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タナス・フラッシュ Vol.1 -世界最速の攻防、強い体幹 戦術を身につけるトレーニング 基本編- 1/3
こんにちは!
ブログの内容が組手のDVDばかりになってきました。
今から10年前日本で行われたセミナーの模様です。
通訳は競技の達人でお馴染み、月井 新先生です。
ジョージ タナス選手のセミナーDVDは3本発売されていて、今日ご紹介するVol.1は基本編となっています。
今のゆり生に持ってこいの内容ではないでしょうか。
2時間オーバーの内容ですので3回に分けて書いてみたいと思います。
他にも、ベスト空手シリーズからも1本出てますので、いずれご紹介したいと思います。
1:オープニング
2:ウォームアップ
【オープニング】
日本のチームは非常に強いです。強いですが本日お伝えする内容は、日本に欠けている技術的な部分です。
【ウォームアップ】
館内を腕を大きく回しながら軽くジョグ・サイドステップです。
今度は一列となり、足バタバタから号令とともにダッシュ。
四つん這いとなって競争、途中でおへそを上に向けてます。
手押し車なんかも。1歩・2歩歩いて、3歩目で腕立て伏せでした。
出来る限り速くを強調しています。
背中が反らないように、お腹に力を入れて手押し車してました。
反復横跳び・バービー、リラックスして刻み突きのウォームアップなんかもやってます。
リラックスしながらも、段々スピードが上がってきます。
蹴りだけのウォームアップでは、左右の足で連続して蹴り技を繋げています。
正面蹴り・足払い・中段回し蹴り・上段回し蹴り・変化させての上段蹴り・後ろ回し蹴り・2段蹴り。
軽い組手のウォームアップです。
陸上競技で、ヨーイドンの姿勢となり、後ろ足で地面を蹴り中段逆突きを打つ練習です。
後ろ足つま先を前に向けて立ち(エビ構え)ます。
前足で跳びこむも、後ろ足を引きずっていては力が伝わりませんので、この練習は強く蹴ることを意識します。
日本の選手は前足の踏み込みが浅く突きが短い傾向にありますが、今日はヨーロピアンスタイル。長い突きです。
逆突きする時の、前拳は引き手を取らず頭の前に置き、相手の突きに備えます。
この時身体の軸が前のめりに突っ込んでいますね。
遠い距離から踏み込み、突いたらバックステップで距離を取ります。
これを利き構え・逆構え繰り返します。
外国人選手特有のフォームで、荒賀先生もこれに近い逆突きのフォームしていますね。
左右数本ずつ打ったあと、リラックスしながら前足を回し蹴りの要領で掻い込み中段逆突き。
この膝の抱え込み。
動作の中に組み込む理由は、自分の中段を膝でブロックしながら最後突きで極めるから。
脛や膝でブロックして反撃でした。
今度は大きくジャンプし、空中でスイッチ。
着地と同時に膝を抱え込み、逆突きです。
床からの反動を使い技を出す練習です。
他にも、
ジャンプ(スイッチ)→ 抱え込み → 上段刻み蹴り → 中段逆突き
ジャンプ(スイッチ)→ 抱え込み → 上段刻み蹴り → 裏回し蹴り → 中段逆突き
なんかでアップしてました。
浪速の空手 -浪速高校空手道部 世界標準の練習体系- 2/2
こんにちは!
