こんにちは!
今日から夏季休暇に入りました。
10連休初日です。
組手のブログが続いていますが、しばらく続きます。
タナスセミナー Vol.1基本編 最終回。
5:カウンターの妙
6:反応の妙
7:クロージング
【カウンターの妙】
「出会いを制す」
ペア練習です。
遠間から突っ込んできたところを、中段突きを前で捉える練習です。
普段動き出しに反応して技を合わせる練習は良く行われているかと思いますが、全開のスピードで突っ込ませ前で捉える練習を紹介していました。
「裏回し蹴りでカウンターを決める」
今度は裏回し蹴りです。
ルールはひとつ。
止まらず突っ込む。
スピードを落とすと実戦的な練習となりません。
反応の鋭いタナス選手は、相手の一歩目で既に膝を掻い込んでいますので全力で突っ込んできた相手にも前で捉える事が出来ています。
反応スピードがとても高いです。
「相手が構えた瞬間を狙う」
続けて始め!の、「め」で飛びこむ練習です。
構えだしの速さの意識づけでした。
かなりロングの逆上で取っていました。
【反応の妙】
「1対3の組手 -番号に反応する-」
3人の打ち込み台を扇状に並べ、端から1・2・3と予め番号を決めて置き、1と合図されれば1の人に技という具合に
素早く反応する練習です。
浪速高校のDVDで紹介したメニューと同じです。
「1対3の組手 -触れられて反応する-」
自分の至近距離に扇状に並べ、台の人がランダムでタッチします。
タッチした人以外に素早く反応して突き(蹴り)を出す練習です。
「1対3の組手 -連続で攻撃する-」
今度は3人が縦一列に並び、自分めがけてダッシュしてきます。
ハイスピードで連続して出会いを捉える練習です。
3人が連続して何周もグルグル回ってきますが中段や刻み・裏拳で先を取っています。
なかなか面白い練習方法ですね。
「後ろから肩を触る」
まず目を閉じます。
ペア相手が後ろから肩をタッチしサッと左右に動いたり、そのまま前方に回り込んだりランダムに移動します。(しゃがんで隠れてみたり、背後に密着していたり)
触られた瞬間振り返り、相手を見つけて技を出す練習です。
これも初めて知る練習方法でした。
ペア練習は3人から4人で行えますので、楽しく反応力を磨けるのではないでしょうか。
遊びの要素を取り入れることで稽古がマンネリに陥らず、生徒達も楽しみながら反応力を向上できるんじゃないかなと思いました。
試合中、咄嗟の動き(状況判断)に活きてくるかも知れませんね。
【クロージング】
日本の子供達は皆意識が高く、難しそうなことでも意欲的に取り組んでいます。
明日はもっと大事な練習をします。
明日のセミナーでは、これまでとは違う防御と攻撃技を沢山紹介しますので、もっと空手を好きになれることと思います。
こんにちは!
