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新城孝弘 泊手形教範 第1巻
こんにちは!
久々の形教範シリーズです。
今回は以前から気になっていた沖縄空手。
清水那月選手が沖縄の新城先生の道場を訪問し、スーパーリンペイとチャタンヤラクーサンクーを指導を受けるDVDがあります。
その中で初めて知ったのが「ガマク」という身体操作でした。
ガマクの「抜き」と「締め」
これを意識する前と後で、これほどまでに形のキレやパワーが変わるのかと、当時かなり驚いたことを覚えています。
それ以来、新城先生の泊手教範にも興味を持つようになりました。
とはいえ糸東流の形を覚えていくだけでも、もう十分すぎるほど種類が多い。
泊手の形まで覚えようと思うと、なかなかハードルが高い。
そんな中で目に留まったのが、
「新城孝弘が考えるガマク」
という内容でした。
形そのものをすべて覚えられなくても、身体の使い方なら道場での稽古に活かせるはず。
そう考えて、自分自身の勉強も兼ねて、ちょうど1年前に購入しました。
沖縄空手は、やっぱり深い。
・ガマクの抜きが無ければ「よっこいしょ」の動きになり床の反動で移動してしまう。
・軸は真っ直ぐに保ち、身体は螺旋状に動かす
・「抜き」とは抜くこと「脱力」とは抜いた状態のこと
・膝 → ガマク → 肩甲骨を通して肩を回す
・脱力からの移動にはナイハンチ(形)でガマクの抜きを練習し、それがワンシューに繋がり、アーナンクー・セイサンを覚えていく
・ガマクを突っ張って床を蹴らずスッと入る練習をする
・ガマクを抜いた状態だけで無くインパクトの瞬間の締め(臀部・ガマク・チンクチ)
・推進力を使うにはガマクの抜き
・(イメージとして)身体の中のネジを締めパッと手を離すと弾ける感じ
・身体の中で螺旋を作り、それを逆回転させる感じ
・中心軸を締めたり緩めたり離したりのイメージで練習する
・泊手の特徴は腰が半腰にならず全身を使う
・突く(受ける)時は突き(受け)側の逆腰を入れる
・ガマクの抜きと締めを一瞬で螺旋状に極める
一度観ただけでは理解できないことも多く、今でも「ちょっと身体の使い方が分からなくなってきたな」と感じた時に、ふと観返しています。
そして面白いのが、改めて見返すたびに新しい発見があること。
道場で生徒たちに説明していることも、表現や例え方は違えど、決して間違った方向ではなかったんだなと確認できることもあります。
”生涯学習”
まだまだ学ぶことばかり。
空手道形教範 基本形 Vol.2 基本形三(松涛館) 基本形四(和道)編
こんにちは!
基本形教範のDVD。
これで発売されている全6本揃いました。
基本形2本
第一指定形2本
第二指定形2本
指定形の時もそうでしたが、他流派の購入はどうしても後回しになりがちでした。
松涛館流の平安初段は糸東流の平安二段と同じ。
松涛館では一番始めに学ぶ形ですので、「初段」と呼んでいるそう。
練習ではチカラの強弱、身体の伸縮、技の緩急を意識するとのこと。
ひと通り拝見し糸東流との違いはこんな感じでした。
松涛館流では気合いを発する挙動まで定められています。
前屈立ちはやや深く、膝頭が親指付け根程度まで曲げています。
軸足の締めは逆に緩い感じで45度程度かと。
下段払いに入る準備の構えは拳は肩口の上。
糸東では肩の高さまでです。
受けの姿勢も半身、移動足の踏み込みのタイミングで手技を合わせますので「ドン!」と大きな音が上がります。
松涛館の形はチカラ強いと呼ばれる理由はここにあるかと。
続いて和道流。
和道技法とは相手の攻撃にチカラで対抗することなく、身体で捌くと同時に相手のチカラを利用して攻撃に転ずることに特徴があります。
和道流が、防御即攻撃と呼ばれる所以はここにあります。
この技法を習得するためには、ひとつの挙動に移る時にその動作を一体をなす繋ぎと言える「連絡動作」、ながら動作から余分な動作を省かなくてはいけません。
和道流を学ぶ時は、最短距離で適格な動作をピンアンの形で学ぶことが大切です。
形の審判資格を取得するには、四大流派の形を学ばなければいけません。
審判資格を目指す時、このDVDが大いに役に立つことでしょう。
劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 4/4
こんにちは!