今井監督率いる浪速高校の練習メニューの紹介。
後編です。
5:蹴りを制する徹底対策
6:クールダウン
7:校長の言葉
8:監督の言葉
【蹴りを制する徹底対策】
5-1 蹴り対策 蹴りをつぶす
蹴りの見切りを練習していましたが、試合中では逆に間合いを潰す場面も出て来ます。
一番危ないのは、相手の蹴りの瞬間(足が上がった時)躊躇して懐に潜ろうとしたらゴーンと蹴りをもらってしまいます。
入る恐怖を克服する練習からです。
足を上げた瞬間、一気にトップスピードで間を詰めます。
5-2 蹴り対策 反応
5-1同様に前に詰めますが、よくあるパターンとして突きが短く極まらないケース。
入りのトップスピードを緩めないこと。
少々痛くても、プロテクターつけてるし普段から鍛えてるから大丈夫です。
入りきることが重要です。
上段蹴られて3失点するより、痛くても入り切って間を潰すことが重要です。
近間で審判にアピールするには、後ろ足の使い方が大事になってきます。
突きの後、後ろ足を背中側に動かして残心を取ることで、大きな技に見せることが出来ますね。
距離によって変える必要があります。
5-3 蹴り対策 投げ
これも同じ。
一気に間を詰めて、蹴り足をキャッチし投げていますが当時と今とでは投げ(掴み)に関してルール変更がありましたので、これやったらウォーニング(ペナルティ)取られます。
相手との距離感が近過ぎると、投げれませんのでキャッチした膝を支点に自分が横に周り相手をコントロールしています。
膝が直撃しグッと押されてしまうので、周り込まないといけません。
5-4 体の切り返しで投げる
間合いを詰めて密着した場合、互いに投げるチャンスが訪れます。
体を入れ替え(背中を相手につける)ながら、自分の足で相手の軸足を刈り投げの練習を指導しています。
前足を刈ろうとすれば、踏ん張られますので、その瞬間軸足にチェンジしています。
もうひとつ、自分も肩膝ついてバランスを安定させることが重要です。
力任せに投げるのではありませんので、身体の小さい選手に有効な技術と言えます。
【クールダウン】
ペアとなり入念にストレッチし、
神棚に向かって黙想
正面に礼
指導者に礼
お互いに礼
し今井監督の総括で稽古を終えました。
生徒に向けた一言の中に、浪速が強い理由は、生徒一人ひとりの高い意欲、真剣さを挙げられています。
指導者が教えることは、ただのオプションのひとつ。
3年生は目の前のことを必死に、
2年生はその先を見据えて、
中学生は先輩たちを見習って、
頑張っていこう!
対人練習では技に入る前必ず礼、技の後も必ず礼をしています。
道場で生徒に技の指導をする前に、当たり前のことを当たり前に出来るよう指導していかないといけないと感じました。
【校長の言葉】
・校内にある武道館が出来て半年で、大きな大会で優勝出来た。身体が震える位興奮したことを覚えている。
・全校生徒は2,300人いてるが、目指すところは単なる大学進学では無く文武両道である。
・校長先生が着任したのが6年前。空手道部は校舎の片隅や、体育館の順番待ちで練習しており可哀そうな思いをさせていたことから1階の一番良い場所に武道館を建てた。
・1階は空手道・柔道、2階はお茶室(茶道?)・剣道、3階は弓道と想いの丈を込め、武道館を造りました。
・単なるクラブの練習場を造るのではなく、浪速高校のアイデンティティは武道であると、はっきりさせたかった。
・空手道とは、自ら攻撃を仕掛けることなく武器ひとつ持たず、来たものを振り払いながらやっていくことに、奥ゆかしさ・神秘的なものを感じる。
・空手道部は礼儀正しく、人間力が高まっていると感じる。
・今井監督には、更に大きく飛躍していってほしい。
・人生は山あり谷あり。良い時ばかりではないが逆境に立った時、たとえレギュラーになれなくても浪速を通じて学んだことに誇りを持ち頑張ってほしい。
【監督の言葉】
・こんな立派な武道館を建てて頂き、結果でお応え出来ればと思っていた。
・勝ち負けだけではないが、やはり勝ちに拘って結果を出したい。
・これだけの環境を整えてもらい、良い意味で練習量も質も増えた。
・勝負から逃げない強さを生徒には身につけさせたい。
・技術的なところで言えば、動きを止めないことを取り組んでいる。
・国際大会を観ていると、海外の選手は動きがしなやかで止まらない。まさに浪速が求めているスタイルと同じだった。
・動いていると不安定になるが、その中で精度の高い技が出せることが今の課題である。
・国際大会では止まらない空手に変化している。動きの中にしなやかさとスピードがある組手に変わってきているので世界標準を指導するのが我々の務めである。
浪速の空手 -浪速高校空手道部 世界標準の練習体系- 1/2
こんにちは!
