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2025-03-20 15:19:00

荒賀知子のHIGH SPEED LESSON -体幹・スピード・技術のレベルアップ編- 2/2

 こんにちは!

 

荒賀知子セミナー.jpeg

 

セミナー後編は基本に沿った技術指導に突入です。

ひたすら基本を磨き上げる作業に徹しています。

荒賀 知子先生が小さな頃から、基本を大事に指導を受けていたのが十分伝わる程の拘り方です。

 

 

3・速さを手に入れる組手技術のスピードトレーニングとその意味 ・刻み・逆突き・ワンツー・スライドを使った蹴りなど

4・荒賀式の考え方と質疑応答

 

 

速さを手に入れる組手技術のスピードトレーニングとその意味 ・刻み・逆突き・ワンツー・スライドを使った蹴りなど

荒賀道場で培った練習体系。

スピードが上がった秘訣を伝授されます。

ペア相手と前足が触れ合う程度の間隔を取り、20本交互に中段突きを全速力で突いています。

道着をかすめるように寸止め。

ペア相手は前拳を相手の顔に向けておくこと。

 

荒賀先生の中段突きは自身の前拳で相手の刻み突きを払いながら入る方法を取れれています。

当然、刻みで失点をしないためですが、欠点は突きの威力が半減してしまうこと。

半減する事に捉われずスピードで補う意識で「強く」「速く」と指導されています。

突きもその場で突かず、前足を前後にフルスピードで動かしながらです。

 

同様に刻み突きも。

奥側の拳は反動で開かないこと。

なぜ奥の拳が開くとダメなのか?

例え刻み突きが抜けたとしても胸元に残しておけば追撃が出来るから。

 

刻み突きの入り方でひとつ面白い指導が。

前足を真っ直ぐ相手にぶつける入り方がセオリーですが、前足のアウトエッジを相手にぶつける入り方です。

身体が完全に半身になることにより、刻み突きの距離がさらに遠くに伸びます。

また腰も強く入れることが出来るので、全身のチカラを拳に伝えることが出来ます。

 

真半身で突く利点は伝えていますので、道場生は理解出来ていることと思いますが、足元の向きまで変えてしまうことは全く意識していませんでした。

収穫です。

 

胸だったら胸。

喉だったら喉。

顎だったら顎。

1点集中でフルスピード且つパワフルに20本*3セット突きまくっています。

 

荒賀先生の言う「全力」とは、20本全力で突き終わったら倒れるくらいを指します。

要するに一つひとつのメニューを全力で行い、あとの体力を残さないように取り組むという意味です。

 

 

次ワンツーです。

足のタップは2回鳴らしても良いし1回でも構わないとのこと。

1(刻み)・2(逆上)と突いていては、ワンとツーの間を抜かれます。

可能な限り間を無くすこと。

 

 

「刻みを追いかけるように逆上を伸ばす」

これはどの道場でも共通事項だと思います。

 

「これしたらアカンで!」

「2個同時についたらアカンで!」

テンションが高まってくると自然と出てくる関西弁。

親近感湧いてきます。

 

グルグルと周りの稽古を見渡しアドバイスされています。

スピードに乗ったワンツーしている人がいますが、上体が大きくブレています。

モーションが大きくなるので注意。

顎もしっかり締めて。

 

改めて荒賀先生が高速ワンツーのお手本でした。

 

突きの後蹴りに移ります。

前足での刻み蹴りでした。

 

突きは身体を動かさなくても素早く出せますが、足(下半身)は身体の中でも大きなウェイトを占めています。

なので動こう(蹴ろう)とすると、相手は気づきます。

対戦相手は人形じゃありませんので、蹴りの気配を察知すれば避けるか詰めるかのどっちかしてきます。

気づかれないように蹴らないといけませんので、突きよりも極めるのが難しいのでポイントも高い訳です。

突きもそうですが、モーションを無くした蹴り方をマスターしないといけません。

なので寄せ足はせず、送り足が使えないといけません。

上体の構えは崩さず、前足主導で蹴る。

蹴りに入る瞬間、力んで身体が開く生徒も居ますが、これすると相手に気づかれます。

モーション無くすと相手は反応が遅れる。

遅れると自分に有利になる。

ペア相手はノーガードでお腹をさらけ出し、送り足での刻み蹴りをフルスピードで出す練習方法を指導されていました。

 