収録時間3時間弱。
劉衛流セミナーいよいよラスト。
なんとも豪華なセミナーです。
セーパイ・クルルンファ・スーパーリンペイ・アーナン・パイクー・ヘイクーを超トップどころに直々に教えて頂けるなんて。
こんなにも内容盛りだくさんなセミナーが関西で開催されるんであれば是が非でも参加します。
11・喜友名 諒先生によるヘイクー
12・金城 新先生によるパイクー
13・喜友名 諒先生によるアーナン
14・総括・終わりの挨拶
【喜友名 諒先生によるヘイクー】
基立ちは前膝を若干内に入れ、つま先の向きも軸足と同方向に向け腰を締めます。
セミナーは分かりやすくて良いですね。
文字化する作業の中で理解が更に深まります。
基立ちからの2連突きは、上段下段ともに正中線を狙うこと。
突き・引き手・軸足のタイミングを合わせる事は道場でも口を酸っぱくして指導していましたが、喜友名先生の場合、さらに腰の締め。
ここも意識付けされていました。
”手” だけじゃなく ”足” でタイミングを合わす。
ここで腰が高いと浮いて見えますので、「下」にです。
喜友名先生が生徒の正面に立ち、帯の先端を握ります。
2連突きしたタイミングで帯をムチのように打ちタイミングと腰を締める意識を持たせていました。
この指導方法、取り入れたいな。
第1挙動、上下の連突きをひたすら繰り返し稽古されています。
前に出た時の腰の締め具合を伝授されています。
この挙動を3回繰り返した後の、右方向に四股立ちとなり突きを入れる場面です。
右基立ちで立ち前足の捻りを強く取り、瞬時に移動足で壁を作ります。
何気なく行っていた挙動ですが、やはりセミナーの良いところは強さとスピードの上げ方。
もっと言えば腰のキレを使って、もう一段上のテクニックに昇華させる方法を学べます。
ヘイクーを試合で打つかって言ったらまず選択しないと思いますが、このようなテクニックはいろんな形の場面場面で応用を効かすことが出来ます。
基立ちから90度方向転換して四股立ちする形はヘイクーくらいしか思いつきませんが、意識すべきポイントは掴むことが出来ました。
”第5,6挙動”
ヘイクーの中で私が最も苦手とする挙動です。
左四股立ち / 左下段払い
↓
左基立ち / 左上段受け + 右中段突き
↓
左基立ち / 左上段突き + 右引き手
糸東流の上段揚げ受けとは異なり、どちらかといえば和道流の中段横受けに近い感じで拳と肘が縦一直線にして受ける独特のカタチ。
これにてこずったしリズミカルに上段受けした手で突きに変化させます。
これを4拍子で繰り返し指導されています。
新たな学びは四股立ちに入る瞬間、寄せ足するとのこと。
バッサイ大の四股立ち突きと同じ要領でした。
四股立ちと基立ちの連続移動を軸をブラさずに行いますが、体育館のラインテープを上手く使って指導されていました。
私が苦手とする理由に受け即攻撃の形に打ち慣れていない事に加え、四股立ちと基立ちを左右の足で連続で2回ずつ行うところ。
それこそ何度も繰り返すうちに段々挙動が滑らかになってきましたが、このセミナーでは腰の締めが普通に加わります。
”第7挙動”
相手の攻撃流し受けて、さらに引き込みながら肘当てを行うタイミングでまたもや腰を強く捻り四股立ちを取ります。
これも何となく四股立ちになりながら腕を引き込むイメージで打っていましたが、どうにも迫力が出せずにいた挙動でした。
これも共通する身体の使い方。
四股立ちって足を大きく広げて腰を落とすイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、これではただの四股立ちです。
腰の捻りが加わるだけで、ここまで技が変わるのかといった感じに仕上がって見えます。
大きな気づきです。
”第8、9、10挙動”
四股立ちで肘当てをした後、正面に一本足で立ちあがりますが、ここもただ立つだけではありませんでした。
右足(軸足)をスッと前に出し相手に圧をかけ立ち上がります。
圧をかけ立ち上がり、圧をかけたまま前方に移動し瞬時に右方向から向かって来た敵の顔面を鷲掴みにして、中段上げ突きと前蹴り・掌底突きの波状攻撃です。
ここまでお読みになられたらもうお分かりだと思いますが大事なのは手技よりも立ち方。
全て腰を入れて締めています。
腰が入っていないと技がペラく説得力に欠けます。
技に重みがないと競技でも評価されないことでしょう。
圧のかけ方と立ち方を緩急をつけながら表現されています。
緩急を取り入れると形に深みが増しますね。
これを左右に行いますが、回る時も溜めを使って沈みながら(喜友名先生は用心深くと表現されています)シャープに。