大阪の強豪、浪速高校の稽古内容を収録した ”浪速の空手” です。
以前浪速の空手2を3回に分けてシェアしましたが、今回はシリーズ1作目、前編です。
紹介順が入れ違いましたが、何も意味はありません。
1:動きを止めない練習体系
2:実戦想定!スタミナ養成トレーニング
3:世界標準の感覚をつくる フットワーク&至近距離
4:見切り組手
【動きを止めない練習体系】
1-1 動きを止めないウォーミングアップ
今(当時)テーマとして取り組んでいたことが『動きを止めないこと』
リスタートの時であったり、構えだしの速さです。
ジョグしながら、ゆっくり大きく全身運動しています。
突きを入れたり、サイドステップ・足上げ等思いおもいに行っています。
部活の良いところは、元気な声が道場中に響き渡り、声が途切れません。
キャプテンが鼓舞し、皆がついてくるといった感じです。
活気があって大好きです。
1-2 リスタート(打ち込み)
ペア練習です。
受け手側の方も、避ける動きを交えながら終始動きを止めません。
場合によっては反撃を入れ生徒に工夫させます。
”漠然とならない”・”ボーっとしない”です。
構えだしから、交互に一本ずつ技を出し合う練習をされています。
突き終わりの逆の手
押すことで、相手の反撃を断ち間を取る事が出来ます。
相手の体勢を崩したり、タイミングを一個外したりの役割を持つので意識するように、アドバイスされています。
他にも、受け手側のプレッシャーのかけ方。
簡単に相手に技を出させてはいけません。
前手でちょっかいかけながら、実戦をイメージさせていました。
ただ台となって受けてるだけじゃダメだということですね。
途中、中断し生徒を招集するのですが、全員ダッシュです。
一つひとつの言葉に、押忍っ!
打ち込み前に互いに一礼。
打ち込み後にも一礼。
道場のあるべき姿です。
1-3 カウンター
1-2同様に、相手が間合いに入ったタイミングで”後の先”を取る練習です。
ここでのアドバイスは ”離れ際” を注意すること。
構えだしの速さと、打った後伸びたらアカンことです。
1-4 扇パターン
3人を扇状に配置させ、技を決めて打ち込みです。
一人目:刻み突き
二人目:連続技
三人目:蹴り
ルールはひとつ。
打ち終わりは、バックステップでスタート位置まで間を切ること。
意識することはふたつ。
戻りからの立て直しの速さ。
打ち終わりは逆の手を相手を押し反撃の姿勢を作らせないこと。
1-5 扇ランダム
扇パターンと異なる点は、台が前に出たり後ろに下がったり。
しかも順番ではありませんので、状況に応じて素早く反応します。
応用練習です。
打ち込み側がトップクラスの選手ですと、台は横の動きを取り入れたり、ダッキングの姿勢を取ったりと揺さぶってあげます。
(状況判断の難易度を高めています)
1-6 扇状況判断
台の選手はランダムに蹴り・突きを出してきます。
この練習の目的は、
・打ち込み側の状況判断の精度を高めること
・咄嗟の動きに身体が対応出来ること
無理に相手の技に嚙み合わせてしまうと、取られてしまったりするので、避けるだけの動きも必要となります。
状況によっては、守りを固めポイントを取られないようにすること。ガードの意識も持たせています。
練習に入る前に、意識を置くポイントを説明されていますので視聴者も生徒も分かり易い進め方なんじゃないでしょうか。
練習やから思いっきりいったらアカンけども、突く軌道・蹴る軌道を真っ直ぐ出せる確認をする。
流れに任せて、雑な技の入り方をしないように。
普段から1対3で扇の練習していると、絶対試合は楽に感じるでしょうね。
【実戦想定!スタミナ養成トレーニング】
2-1 二分一分
2分間フリーで試合形式。
「あとしばらく」を意識した稽古も兼ねていますが、がむしゃらに攻めてはいけません。
審判に無謀な攻撃を取らてしまいますので。