ギリシャの貴公子 ジョージ・タナス選手のセミナー基本編その2です。
3:トリックの妙
4:蹴りの妙
【トリックの妙】
「間合いを制する」
組手には3種類の間合いがあります。
ひとつめは遠い間合い。ポイントは取られることがありません。
ふたつめは中間の間合い。この距離はポイントが取れる距離です。
みっつめは近い間合い。(小学生には反則だが)投げや裏回し蹴りでポイントが取れます。
この3つの距離でポイントの取り方を説明されています。(全て中段逆突き)
相手に気づかれないようにトリックを使います。
例えば、遠間から思い切ってドーンと突っ込んでも、相手に見切られるかカウンターを合わされますが、
リラックスしながら前後のフットワークで、スッと間合いを詰め中段に潜ります。
王道な方法だと思います。
タナス選手の突いた時の姿勢ですが、真っすぐ入らず線を外して突き、相手の攻撃の軌道を逸らしています。
また、万が一に備え前拳で上段をガードもしています。
日本人の打ち方は、頭の高さが変わらず身体ごと前に正面衝突するので、カウンターを合わせやすいと説明されています。
自分の顎めがけて、刻み突き(上段逆突き)が飛んできても、顔は線を外していますので被弾しません。
これがヨーロッパスタイルでしょうか。
荒賀先生もこの入り方ですね。
中間距離の入り方ですが、自分から仕掛ける場合これもいきなり入っては反応されてしまいます。
自分の前拳で相手の拳サポをタッチしながら潜っています。
高低差を使い相手の意識を一瞬上に散らして、潜ることを説明しているんだと思います。
もうひとつ、前足を大きく抱え込みながら中段を突く方法でした。
これも先に書いた、高低差を使った入り方です。
「見えない攻撃 -拍子の省略-」
手は足よりも速く、逆突きよりも刻み突きが最も速い技と言えます。
常にリラックスした状態からダンスのようにフットワークを四方八方に使い、刻み突きを飛ばす練習です。
ジリジリっと間合いを詰めるスタイルだと、省エネでスタミナは保てますが相手に取って攻撃しやすく的になりやすいです。
動きの中から相手の隙をみつけ、リラックスした状態から一気に刻み突きを飛ばします。
モーション(おこり)があっては、何か来るっ!と反応されてしまいますので、リラックスがとにかく重要です。
力むと息を止めてしまうから、逆に少し吐きながらの方が良いですね。
タナス選手の入り方は前後左右の動きの中に、前足でプレッシャー(いくぞと見せかけるフリ)をかけたり、前手の肩を小刻みに動かしたり、フェイントを織り交ぜています。
終始柔らかいフットワークの中から、一気に飛び込みドンピシャで相手の顎を捉えていました。
本人の説明によると、「スピードで取ったんでは無くタイミングをずらしただけ」
続いて裏拳・逆上の入り方も説明されていました。
2挙動でなく1挙動で入ること。
逆上の入り方は、松久先生と同じ。両手から飛びこむ突き方です。
前拳を追いかけるように奥拳を出していきます。
身体からじゃなく手から入ることがポイント。
しっかり相手の前拳を蓋して奥拳で捉えます。
しっかり引き手と残心とるところまで。
「受けさせて決める」
ワンツーです。
タナス選手の説明では、刻みを大きく入り間を詰め至近距離から逆上を放ちます。
最初の刻みで相手の目のあたりを狙い、目くらまし出来れば後は何でも極まるとのこと。
距離が詰まった短い突きだと、旗が上がりにくい印象を受けてしまいますが、ご本人の打ち方でした。
この突き方(近距離)をするとすれば、引き手と残心を大きく見せなければいけないと思います。
副審が得点と見なす基準は6項目あります。
①良いフォーム(正確な技)
②スポーツマンらしい態度
③気力(スピードとパワーを伴う)
④残心(技を出した後も相手を意識していること)
⑤良いタイミング
⑥正確な距離(技が有効になる距離)
1本目の刻み突きでポイントを取るつもりで入るとの説明でしたが、これには同意です。
【蹴りの妙】
いつもいつも蹴り技を出すという訳では無いですが、必要な時に蹴れるようにはなるべきです。
「蹴って間を切る」
ペアとなり10㎝手前を目掛けて、交互に刻み蹴りを出す練習です。
刻み蹴りのあと蹴り足を軸足付近に戻し、バックステップです。
コントロールに気をつけてスピードを上げていきます。