おっと目付は、掌底当てした敵をにらみつけながら、一気に転身です。
”第11挙動”
セーパイで出てきます弁足立ち。
パワーを出すコツを指導されています。
左基立ちから左足を正面に動かし素早く右足を引きつけます。
ポイントは右足の引きつけの速さとともに左足のプレスの強さ。
プレスが強いと立ち方が極まるとのこと。
これもただ何となくやってた挙動でした。
この後の挙動は合わせ突きや、足払い等が出て最後は『仁王立ち』
この一連の攻防、ヘイクーの中でも手こずった覚えがあります。
覚えるのに時間かかったな。
”第14、15,16挙動”
ここも苦手だった挙動です。
『暗夜の位』から立ち上がり、右前蹴りと右上段受けを同時に行います。
引き足とともに、両拳引き手を取り合わせ突き。
次に左掛け受けしてエンピ当て。
この時の運足がどうにも苦労しました。
ここをDVDではゆっくり丁寧に収録されていましたので大助かりでした。
動かす足は
右(合わせ突き)
左(掛け手受け)
右(エンピ当て)
の順でした。
謎が解けましたので暫く練習してました。
エンピ当ての後、両足とも少し下がりながら右上段突きを入れますが、腰の切り替えしを使う事で肘のスナップが生み出されます。
そのスナップを利用して右上段突きを入れるといったテクニックを紹介されています。
エンピ当てした方の手で突きを入れますが、ここも苦労した覚えがあります。
セミナーDVDは技量と理解力が上がり大変助かりますね。
【金城 新先生によるパイクー】
昔、アーナン以上に打ち込んでいたパイクー。
劉衛流の形の中でも特に好きな形です。
セミナーでは、劉衛流独特の構えから。
”オーバーアクションせずシンプル” に。
どのセミナー観ても佐久本先生の教えを皆さん守られています。
海外の選手が劉衛流の形を打つシーンを良くみかけますが、残念ながら違いますね。
”第1、2,3,4,5挙動”
一足二拳の間合いですが分解では、正中線をズラして攻撃しています。
この連突き、手だけで突く人が多いようですが下半身のパワーを使うこと。
例えば左足前の基立ちでしたら、右腰を切るといった具合です。
腰の入っていない立ち方を "ぶっきら棒” と表現されています。
一つひとつの立ち方がチカラ強いのは腰の締めが極まってるから。
無意識に流しているとペラペラの形になるので要注意です。
四股立ち突きの挙動で「竹とんぼ」を飛ばす感じと表現されています。
なるほどっ!
あまりしっくりいかず、極まらないなと思っていたのですがコツをレクチャーされています。
腰を切る感覚を頭で理解出来ました。
”第6挙動”
四股立ち突きのあと相手の顔面目掛けて裏打ちしますが、打つ位置は鼻と唇の間の人中という急所とのこと。
”第7挙動”
後方に向きを変えますが、これまでの形で習った方向転換を用います。
「下半身を沈ませ」
「前方に目付を残し」
「コマの回転のように」
素早く回ります。
回る時も右手リードで左手は下から持っていきながら。
”第8,9挙動”
左右に四股立ちとなり上段流し受けからの連突きをしていますが、
糸東流の上段揚げ受けとは異なり肘を支点に開手で縦一直線です。
「受けるや否や」攻撃に転じます。
”第11挙動”
前屈立ちを取り右エンピ当ての挙動ですが、真身では相手に届きませんので半身を深く取り相手の鳩尾を狙います。
半身でエンピ当てした後、素早く真身に戻り両手鶏口拳を取ります。
糸東流でいうニーパイポの一本拳と同様です。
親指でしっかり人差し指をロックさせ握りますね。
ここから相手の脇腹を抜いています。
決して直線的に入らず、やや両肘を曲げ脇腹を狙うことが重要です。
体幹ボールをお腹で包み込むイメージと表現されています。
”第12、13挙動”
鶏口拳で相手に攻撃を加え後方の敵に目付を行いますが、倒した敵が立ち上がって来ないかしっかり睨みつけ「山かげの構え」を取ります。
静と動で動きにメリハリをつけるとのこと。
四股立ちとなり、右手は頭上の高さ左手の甲越しに相手を睨みつけて構えます。
パイクー以外では観た事の無い独特の構えです。
山かげの構えから腕を取り、右手半打拳で相手の眉間を思いっきりぶん殴ります。
この時の足の踏みかえがなかなか難しく苦労した覚えがあります。
中段と下段への連続開手受け。
これを一足二拳の間合いで右足・左足の順に運びます。
”第14、15挙動”
「暗夜の位」
膝をつけずしゃがみ拳2つ分のスペースを作ること。
立ち上がると同時に上段揚げ受けと正面蹴りしますが、ここで違いを見せる方法を説明されています。
右足で蹴る瞬間に身体を左に捻じり、蹴り足の着地とともに連突きを今度は右に締め直します。