そうじゃなく、技術を見せるように。
いつもはここで試合が終了しますが、集中力を上げるために1分間の再試合を取り入れています。
試合中の今井監督のアドバイスは、
「動きとめるな」
「的をずらせ」
「動き固いぞ」
「出入りかけな」
「フェイントないぞ」
自分の攻撃の後、「身体伸びんな」「逆の手で押して相手を伸ばせ」
2分間の試合形式の後、素早く審判が入り1分間の再試合。
団体戦で延長再試合を想定しての稽古です。
インターバル1分で息を整え、すぐ再開出来るように普段から稽古されています。
2-2 二本取り
離れ際とリスタートを大事にしながら、本番さながらの二本取り。
(相手の攻撃を)見て動かず、それまでに予測するようアドバイスされています。
【世界標準の間隔をつくるフットワーク & 距離感】
3-1 足組手
上半身の脱力と動きを止めないための練習方法です。
ポジショニングが悪いと、こかされてしまう事もありますので、この練習で克服します。
両足を上手く使い、相手の足を踏むだけの練習です。
フェイントを覚えるには丁度良いかも知れません。
これは体幹の強さが必要です。
上半身の余分な力が抜けきったところで、構えだけつけて再開しています。
互いの足が交差した時、ケガをさせたらいけないという意識が働き、動きが一瞬スローになってしまうが、試合中では絶好のチャンスです。
ここで変な癖をつけては悪影響ですので、立て直しの速さを意識付けされていました。
リラックスした動きを身につける練習かと思いきや、チャンスを的確に狙う真の目的を意識をもたしていました。
間髪入れずに詰める!
3-2 触り組手
今度は両手両足で相手をタッチするだけの触り組手。
ただ相手をタッチしたあと、安心しているとすぐに反撃されてしまうので注意を切らさずです。
反対側も咄嗟の反撃が出来るように、互いにリスタートを意識です。
触れてたのを、試合ではしっかり突く(蹴る)だけです。
【見切り組手】
4-1 突き
相手の攻撃をスウェイバックで引き込んで、返す練習です。
前拳側の肩をやや下に下げながら、相手の中段突きを引き込み上から被せるように逆上で極める練習方法です。
ポイントは相手の攻撃時、止まっていてはいけませんし浮いてもいけません。
引き込んでの突き以外のバリエーションでは、
・足払い
・裏打ち
何かも紹介されています。
(スウェイまでは一緒)
今(発売当時)のルールだと相手の中段突きを、前拳で落としてカウンターを狙っていては、先に仕掛けた相手の方に旗が上がりやすい傾向にあるので、
しっかり「見切り」が必要と説明されています。
相手の攻撃が届いていないよ的なアピールかな。
当然、反撃への動作にムダがあってはいけません。
可能な限りクイックにです。
受けることに意識を置くと相手のスピードに差し込まれてしまいます。
目的は見切りですので来たと同時に、肩を下げながらスウェイします。(最後逆上)
軸足の膝の使い方が重要です。
相手の拳先を見る必要はなく、自分の中段を届かさなければ良いだけです。
真半身で構えるからこそ出来るテクニックです。
お互いにフルスピードで繰り返し練習していました。
4-2 蹴り
蹴りも突きと同様ですが、蹴ってこられたら怖いので肩が上がってしまいがちです。肩が上がると裏回しの餌食となるので、ビビッて身体が浮いてはいけません。
要するに蹴りを見てしまうとダメ。見て受けようとせず間を切る練習です。
目的は見切りです。
相手の蹴りのバリエーションが変わろうが、見切りさえ出来たら何にも怖くないと指導されていました。
当然、試合中では間を詰めて蹴りを潰したりもありますが、見切りの練習でした。
見切りのあと、
・突き(逆上)
・投げ(足払い)
・蹴り(背中への中段蹴り・上段裏回し)
に繋げていました。
世界女王になるための精神とテクニック 荒賀知子のベスト空手 3/3
いつもありがとうございます!