これ練習せなアカンな。

 

この蹴りの目的は4つあります。

・中段蹴り技有り(2ポイント)を狙う。

・間合いを伺い入ろうとする相手をけん制する動きに使う。

・刻みで獲ろうとする時の撒き餌に使う。

・相手の意識を上と下に散らす。

 

相手が「行こう!」とする瞬間、前で合わされたら容易に入ってこれなくなります。

「前で潰す」

 

突き技は自分の手が届くところまで接近しないとポイントにはなりません。

自分の手が届くという事は勿論相手の手も届きます。

突かれるかも分からない距離まで接近するのは当然リスクも伴いますので、送り足の刻み蹴りで間を詰めるのが有効です。

腕は射程の外から伸びてくることはありませんが、蹴りは軸足の使い方ひとつで突きよりも外の間合いから入ることが出来ます。

蹴りの利点を上手く使った駆け引きのひとつと言えますね。

勉強になります。

映像を観て内容を理解し文字化する事で、さらに強くインプットされます。

学びを次の稽古に活かして生徒を育てなくてはいけませんね。

 

中段蹴りを狙う位置についてですが、相手の構えた腕を蹴ってもポイントにはなりません。

構えた奥拳と帯の間を「なにくわぬ」顔で目線を下げず蹴ること。

帯より下は反則ですので要注意。

 

送り足に慣れてきた頃足を見て、距離を伸ばします。

足上げても届かない距離まで間を広げて、強く床を噛みながら軸足のスライドを使います。

 

 

前で足を引き上げるような意識ですね。

腸腰筋鍛えて足の引きつけを強くする必要があります。

 

要点は3つ

①構えを崩さない(モーションが生まれる)

②寄せ足しない(2挙動になり遅れる)

③真半身(腰を捻って蹴るので)

 

別にポイントにならなくても、刻み蹴りで牽制出来れば相手は入って来にくくなり試合の主導権を与えません。

60秒間の中でリスクを伴う攻め一辺倒にならず、相手の嫌がることを挟むことで試合のイニシアチブを掴むことも有用です。

なにより、相手の入りを察知出来る反射神経があっての話ですが。

 

ペア練では、この刻み蹴りを後ろに下がりながら連続して蹴っています。

下がり過ぎず詰まらずに蹴り手のストロークに合わせながら上手くタイミングと距離を合わせてあげる能力も必要です。

 

 

次の指導は「蹴りの組手」

ルールはこんな感じ。

・攻撃は蹴りのみ

・互いにひとつずつ技を出す

・両手でガード

・逃げて受けない

 

「打って捌いて」をリズミカルに行います。

 

 

蹴りって怖いけど、逃げるから当たると痛い。

前で潰すと相手の方が痛いので前に入ろう!

蹴りの威力が一番増すのは足が伸びきった時なので、その前に前で潰すと蹴った方の脛が痛いよ。

「蹴りの恐怖心で顔を背けるからもらう」

 

このようなアドバイスです。

 

突き指にだけならないよう、気をつけながら左右の足でいろんな蹴りを出す練習でした。

これも間を置かず交互にリズミカルに、しっかり両手でガードしながら相手の目を見ながら行います。

蹴ってくる足を見ると絶対に遅れますので、相手の目を見て蹴りを受ける。

 

相手の目を見ていればどこを狙った技かが分かるとのこと。

これもやらないといけないメニューですね。

2人組となり30秒高速で行っていました。

 

今度は3人組となってのスピード強化メニュー。

自分が中央に位置し、半歩踏み込む程度の距離に前後に台が組手構え。

これを30秒間高速で突きまくります。

利き構え / 逆構え

これで行います。

 

遠心力で自分の身体がフラフラしてしまいますが、フラフラしないように。

焼き鳥の串がぶっ刺さった状態且つ頭の高さも変えないこと。

顔の振り向きが遅いと「次」の技に移れませんので、ここも意識するポイント。

 

 