蹴った後構えを崩さないこと、両足で蹴れること。
「小さなモーションで蹴る」
裏回し蹴りの練習に移りました。
ここでいう大きいモーションとは、身体の枠の外から蹴ることです。
これも松久セミナーと共通しています。
相手のガードめがけて膝を掻い込み、腰の回転を使って相手の顔の外側をタッチする蹴りを練習しています。
決して ”円” で蹴りません。
「縦に蹴る」
ペア相手が頭上に拳サポを置き、縦に裏回し蹴りを行う練習です。
最短最速で蹴る練習です。
「上体を倒して中段を蹴る」
中段蹴りと中段逆突きのスピード勝負です。
ブザーとともに対決した時、片足で立つ蹴りよりも突きの方が速いですが、上体を後傾して蹴ることで失点のリスクを軽減させる考え方です。
蹴る瞬間は、逆突きを放つように腰を入れることでスピードと威力が増します。
上手く表現出来ませんが、前足を上げ足の踏み替えで中段回し蹴りも行っています。
これは蹴る瞬間、軸足に力は要らないですよと伝えているようです。
足の踏み替えのみ片足で蹴ってます。
「スウィッチして蹴る」
自分は利き構え。
ペア相手は真身に立ち、ランダムで左右にサッと構えてもらいます。
反対に構えた場合、素早くスウィッチして中段回し蹴りでした。
尋常じゃない反応速度です。
「山を張らせて蹴る -回し蹴り~裏回し蹴り、裏回し蹴り~回し蹴り-」
眼で相手の山を張らせ、逆をつく方法を説明されています。
チラッと足元を見ながら入り、上に振る感じです。
蹴りが得意な選手と対戦する場合、上段蹴りを両手で片側方向だけをガードしていては、蹴りの変化によって逆を蹴られてしまいます。
眼で誘導し、内側・外側を瞬時に使い分けでした。
突きの場合でもこのテクニックは使えます。
眼と上体の振りで内側に入り、線をズラして外から逆上で取っていました。
他にも目と上体を一瞬だけ浮かせ足払い等も紹介したり、刻み蹴りに見せかけ横の変化で裏回し蹴りに変化させてもいます。
蹴りに変化をつけて繰り返し練習していました。
「中段から上段へのコンビネーション」
中段回し蹴りを相手のお腹に強く当て、足を降ろさず(戻してもダメ)そのまま上段に移行する技です。
(膝から下のスナップで蹴る)
強く蹴ることで、相手が踏み込んできにくくする目的だそうです。
1本目と2本目の間はクイックで蹴ることが重要です。
ダブルで蹴る時のアドバイスは、膝の位置が変わらないこと。
2本目蹴った足は前に降ろし、スウィッチしてバックステップです。
「中段蹴りの軌道から上段を蹴る」
相手のお腹を蹴る軌道で、膝の掻い込みを使って裏回しへ移行させる技です。
縦のラインで蹴るからこそ出来る技です。
中段と上段への変化や裏回しを見せておけば相手は、次なにが来るか予測しにくく心理面で優位に試合運びが出来ますね。
「後ろ回し蹴りで徐々に上を蹴る」
その場で回転しながら蹴る、後ろ回し蹴りの練習です。
①膝下 ②帯付近 ③胸元 ④顎
の高さで4段階に分けて行います。
リラックスしながらしっかりとコントロールし、これも膝の掻い込みと腰の切り替えしが重要です。
「足を降ろさずに連続で蹴る」
足を降ろさずに10回連続でゆっくり刻み蹴りを行います。
膝から下のスナップで蹴りますが、体幹が強くないと難しいと思います。
慣れてくれば、刻み蹴り・裏回し蹴りと交互に入れ替えながらお手本を見せてくれます。
(凄いスピードでした)
「多くの種類の蹴りを連続で出す」
どんな蹴りでもオッケー。遊び感覚で蹴りを沢山出す練習です。
刻み突きや逆突き等も大事ですが、時には楽しみながら練習することも大事です。
ざっとこんな感じです。
・足払い → (体勢崩れた相手の背中)中段蹴り
・スウィッチしながら中段蹴りダブル
・上段回し蹴り → 後ろ回し蹴り
・正面蹴り → 内回し蹴り
・刻み蹴り → 裏回し蹴り
・上段蹴りダブル
・正面蹴り → 後ろ回し蹴り
・正面蹴り → 三日月蹴り
どれもが左右の足を巧みに使って蹴ってました。
相手の前の足に飛び乗って後ろ回し蹴りなんかは、映画のアクションシーンのそれと同じでした。
凄い運動神経です。
上手く説明出来ませんが回転系のテコンドーの蹴り技?も数種類披露されていました。
ペア2人立たせ3本の拳サポを縦に配置させ、回転しながら3つ蹴るやつね。
こんにちは!