現ジュニアカデットでコーチを務める荒賀 知子先生のDVDです。
ご存じ荒賀 龍太郎先生のお姉さんですね。
3回に分けて紹介してまして、今日が最終回です。
※現在の競技空手で主流のカニ構えではなく、真身(おへそが前)構えです。
09・世界を目指す「追い突き」
10・世界を目指す「刻み蹴り」
11・世界を目指す「コンビネーション」
12・世界を目指す「返し」
【世界を目指す「追い突き」】
上段逆突きです。
自分の攻撃するルートに相手の前拳がありますので、自分の前拳で落としてから攻撃に入ります。
この前拳は落としてから入るのではなく、落としながら入る事が重要です。
そして次に入った後ですが、前に持ってくる後ろ足をつっかえ棒にしないことです。
追い抜いた後ろ足で踏ん張ってしまっては、せっかくのスピードやパワーが無くなってしまいます。
なので前に出す足でブレーキをかけてはいけません。
自分の身体ごと相手にぶつかっていきます。
前足の入り方ですが、近間はそのまま入っても届きますが、遠間から入る場合では前足をスライドさせて入ります。
とても大きなこの技は、相手にとっては見破りやすいとも言えますので、連続で2本突くのも有効です。(逆 逆)
ワンツー同様に1本目の後を追って2本目を出し ”間" を消します。
【世界を目指す「刻み蹴り」】
一般的な刻み蹴りでは、まず後ろの足を寄せて蹴りますが、寄せ足を行わず突きの間合いの外側から蹴ります。
少しでも後ろ足を寄せれば相手にバレてしまいますので、組手構えから出来るだけ変化せず蹴ります。
蹴り易くするには、少しだけ半身に構えます。
蹴る瞬間モーションがあってはいけませんので、足を抱える時に手が下がらないよう注意が必要です。
手が下がる癖がバレると刻み突きでカウンターを合わされてしまいます。
蹴り方のコツですが軸足つま先は前を向いて構えますが、間合いの外側から蹴るには、踵を相手に向け蹴ることです。
そうすることで飛距離が出ます。但し蹴り終わりは、つま先を前に戻します。
それともうひとつ。
後ろの足で蹴って距離を出すのは当然ですが、それだけでは距離は伸びません。
軸足で床を蹴る力と同様に、前足を抱え込む力も必要です。
後ろ足で蹴り込む力
前の足で引き上げる力
の両方が必要と言えます。
DVDでは、この刻み蹴りダブルで蹴っています。
ポイントはひとつ目の蹴り終わりに寄せ足を素早く行い、両手が乱れないことです。
【世界を目指す「コンビネーション」】
刻み蹴りに刻み突きを合わせたコンビネーションです。
気をつけることは、蹴った足が床に着いてから突くのではなく
『蹴りながら突く』です。
やはり蹴りの反動で手が乱れると、当然突きが遅れます。
蹴り終わりの寄せ足は無しです。
イメージ的には、「前の足が落ちる前に突きが終わっている」です。
【世界を目指す「返し」】
返し技とは、相手の技を待ち、その後自分の技を出すことです。
返し技を極める上で大事になってくることは、「タイミングを前で取る」です。
相手が出てくるのを後ろで待つと、どうしても出遅れてしまい相手の技が先に到達してしまいます。
ですので前足でタイミングを取るイメージを持ち、相手の出会いの中段を取るような感じで入ります。
そしてもうひとつ大事な事は下がり過ぎてはいけません。
下がり過ぎてしまうと、相手との間に距離が出来てしまい自分の技が遅れてしまいます。
なので奥拳で返し技を狙う時は、
1・「下がる距離は最低限に」
2・「スウェイし相手との距離を調節する」
次に連続の返し技です。
相手の1本目の突きを前拳で捌き、2本目の突きを奥拳で落とし、刻み突きで攻撃をします。
この時重要なことは、攻撃する方の手の動きです。
2本目を落とした時に前拳は必ず攻撃に転ずる準備をしなくてはいけません。
一つひとつの技を理論的に説明しながら、実際に披露されています。
基本に忠実なこのベスト空手シリーズ、セミナーDVDとはまた違った気付きがあります。
数年ぶりに観返しましたが、言葉がシンプルで分かり易くおさらいすることが出来ました。
国語力はホント必要ですね。
現役最強選手たちの得意技最新メソッド2014 3/3
いつもお世話になります!