同じ3人組で上段刻み蹴りも収録されています。

同じように前後に配置し自分は真身の姿勢で、左右に対し前足で刻み蹴りでした。

 

今度は上段回し蹴りを足を入れ替えながら振り返って高速で蹴ります。

 

 

【荒賀式の考え方と質疑応答】

1・今日の内容は基本に沿ったものばかりだが、一足飛びには自分の身にはつかないから。ウィービングや裏回し蹴りのような難しい技は基本が出来た上でのこと。

2・保護者の厳しさはかなり重要なことで、厳しく育ててもらったからこそ今の自分があると感じている。親も子に徹底して厳しくしてあげてほしい。

3・表彰状の一番高いところに立った人にしか分からないことがあるよ。

 

Q1・「練習が厳しい分、大会は楽しんで」と指導者は言われるが大会を楽しむためにはどうすれば良い?

A1・勝つ喜び・負ける悔しさを知ったのは大学生の時。親元を離れて自分のチカラ、自分の考えで勝つことを考えだしてから、一戦一戦勝てる楽しみを見つけました。

 

 

Q2・大きな大会や試合に勝つためには練習以外には何が必要?

A2・ 練習が一番大事なのは当然ですが、いくら技術を磨いてきても当日緊張で身体が動かないとかプレッシャーやストレスで自分が負けてしまっては何の意味も無いと思います。

それをどう上手く逃がすかだと思います。「やる時はやる・遊ぶ時は遊ぶ・休む時は休む」メリハリが大事です。

 

Q3・大会で優勝した後に次の大会へ向けてはどの様にモチベーションを保つのか?
A3・「負けを受け入れること」

ある年下のライバルに負けた時、負けを引きずっていたり負けを認めたくなかった自分がいた。2年かかったが自分の足りない部分、劣っていた部分を受け入れそこを克服することに意識を置いたらモチベーションを立て直せた。

 

 

今回のセミナーは基本の徹底といったところでしょうか。

基本が出来ていないと応用も効きませんので、小学生の内にしっかりと土台固めをするべきでしょうね。

2025-03-13 16:15:00

タナス・フラッシュ Vol.3 -HOW TO TZANOS SEMINAR- 5/5

こんにちは!

 

タナスセミナー3もいよいよ最終回となりました。

収録時間が2時間もありましたので、細かく分けざるを得ませんでした。

ブログを書ききるのに少なくとも5倍は時間費やしてるかな。

 

タナスフラッシュ3.jpeg タナスフラッシュ3 (2).jpeg タナスフラッシュ3 (4).jpeg

 

 

13・投げ

14・脚を抱えて投げる

15・投げの自由攻防

 

 

【投げ】

練習のポイントでは、

①腕を使う

②足、膝を使う

③フェイントを使う

間合いによって、投げを使い分けるとあります。

 

ルール変更前のセミナーですので、今では両手で相手を掴んでは反則となりますので内容はサラッと流します。

正体・逆体で向かい合い、片手は相手の襟・もう片方の手は相手の肘あたりを掴み、捻るように投げ「転がせて」います。

相手が体格で上回り容易に転がすことが出来ない場合、前足を刈りながら転がせます。

奥襟を斜め上に、袖口を内側に引き回転させています。

 

間合いが近い場合、相手の腿裏を膝で掬いあげ身体を浮かせて投げています。

現行のルールでは両手掴みはNGだし、旋回軸が腰よりも上にあれば反則です。

 

タナス選手が右に投げようとし相手選手が踏ん張った瞬間反対側に転がす技術はさすがでした。

 

 

脚を抱えて投げる

相手の足を抱えて投げる。

さまざまな状況、技のバリエーションを身につける

 

相手に近間で掴まれたとします。

「相手の持ち手をかがみながら外し足を取ります」

そのまま相手の片足を抱え込み投げに移っています。

自分の肩で押し込んで前に転がせたり、相手の軸足を刈って転がせています。

 

相手の刻み突きに素早くダッキングして足を取る練習方法をレクチャーされていました。

相手の内側から足を掬うと簡単に持ち上げられます。

 

 

投げの自由攻防

”相手の上体を崩したり足を内外からかけたり様々なことを試しながら練習する”

 

