受けと蹴り、正中線を守りながらです。

相手を引き込む技が途中出てきますが、左足の鼠径部に体重を乗せ力を加えます。

鶴頭受けはジグザグに受け、前屈立ちとなり金的を握り潰し、喉仏を鷲掴みしています。

 

 

・スーパーリンペイ

諸手中段受けから引き手を取り突きに入る際丹田を持ち上げ、突き終わりに横受けに入る際、瞬間腰を少し落とし力強さを出す。

これは相手を掴んで引っ張る際、腕力だけでは相手を動かすことは容易ではありませんが、腰を落とし引き込めば相手を動かせるため。

動きには意味があると仰られています。

東西南北に回し受けをする挙動では、ためを作り素早く回った瞬間に回し受け。

開手横受けから貫手の挙動は、腰で受けて腰で貫きます。

 

中盤に出てくる四股立ちの挙動は、剛柔流のスーパーリンペイです。

相手を引きずり込む挙動ですので片手はパーで掴みを表現し金的打ち。

ここの挙動は手首のスナップを持たせます。

セーパイでも通じるところです。

 

 

お手本演武とポイント

喜友名先生の模範演武 スーパーリンペイです。

演武の最中、佐久本先生がポイントを説明されています。

 

・軸が動かない

・丹田の持ち上げ

・受けの瞬間の腰を落とすところ

・回し受けのタイミング

・自然な息吹

・肩にチカラを入れない

・締める時はお尻を締める(少し締めてますよというところをアクセントをつけよう)

・(四股立ち挙動)受けながら金的打ち

・一瞬パーで掴むところをグーグーでやったら間違い

 

佐久本先生の指導のとおりです。

 

形を打ち終えたあと説明に入ります。

競技の中で気合いの発生は『エイーっ!』ではありません。

『エイっ!!』です。

 

また劉衛流の伝統的な形と競技で打つ形に違いはあってはいけませんが、リズムだけ異なります。

前方に3回移動する挙動で説明されていますが、同じリズムでタン・タン・タンと入るところをタン・タタンです。

審判に仮想の敵との攻防を表現するためにリズムを変えています。

あくまでもこれは競技空手です。

 

 

上村先生の模範演武です。

とても重みがあり力強さが存分に伝わるセーパイです。

劉衛流の立ち方ですと四股立ちは深さが糸東とは異なり更に深いです。

力の抜き差しが丹田の締めと脱力によって、体表現でもの凄く伝わってきます。

圧巻です。

 

佐久本先生の指導です。

第7挙動の弾指打ちは手首のスナップを使うこと

また弾指打ちのあと三戦立ちで寄り足しますがリズムを切らさないこと。

手技は押え受けと支え上げ受けを同時に行いますが審判の先生に仮想の敵との攻防が伝わるように見せなければいけません。

『指導者がいくつ引き出しを持ってくるかです』と指導されています。指導者次第で子供達の形は変わってきますとも。

競技空手は教範のとおり演武していてはダメだってことだと思います。

リズムに乗って繋げる、極めるといった見せる要素これを指導者が導いてあげないといけません。

 

他にも個人的にはセーパイ最大の見せ所、弁足立ちから回転する挙動(第12挙動から13挙動にかけて)は弁足立ちでしっかり飛び越えたあと、しっかりと止まらないといけませんが上足底を使い回転を加え、掛け受けしますが上肢と下枝は一致させなければいけません。

勢いよく回ると身体が流されそうなものですが、不要な力みも無く自然で流れるような動きで見事です。

 

 

金城先生の模範演武に移ります。

クルルンファですが、最初の挙動が足刀蹴りカッコ良いですね。

目標は力を入れなくても力の入った蹴りを出せること。

軸に乗って抱え込んで当てた瞬間にチカラを入れる。

 

ちなみに道場の体幹トレでこの挙動を取り入れていました。

クランチの姿勢から両足を少し持ち上げ、片足は引きつけ、もう片足は蹴り込みを同時に行います。

体幹をビンビンに刺激させながら蹴りのスピードと同時に引き足の強化を取り入れていました。

自由形でクルルンファを打つのはまだ先だと思いますが、この形を打ちたい生徒がいればこの練習極めて重要です。

蹴りのスピードと引きの強さ、それと体幹の3つを同時に強化出来ます。

 

 