ゴールデンウィークのブログ3本目、いよいよシリーズ最終回です。
5・小林実希のワン・ツーテクニック
6・RAY MORCOMBのボクシング式エクササイズ
7・2分間フリー組手
【小林実希のワン・ツーテクニック】
①体重移動でスピードを上げる
寄り足した瞬間に、後ろにタメていた体重を一気に前の足に乗せて突きます。
②小林実希のワン・ツーテクニック実戦編 1
WKF パリ世界大会 2012の映像が紹介されています。
間合いの出入りから、一気に上・上を極めていました。
③1と2の間を詰める
1と2の間が大きすぎると、間を抜かれてしまいます。
突きだけではなく、ステップのワン・ツーも速くないといけません。
相手の中に入る速さと、1と2の間を抜かれない突きの速さのどちらも重要です。
④まっすぐ入る
横の動きを見せつつ、間合いの出入り。
前後左右に間合いの駆け引きを繰り返し中に入る時はまっすぐ深く入ります。
⑤小林実希のワン・ツーテクニック実戦編 2
ワールドコンバットゲームズ2013の中からワン・ツーが紹介されて、これも上・上です。
1本目の突きを追いかけるように2本目が出ています。
⑥カウンターへの対応
身体の入り方。
寄り足を上手く使ってスピードを上げますが、寄り足をフェイントにも使い突きに繋げます。
他には、後ろに逃げられないようにライン際やコーナー際に追い詰めて突きます。
⑦小林実希のワン・ツーテクニック実践編
先に突いた前の手に自分の身体を引き付けていくイメージで入ります。
間と距離を潰す独特のワン・ツーに思えました。
1本目に反応されないために刺すようなイメージで動きを小さく突きます。
一度止まってタイミングを外したり、床を滑るように入ったり工夫されています。
他にも、ダッシュする時のように後ろ足を使って入り込んだりバリエーションが豊富です。
練習の時意識していることは、入りを速くすること。
技のおこりの動きを徐々に小さくしていくことです。
【RAY MORCOMBのボクシング式エクササイズ】
①ウォーミングアップ
グルグルと道場をジョグ。
1の号令でスッとしゃがみ、同じ要領で2の号令では両足ジャンプ。
チェンジの号令で逆回転。(割と頻繁)
3の号令でバービー。
②その場でのアッパーとストレート
平行立ちとなり、少し前かがみの姿勢を取り、両手でグルグルアッパーパンチで肩回りをほぐします。
次は左右のストレートテンポ良く繰り返します。
スピードアップとリラックスを交互に繰り返しています。
③基本のジャブとストレート
ボクシングの立ち方は、組手競技に例えると完全なるエビ構え。
後ろ足の爪先は完全に前方を向いています。(後ろ足の踵は上げています)
構え方は、重心を身体の中心に置き上体を少し前に倒します。
両手は顎の前。
ジャブは少しだけ肩を入れながらストレートは腰を切って放ちます。
ストレートは後ろ足の力を拳に伝え、押されても負けないような姿勢を取ります。
④肩と足を使ったコンビネーション
アッパー4回、ワンツー1回をテンポ良く。
ワンツー入れながら1歩踏み込んでます。
⑤身体のひねりを意識した防御
ボクシングの構えから、上半身を左右に腰を捻ります。
ただ後ろに上体を引くだけでなく肩を回したり捻る動きを加えます。
逆上を肩を切ってかわしたり、スウェイしながら避けています。
左右どちらの突きにも身体を捻る動きで対応です。
奥の肩を斜め45度に向けています。
刻み突きは、自分の前の肩を少し前に畳み相手の懐に入り込む意識で避けます。(ダッキング)
⑥肩を使った防御
上段逆突きに対して身体を後ろに倒すだけでなく肩を捻ってブロックします。(スウェイバック)
上段蹴りのガードに対しても同様に腰の捻りを利用して肩を巻きます。