1分間、遊びの中でフリーで投げ。

習ったテクニックを全部使いながらフリーしてます。

足を内側・外側からかけたり、腕を捻ったり、膝で抱えたり、肩で押したりといった具合。

 

互いに両手で掴んだ状態で、密着した時・腕を最大限伸ばして足で攻防したりいろんな事を試しています。

 

投げは自分がリラックスした状態であること。

相手が疲れた頃合いを見て自分の技術を出すと仰っていました。

 

小学生には投げがありませんし、現行ルールで「投げ」は片手且つ投げる瞬間に一瞬だけ掴みOKなので、サラッと書く程度にしておきます。

2025-03-11 00:15:00

荒賀知子のHIGH SPEED LESSON -体幹・スピード・技術のレベルアップ編- 1/2

こんにちは!

 

荒賀知子セミナー (2).jpeg

 

2011年7月に開催された荒賀知子先生によるセミナーです。

反応速度や反射神経が絶対に必要な組手競技。

そんな競技力を向上させるセミナーの様子を収録したDVDです。

・スピードをつけたい

・飛び込みの速さを高めたい

道場稽古に取り入れやすい内容になっているんじゃないでしょうか。

 

 

1・速さを手に入れる稽古の約束とダッシュ・ジャンプレパートリー

2・速さのための基本稽古とその意味

 

 

速さを手に入れる稽古の約束とダッシュ・ジャンプレパートリー

セミナー開始前に荒賀先生から簡単な挨拶があり、約束してほしい事が2つありました。

1・行動を早く

2・大きな返事

 

この2つは空手が上手い下手関係なく、今すぐにでも誰にでも出来ること。

これが守られなければ、何度でもやり直しさせると宣言されていました。

集合は駆け足、防具の用意もダッシュ、返事をするのも当たり前。

小さな子供に理解を求めるのはまだ難しいかも知れませんが、貴重な時間と費用をかけて学びに来ています。

本気で取り組んでる人、上手くなりたい気持ちが強い人は行動に表れますよって事ですね。

 

 

終始関西弁で話す荒賀先生。

全員で体育館を軽くランニングからスタートしました。

・ダッシュ

・後ろ向きダッシュ

・うつ伏せダッシュ

・サイドステップ

・スキップ

・後ろスキップ

・20回足バタバタダッシュ

・10回腿上げダッシュ

・5回抱え込みジャンプ

・足の指だけ歩き

 

ここからペアでアップに移ります。

馬飛びして下を潜るのをフルスピードです。

次ペア相手がダンゴ虫のように小さくなった上を左右にジャンプ。

この時、反動をつけず連続ジャンプ。

既にスピードトレです。

これを20回連続でピョンピョン飛ぶんですが簡単に見えてなかなか難しいと思います。

 

次がもっと難しく同じ要領で前後に飛んでます。

足が引っかかって転びそう。

 

今度はペア相手が長座の姿勢で座り、自分が立って跨ぎます。

そこからグーパーの要領で連続で100回ジャンプ。

互いのリズムが合わないと出来ませんが、ここでもスピードを意識します。

 

 

速さのための基本稽古とその意味

組手のセミナーですが、アップのあとは基本でした。

平行立ちを取り姿勢の確認です。

荒賀先生の教えですが軸は真ん中に置き、重心はやや前傾気味に。

軽く両膝を曲げ、足の指で床を掴む感覚です。

これは自分の前に立つ相手に攻撃を加えるからです。

 

左手を前に出し用意します。

この時も、左の肩のチカラを抜くだけで拳ひとつ分、もうひと伸びします。

この「もうひと伸び」が後の組手競技に大きな影響を及ぼします。

遠くを突けた方が良いのですが、左右の肩を振って突くのとは意味が異なります。

基本の突きにおいてダメな突き方を説明されています。

真っ直ぐに体勢を維持したまま、やや肩を前に出す程度です。

 

突く位置は上段でも中段でも構わず、自分で決めた位置を一点集中して稽古します。

ゆっくりと丁寧にフォームを崩さずに繰り返しています。

 