連突きの後、下段払い受けに入りますが前述の「竹とんぼ」の要領で四股立ち下段払いにキレを加えています。
この四股立ち下段払いはセイエンチンで活かせるテクニックです。
これは新たな学びでした。
”第16、17挙動
正面蹴りと下段払いを攻防一体で行い、またもや鶏口拳が出てきます。
鶏口拳に入る直前に下段払いを挟みますが首里手のような直線的な技の入りではなく、那覇手特有の円運動を使った入り方を意識するとのこと。
蛇がうねうねと歩くような軌道で突く「蛇行突き」
蛇行突きの相手の肋骨をえぐるように手首を起こします。
この一連の攻防はパイクーで最も苦労した挙動だったことを覚えています。
”第20挙動”
後方から襲ってきた相手に対し、真半身で手刀で払いながら蹴上げを攻防一体で行います。
右追い突きを手刀で払い、がら空きとなった右脇を蹴り上げています。
パイクーの講習を終えた後、佐久本先生のお言葉がこちら。
「形を終える時は最後まで用心深く、スーッと終わる」
「2拍子で形を終える人は空手を分かっていない」
「協応動作で下枝と上肢を一致させる」
リズム感と迫力がある打っていて楽しい形です。
【喜友名 諒先生によるアーナン】
いよいよラストです。
4回に分けて書きましたが内容が濃すぎて、とにかく時間がかかり疲れました。
5回いや6回に分けて、書き上げる方が良かったな。
見通しを誤りました。
”第1、2,3挙動”
初っ端の掌底当て、正中線をズラしながらジグザグに入ります。
劉衛流の基立ちの幅は「一足長」
一人ひとり異なりますね。
基立ちの膝の曲げ具合も糸東よりもやや深く、松涛館に近いくらい膝を折ります。
ここで大事な一言がありました。
流派によって微妙に立ち方は異なりますが「基立ちが軽いと技に説得力が無いので前足に体重を乗せ技に重みを出す」とのこと。
また、前足のつま先は軸足と同じ方向を向かせます。(外に向かず内側)
”第4,5挙動”
正面蹴りと貫手を同時に行いますが、貫手が疎かになりがちとのこと。
しっかり相手の肋骨を捉えるようにチカラ強くです。
”第9,10、11,12挙動”
中段と下段の開手受けを行いますが動きを区切らず流れるように受けから蹴りを繋げます。
上段掌底当ての後も流れを切らず横に体を向けます。
この一連のキレ・メリハリはさすがです。
何度もこの挙動のお手本を披露してくれていますが、パワー溢れる動きにジワーっと滑らかに体を入れ替える動きを観ているとしびれてしまいます。
言葉では言い表しにくい部分ですが、とにかく味が有って私好み。
尋常じゃない腰のキレ、骨が砕け散るんじゃないかと思うくらいパワー、それでいて緩急も兼ね揃えています。
”第16,17,18挙動”
両手一本拳から、
①中段肘当て
②中段手刀打ち
③上段裏打ち
と連続攻撃に入りますが、スピードに捉われ過ぎて技を雑に誤魔化しがちとのこと。
一つひとつの技を肘のスナップを効かせてしっかり出すようにとアドバイスです。
ここでの立ち方は、
基立ち → 四股立ち → 基立ち
ヘイクーでの指導と同じく、軸足側の腰を思いっきり捻ること、移動足側の逆腰です。
ホントに細かいところですが、この細かい部分をひたすら磨き上げることで、人との違いを生み出します。
どこを強化するかが分かった。
分かったら試す。
それを生徒に理解させる。
何度も意識して稽古し完成度を高める。
道場稽古がこのレベルにまで達するとホントに楽しくなると思う。
生徒一人ひとりが、コツコツと勘所を部分稽古で磨き上げ、それを生徒同士でシェアし合う環境。
そんな道場が理想です。
”第22挙動”
アーナン最大の魅せ所。
鷲掴みで引きずりこんでからの下段蹴り、肘当て、下段手刀打ちの攻防。
ヨーロッパの選手にありがちなのは、腕力に頼った技。
そうではなくて、ここでも逆腰でした。
あまりにも腰のキレが素早過ぎて、何をどう動かしてるのか残念ながら理解出来ませんでした。
一番苦手なところだったので悔しい、、
逆腰入れることで、コンパクトに強く速く技を出せるとのこと。
喜友名先生も苦手と仰ってました。
今年はアーナンをもっとシャープに打てるようになりたいな。
ホントに好きな形です。
【総括・終わりの挨拶】
佐久本先生のお言葉です。
・空手はムダな動きをしない、これは鉄則です。
例えばどんなことかと言えば相手と対峙した時、自分の拳を少しでも引き力を込めようとしたら相手は直ぐ感じ取ります。
形を打つ時も同じで肩で呼吸するような動きはしてはいけません。
相手に次の動きを読ましてはいけません。
中段横受けした時に、肘はお腹から拳一つ分空けます。これを『いっきょけん』と言います。
