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2024-10-09 06:42:00

劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 3/4

こんにちは!

 

劉衛流セミナー (3).jpeg

 

豪華講師陣による劉衛流セミナー3本目です。

競技で活かせるテクニックが満載。

流派は異なりますが、応用出来る身体の使い方も多く学びの多いセミナーDVDです。

ここでの学びを生徒に還元させたいと思います。

インプットとアウトプットの繰り返し。

 

 

08・清水 由佳先生によるクルルンファ

09・上村 拓也先生によるスーパーリンペイ

10・特別演武

 

 

清水 由佳先生によるクルルンファ

全日本で形試合の解説でよく見かける清水先生ですが、剛柔流の形の中で個人的に好きなクルルンファのセミナーでした。

受講者は中低学年が多く説明の仕方なんか小さな子が分かるようにかみ砕いています。

溜めて溜めて軸で回る回転の仕方なんて、遊びを交えながら要点をしっかり押さえられたもの。

手慣れた感じです。

これも教範記載の挙動順に沿って説明してみます。

 

第4挙動

掬い受けと押え受けを前進しながら3回繰り返すところです。

半後屈立ちとなり、掬い受けを下段払い受けに切り替えしますが、高校生ともなると筋力がついているので勢いがつき過ぎて頭がブレてしまうとのこと。

修正方法はこうでした。

①掬い受け(三戦立ち) → 下段払い受け(半後屈立ち):腰の勢いだけを使い、肩に力は入れず、円運動で真下に落とす

②下段払い受け(半後屈立ち) → 掬い受け(三戦立ち):跳ね上げる締めと腰の切り替えしでピタっと止まる(ムズい)

一言で表すと『鼠径部のエネルギーを持って極める』でした。

 

第7挙動

正面蹴りから四股立ちとなり肘当ての挙動ですが45度に踵が揃ってなければいけません。

右足:真横

左足:真後ろ

両踵の先にお尻を乗せる

平安二段で演武線を説明するのに苦労していました。

 

第10挙動

天地の構えから回し受けに入るところです。

スーパーリンペイにも出てくる、回し受けなかなか難しい技ですね。

 

美しい見せ方は、息を大きく吸い込むことで両手を深く引き込め、大きく息を吐くことで脇を締め相手を押し出します。

(吐くと脇が締まる)

 

第11挙動

向きを東方向に変え三戦立ちとなり左掛け受けする挙動ですが、ここでの入り方が独特でした。

見せ方としては、左手だけで受けるのでなく右手で素早く流し受けを入れダブルで受けること。

この挙動を反対方向(西)にも繰り返しますが、次の使い方を覚えればスーパーリンペイやアーナンが上手になるとのこと。

 

左三戦立ちから右足を跨いでクルりと向きを変えますが、跨いだ状態では身体は東を向いたまま。

東を向いたまま軸を動かさず高速でターンします。

溜めて溜めて軸を使って回ること。

頭がブレてしまうと軸に乗っていません。

重要なポイントは腰をどれだけ「溜めれるか」

溜める = 沈む

溜めてるのに腰が緩いと半身の状態となり、回転量が足りず物足りない形になってしまうそうです。

ここまででも上達する要素が盛りだくさんで私は大変勉強になっています。

 

 

【上村 拓也先生によるスーパーリンペイ】

セーパイ・クルルンファと比べ、中高生の参加率が高いスーパーリンペイ。

受講生も見たところ30名以上でしょうか。

大人気です。

 

この形の重要部分、回転動作についてとても丁寧な説明とともに何度も何度も繰り返し部分練習するシーンが収録されています。 

アーナンでもクルルンファでも指導されていた『溜めを作って回る』

軸をブラさずにしっかり溜めを作ることはどの指導者にも共通しているポイントです。

理解しやすいように、コマで例えられています。

「勢いよくコマを回そうとすれば、一度反対方向に捻るよね?」

「そのイメージで溜めて、溜めて勢いをつけよう」

「溜めは最後の最後に一気に放出する」

「東西南北全てに共通し、腕の力(回し受け)で回らないこと」

「合わせ突きなんかでも共通するので理解出来れば上手くなります

「回転しきった後回し受けを極めるが、グッと腰を落とし技に重みを加える」

「腕の力で回るのは小学生までにして、しっかり足の筋力を使って回れるように」

 