荒賀先生の上段を突く際のフォームは、肩のライン上に自分の顎を乗せる感じ。

少しだけ顎を引いています。

普段から意識していないと試合中顎が浮いてしまうので、日常生活の中から意識して顎を締めているとのこと。

顎が浮いていると試合中相手の攻撃をもらいやすいし、ケガしやすいとのこと。

顎を締める利点は他にもあって、相手の突きが抜ける可能性がある。

ドンピシャのタイミングで獲られても突きは抜けてしまうとポイントにはなりませんので確かにそうです。

 

普段の稽古から顎を締める意識は必要ですね。

腰や顎が浮いてる人で強い人はいません。

腰が高いと構え出しで遅れるし、顎締めてないと拳に強い技を乗せる事が出来ませんので。

 

 

私が道場で苦労していること。

それは稽古中の集中力です。

荒賀先生のセミナーでも同じことが起きるシーンがありました。

そんな時、先生の言葉がコレ。

「構えてる間から、ハイなおってと言われるまで絶対に目線は一点から外してはいけません」

「目線を外して、構えを崩したり・帯を触ったり・隣の人を気にしたり・後ろが気になったりする人、落ち着きのない行動は、試合中にも出てしまいます。勝手に止めがかかったと判断したり、周りの人の応援に気を取られたりしてしまいます」

「なおってと言われるまで自分の世界に入ること」

 

一言「集中してください」

 

仕切り直しに再度突きの稽古に入りますが、構えだしが遅いと何度もやり直しです。

口調は優しいですが、緊張感が走ります。

 

号令の後、素早く突きますが大事なのは「号令のあと」

「号令と同時」ではありません。

号令も同じテンポではなく、どこかで間を開けたりしながら揺さぶります。

これには意味があり、号令のリズムを読んで間違って突いてしまう人がいます。

間違って突いてしまったら、素早くその手を戻させるためにあえてそうしています。

 

リズムを変える。

たったこれだけで更に緊張感が増した感じになりました。

集中して良く聞き、号令に反応して突く。

集中力と反射神経が研ぎ澄まされていきます。

シンプルに良い指導法だと感じました。

ただ号令に合わせて突くだけの稽古よりも格段に質が高い。

 

「良いですか?数少ない基本稽古の中で、どうやったら強くなるか・上手くなるか。答えは集中してする以外にありません」

「100回・200回ダラダラと突いていても時間と体力のムダです」

「10回・20回だけでも今のように緊張感を持って取り組めば、自分の実力は上がります」

「今日だけじゃなく、道場に帰ってからも集中して稽古してください」

 

 

次の基本は連続10本突き。

ひとつの号令でスピードを上げて連続で10本突きます。

急ぐあまりに小さな突きにならず、多少カタチは崩れたとしても大きな突きを心がけます。

10本突きを10セット。

どんなにしんどくても止めの号令がかかるまで突き手を降ろしてはいけません。

この当たりから生徒たちも緊張感が芽生えだし、気合いの声も構えだしの速さも目に見えて変化してきました。

 

 

左前屈立ちを取り、上段突きと中段突きの基本です。

肩が縮こまって小さな突きにならないよう注意を促します。

連続で20本突きますが、ここでもリズムを変えています。

間違えて突いてしまうと直ぐに修正する生徒も現れだしています。

 

ここでも顎のラインに突きが乗るように指導されていました。

 

 

突きのあとは蹴りでした。

胸の前に手のひらを置き、閉足立ちから素早く抱え込んで降ろします。

意識するのは、素早く上げて・素早く降ろすところまで。

しかも音を鳴らさずしずかにです。

やってる内容は道場と同じでしたが、静かに降ろすところは意識していませんでした。

 

抱え込みを終え、次は下段スナップ。

これは宇佐美先生の「ベスト空手」DVDの中に稽古前のウォーミングアップで紹介されていたものと全く同じでした。

膝高さ程度に軽く抱えこみ膝下を脱力して、前方に放り投げ引き足を取る練習。

踵が腿裏にタッチさせるイメージです。

凄く分かりやすい例えで「自転車の逆こぎ」をしないと説明されていました。

小さな子供でも理解しやすい例えだと感じました。

 