セーパイで説明すると、
下段払いから横受け、横受けから掛け手に移行する際、肘を支点に技に入ります。
この時に肘が動くことを「オーバーモーション」と定義されています。
理由は至ってシンプルで、相手の攻撃は自分の身体の中(ストライクゾーン)です。
ストライクゾーンから外れたところに腕が動いていては相手の攻撃を防いだり、捕まえたりすることが出来ないからです。
理にかなっていない動きです。
また相手が正中線を攻撃してきた場合、中段横受けで受け腰を入れることで相手の腕を枠(ストライクゾーン)の外へ外すことが出来ると説明されています。
ここでの腰を入れるとは、突きで説明すると逆腰を入れて突くイメージと同じに見えます。
これを受け技にも用いています。
腕の力だけでは相手の突きは受けきれませんので腰の力を伝えるようです。
「このように空手を表現してほしい」
運足もそうです。
横から三戦立ちで移動するシーンが収録されていますが、ただ三戦の立ち方で移動するだけでなく下半身から入り、しっかり締めること。
道場で取り入れているお尻歩きと同じ。歩くごとに左右の腰を切り返されています。
「空手は深み・美しさを美意識を持ち、武道の本質から外れないように表現してください」
流派を守るのはそれぞれの流派で守れば良い。
競技の世界(WKF)に行き自分の世界(自流派)から外れたら、自分たちの流派のものでは無くなります。
皆(世界)の共有財産です。
劉衛流の形は劉衛流だけのものではありません。
だから自分の基にアーナンを習いたいと来たら私は提供します。
門下生にも学びに来たら全力で教えなさいと伝えています。
そうすることで指導を受けた人がまたそれぞれの道場に持ち帰り広めてくれます。
私はスポーツ空手を教えず伝統空手を教えます。
皆さんの手でそれを磨き進化させてほしいなと思います。
それにしても学びが多い。
自分自身もっともっとレベルアップしたいし指導の引き出しを増やし、生徒を成長させてあげたいと強く想います。
劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 3/4
こんにちは!
豪華講師陣による劉衛流セミナー3本目です。
競技で活かせるテクニックが満載。
流派は異なりますが、応用出来る身体の使い方も多く学びの多いセミナーDVDです。
ここでの学びを生徒に還元させたいと思います。
インプットとアウトプットの繰り返し。
08・清水 由佳先生によるクルルンファ
09・上村 拓也先生によるスーパーリンペイ
10・特別演武
【清水 由佳先生によるクルルンファ】
全日本で形試合の解説でよく見かける清水先生ですが、剛柔流の形の中で個人的に好きなクルルンファのセミナーでした。
受講者は中低学年が多く説明の仕方なんか小さな子が分かるようにかみ砕いています。
溜めて溜めて軸で回る回転の仕方なんて、遊びを交えながら要点をしっかり押さえられたもの。
手慣れた感じです。
これも教範記載の挙動順に沿って説明してみます。
第4挙動
掬い受けと押え受けを前進しながら3回繰り返すところです。
半後屈立ちとなり、掬い受けを下段払い受けに切り替えしますが、高校生ともなると筋力がついているので勢いがつき過ぎて頭がブレてしまうとのこと。
修正方法はこうでした。
①掬い受け(三戦立ち) → 下段払い受け(半後屈立ち):腰の勢いだけを使い、肩に力は入れず、円運動で真下に落とす
②下段払い受け(半後屈立ち) → 掬い受け(三戦立ち):跳ね上げる締めと腰の切り替えしでピタっと止まる(ムズい)
一言で表すと『鼠径部のエネルギーを持って極める』でした。
第7挙動
正面蹴りから四股立ちとなり肘当ての挙動ですが45度に踵が揃ってなければいけません。
右足:真横
左足:真後ろ
両踵の先にお尻を乗せる
平安二段で演武線を説明するのに苦労していました。
第10挙動
天地の構えから回し受けに入るところです。
スーパーリンペイにも出てくる、回し受けなかなか難しい技ですね。
美しい見せ方は、息を大きく吸い込むことで両手を深く引き込め、大きく息を吐くことで脇を締め相手を押し出します。
(吐くと脇が締まる)
第11挙動
向きを東方向に変え三戦立ちとなり左掛け受けする挙動ですが、ここでの入り方が独特でした。
見せ方としては、左手だけで受けるのでなく右手で素早く流し受けを入れダブルで受けること。
この挙動を反対方向(西)にも繰り返しますが、次の使い方を覚えればスーパーリンペイやアーナンが上手になるとのこと。
左三戦立ちから右足を跨いでクルりと向きを変えますが、跨いだ状態では身体は東を向いたまま。
