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大阪の強豪校、浪速高校の練習を収録したDVDシリーズ2本目です。
チャプターが多いので3本に分けてシェアしたいと思います。
まずは前半です。
01・ストレッチ準備体操
02・理にかなう真半身の構え
03・攻防の反応力を磨く 連続ミット蹴り
04・しなやかな蹴りと柔らかい上体を作る 高速蹴りの攻防
【ストレッチ準備体操】
腕の付け根、肩甲骨回りをゆっくり入念にストレッチです。可動域が大きいと長い突きを放てますので組手選手は特に大事にしているのではないでしょうか。
他には両腕を頭上で組み脇腹を捻じるようにストレッチしたり、振り子のように足を振り回し股関節回りを緩めています。
次は、一列に並び動的ストレッチ。
ここでも肩甲骨回りを前後左右に伸ばしながらです。
腿裏を踵でタッチしたり、カリオカで腰回りをツイストしたり、足上げで股関節回りを緩めています。
下半身を使ってサイドにウィービングしたり、ジョグ・サイドステップ・ダッシュでした。
ステップワークでは、両足抱え込みジャンプや、その場で足を高速で入れ替え・サークルに回ったり、組手構えでスイッチでした。
【理にかなう真半身の構え】
構えについて説明です。
今井監督は、今(当時)の組手競技にマッチした自身の考えを論理的に説明されます。
昔と今の違い。
なぜこうするのか。
昔のままだとどんなデメリットがあるのか。
競技空手は当然の如く、年々進化(変化)していきます。
当時は効果的だと考えられていた技術も対策を練られ通用しなくなったりしますね。
共通したルールの中で、試行錯誤しながら独自のスタイルが生み出されていきます。
競技空手もまた、生き物と同じで変化を繰り返していきます。
練習に入る前に意図を説明されますが、とても分かり易い言葉でスッと頭に入ってきます。
この真半身の構えは、『競技の達人』でお馴染みの月井 新先生のDVDでもまったく同じこと内容を触れられており、2024年現在でも有効とされる構え方です。
真身がなぜいけないのか、簡単に説明するとこうです。
・真身に構えると、自分から相手の突きを迎えに行く(急所を晒しているから)
・国際大会や強豪校と対戦する時、真正面(顔)から入ると裏回し蹴りをもらう(両足が前に向いてるので前に出る推進力で後ろに反応が出来ない)
今の競技空手で主流な技の入り方は、前だけでなく横からの入り方や斜めも有りますので、ボクシングの様に上体を振って左右にウィービングする技術も導入されています。
真身だと、前でぶつかり合う勝負には有効でしたが、立体的な技には対応が遅れてしまいます。
そこから生まれた構え方が、真半身の構え。
おそらくDVDの撮影と言うことで、この構え方の利点を改めて丁寧に説明してくれています。
・しっかり真半身となる
・両膝は常に余裕を持たす(溜めを作る)
・膝は落とし過ぎない(前足が張ってしまい動きにくい)
・目線の高さを上下させない(ブレると戦いにくい)
・ステップは地面の反動を利用する(跳ばず沈む)
・固まらずリラックス(反応出来る)
・つま先の向きは斜め外を向く(バックステップしやすい)
足を止めて前を向いて圧をかけながら、どっしり、どっしり進んでくる構え方は戦い易いとも言っています。
(勝てる確率が下がるとまで言ってます)
説明はここまでで真半身の練習です。
まずは全員で自分の得意構えで前後左右斜めの8カ所を自由にフットワークします。
アドバイスはこうです。
・自分の前に相手を想定する
・構えを下げない(あえて隙を作り相手を誘うのは良い)
・両手とも常に拳サポをターゲットに向ける
・地面の反動で跳ねると躍動感が生まれる
次に構えだしについて。
勝負始め!
続けて始め!