余談ですが「足の力を使って」は最初に、突いた手を引き中段横受けに入る挙動がありますが、ここにも共通します。

腕力で横受けに入らず、しっかり下半身を沈めて床からのパワーを腕に伝達させ技に入るとのこと。

私はそのまま横受けに入っていましたが、これでは技に重みが出ません。

ペラい受け方していては、見ている人に相手の攻撃をしっかり受けているように見せることは出来ませんね。

「しっかり受けれている」と見ている人に伝わるようにするには腰が入ってなくてはいけないということだと思います。

もちろん突きも腰を沈めて突きますよ。

(手突きにならない、手受けにならない)

 

 

・四股立ちに移行する挙動では、手技はもっさり動かさず四隅をにらみつけ素早く動かし雰囲気を出すこと。

・一本拳で突いたら反対の手で捕まえて金的打ち

(この捕まえての表現がポイントで、パーに開いた手をグーに変え金的打ちとのこと)

 

1度目の気合いのあとに、四股立ち押え受けの挙動に入ります。そのあとに後方に向きを変え5歩移動しますがポイントが隠されていました。

海外の選手は三戦立ちで移動するとのことですが上村選手の表現は「一度沈み腰を使って締めなおす」

この味わいは日本人特有の感覚だとのこと。

上手く言葉で表すのは難しいですが、上村選手のは逆腰使ってる感じでしょうか。

簡単ではありません。

腰の動きが滑らかでないとロボットみたいな動きになりますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別演武

喜友名先生・金城先生・上村先生の他、当日指導に加わられた4名の計7名で演武を佐久本先生の号令の基、披露されています。

1・セーパイ

2・アーナン

当たり前ですが息ぴったり。

 

 

3・アーナン分解

この後、2016年オーストリアで行われた世界空手道選手権大会 男子団体形優勝の分解に続きます。

一気に目まぐるしく技術が交錯する分解です。

鎖骨への貫手や金的等の一撃必殺禁じ手を多分に含む3人のアーナン。

華やかな空手とはほど遠い、どこか沖縄空手の武術性を感じさせます。

 

また7名に戻り、佐久本先生の号令による演武が続きます。

パイクーは岩本選手も合流されていました。

 

4・ヘイクー

5・パイクー

6・パーチュー

 

佐久本先生のコメントでは、劉衛流では、ニーセーシー・サンセール・セーサン・パーチュー・ヘイクー・パイクー・アーナン・アーナン大・オーハン・パイホーの順に学んでいくとのこと。

オーハンは先日の世界大会で喜友名選手が本邦初公開しましたが、たかだか4,5年でものに出来るものではないのでもっともっと熟成させなければいけないと仰っていました。

 

日本語では黒虎と書いてヘイクー、白虎と書いてパイクーと呼びますが中国語だそうです。

巴球と書きパーチューと呼ぶ形。

この形が凄く好きで昔よく練習していました。

まろやかに角張らずに動かないといけないそうです。

これも岩本選手を含めた8名で模範演武されています。

 

 

剛柔流と劉衛流の形を一度にいくつも学べ、超一流の形も観ることが出来るセミナー。

私も参加したいです。

2024-08-15 09:15:00

劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 2/4

こんにちは!

 

劉衛流セミナー (2).jpeg

 

 

”空手道形のテクニックを学び競技力の向上を図る”

大会に出場しより上位入賞を目指す選手にとって学びを怠れば勝てるはずがありませんね。

正しい基本の中に競技のエッセンスを色付けするといったところでしょうか。

生徒の成績を少しでも上げ頑張って良かったと思ってもらえるように勉強を続けています。

 

 

05・佐久本 嗣男先生による指導(アーナン・スーパーリンペイ解説)

06・お手本演武とポイント

07・豊見城 あずさ先生によるセーパイ

 

 

佐久本 嗣男先生による指導(アーナン・スーパーリンペイ解説)