先程の抱え込みとスナップをミックスさせた蹴り練。

胸の高さに手の平を置き、膝が当たってから蹴りを放ちスナップを使って戻す練習です。

ポイントは手のひらに当たってから蹴ること。

当たる前に蹴ってしまっては抱え込みの意識が芽生えません。

このあたりも、説明の中で分かりやすく伝えられています。

 

左右に10回蹴ったら今度は、同じ足で2回連続で素早く蹴ります。

これはやったこと無かった練習方法です。

これにもコツを説明されていて、1回目蹴って足を降ろした時に足の裏をべったりいては2本目が遅れます。

つま先のみ床につけて素早く動かす意識です。

「しっかり顎を引いて」

「軽く膝を緩めて立ち」

「重心は少し前気味」

蹴った時、姿勢が崩れたら素早く蹴れません。

 

良い練習方法だな。

 

 

移動基本です。

多少カタチは崩れてもスピードを落とさない意識と指導されています。

回る時も、首から動かし素早くターンして下段払い。

追い突きを5歩進んでターン。

同様に逆突きも。

 

今度は上段揚げ受けと逆突きの組み合わせなんかも。

スピード感の無い2挙動では行わず、受けから突きまでが1セットの意識です。

技のスピード意識を持たせる練習。

これはやってこなかった。

形の中でもキレが増すような気がしますので、早速取り入れたいな。

 

DVDの中でも集中力の切れてきた生徒の動きが確認されると、厳しく指摘しやり直し。

厳しさが伝わってきます。

 

最後は基本の構え(真身)から正面蹴りの移動です。

構えた手はそのままに蹴ることが重要で、手の反動を使いたがる人も中にはいてますが、両手はそこに置いていないと蹴りのガードが出来ません。

稽古中そのような説明でした。

 

 

収録時間の半分を基本に費やしています。

2025-01-22 07:35:00

タナス・フラッシュ Vol.3 -HOW TO TZANOS SEMINAR- 4/5

こんにちは!

 

タナスセミナー3も後半に突入しました。

古いDVDだからか字幕がありません。

また通訳の方マイクをつけてませんので、聞き取りにくいところもあって苦労してます。

 

 

タナスフラッシュ3 (3).jpeg

 

10・見切り

11・離れ際の攻撃

12・4種類のデフェンス

 

 

【見切り】

見切りのポイントは常に相手との距離が一定になるように意識すること。

 

ペア練で、攻撃側は刻み突きと逆突きに限ります。

相手の踏み込みに対し、一度間合いを切って攻撃に転じます。

絶対にダメなのが顔だけ後方に反らして突くこと。

決して差し込まれてはいけません。

バックステップは、軸足にチカラを溜めて前に入ります。

 

構えを崩さず、身体の動きだけで突きをかわす練習から始められています。

スペースを詰められると受けることが出来ませんので相手の動きに反応して足を使うことが大事です。(居ついてはいけない)

 

バックステップも状況に応じ、相手が小さい刻み突きなら小さく下がり、大きく踏み込んでくれば自分も大きくです。

これは経験で分かってくると仰います。

最後は実際に見切ったあと、自分も前拳で反撃に転じる練習でした。

バックステップ

刻み突き

スイッチ

残心

これがブロック無しのパターン

 

ブロックする時は奥拳で相手の刻み突きを落とし前拳カウンター。

これもお手本を披露されています。

ブロックが必要なのは相手の動きが自分の反応を上回った時。

 

試合では自分は受けたつもりでも旗が上がることはよくあります。

力いっぱい受けるのではなく「ムダな力を使わずダンスのようにブロックする」とアドバイスです。

 

中段逆突きでもブロックは必要なく見切ります。

見切りと同時に、後ろ足を前に入れ替え(スイッチ)刻み突き。

このテクニックを指導しています。

ブロックを入れるともっと簡単だけど、間合いを切る練習でした。

 

見切りのあと相手が後方に大きく逃げたら連打で追撃。

そこも状況判断ですね。

 

 

離れ際の攻撃

指導のポイントは「相手の手や襟を掴んで蹴る、投げる」

 

密着したゼロ距離で自分の方が体格に勝る場合、押せます。

プッシングでスペースを作り中段回し蹴り。

でも押した手を離してしまっては相手は距離を取るはずです。

ポイントは両手でプッシングして片手は掴んだまま蹴ること。

気づかれないように相手の袖を掴みます。

右構えなら右手で掴み、

左構えなら左手で掴みます。

 