ブログの内容が組手のDVDばかりになってきました。
今から10年前日本で行われたセミナーの模様です。
通訳は競技の達人でお馴染み、月井 新先生です。
ジョージ タナス選手のセミナーDVDは3本発売されていて、今日ご紹介するVol.1は基本編となっています。
今のゆり生に持ってこいの内容ではないでしょうか。
2時間オーバーの内容ですので3回に分けて書いてみたいと思います。
他にも、ベスト空手シリーズからも1本出てますので、いずれご紹介したいと思います。
1:オープニング
2:ウォームアップ
【オープニング】
日本のチームは非常に強いです。強いですが本日お伝えする内容は、日本に欠けている技術的な部分です。
【ウォームアップ】
館内を腕を大きく回しながら軽くジョグ・サイドステップです。
今度は一列となり、足バタバタから号令とともにダッシュ。
四つん這いとなって競争、途中でおへそを上に向けてます。
手押し車なんかも。1歩・2歩歩いて、3歩目で腕立て伏せでした。
出来る限り速くを強調しています。
背中が反らないように、お腹に力を入れて手押し車してました。
反復横跳び・バービー、リラックスして刻み突きのウォームアップなんかもやってます。
リラックスしながらも、段々スピードが上がってきます。
蹴りだけのウォームアップでは、左右の足で連続して蹴り技を繋げています。
正面蹴り・足払い・中段回し蹴り・上段回し蹴り・変化させての上段蹴り・後ろ回し蹴り・2段蹴り。
軽い組手のウォームアップです。
陸上競技で、ヨーイドンの姿勢となり、後ろ足で地面を蹴り中段逆突きを打つ練習です。
後ろ足つま先を前に向けて立ち(エビ構え)ます。
前足で跳びこむも、後ろ足を引きずっていては力が伝わりませんので、この練習は強く蹴ることを意識します。
日本の選手は前足の踏み込みが浅く突きが短い傾向にありますが、今日はヨーロピアンスタイル。長い突きです。
逆突きする時の、前拳は引き手を取らず頭の前に置き、相手の突きに備えます。
この時身体の軸が前のめりに突っ込んでいますね。
遠い距離から踏み込み、突いたらバックステップで距離を取ります。
これを利き構え・逆構え繰り返します。
外国人選手特有のフォームで、荒賀先生もこれに近い逆突きのフォームしていますね。
左右数本ずつ打ったあと、リラックスしながら前足を回し蹴りの要領で掻い込み中段逆突き。
この膝の抱え込み。
動作の中に組み込む理由は、自分の中段を膝でブロックしながら最後突きで極めるから。
脛や膝でブロックして反撃でした。
今度は大きくジャンプし、空中でスイッチ。
着地と同時に膝を抱え込み、逆突きです。
床からの反動を使い技を出す練習です。
他にも、
ジャンプ(スイッチ)→ 抱え込み → 上段刻み蹴り → 中段逆突き
ジャンプ(スイッチ)→ 抱え込み → 上段刻み蹴り → 裏回し蹴り → 中段逆突き
なんかでアップしてました。
こんにちは!