・武道の本質とはムダな動きをしないこと

・ストライクゾーン(身体の枠の範囲)を守る

 

 

・アーナン

最初の掌底の構え。

これは相手との間合いを図っています。

正中線を外してジグザグに動いています。

次の貫きと蹴りは一拍子で。

後方に向きを変え今度は受けと蹴り、正中線を守りながらです。

相手を引き込む技が途中出てきますが、左足の鼠径部に体重を乗せ力を加えます。

鶴頭受けはジグザグに受け、前屈立ちとなり金的を握り潰し、喉仏を鷲掴みしています。

 

 

・スーパーリンペイ

諸手中段受けから引き手を取り突きに入る際丹田を持ち上げ、突き終わりに横受けに入る際、瞬間腰を少し落とし力強さを出す。

これは相手を掴んで引っ張る際、腕力だけでは相手を動かすことは容易ではありませんが、腰を落とし引き込めば相手を動かせるため。

動きには意味があると仰られています。

東西南北に回し受けをする挙動では、ためを作り素早く回った瞬間に回し受け。

開手横受けから貫手の挙動は、腰で受けて腰で貫きます。

 

中盤に出てくる四股立ちの挙動は、剛柔流のスーパーリンペイです。

相手を引きずり込む挙動ですので片手はパーで掴みを表現し金的打ち。

ここの挙動は手首のスナップを持たせます。

セーパイでも通じるところです。

 

 

お手本演武とポイント

喜友名先生の模範演武 スーパーリンペイです。

演武の最中、佐久本先生がポイントを説明されています。

 

・軸が動かない

・丹田の持ち上げ

・受けの瞬間の腰を落とすところ

・回し受けのタイミング

・自然な息吹

・肩にチカラを入れない

・締める時はお尻を締める(少し締めてますよというところをアクセントをつけよう)

・(四股立ち挙動)受けながら金的打ち

・一瞬パーで掴むところをグーグーでやったら間違い

 

佐久本先生の指導のとおりです。

 

形を打ち終えたあと説明に入ります。

競技の中で気合いの発生は『エイーっ!』ではありません。

『エイっ!!』です。

 

また劉衛流の伝統的な形と競技で打つ形に違いはあってはいけませんが、リズムだけ異なります。

前方に3回移動する挙動で説明されていますが、同じリズムでタン・タン・タンと入るところをタン・タタンです。

審判に仮想の敵との攻防を表現するためにリズムを変えています。

あくまでもこれは競技空手です。

 

 

上村先生の模範演武です。

とても重みがあり力強さが存分に伝わるセーパイです。

劉衛流の立ち方ですと四股立ちは深さが糸東とは異なり更に深いです。

力の抜き差しが丹田の締めと脱力によって、体表現でもの凄く伝わってきます。

圧巻です。

 

佐久本先生の指導です。

第7挙動の弾指打ちは手首のスナップを使うこと

また弾指打ちのあと三戦立ちで寄り足しますがリズムを切らさないこと。

手技は押え受けと支え上げ受けを同時に行いますが審判の先生に仮想の敵との攻防が伝わるように見せなければいけません。

『指導者がいくつ引き出しを持ってくるかです』と指導されています。指導者次第で子供達の形は変わってきますとも。

競技空手は教範のとおり演武していてはダメだってことだと思います。

リズムに乗って繋げる、極めるといった見せる要素これを指導者が導いてあげないといけません。

 

他にも個人的にはセーパイ最大の見せ所、弁足立ちから回転する挙動(第12挙動から13挙動にかけて)は弁足立ちでしっかり飛び越えたあと、しっかりと止まらないといけませんが上足底を使い回転を加え、掛け受けしますが上肢と下枝は一致させなければいけません。

勢いよく回ると身体が流されそうなものですが、不要な力みも無く自然で流れるような動きで見事です。

 

 

金城先生の模範演武に移ります。

クルルンファですが、最初の挙動が足刀蹴りカッコ良いですね。

目標は力を入れなくても力の入った蹴りを出せること。

軸に乗って抱え込んで当てた瞬間にチカラを入れる。

 