相手が自分よりも大きくて押せない場合、自分が後ろに下がりスペースを作ります。

その時に自分の肩で相手を押しますがこれはフェイク。

両足ともバックステップでスペースを生み中段蹴りしています。

 

今度は相手が正体で自分が逆体だった場合、自分の右足を後方に下げる事でスペースを作り中段回し蹴り。

右手で掴んで右足での蹴り。

 

今のルールでは、掴んで良いのは技に入る一瞬だけです。

 

裏回し蹴りも指導されています。

ゼロ距離から相手の道着を掴んで引き寄せます。

相手の上体が前に突っ込んだタイミングで膝を抱え込み、裏回し蹴り。

側頭部から後頭部に掛けて巻き付けるように。

股関節と裏腿の柔軟性が無いと蹴れない大技です。

 

仮に裏回し蹴りが極まらない場合、降ろした足で相手の前足を狩り倒します。(小学生は反則)

倒れた相手に突きを極めれば一本(3ポイント)です。

ゼロ距離から蹴って投げるまでの間、相手の襟を掴んだまま。

 

襟を掴んで引き込む際、相手は裏回しを警戒してガードしてきます。

その時は、後ろ足を使って反対側から裏回し蹴りに入るよう2種類指導されていました。

 

 

密着した状態からの投げ。

互いに右構えだったとします。

自分の左足で相手の前足を刈ると同時にバックステップ。

このようにして相手を転がせたりしています。

 

自分が逆体でも同じで、前足で刈って次の展開を生みます。

例えこかす事が出来なくとも、相手のバランスを崩させればOK。

その間に攻撃出来ますので。

 

もう一度右構え同士ですが、投げなくてもこんなことが出来ます。

掴みあった状況から、右足のみ後方へ引きスペースが出来たところを左の逆上。

これらの技を紹介される時、非常にゆっくりと丁寧に指導してくださいますので理解し易いと思います。

 

 

4種類のデフェンス

練習のポイントは下記のとおり。

①後ろに下がる

②左右に動く

③間合いを詰める

④相手より速く技を出す

 

「4つをミックスして使い防御する」

この考え方だ重要です。

 

まず後方に十分なスペースがある場合、そのまま下がって攻撃をかわします。

左右に振ってかわす時もずっとガードを上げながらコートを大きく使う意識を持ちます。

「間合いを詰める」とは、相手が攻撃を出す瞬間に詰めます。

間合いを詰めて相手の攻撃を潰すのですが、肩を入れてダッキングするシーンを観た事があるんじゃないでしょうか。

相手選手の攻撃モーションが大きければ、切るか潰すかしやすいでしょうね。

最後のは ”相手の攻撃よりも先に極める”

自分の攻撃が速ければ相手は攻撃出来ません。

 

時には攻撃=防御になるという考え方です。

 

1-0でリードしている場合、自分が攻撃し続けていれば、相手の技を封じ守り切る事が出来るという発想です。

 

4つのパートを正しいタイミングで使えるように注意するようアドバイスがありました。

 

実際、タナス選手が4つを全て使ってお手本を見せてくれていた内容がこう。

相手選手が連打、これをバックステップでかわし切ったところで、コーナー際いっぱい。

ここでさらに追撃が来れば、サイドに振って攻撃をガード。

また打ち込んできたところをダッキングで潰して、素早く間を切ります。

なんとか技を極めたい相手選手が前に出るタイミングで中段を先に抜いていました。

 

同じ場所に留まらず常に動きながら攻撃をかわすことがポイント。

ボクサーのように身体を振って避けてかわしています。

 

もうひとつ共通して言えることは、膝の溜め。

溜めが有るからこそスピードで上回れます。

 

一連の流れを実演で示してくれていました。

 

ダンスしてるようにリラックスしながら動き、

常にどうかわすか頭で考えながら、

いろんなアイデアを膨らませて練習してください。

とのことでした。

2025-01-08 13:15:00

タナス・フラッシュ Vol.3 -HOW TO TZANOS SEMINAR- 3/5

こんにちは!