今井監督率いる浪速高校の練習メニューの紹介。
後編です。
5:蹴りを制する徹底対策
6:クールダウン
7:校長の言葉
8:監督の言葉
【蹴りを制する徹底対策】
5-1 蹴り対策 蹴りをつぶす
蹴りの見切りを練習していましたが、試合中では逆に間合いを潰す場面も出て来ます。
一番危ないのは、相手の蹴りの瞬間(足が上がった時)躊躇して懐に潜ろうとしたらゴーンと蹴りをもらってしまいます。
入る恐怖を克服する練習からです。
足を上げた瞬間、一気にトップスピードで間を詰めます。
5-2 蹴り対策 反応
5-1同様に前に詰めますが、よくあるパターンとして突きが短く極まらないケース。
入りのトップスピードを緩めないこと。
少々痛くても、プロテクターつけてるし普段から鍛えてるから大丈夫です。
入りきることが重要です。
上段蹴られて3失点するより、痛くても入り切って間を潰すことが重要です。
近間で審判にアピールするには、後ろ足の使い方が大事になってきます。
突きの後、後ろ足を背中側に動かして残心を取ることで、大きな技に見せることが出来ますね。
距離によって変える必要があります。
5-3 蹴り対策 投げ
これも同じ。
一気に間を詰めて、蹴り足をキャッチし投げていますが当時と今とでは投げ(掴み)に関してルール変更がありましたので、これやったらウォーニング(ペナルティ)取られます。
相手との距離感が近過ぎると、投げれませんのでキャッチした膝を支点に自分が横に周り相手をコントロールしています。
膝が直撃しグッと押されてしまうので、周り込まないといけません。
5-4 体の切り返しで投げる
間合いを詰めて密着した場合、互いに投げるチャンスが訪れます。
体を入れ替え(背中を相手につける)ながら、自分の足で相手の軸足を刈り投げの練習を指導しています。
前足を刈ろうとすれば、踏ん張られますので、その瞬間軸足にチェンジしています。
もうひとつ、自分も肩膝ついてバランスを安定させることが重要です。
力任せに投げるのではありませんので、身体の小さい選手に有効な技術と言えます。
【クールダウン】
ペアとなり入念にストレッチし、
神棚に向かって黙想
正面に礼
指導者に礼
お互いに礼
し今井監督の総括で稽古を終えました。
生徒に向けた一言の中に、浪速が強い理由は、生徒一人ひとりの高い意欲、真剣さを挙げられています。
指導者が教えることは、ただのオプションのひとつ。
3年生は目の前のことを必死に、
2年生はその先を見据えて、
中学生は先輩たちを見習って、
頑張っていこう!
対人練習では技に入る前必ず礼、技の後も必ず礼をしています。
道場で生徒に技の指導をする前に、当たり前のことを当たり前に出来るよう指導していかないといけないと感じました。
【校長の言葉】
・校内にある武道館が出来て半年で、大きな大会で優勝出来た。身体が震える位興奮したことを覚えている。
・全校生徒は2,300人いてるが、目指すところは単なる大学進学では無く文武両道である。
・校長先生が着任したのが6年前。空手道部は校舎の片隅や、体育館の順番待ちで練習しており可哀そうな思いをさせていたことから1階の一番良い場所に武道館を建てた。
・1階は空手道・柔道、2階はお茶室(茶道?)・剣道、3階は弓道と想いの丈を込め、武道館を造りました。
・単なるクラブの練習場を造るのではなく、浪速高校のアイデンティティは武道であると、はっきりさせたかった。
・空手道とは、自ら攻撃を仕掛けることなく武器ひとつ持たず、来たものを振り払いながらやっていくことに、奥ゆかしさ・神秘的なものを感じる。
・空手道部は礼儀正しく、人間力が高まっていると感じる。
・今井監督には、更に大きく飛躍していってほしい。
・人生は山あり谷あり。良い時ばかりではないが逆境に立った時、たとえレギュラーになれなくても浪速を通じて学んだことに誇りを持ち頑張ってほしい。
【監督の言葉】
・こんな立派な武道館を建てて頂き、結果でお応え出来ればと思っていた。
・勝ち負けだけではないが、やはり勝ちに拘って結果を出したい。
・これだけの環境を整えてもらい、良い意味で練習量も質も増えた。
・勝負から逃げない強さを生徒には身につけさせたい。
・技術的なところで言えば、動きを止めないことを取り組んでいる。
・国際大会を観ていると、海外の選手は動きがしなやかで止まらない。まさに浪速が求めているスタイルと同じだった。
・動いていると不安定になるが、その中で精度の高い技が出せることが今の課題である。
・国際大会では止まらない空手に変化している。動きの中にしなやかさとスピードがある組手に変わってきているので世界標準を指導するのが我々の務めである。
こんにちは!