ちなみに道場の体幹トレでこの挙動を取り入れていました。

クランチの姿勢から両足を少し持ち上げ、片足は引きつけ、もう片足は蹴り込みを同時に行います。

体幹をビンビンに刺激させながら蹴りのスピードと同時に引き足の強化を取り入れていました。

自由形でクルルンファを打つのはまだ先だと思いますが、この形を打ちたい生徒がいればこの練習極めて重要です。

蹴りのスピードと引きの強さ、それと体幹の3つを同時に強化出来ます。

 

 

豊見城 あずさ先生によるセーパイ

ここから各形に分かれていろんなところで形の講習会。

セーパイグループは7名生徒が集まり、その中に岩本選手の姿も。

 

指導内容を拾ってみたいと思います。

・第2挙動:

平行三戦立ちからの合掌握りは肘で脇を締める。

そういえば私は脇が空いてるような、、

 

・第4挙動:

上段手刀打ちから正面蹴りを挟み四股立ちなる挙動では、手刀打ちの手を引っ張りながら四股立ちとなり、右手で回し肘当ての連続技に入ります。

引っ張る力を利用すれば回し肘当てにスピードとパワーが伝わるとのこと。

四股立ちに移行するのですが、直前前屈立ちを取ります。引き手の力を利用しながら右腰を切り四股立ちとなっています。

気づかずにやれば味も何もない、ただの四股立ちでしょうが、引き手の力の利用と腰の切り替えしを使うことでキレが生まれます。

セミナーでは、このあたりのテクニックが学べますので競技力アップに繋がる。

豊見城先生のセミナーは、アーナン編とパイクー編がリリースされていますが、コツを伝えるのがホントに上手です。

説明が分かりやすいのでDVDを止め実際に自分で動きを確認し、いつもなるほどっ!と唸っています。

 

・第5挙動:

後方に猫足立ちを取る際、膝を柔らかく使う。

 

・第8挙動:

四股立ち / 足払いの挙動では天地の構えを少しだけ更に中へ押し込み反動をつけて引き手を取る

引き手は脇を締め下突きするがコツは両拳を足の太もも部分にかすらせること。

 

・第11挙動:

下段払いからの猫足立ちは、前足を右軸足に寄せる。

これは知りませんでした。右足を右に移動させ猫足立ちに移行していましたが、大きく身体がブレてしまうのでしないとアドバイスされています。

・第12挙動:弁足立ちはなるべく前に大きく飛び込むこと。極めのタイミングは後ろ足(つま先立ちの方)の着地だそうです。

もうひとつセミナーならではのポイントが。つま先立ちする時足を曲げドンっ!と音を立てません、力はそのまま下にめり込ます感じで。

 

・第13挙動:

西方向に左三戦立ちする挙動では、右手の使い方が重要。掛け手受けの要領で正中線を守りながら(締めながら)流れるように入ると味が出てきます。

肘を空けず締めながら、立ち方とともに上肢と下枝を一致させて受けています。

この辺はセミナーならでは。ちょっとした上手い見せ方が学べます。

もうひとつ、キレイな見せ方が追加で。

北から西へ転身する際、頭の高さを変えられています。

一度沈んだ状態から螺旋階段のイメージす。

最後丹田を使って『締め』の表現も忘れずに。

①技を極めた後素早く回って、

②滑らかに螺旋階段を上り、

③上り切ったらまた滑らかに腰の締めを表現する

 

連続技に移ります。

後屈立ちで半打拳で下段打ちですが、右開掌から引き手を取ります。

私はここを自然と手の握りを変えていただけですが美しくまた力強く表現するには、正解ではありませんでした。

右脇に構えた開掌をほんの少し正中線に寄せ、引き手のパワーを使っています。

これはバッサイ大で拳ひとつ分の出し入れでスピードを強調するテクニックとして生徒に指導していますが、まさに同じことでした。

流派や形は違えど共通するテクニックは随所にあるということです。

ひとつ引き出しが増えた。

まだまだ、まだあります。

①(半打拳)下段打ち → ②上段裏打ち

でのテクニックです。

 