⑦相手に近いところで攻撃をかわす
その場では避けず突きに合わせるように、相手の身体の側面に入り込んでかわします。
右手なら左側・左手なら右側に肩を入れながら懐に潜ります。(ウィービング)
かわした後に上体を起こさず低い位置から次の体勢に移動します。
空手のような直線的な攻撃にはより有効な技術だと言っています。
⑧組手式ミット打ち
ジャブ → ストレート → ワン・ツー → スウェイ → ストレート
ゆっくり技を確認しながらどんどんスピードを上げていきます。
ポイントは後ろに下がると同時に相手の攻撃に備えます。
下がってから対応していたら遅すぎます。
これを、YAHIRO選手が超高速スピードでミット打ち。
両手の回転スピード、突きをかわす反射神経、反動を利用したストレート
センスの塊です。
次の攻防は、右ストレート → 左フックをウィービング → 右ストレート
左フックは空手で例えると上段蹴りと想定します。
全部繋げると、
ジャブ → ストレート → ワン・ツー → スウェイ → ストレート → ウィービング → ストレート
攻 撃 :5回
ガード :2回
フルスピードで5回ほど繰り返し、終わったあと歓声が起こってました。
その他の選手も、ゆっくりゆっくり練習してました。
さすがです。荒賀選手はフルスピードで対応できていました。
組手にもボクシングのように繋がった動きを取り入れることが出来るかも知れませんね。
【2分間フリー組手】
正体の篠原選手と逆体でやや後傾に構えるYAHIRO選手
肩のフェイントを上手く使う篠原選手と、横のフットワークを使うYAHIRO選手です。
当たり前ですが、どちらもノーモーションですが上手く間合いを外します。
スイッチした篠原選手が一瞬前に入ったところを、前足で正面蹴りの軌道から裏回しに変化させ見事に一本取っています。
極められた篠原選手は蹴りが変化した途端、驚きの声を上げていました。
小林選手(正体)と中村選手(逆体)
中村選手の攻撃に上手く中段を合わせます。
面白い攻撃だったのは、やや浅い姿勢の中段突きから上段回し蹴りのコンビネーションがありました。
3試合目は、荒賀選手とYAHIRO選手
前足を高く上げたり、両手を大きく上げたり、スッと抜いたフェイントを入れたりと、いろんな動きを混ぜチャンスを伺う荒賀選手。
仕掛けた荒賀選手に上手くダッキングするYAHIRO選手ですが、なんと投げたのは荒賀選手の方。体幹の強さが光ります。
8割程度のマススパーとはいえ、荒賀選手の刻み突きを肩を入れてウィービングでかわします。
さっき教わった技を試されていました。
運動神経が高くないと、こんなにすぐに出来ないと思います。
面白かったのは、YAHIRO選手がその場で一瞬肩を入れながら沈んで刻み突きを出しています。
距離が足りず極まりませんでしたが、面白い入り方でした。
小林選手とYAHIRO選手
フットワークを止め、カウンター狙いのYAHIRO選手と、どうにかして得意の中段を極めたい小林選手の駆け引き。
崩そう(動かそう)と仕掛けますが乗ってきません。
攻撃をことごとくボクシングのテクニックを駆使してガードしています。
受けに徹するYAHIRO選手ですが、前足での横蹴り(多分フェイク)で中段に意識を植え付けておき、間を切ってリスタートする際、同じフォームから上段裏回しに変化させて一本取ってました。中段は撒き餌ってやつでしょうか。
ひとつ極まったのが、小林選手の逆上。
自分の前拳でYAHIRO選手の前拳を被せておき、逆上を極めています。
これは松久先生のDVDで紹介されていた入り方と同じでした。
YAHIRO選手も、スウェイしての逆上で反撃していましたが、一手遅れた印象です。
荒賀選手と小林選手
なんと!