 

タナスセミナー3 折り返し地点です。

このあたりからアクロバティックな蹴り技が出てきます。

練習の中でミット蹴る分には楽しんで出来るんだと思いますが、実際の試合で極まるんかな?ってくらい派手な大技です。

 

タナスフラッシュ3 (4).jpeg

 

 

7・中段蹴り

8・回転して蹴る

9・裏をかいて蹴る

 

 

【中段蹴り】

・正面蹴りと回し蹴りの中間の軌道で蹴る

・軸足が空中にある時に蹴る

・遠い間合いから前足をステップせずに身体を倒して蹴る

 

タナス選手の中段蹴りは三日月蹴りでした。

蹴りの軌道が丁度中間で、ガードする方もブロックするのは難しい蹴り方に見えます。

モーションを小さくし、前足を踏み込んで蹴ってはいけません。

前足はただ身体を支えているだけで、腰の切り替えしを使ってクイックで蹴ります。

 

初めて知る蹴り方です。

ミット打ち込みで、自分は前足を宙に浮かしたところからスタートです。

浮かした前足を着地する瞬間、後ろ足で蹴り。

瞬発力が無いと蹴れませんね。

前足を使わず腰の回転で蹴る練習方法でした。

他にも身体を後方に倒して遠間から蹴る練習方法も伝えています。

 

ここまでで3つの中段蹴りを説明されています。

1・正面蹴りと回し蹴りの中間

2・前足が空中にある時に蹴る

3・遠い間合いから身体を倒して蹴る

 

 

【回転して蹴る】

テコンドーで良く見る360°回ってからの中段回し蹴り。

組手競技では見かけませんが僅か数分程ですが紹介されています。

 

練習方法ですが、まずは少しずつ回転し最後に軸足が空中にある時に蹴るようにするとのこと。

後ろ足を上げてクルっと回って、上げてた足を降ろした瞬間もう一方の足で中段蹴り。

見ててもかなり難しい技。

実際に競技の中で出すシーンがイメージ出来ない技ですが。

セミナーでは少しずつスピードを上げていきますが、当たり前ですがスピードとキレが凄い。

鞭が飛んでくるかのようなシャープさです。

 

 

裏をかいて蹴る

指導のポイントはこう。

「これまで練習した技を組み合わせて相手の裏をかいて蹴る」

 

遊びの要素を高めたペア練です。

蹴りオンリーのマススパー的な感じ。

自分はいろんな蹴りを自由に出し、ペア相手は軽い動きの中でガードします。

相手のガードの裏をかくように蹴るのが目的。

面白かったのがこの3つ。

刻み蹴りの軌道で裏回し蹴りに切り替えたり、後ろ回し蹴りの軌道で裏回し蹴りに切り替えし。

後ろ回しのフェイクから後ろ蹴り。

数回、オーソドックスに攻撃を見せておいて軌道を変えるといとも簡単に極まってしまいます。

技のダイナミックさはおいといて、この発想は多いに使えます。

実際に極めたい技の前に、いかに餌を撒いておくかがポイントだと感じました。

ただでさえモーションがデカく相手に察しやすい蹴り技です。シンプルに狙っても間合い切られたり懐に入られたりするのがオチ。

フェイクを使って相手の逆をつくのが有効です。

 

バリエーションとしては、前足での足払いと見せかけて、そのまま裏回し蹴りに入ったり、

中段回し蹴りの軌道から、内回し蹴りに切り替えてたりしています。

相手にこの技を狙ってるな!って思わせたらもう十分です。

次は軌道を変えて相手の裏をかくって事をレクチャーされていました。

駆け引き使ったり、相手に嘘の情報を植え込んだり、クレバーに戦わないとダメ。

真っ向勝負だけじゃないよってことを教えたいんだと感じました。

 

 

組手競技には裏のかき合い、だまし合い、駆け引きがあり、相手をコントロールする面白さがあります。

こうじゃなきゃダメ!っていう固定観念を捨て柔軟な頭で、相手を崩す事に終始した面白い蹴りの練習でした。

いろんな技を試すので、6割も無いくらいのチカラとスピードで試し合いしていました。

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