①下段打ちでは、ただ技を出すだけだと身体が上ずってしまいます。

下段打ちは腰を切り下に叩きつけるように出す。

腰を内側に入れることで重たい技に変化します。

 

②上段裏打ちでは、今度はスナップを使い腰の回転で戻す(ムズい)

これが出来ると上半身の上下動が無くなり良いと思います。とのことでした。

 

 

冒頭で佐久本先生が言っていた競技空手の見せ方、指導者の引き出しの部分に通じますね。

 

今回のような細かなテクニックは、知ってると知ってないとでは大きな違いがあります

競技力を上げるには勉強は切っても切り離せません。

スピードとパワーを上げる方法を理解した上で、反復練習するしかない。

そう感じたセミナーDVDでした。

 

余談ですが、受講者に混ざってセーパイの指導を受ける岩本選手ですが弾指打ちの時、腰のスナップが尋常じゃないキレでした。

2024-08-13 09:15:00

劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 1/4

こんにちは!

 

かなり久々の形DVDじゃないでしょうか。

組手DVDばかりが続いていましたが、このDVD実は昨年買ったもの。(2年寝かせてるのもある)

封も切らず丸1年寝かせてました。

理由は組手の勉強がもっとしたかったから。

でもこの夏季休暇は組手ばかりが続いていて、当ブログにお越しくださる方が飽きてしまうんじゃないかと思い考えが変わりました。

3時間近くのボリュームですので4回に分けてご紹介いたします。

 

劉衛流セミナー.jpeg

 

 

 

01・挨拶 講師紹介

02・劉衛流の歴史

03・準備運動・基本

04・劉衛流の特徴

 

 

挨拶 講師紹介

劉衛流龍鳳会会長:佐久本 嗣男

2014,2016WKF男子形 2016WKF男子団体形:喜友名 諒

2004,2008WKF女子団体形:清水 由佳

2004,2008WKF女子団体形:豊見城 あずさ

2016WKF男子団体形:金城 新

2016WKF男子団体形:上村 拓也

 

講師陣は世界大会王者、錚々たる顔ぶれです。

 

 

劉衛流の歴史

劉衛流は始祖 劉龍公

2代 仲井間 憲里

3代 仲井間 憲忠

4代 仲井間 憲孝

5代 仲井間 憲児

道統5世 佐久本 嗣男

と受け継がれ4代の仲井間 拳孝先生の下を訪れ、門外不出だった仲井間家に伝わる劉衛流の門戸を開き弟子であった佐久本先生が受け継がれました。

遺訓にあった「一子相伝し、みだりに発動すべからず」の教えを代々頑なに守ってきましたが4代 憲孝先生は、もはや一子相伝など時代逆行と思考してか門戸開放に至りました。

 

 

長い間、門外不出・一子相伝として継ぎ守ってきた劉衛流の技が有難いことにセミナーDVDで学べます。

 

 

準備運動・基本

座学はここまで。

いよいよ稽古開始かと思いきや、なんと声を出す練習からです。

「私は練習中、元気の無い小さな声とかは好きではありません

元気良く大きな声を出すことから始めよう。

準備運動はアジリティでした。

その場バタバタから、佐久本先生が上下左右に腕を振り素早く向きを変えるアレ。

アジリティの後そのままダッシュでした。

バタバタ中はずっと大きな声、方向転換では気合いの声です。

お手本を講師陣が見せ、セミナー参加者があとに続きます。

DVDには岩本 衣美里選手、國米さくら選手の姿も。

 

アジリティを終え、

ジョグからスキップ、

30歩小刻み前進からジョグ、

ラテラル、

腿上げダッシュ

でした。

 

次、移動基本に入ります。

基立ち / 追い突き

基立ち / 正面蹴り + 追い突き

基立ち / 逆突き

 

佐久本先生の声のデカさ、声の張り

張り詰めた空気の中、かなりの緊張感です。

 

続き、前屈立ち・四股立ち・猫足立ちの移動基本です。

立ち方が極まる瞬間、両掌底で自分の腰回りを叩きます。

グッと前に突っ張る感じで押し込んでいるのかな?