構えだしが遅れると、間合いの作りが出遅れてしまいます。
足タッチです。
常に動き合い、互いに足を踏みあいます。
上体は力を抜き、足は細かく動かし決して止まりません。
目的は、その場に居つかないこと。
足が止まっていては的になるだけです。
短い秒数で集中して練習しています。
次もペアとなり互いに両手を繋ぎ片方が誘導、もう片方は離されないようついていきます。
前方・後方・左右・斜めをランダムにフットワークします。
改めて説明しますと、真身の場合、後ろ足が前方に向きますのでバックステップすると膝が伸びあがり上手く下がれません。
後ろ足の溜めが無くなり上体が上がってしまうと、瞬時に攻撃に入れません。
つま先をㇵの字に開いておく理由が明確となりましたね。
この練習での注意ポイントは、
・膝のゆとり
・腰の安定
・リラックス
これは今のゆり生に、持ってこいの練習です。
誘導側は、前後左右に動き技を仕掛ける距離感を掴み、ペア相手は間合いを保つ練習です。
間合いが詰まると突き(蹴り)をもらうことを学べますね。
誘導側が下がり、ペア側が前に引っ張られる瞬間が力みがち。
相手に動かされた、この瞬間が危ないと説明されています。
力むと居つく(固まってしまうこと)からです。
居つくと反応が一手遅れます。
上体の脱力を意識して膝下だけで動くイメージです。
ビックリしたのは、これは誘導される側の練習です。
突然方向転換しても、力まず距離を保つ練習になっていること。
誘導側が力んだ瞬間があれば即座にペア相手にアドバイスしています。
誘導側が相手を騙して距離を詰める練習だとばかり思っていました。
ここから、実際に突きに入る時の姿勢について説明されています。
例えば、両足を揃えて前方にジャンプする時、距離を出そうとすると自然に空中でお腹を前に突き出しているはずです。
これは突きも同じで一気に間合いを詰める時、相手の懐に飛び込む時にも共通します。
入りの基本は『お腹の意識と斜め前方に向かって』と説明されています。
もうひとつポイントについて。
本来ポイントとは目に見えないものですが、スポンジのボールで可視化し分かり易く説明してくれています。
ペア相手に胸の前にボールを置いてもらい、自分は大きく前方に腕を伸ばしポイントの実を取りに行くことを指導されています。
当然、自分の胸にもポイントの実がありますので、素早く間合いに入って実を奪われないように下がらなければいけません。(残心)
ゆりの生徒には、落ちてくるボールを落とさないように掴むイメージで刻み突きを放つ指導をしたことがありますが、理屈は同じです。
突きの基本は、いかに速く長く出すかです。
正面を向いた真身の構えだと、膝が詰まって距離が出ません。
真半身で突いた手をそのままにして、体勢を真身に変えると腕(突き)の距離が短くなるのが一目瞭然ですね。
真半身で身体を捻って突くと長い距離が稼げます。(あと斜め上とお腹を出すこと)
突きの指導では、腰が上手く使えない選手に対し、突きを相手の顔の前で止めるのではなく、顔の後方へ貫通させる指導をされていました。
【攻防の反応力を磨く 連続ミット蹴り】
テコンドー用のハンドミットを使って自由に蹴りの練習です。
ここではミットを持つ人のスキルが問われます。
動きの中からミットを自在に構え、攻撃させます。
攻撃する方は、瞬時に距離間を測り攻撃を繰り返し咄嗟の反応力も養っています。
・単発の蹴り
・蹴りの変化(中段 → 上段)・(刻み蹴り → 裏回し蹴り)
・突き → 蹴り
・スピン(後ろ回し蹴り)
・足払い → 突き
・蹴り → スピン
・突き → 蹴り → ダッキング
・突き → 引き込み(裏回し蹴り)
・背面への蹴り
・ゼロ距離からの蹴り
・逆体にスイッチしての蹴り
・足払いを捌いてからの突き
【しなやかな蹴りと柔らかい上体を作る 高速蹴りの攻防】
ここまで蹴り(攻撃)の練習ばかりでしたが、蹴られると最大3失点しますのでガードも出来なくてはなりません。
メンホーをつけた選手が膝立ちで構え両手でブロックし、攻撃側は蹴りの変化と連続蹴りの体勢作りを身につけることが目的です。
人間の心理として、蹴りが飛んで来たら怖くて目を瞑ってしまいますが、これは「慣れ」と言います。
あえて膝立ちさせている意味は、顔の高さを下げ上段に蹴りが多く飛ばすこと。
両手での受けは、手を出しているだけでは吹っ飛ばされてしましますので、瞬間脇を締めて張る意識です。
連続蹴りについてこれない選手は、次第に両手のガードの外に頭が移動しそこを狙われてしまいます。
蹴る側は、膝下を柔らかく使う意識を持ちます。
足を降ろさず何本も連続して蹴りますが、疲れて降ろした瞬間また地面の反動を使って間髪入れずに何本も蹴ること。
膝立ちの次は、利き構えで片膝立ちし繰り替えしますが今度は足払いが飛んできます。
下の意識を持つとともに上段のガードを両手でします。
また、上体を柔らかく使いスウェイバックも取り入れていました。
受け側のポイントは、
・目を瞑らない
・脇を締め腕を張って捌く
・顔を振らない
・上体が前に突っ込まない
・上体を柔らかく
上級者コースの練習メニューの紹介でしたが、何より今井監督の分かり易い例えを交えた説明に感心させられます。
こんにちは!