豊見城 あずさ先生によるセーパイ

ここから各形に分かれていろんなところで形の講習会。

セーパイグループは7名生徒が集まり、その中に岩本選手の姿も。

 

指導内容を拾ってみたいと思います。

・第2挙動:

平行三戦立ちからの合掌握りは肘で脇を締める。

そういえば私は脇が空いてるような、、

 

・第4挙動:

上段手刀打ちから正面蹴りを挟み四股立ちなる挙動では、手刀打ちの手を引っ張りながら四股立ちとなり、右手で回し肘当ての連続技に入ります。

引っ張る力を利用すれば回し肘当てにスピードとパワーが伝わるとのこと。

四股立ちに移行するのですが、直前前屈立ちを取ります。引き手の力を利用しながら右腰を切り四股立ちとなっています。

気づかずにやれば味も何もない、ただの四股立ちでしょうが、引き手の力の利用と腰の切り替えしを使うことでキレが生まれます。

セミナーでは、このあたりのテクニックが学べますので競技力アップに繋がる。

豊見城先生のセミナーは、アーナン編とパイクー編がリリースされていますが、コツを伝えるのがホントに上手です。

説明が分かりやすいのでDVDを止め実際に自分で動きを確認し、いつもなるほどっ!と唸っています。

 

・第5挙動:

後方に猫足立ちを取る際、膝を柔らかく使う。

 

・第8挙動:

四股立ち / 足払いの挙動では天地の構えを少しだけ更に中へ押し込み反動をつけて引き手を取る

引き手は脇を締め下突きするがコツは両拳を足の太もも部分にかすらせること。

 

・第11挙動:

下段払いからの猫足立ちは、前足を右軸足に寄せる。

これは知りませんでした。右足を右に移動させ猫足立ちに移行していましたが、大きく身体がブレてしまうのでしないとアドバイスされています。

・第12挙動:弁足立ちはなるべく前に大きく飛び込むこと。極めのタイミングは後ろ足(つま先立ちの方)の着地だそうです。

もうひとつセミナーならではのポイントが。つま先立ちする時足を曲げドンっ!と音を立てません、力はそのまま下にめり込ます感じで。

 

・第13挙動:

西方向に左三戦立ちする挙動では、右手の使い方が重要。掛け手受けの要領で正中線を守りながら(締めながら)流れるように入ると味が出てきます。

肘を空けず締めながら、立ち方とともに上肢と下枝を一致させて受けています。

この辺はセミナーならでは。ちょっとした上手い見せ方が学べます。

もうひとつ、キレイな見せ方が追加で。

北から西へ転身する際、頭の高さを変えられています。

一度沈んだ状態から螺旋階段のイメージす。

最後丹田を使って『締め』の表現も忘れずに。

①技を極めた後素早く回って、

②滑らかに螺旋階段を上り、

③上り切ったらまた滑らかに腰の締めを表現する

 

連続技に移ります。

後屈立ちで半打拳で下段打ちですが、右開掌から引き手を取ります。

私はここを自然と手の握りを変えていただけですが美しくまた力強く表現するには、正解ではありませんでした。

右脇に構えた開掌をほんの少し正中線に寄せ、引き手のパワーを使っています。

これはバッサイ大で拳ひとつ分の出し入れでスピードを強調するテクニックとして生徒に指導していますが、まさに同じことでした。

流派や形は違えど共通するテクニックは随所にあるということです。

ひとつ引き出しが増えた。

まだまだ、まだあります。

①(半打拳)下段打ち → ②上段裏打ち

でのテクニックです。

 

①下段打ちでは、ただ技を出すだけだと身体が上ずってしまいます。

下段打ちは腰を切り下に叩きつけるように出す。

腰を内側に入れることで重たい技に変化します。

 

②上段裏打ちでは、今度はスナップを使い腰の回転で戻す(ムズい)

これが出来ると上半身の上下動が無くなり良いと思います。とのことでした。

 

 

冒頭で佐久本先生が言っていた競技空手の見せ方、指導者の引き出しの部分に通じますね。

 

今回のような細かなテクニックは、知ってると知ってないとでは大きな違いがあります

競技力を上げるには勉強は切っても切り離せません。

スピードとパワーを上げる方法を理解した上で、反復練習するしかない。

そう感じたセミナーDVDでした。

 

余談ですが、受講者に混ざってセーパイの指導を受ける岩本選手ですが弾指打ちの時、腰のスナップが尋常じゃないキレでした。