立ち方に極めを加える印象を受けます。

なぜか?佐久本先生は指導の最中に英語を挟みます。

頭が上下動してはいけないとか、そんな風に聞こえます。

 

四股立ちでは1歩進むごとに、両腿の内側と腰をポンっポンっと2回刺激を入れています。

開け!極め!こんな意味でしょうか??

 

猫足立ちの移動。これは初めて知りました。

左(右)猫足立ちとなり、ずっと同じ足で移動です。

通常左右の足を入れ替え前進しますがそうじゃありませんでした。

 

この時の注意点は、上足底で立つ前足は踵から移動します。

粘っこく移動しますが、尺取虫のように動いてはダメ。

また鼠径部を両手でチョップしながら入れています。

 

 

佐久本先生が大きな声で「全ては基本にあるよ!」

 

 

劉衛流の特徴

佐久本先生の説明を基に立ち方の勉強です。

 

「劉衛流は立ち方が他流派と少し違います」

踵から爪先までの長さを『一足長』と呼びこれが基本となります。

立ち方の向きは正面を向かず、蓮に構えます。

(両足ともに斜め前を向いてます)

ここから鼠径部を締めて正面に身体を向けます。

三角形(トライアングル)を作り金的を守っているそうです。

確かに前足つけ根にチカラが入りやすい気がしますね。

前進する時は、身体は斜めに振らずそのまま前に入る。

 

前膝はくるぶしに対し垂直ではなく、親指のつけ根に対してです。

歩幅は前後左右どこに動いても変わらない。

これを身体が覚えるまでひたすら練習すること。

 

 

これまで道場で指導してきた基立ち。

基立ちの深さが全く同じでした。

力が乗りやすいとされている立ち方ですね。

 

私も機会があれば一度で良いから沖縄で佐久本先生のセミナーを受講してみたいものです。

守礼堂もありますしね。

2024-06-24 21:52:00

新城 孝弘式 泊手身体操作法 THE 形の真髄 -初めて明かされる ”ガマクの秘密” で清水那月・驚愕の上達!- 2/2

こんにちは!

 

泊手 (3).jpeg

 

新城 孝弘先生による形指導、後編に入ります。

レベルが高すぎる内容で決して簡単ではありません。

技を出す瞬間に逆腰。

立ち方が変わる瞬間に逆腰。

コンパクトで高速逆腰を挟むか否かで、形の印象が劇的に変わります。

ペラい形が重みのある形にバージョンアップする感じでした。

 

 

4・「チャタンヤラクーサンクー」(拳龍同志会・新城志さん)

5・「チャタンヤラクーサンクー」解説・指導

6・新城 孝弘先生インタビュー

 

 

4・「チャタンヤラクーサンクー」(拳龍同志会・新城志さん)

競技で観るチャタンとは似て異なります。

よく観ると古流ともどこか違いが。

至るところで逆腰の使いどころが出てきます。

一瞬のスピード、キレ味が鋭くパワーも伝わってきます。

 

 

5・「チャタンヤラクーサンクー」解説・指導

清水選手と新城 志さんが並んで形を打ち、挙動ごとに新城 孝弘先生が指導。

競技で観るチャタンとの違いを記してみます。

 

(第7挙動)

突いた後、素早く小手受けに入りますが、肘で相手の攻撃を受けます。

伸ばした腕の肘を畳みそのまま受けに転じています。

 

(第17挙動)

手刀受けで3回前進したあと両手を翻して諸手突きしますが、両拳を引かず突いています。

これは相手に正中線を晒さないため。

晒した時点で相手に攻撃される。

要するに一手遅れるからです。

回し受けの要領で入っています。

 

余談ですが、四股立ちに入る時の腰の切り方を指導されています。

腰を使わない状態で四股立ちに入っても力が伝わらない。

(四股立ちとなり横肘当ての挙動です)

ここでも逆腰を挟んでいます。

肘で当てる意識ではなく腰で体当たりする感じ。

 

(第21挙動)

髷隠しの構えからガマクの抜きで中段前蹴りを蹴って戻して、フワッとジャンプします。

ジャンプの際、助走してはダメ。

 