大阪の強豪、浪速高校の稽古内容を収録した ”浪速の空手” です。
以前浪速の空手2を3回に分けてシェアしましたが、今回はシリーズ1作目、前編です。
紹介順が入れ違いましたが、何も意味はありません。
1:動きを止めない練習体系
2:実戦想定!スタミナ養成トレーニング
3:世界標準の感覚をつくる フットワーク&至近距離
4:見切り組手
【動きを止めない練習体系】
1-1 動きを止めないウォーミングアップ
今(当時)テーマとして取り組んでいたことが『動きを止めないこと』
リスタートの時であったり、構えだしの速さです。
ジョグしながら、ゆっくり大きく全身運動しています。
突きを入れたり、サイドステップ・足上げ等思いおもいに行っています。
部活の良いところは、元気な声が道場中に響き渡り、声が途切れません。
キャプテンが鼓舞し、皆がついてくるといった感じです。
活気があって大好きです。
1-2 リスタート(打ち込み)
ペア練習です。
受け手側の方も、避ける動きを交えながら終始動きを止めません。
場合によっては反撃を入れ生徒に工夫させます。
”漠然とならない”・”ボーっとしない”です。
構えだしから、交互に一本ずつ技を出し合う練習をされています。
突き終わりの逆の手
押すことで、相手の反撃を断ち間を取る事が出来ます。
相手の体勢を崩したり、タイミングを一個外したりの役割を持つので意識するように、アドバイスされています。
他にも、受け手側のプレッシャーのかけ方。
簡単に相手に技を出させてはいけません。
前手でちょっかいかけながら、実戦をイメージさせていました。
ただ台となって受けてるだけじゃダメだということですね。
途中、中断し生徒を招集するのですが、全員ダッシュです。
一つひとつの言葉に、押忍っ!
打ち込み前に互いに一礼。
打ち込み後にも一礼。
道場のあるべき姿です。
1-3 カウンター
1-2同様に、相手が間合いに入ったタイミングで”後の先”を取る練習です。
ここでのアドバイスは ”離れ際” を注意すること。
構えだしの速さと、打った後伸びたらアカンことです。
1-4 扇パターン
3人を扇状に配置させ、技を決めて打ち込みです。
一人目:刻み突き
二人目:連続技
三人目:蹴り
ルールはひとつ。
打ち終わりは、バックステップでスタート位置まで間を切ること。
意識することはふたつ。
戻りからの立て直しの速さ。
打ち終わりは逆の手を相手を押し反撃の姿勢を作らせないこと。
1-5 扇ランダム
扇パターンと異なる点は、台が前に出たり後ろに下がったり。
しかも順番ではありませんので、状況に応じて素早く反応します。
応用練習です。
打ち込み側がトップクラスの選手ですと、台は横の動きを取り入れたり、ダッキングの姿勢を取ったりと揺さぶってあげます。
(状況判断の難易度を高めています)
1-6 扇状況判断
台の選手はランダムに蹴り・突きを出してきます。
この練習の目的は、
・打ち込み側の状況判断の精度を高めること
・咄嗟の動きに身体が対応出来ること
無理に相手の技に嚙み合わせてしまうと、取られてしまったりするので、避けるだけの動きも必要となります。
状況によっては、守りを固めポイントを取られないようにすること。ガードの意識も持たせています。
練習に入る前に、意識を置くポイントを説明されていますので視聴者も生徒も分かり易い進め方なんじゃないでしょうか。
練習やから思いっきりいったらアカンけども、突く軌道・蹴る軌道を真っ直ぐ出せる確認をする。
流れに任せて、雑な技の入り方をしないように。
普段から1対3で扇の練習していると、絶対試合は楽に感じるでしょうね。
【実戦想定!スタミナ養成トレーニング】
2-1 二分一分
2分間フリーで試合形式。
「あとしばらく」を意識した稽古も兼ねていますが、がむしゃらに攻めてはいけません。