東を向いたまま軸を動かさず高速でターンします。
溜めて溜めて軸を使って回ること。
頭がブレてしまうと軸に乗っていません。
重要なポイントは腰をどれだけ「溜めれるか」
溜める = 沈む
溜めてるのに腰が緩いと半身の状態となり、回転量が足りず物足りない形になってしまうそうです。
ここまででも上達する要素が盛りだくさんで私は大変勉強になっています。
【上村 拓也先生によるスーパーリンペイ】
セーパイ・クルルンファと比べ、中高生の参加率が高いスーパーリンペイ。
受講生も見たところ30名以上でしょうか。
大人気です。
この形の重要部分、回転動作についてとても丁寧な説明とともに何度も何度も繰り返し部分練習するシーンが収録されています。
アーナンでもクルルンファでも指導されていた『溜めを作って回る』
軸をブラさずにしっかり溜めを作ることはどの指導者にも共通しているポイントです。
理解しやすいように、コマで例えられています。
「勢いよくコマを回そうとすれば、一度反対方向に捻るよね?」
「そのイメージで溜めて、溜めて勢いをつけよう」
「溜めは最後の最後に一気に放出する」
「東西南北全てに共通し、腕の力(回し受け)で回らないこと」
「合わせ突きなんかでも共通するので理解出来れば上手くなります」
「回転しきった後回し受けを極めるが、グッと腰を落とし技に重みを加える」
「腕の力で回るのは小学生までにして、しっかり足の筋力を使って回れるように」
余談ですが「足の力を使って」は最初に、突いた手を引き中段横受けに入る挙動がありますが、ここにも共通します。
腕力で横受けに入らず、しっかり下半身を沈めて床からのパワーを腕に伝達させ技に入るとのこと。
私はそのまま横受けに入っていましたが、これでは技に重みが出ません。
ペラい受け方していては、見ている人に相手の攻撃をしっかり受けているように見せることは出来ませんね。
「しっかり受けれている」と見ている人に伝わるようにするには腰が入ってなくてはいけないということだと思います。
もちろん突きも腰を沈めて突きますよ。
(手突きにならない、手受けにならない)
・四股立ちに移行する挙動では、手技はもっさり動かさず四隅をにらみつけ素早く動かし雰囲気を出すこと。
・一本拳で突いたら反対の手で捕まえて金的打ち
(この捕まえての表現がポイントで、パーに開いた手をグーに変え金的打ちとのこと)
1度目の気合いのあとに、四股立ち押え受けの挙動に入ります。そのあとに後方に向きを変え5歩移動しますがポイントが隠されていました。
海外の選手は三戦立ちで移動するとのことですが上村選手の表現は「一度沈み腰を使って締めなおす」
この味わいは日本人特有の感覚だとのこと。
上手く言葉で表すのは難しいですが、上村選手のは逆腰使ってる感じでしょうか。
簡単ではありません。
腰の動きが滑らかでないとロボットみたいな動きになりますね。
【特別演武】
喜友名先生・金城先生・上村先生の他、当日指導に加わられた4名の計7名で演武を佐久本先生の号令の基、披露されています。
1・セーパイ
2・アーナン
当たり前ですが息ぴったり。
3・アーナン分解
この後、2016年オーストリアで行われた世界空手道選手権大会 男子団体形優勝の分解に続きます。
一気に目まぐるしく技術が交錯する分解です。
鎖骨への貫手や金的等の一撃必殺禁じ手を多分に含む3人のアーナン。
華やかな空手とはほど遠い、どこか沖縄空手の武術性を感じさせます。
また7名に戻り、佐久本先生の号令による演武が続きます。
パイクーは岩本選手も合流されていました。
4・ヘイクー
5・パイクー
6・パーチュー
佐久本先生のコメントでは、劉衛流では、ニーセーシー・サンセール・セーサン・パーチュー・ヘイクー・パイクー・アーナン・アーナン大・オーハン・パイホーの順に学んでいくとのこと。
オーハンは先日の世界大会で喜友名選手が本邦初公開しましたが、たかだか4,5年でものに出来るものではないのでもっともっと熟成させなければいけないと仰っていました。
日本語では黒虎と書いてヘイクー、白虎と書いてパイクーと呼びますが中国語だそうです。
巴球と書きパーチューと呼ぶ形。
この形が凄く好きで昔よく練習していました。
まろやかに角張らずに動かないといけないそうです。
これも岩本選手を含めた8名で模範演武されています。
剛柔流と劉衛流の形を一度にいくつも学べ、超一流の形も観ることが出来るセミナー。
私も参加したいです。
劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 2/4
こんにちは!