 

ほとんどの手技に小さくて素早い逆腰が入ります。

ゆっくりと大きな切り返しで腰の使い方を馴染ませ、稽古を繰り返しどんどん小さくしていく方法がベストかと。

後半良く知るチャタンとはまるで違い覚えるのはパスですが、ガマクの抜きと逆腰に関して、学ぶことが多いDVDと言えます。

形が好きな人、競技空手でもうワンランク高みを目指したい人は、一度観ておいた方が良いんじゃないかな。

(新城 志さんの打つ形、えげつないです)

 

4方向に猫足立ち手刀受けをする挙動がありますが、方向転換時のスピードの上げ方。

ここは、いろいろな形で方向転換しますが応用が利きます。

膝の抜き(脱力)を使って、移動足を放り投げるイメージかな。

多いに参考になります。

 

 

6・新城 孝弘先生インタビュー

 

Q1・多くの流派を経験したことが指導に活かされていることについて

A1・過去に首里手系・那覇手系・泊手系と学んできたことで、生徒の特長に応じた形をセレクト出来る。

ひとつの組織にしか属していないとそれが出来ない。(流派によって形の種類も限られているし選択肢が少ないケースがある)

剛柔流や松濤館流空手を学んだことが、指導に活きている。

組織化され過ぎていて、ひとつの組織に属しているとメンツが邪魔をして他の道場に稽古出来なくなっていて、技術が伸びない。

(生徒にあった形を選んで指導してあげる事がしにくくなっている)

 

Q2・競技で勝つ秘訣は?

A2・意識高く稽古することを認識させること。

指導者が決して無理強いすることなく、道場の基本稽古を自分でさせる。

考えて自ら主体性を持ってやるものだよと教えること。

(指示待ちの生徒を作らない)

上手くできない時は聞きに来なさいのスタンスを取っている。

自由に考え自分でさせている。

 

Q3・沖縄と本土の稽古体系の違いについて

A3・本土の空手は軍隊式で一斉稽古。(体育の授業のような感じ)

沖縄空手は集団稽古は少なく、基本的には個人稽古が大半。

道場での全体稽古は、せいぜい10分程度で後は個人稽古です。

レベルの高い人、中くらいの人、入ったばかりの人が同じ稽古をしても、

レベルの高い人は伸びない。

下の人はついていけない。

中くらいの人は右往左往する。

個々のレベルに合わせた稽古体系を取っている。

沖縄は競技を目指している道場よりも『空手道』を追求している道場の方が多い。

全体稽古は取らず、生徒にあったカリキュラムを組んでいる。

沖縄は競技を追求していないので、自分の都合にあった時間で好きな空手を嗜むというスタンスです。

あくまでも自己鍛錬がメインの生涯空手です。

 

Q4・日本の形選手が世界で勝ち続けるために必要なことは?

A4・観たところ、腕力に頼っているように感じます。

ロボットのような動きをする選手もいる。

形には空手の動き。身体操作が必要だと思います。

肩を怒らせて、しかめっ面で形を打っていては、観ている側の肩がこる。

もっと脱力して、技の意味を認識した上で身体を使った方が良い。

そういう稽古を取り入れた方が良いんじゃないかな。

 

(さいごに)

今日稽古した身体使いをヒントにすれば、もっとスムーズに全パワーが出せるようになります。

この学びを競技空手に組み合わせることが出来れば、1ランクも2ランクもより進化します。

 

 

決して簡単ではないテクニックですが、知らないよりは知っている方が良いに決まってます。

 

逆腰の練習は、大きな回転から始めどんどん小さくしていくことが出来れば、競技力が増すと思います。

細かなテクニックに加え、尋常じゃないスピードとパワーです。

全国大会クラスで入賞者を続出しているのも頷けます。

頷けますが、競技志向じゃないところがまた面白いですね。

2024-05-10 11:03:00

古川 哲也の形強化セミナー バランス・スピード・タイミングを極める! 5/5

こんにちは!