審判に無謀な攻撃を取らてしまいますので。
そうじゃなく、技術を見せるように。
いつもはここで試合が終了しますが、集中力を上げるために1分間の再試合を取り入れています。
試合中の今井監督のアドバイスは、
「動きとめるな」
「的をずらせ」
「動き固いぞ」
「出入りかけな」
「フェイントないぞ」
自分の攻撃の後、「身体伸びんな」「逆の手で押して相手を伸ばせ」
2分間の試合形式の後、素早く審判が入り1分間の再試合。
団体戦で延長再試合を想定しての稽古です。
インターバル1分で息を整え、すぐ再開出来るように普段から稽古されています。
2-2 二本取り
離れ際とリスタートを大事にしながら、本番さながらの二本取り。
(相手の攻撃を)見て動かず、それまでに予測するようアドバイスされています。
【世界標準の間隔をつくるフットワーク & 距離感】
3-1 足組手
上半身の脱力と動きを止めないための練習方法です。
ポジショニングが悪いと、こかされてしまう事もありますので、この練習で克服します。
両足を上手く使い、相手の足を踏むだけの練習です。
フェイントを覚えるには丁度良いかも知れません。
これは体幹の強さが必要です。
上半身の余分な力が抜けきったところで、構えだけつけて再開しています。
互いの足が交差した時、ケガをさせたらいけないという意識が働き、動きが一瞬スローになってしまうが、試合中では絶好のチャンスです。
ここで変な癖をつけては悪影響ですので、立て直しの速さを意識付けされていました。
リラックスした動きを身につける練習かと思いきや、チャンスを的確に狙う真の目的を意識をもたしていました。
間髪入れずに詰める!
3-2 触り組手
今度は両手両足で相手をタッチするだけの触り組手。
ただ相手をタッチしたあと、安心しているとすぐに反撃されてしまうので注意を切らさずです。
反対側も咄嗟の反撃が出来るように、互いにリスタートを意識です。
触れてたのを、試合ではしっかり突く(蹴る)だけです。
【見切り組手】
4-1 突き
相手の攻撃をスウェイバックで引き込んで、返す練習です。
前拳側の肩をやや下に下げながら、相手の中段突きを引き込み上から被せるように逆上で極める練習方法です。
ポイントは相手の攻撃時、止まっていてはいけませんし浮いてもいけません。
引き込んでの突き以外のバリエーションでは、
・足払い
・裏打ち
何かも紹介されています。
(スウェイまでは一緒)
今(発売当時)のルールだと相手の中段突きを、前拳で落としてカウンターを狙っていては、先に仕掛けた相手の方に旗が上がりやすい傾向にあるので、
しっかり「見切り」が必要と説明されています。
相手の攻撃が届いていないよ的なアピールかな。
当然、反撃への動作にムダがあってはいけません。
可能な限りクイックにです。
受けることに意識を置くと相手のスピードに差し込まれてしまいます。
目的は見切りですので来たと同時に、肩を下げながらスウェイします。(最後逆上)
軸足の膝の使い方が重要です。
相手の拳先を見る必要はなく、自分の中段を届かさなければ良いだけです。
真半身で構えるからこそ出来るテクニックです。
お互いにフルスピードで繰り返し練習していました。
4-2 蹴り
蹴りも突きと同様ですが、蹴ってこられたら怖いので肩が上がってしまいがちです。肩が上がると裏回しの餌食となるので、ビビッて身体が浮いてはいけません。
要するに蹴りを見てしまうとダメ。見て受けようとせず間を切る練習です。
目的は見切りです。
相手の蹴りのバリエーションが変わろうが、見切りさえ出来たら何にも怖くないと指導されていました。
当然、試合中では間を詰めて蹴りを潰したりもありますが、見切りの練習でした。
見切りのあと、
・突き(逆上)
・投げ(足払い)
・蹴り(背中への中段蹴り・上段裏回し)
に繋げていました。