”空手道形のテクニックを学び競技力の向上を図る”
大会に出場しより上位入賞を目指す選手にとって学びを怠れば勝てるはずがありませんね。
正しい基本の中に競技のエッセンスを色付けするといったところでしょうか。
生徒の成績を少しでも上げ頑張って良かったと思ってもらえるように勉強を続けています。
05・佐久本 嗣男先生による指導(アーナン・スーパーリンペイ解説)
06・お手本演武とポイント
07・豊見城 あずさ先生によるセーパイ
【佐久本 嗣男先生による指導(アーナン・スーパーリンペイ解説)】
・武道の本質とはムダな動きをしないこと
・ストライクゾーン(身体の枠の範囲)を守る
・アーナン
最初の掌底の構え。
これは相手との間合いを図っています。
正中線を外してジグザグに動いています。
次の貫きと蹴りは一拍子で。
後方に向きを変え今度は受けと蹴り、正中線を守りながらです。
相手を引き込む技が途中出てきますが、左足の鼠径部に体重を乗せ力を加えます。
鶴頭受けはジグザグに受け、前屈立ちとなり金的を握り潰し、喉仏を鷲掴みしています。
・スーパーリンペイ
諸手中段受けから引き手を取り突きに入る際丹田を持ち上げ、突き終わりに横受けに入る際、瞬間腰を少し落とし力強さを出す。
これは相手を掴んで引っ張る際、腕力だけでは相手を動かすことは容易ではありませんが、腰を落とし引き込めば相手を動かせるため。
動きには意味があると仰られています。
東西南北に回し受けをする挙動では、ためを作り素早く回った瞬間に回し受け。
開手横受けから貫手の挙動は、腰で受けて腰で貫きます。
中盤に出てくる四股立ちの挙動は、剛柔流のスーパーリンペイです。
相手を引きずり込む挙動ですので片手はパーで掴みを表現し金的打ち。
ここの挙動は手首のスナップを持たせます。
セーパイでも通じるところです。
【お手本演武とポイント】
喜友名先生の模範演武 スーパーリンペイです。
演武の最中、佐久本先生がポイントを説明されています。
・軸が動かない
・丹田の持ち上げ
・受けの瞬間の腰を落とすところ
・回し受けのタイミング
・自然な息吹
・肩にチカラを入れない
・締める時はお尻を締める(少し締めてますよというところをアクセントをつけよう)
・(四股立ち挙動)受けながら金的打ち
・一瞬パーで掴むところをグーグーでやったら間違い
佐久本先生の指導のとおりです。
形を打ち終えたあと説明に入ります。
競技の中で気合いの発生は『エイーっ!』ではありません。
『エイっ!!』です。
また劉衛流の伝統的な形と競技で打つ形に違いはあってはいけませんが、リズムだけ異なります。
前方に3回移動する挙動で説明されていますが、同じリズムでタン・タン・タンと入るところをタン・タタンです。
審判に仮想の敵との攻防を表現するためにリズムを変えています。
あくまでもこれは競技空手です。
上村先生の模範演武です。
とても重みがあり力強さが存分に伝わるセーパイです。
劉衛流の立ち方ですと四股立ちは深さが糸東とは異なり更に深いです。
力の抜き差しが丹田の締めと脱力によって、体表現でもの凄く伝わってきます。
圧巻です。
佐久本先生の指導です。
第7挙動の弾指打ちは手首のスナップを使うこと
また弾指打ちのあと三戦立ちで寄り足しますがリズムを切らさないこと。
手技は押え受けと支え上げ受けを同時に行いますが審判の先生に仮想の敵との攻防が伝わるように見せなければいけません。
『指導者がいくつ引き出しを持ってくるかです』と指導されています。指導者次第で子供達の形は変わってきますとも。
競技空手は教範のとおり演武していてはダメだってことだと思います。
リズムに乗って繋げる、極めるといった見せる要素これを指導者が導いてあげないといけません。
他にも個人的にはセーパイ最大の見せ所、弁足立ちから回転する挙動(第12挙動から13挙動にかけて)は弁足立ちでしっかり飛び越えたあと、しっかりと止まらないといけませんが上足底を使い回転を加え、掛け受けしますが上肢と下枝は一致させなければいけません。
勢いよく回ると身体が流されそうなものですが、不要な力みも無く自然で流れるような動きで見事です。
金城先生の模範演武に移ります。
クルルンファですが、最初の挙動が足刀蹴りカッコ良いですね。
目標は力を入れなくても力の入った蹴りを出せること。
軸に乗って抱え込んで当てた瞬間にチカラを入れる。
ちなみに道場の体幹トレでこの挙動を取り入れていました。
クランチの姿勢から両足を少し持ち上げ、片足は引きつけ、もう片足は蹴り込みを同時に行います。