 

古川セーサンセミナー.jpeg 古川セーサンセミナー (2).jpeg 古川セーサンセミナー (3).jpeg

 

セミナーラストです。

中身が充実し過ぎていて、3本で纏めるつもりでしたが5本に変更しました。

それでも1本のブログを上げるのに2時間近くかかっています。

集中しながら観ては実際に身体を動かして、かちかちタイピングの繰り返し。

自宅では自由な時間はDVD観てはブログばかり書いてるかな。

 

上手く指導するコツ、稽古時に注意するポイントなんかを学び、道場での稽古に活かしています。

観たことを自分で文字に書き記すことでより理解度も深まるし、ブログを時々読み返し指導にブレが生じないように心がけています。(めったにしないが)

 

このブログにたどり着いてくれた、誰かのお役に立てていればそれは幸いなことです。

 

 

5・強化練習と先生からのアドバイス

6・Q&A集

 

 

強化練習と先生からのアドバイス

セミナー最後は、形名・気合も全力でスーパーリンペイを10回打つことに。

100名はいるのでしょうか、グルグル回りながらピンポイントでアドバイスする様子が収められていますが、途中やめが入りました。

古川先生が現役の頃の練習方法は、最後四股立ちになり狐受けで締めくくり、またそのまま2本目・3本目に連続して打っていたようです。

つまり10本打つ場合、礼は最初の1回目と最後の10回目の打ち終わり。

 

走ったり、トレーニングやったり、基本やったりの中で体力をつけることもありますが、

連続で打つことで形の中での緩急・力の抜き差しを身体に染み込ませたと仰っていました。

また10本やって終わりではなく、ひと呼吸置いて本番さながらの1本を全力で打っていたようです。

そうすると、結構良い形が打てたようです。

 

普段練習では今回のセミナーのようにパーツの練習をします。

それは上手くできるはず。

なぜならば、リラックスしてその挙動に注意を払えるから。

 

試合ではパーツの練習とは違い、入場から始まり構えから始まります。

この時点で全然違いますので、形に力みが出たり本来の力が発揮出来ません。

だからこそ、この10本連続で打つような『通し』の練習も必要だと説明されています。

 

『パーツの練習』(部分練習のことね)と同じくらい連続で休まず打つ『通し』の練習も同じくらいやるようにとアドバイスがありました。

ほんで最後の仕上げに全力で集中した1本。

 

試合が近づいてきた時の練習方法は形全体の流れの中で、どうパチンと極めれるかに焦点を当て繰り返し練習をされていたようです。

 

パーツの練習

通しの練習

ポイントの確認

3つの練習で形を磨くんですね。

 

 

Q&A集】

Q1・どうすればキレが上がりますか

A1・今いる場所から次行く場所に移る時、モッサリ出ちゃダメ。完全静止した状態からの動き出しの速さ(初速と呼ばれています)を上げることと、

ゴール地点に到達した時にビヨーーンとならないこと。ビヨーーンでは速いけどキレがない。

初速が速くてパッと止まる状態をキレがあると表現されています。

 

Q2・クルルンファ第1挙動の猫足立ちの入る際、軸足はつま先始動ですかコツを教えてください

A2・自然と滑らかに踵からスッと入るようにしましょう

 

Q3・セーパイ第4挙動の後屈立ちでの右手の位置はどこですか

A3・右膝の上に右肘を持ってきます

 

Q4・スーパーリンペイ第17挙動の中段横受けから手を返す動作を教えてください

A4・手首で受けたまま、肘をスッと下げると相手の手を離さず掴めます

 

Q5・クルルンファ第15挙動の掌底当てを詳しく教えてください

A5・右足の一つ分外側を右手で掬い受けと同時に左腰を切り左掌底当てし、反対も同様に行います

 

Q6・クルルンファ第15挙動の掌底当てする際に前腕中程に当てますが前腕とはどこですか

A6・前腕とは手首から肘までを指しますので、狙う位置は手首と肘の真ん中まで(半分よりも短くなっちゃダメ 指定形なので注意してください)

 

古川先生のDVD2本所有しますが、一番繰り返し観てると思います。

説明の分かり易さ、テクニック面どちらも抜群です。

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