荒賀竜太郎のチャンピオン組手セミナー 後編です。
06:上体を崩す足払い → 刻み突き・中段蹴り・変化した上段蹴り
07:逆体に対する足払い → 中段蹴り
08:前拳を触って先に仕掛けてからの返し技
09:実践的な駆け引きの練習
10:セミナーのまとめ
【上体を崩す足払い → 刻み突き・中段蹴り・変化した上段蹴り】
自分の前足で、相手を前から斜めに力を加える足払いだったが今度は、
自分の後ろ足で、相手を刈る方法です。
これにはコツがあり、後ろ足を直線的にぶつけても相手は耐えられます。
自分の後ろ足で相手の足を指先の方向に動かせば、簡単に相手を崩せます。
前足でも可能です。
これまでは、相手の表面を蹴っていましたが、相手の足の裏側にまで入れてみると転がせます。
但し、入れすぎると相手との距離が更に近づくのでリスクを伴います。
ポイント:前の手でガードし、軸をずらして足を払います。
軸をずらすとは、自分の後ろ足を相手の背中側に大きく踏み込み正中線をずらすという意味です。
これを、
①前の手ガード
②後ろ足の軸ずらし
③前足で足払い
を連動させます。
足払いが決まった時相手とは、I(正面)で向き合うのではなく、X(横)で崩しています。
たとえこかせなくても、ほんの僅かでも体勢を崩すことが出来れば相手は一手遅れることになりますので、こちらの技が極まる確率はグンと高まります。
とても有効なテクニックだと言えます。
駆け引きの中で足払いの意識を植え付けさすと、相手は試合中考えることがひとつ増えます。
試合運びの中で相手に足払いを警戒させることで、次繰り出すこちらの技がより効果的になります。
練習では、
①足払いで相手を崩したら刻み突きで極める
②崩したその足で中段蹴りを極める
③足払いを見せながら上段蹴りに変える
さんざん相手に足元を意識させた上で、上記3つのバリエーションを練習していました。
ポイントは相手を崩すこと。
崩れた相手は体勢を整えることからリスタートなので焦る必要はありません。←これ大事
中段蹴りも焦らず、足払いした足を降ろして蹴ります。
上段蹴りは、サイドを使って足払いを空振りしたあと、上段に持っていきます。裏回しを意識させて、逆を蹴るなど変化させます。
【逆体に対する足払い → 中段蹴り】
お互いに足のポジション取りから始まります。(互いに外を取りたがる)
相手の前足が開いている分、前から蹴ってもビクともしません。
なので、後ろ足で内側から蹴り外に崩します。
力の加え方は真っ直ぐでは無く横です。
出来るようになれば、足首で相手を持っています。
内から触ったあと、その足で中段蹴りを練習しています。
【前拳を触って先に仕掛けてからの返し技】
相手の前拳を触っても上体を崩すことは出来ないが、相手の手をずらしたり居つかせることは出来る。
足払いしてくる相手、前拳を触ってくる相手、フェイントをしてくる相手には、動いた瞬間を狙ってくるのは当たり前です。
なので逆にそれを利用します。
ペア練習です。
自分が触ったら、相手は攻撃し、攻撃されたら自分は前で返す練習を行います。
要するに、自分からしかけて(誘っておいて)、きた技を捌いて返す練習です。
ペア相手は、触られたら即反応する練習も兼ねています。
ポイント1:
後ろ足に溜めを作って「イチ」で跳びこめる準備を作っておく
ポイント2:
前で誘って引き込んで返す
ポイント3:
「入るふり」も交える
ポイント4:
触り方は足払い同様に、出来るだけ距離を空ける
(逆に触らない時は、上体を前後してフェイントしても良い)
相手には「1」で跳びこむための距離があるので、そこを利用して距離が短くなったところを返します。
このあたりの誘い方の駆け引き(騙し合い)は、かなり高度です。