体幹をビンビンに刺激させながら蹴りのスピードと同時に引き足の強化を取り入れていました。
自由形でクルルンファを打つのはまだ先だと思いますが、この形を打ちたい生徒がいればこの練習極めて重要です。
蹴りのスピードと引きの強さ、それと体幹の3つを同時に強化出来ます。
【豊見城 あずさ先生によるセーパイ】
ここから各形に分かれていろんなところで形の講習会。
セーパイグループは7名生徒が集まり、その中に岩本選手の姿も。
指導内容を拾ってみたいと思います。
・第2挙動:
平行三戦立ちからの合掌握りは肘で脇を締める。
そういえば私は脇が空いてるような、、
・第4挙動:
上段手刀打ちから正面蹴りを挟み四股立ちなる挙動では、手刀打ちの手を引っ張りながら四股立ちとなり、右手で回し肘当ての連続技に入ります。
引っ張る力を利用すれば回し肘当てにスピードとパワーが伝わるとのこと。
四股立ちに移行するのですが、直前前屈立ちを取ります。引き手の力を利用しながら右腰を切り四股立ちとなっています。
気づかずにやれば味も何もない、ただの四股立ちでしょうが、引き手の力の利用と腰の切り替えしを使うことでキレが生まれます。
セミナーでは、このあたりのテクニックが学べますので競技力アップに繋がる。
豊見城先生のセミナーは、アーナン編とパイクー編がリリースされていますが、コツを伝えるのがホントに上手です。
説明が分かりやすいのでDVDを止め実際に自分で動きを確認し、いつもなるほどっ!と唸っています。
・第5挙動:
後方に猫足立ちを取る際、膝を柔らかく使う。
・第8挙動:
四股立ち / 足払いの挙動では天地の構えを少しだけ更に中へ押し込み反動をつけて引き手を取る
引き手は脇を締め下突きするがコツは両拳を足の太もも部分にかすらせること。
・第11挙動:
下段払いからの猫足立ちは、前足を右軸足に寄せる。
これは知りませんでした。右足を右に移動させ猫足立ちに移行していましたが、大きく身体がブレてしまうのでしないとアドバイスされています。
・第12挙動:弁足立ちはなるべく前に大きく飛び込むこと。極めのタイミングは後ろ足(つま先立ちの方)の着地だそうです。
もうひとつセミナーならではのポイントが。つま先立ちする時足を曲げドンっ!と音を立てません、力はそのまま下にめり込ます感じで。
・第13挙動:
西方向に左三戦立ちする挙動では、右手の使い方が重要。掛け手受けの要領で正中線を守りながら(締めながら)流れるように入ると味が出てきます。
肘を空けず締めながら、立ち方とともに上肢と下枝を一致させて受けています。
この辺はセミナーならでは。ちょっとした上手い見せ方が学べます。
もうひとつ、キレイな見せ方が追加で。
北から西へ転身する際、頭の高さを変えられています。
一度沈んだ状態から螺旋階段のイメージす。
最後丹田を使って『締め』の表現も忘れずに。
①技を極めた後素早く回って、
②滑らかに螺旋階段を上り、
③上り切ったらまた滑らかに腰の締めを表現する
連続技に移ります。
後屈立ちで半打拳で下段打ちですが、右開掌から引き手を取ります。
私はここを自然と手の握りを変えていただけですが美しくまた力強く表現するには、正解ではありませんでした。
右脇に構えた開掌をほんの少し正中線に寄せ、引き手のパワーを使っています。
これはバッサイ大で拳ひとつ分の出し入れでスピードを強調するテクニックとして生徒に指導していますが、まさに同じことでした。
流派や形は違えど共通するテクニックは随所にあるということです。
ひとつ引き出しが増えた。
まだまだ、まだあります。
①(半打拳)下段打ち → ②上段裏打ち
でのテクニックです。
①下段打ちでは、ただ技を出すだけだと身体が上ずってしまいます。
下段打ちは腰を切り下に叩きつけるように出す。
腰を内側に入れることで重たい技に変化します。
②上段裏打ちでは、今度はスナップを使い腰の回転で戻す(ムズい)
これが出来ると上半身の上下動が無くなり良いと思います。とのことでした。
冒頭で佐久本先生が言っていた競技空手の見せ方、指導者の引き出しの部分に通じますね。
今回のような細かなテクニックは、知ってると知ってないとでは大きな違いがあります。
競技力を上げるには勉強は切っても切り離せません。
スピードとパワーを上げる方法を理解した上で、反復練習するしかない。
そう感じたセミナーDVDでした。
余談ですが、受講者に混ざってセーパイの指導を受ける岩本選手ですが弾指打ちの時、腰のスナップが尋常じゃないキレでした。