超絶スピードで上・上で荒賀選手の顎をとらえました。
カウンターを合わせたようにも見えましたが、凄いスピード。
間合いの外からやのに、、
中段突きもあと少しな感じで極まりそうなくらいです。
この中段突き、荒賀選手は前足の抜きを使って左足で刻み蹴りを放っていました。
荒賀選手ですが、こんな技も。
遠間から刻み突きで跳びこみますが、一瞬途中で止め(フェイント)一気に突っ込んできます。
間合いを切った小林選手ですが、刻み突きから逆・逆に変化させていました。
改めて引き出しの多さに感心させられます。
荒賀選手とYAHIRO選手
互いに見合った上体から、荒賀選手がスッとスイッチしたと同時に左手で逆上を一発で極めています。
フットワークを止めカウンター狙いのYAHIRO選手。
プレッシャーをかけ続ける荒賀選手。じりじりと距離を詰めていきます。
比較的スタンスの広いYAHIRO選手を奥足で足払いで見事こかしました。
篠原選手と小林選手
私は篠原選手の組手が大好きです。
ピクリとも動かない、理想的な刻み突きの入り方。(これぞノーモーション)
どう表現して良いか分かりませんが、来る気配(殺気)が無い間合いの詰め方。
いつの間にか、篠原選手が間合いに侵入しています。
ドンドン小林選手が追い詰められます。
組手スタイルに殺気がないから強さを感じさせる組手ではありませんが、終始ペースを握っている印象です。
オリンピック出てほしかったな。
篠原選手とYAHIRO選手
礼の如く読めない動きで接近する篠原選手。
やりにくそうなYAHIRO選手です。
技にも、間の詰め方にもモーションが無いので、いつの間にか侵入を許してしまいます。
荒賀選手とYAHIRO選手
荒賀選手が逆上で入ってきたところを、バックステップでスペースを作り逆上でカウンターを取ってます。
相打ちのリスクを避け、相手の打ち終わりを一撃で仕留める海外スタイルですね。
単発の技は反射神経の良さで、ことごとくガードし返し技で得点を狙います。
見事な省エネです。
荒賀選手と篠原選手
またもや不気味な接近です。
刻みと逆上で荒賀選手から突きを極めていました。
途中、荒賀選手は両手・前足・両肩をバタバタさせながら訳の分からんフェイントで見事に刻み突きをドンピシャで極めていました。
こんな突飛な入り方するのも荒賀選手の魅力のひとつですね。
最後、単発で放つ荒賀選手の中段逆突きを後ろの足で足払いです。
こかすまでとはいきませんでしたが、ドンピシャでした。
最後は文字通り、自分の技術を試し合う場でした。
技の引き出しの多さに観ているだけで勉強になります。
※なにより驚いたのは、全日本で女子形3連覇中の大野ひかる選手が、胸に日の丸つけた組手道着で参加されていたことです。