いろんなテクニックを伝授してくれていますが共通してることは、足元だけじゃなく上体・手も使って相手と間合いの騙し合いをすることです。
返し技ですが、突きは引き手をしっかり取って、前の手で相手を押えます。
【実践的な駆け引きの練習】
次はフェイントありで相手に触りにいきます。触られた方も1発目に反応しなくてもOK。
間合いを切るだけでも良いし、好きなタイミングで突き技を出します。
触る方は常に意識を集中させ警戒しないといけません。また、触ったらそのまま突きに入っても構いません。
触ったら下がって引き込んでも良いし、そのまま突きにいっても良いので、だんだんと実戦に近づいてきました。
パターン練習の総まとめで、実戦形式になっていきました。
もちろん仕掛ける側は足払いも入れていきます。
良い練習方法ですね。それぞれにテーマを持たせてのパターン練習ですので技の引き出しが増えると感じました。
ある程度道場のレベルが上がったら、こんな練習を取り入れて全体の底上げをしたいと思いました。
【セミナーのまとめ】
01・前拳と前足を上手く使って相手をコントロールし、相手にやりづらさを感じさすことが今日のテーマ
02・触る瞬間は、相手に取ってもチャンスである ワンパターンな入り方だとそこを狙われる
03・なので「02」を利用する 引き込んで返す
04・駆け引きのひとつとして覚えておく
05・夢や目標を持つ 結果だけを求めるのではなく、達成するために何をしないといけないか自分なりに考える
06・練習は考えてやる ただ単にやるのではなく、質の良い練習を行うこと
こんにちは!
荒賀竜太郎のチャンピオン組手セミナー 前編です。
01:ウォーミングアップ
02:構えをキープして足を触りあう
03:動きながら突きを受ける
04:足元を意識させる足払い → 刻み突き
05:足払い → 刻み突き → 中段蹴り → +αの連続蹴り
【ウォーミングアップ】
・足バタバタ
・ジャンプ
・バービー
・スイッチ
・ダッシュ
・うつ伏せダッシュ
・仰向けダッシュ
【構えをキープして足を触りあう】
-荒賀先生の構え方-
01・スタンスは肩幅大
02・つま先の向き 後ろ足:横(溜めが作りやすい) / 前足:斜め前
03・踵を浮かす
04・膝を軽く曲げる
05・上体はリラックス
06・前拳は肩の高さ
07・前肘は軽く曲げる
08・懐は深く
09・奥拳は中段を守る
10・真半身
11・軸はやや後ろ
組手構えでお互いに向き合い、相手の足を自分の足で触りあう練習です。
動いてもOKですし、相手の足タッチをかわして足払いしてもOKです。
前足・後ろ足、スイッチを使いながら、なるべく触られないように動ける範囲で足元をしっかり動かす練習を行います。
下がった時、触りに行った時、反対構えになって回っても常に構えはキープです。
足のスタンスは一定です。足が広がると、こかされてしまうので。
まずは、構えを意識しながら自由に足元を動かす練習からスタートです。
足払いは蹴りではなく、相手の膝から下を触りにいきます。
自分が触ったあと、相手に触られないように距離を取る事が大事です。
【動きながら突きを受ける】
ペア練習です。
相手は突きだけ。刻み・逆突き・ワンツーなんでもOK。
自分は相手の突きをしっかり受ける練習です。
受けるとは、バックステップ・パーリング・ダッキングを指します。
ポイント1:
相手の攻撃の外側を取ること。また受けた後は、すぐに回り込み距離を取ります。
ポイント2:
相手の突きに対し、真っ直ぐに下がらない。距離を取るために下がっても良いが、最終的には横に切れるようにする。
ポイント3:
ダッキングでは頭を下げるだけでなく、突いてきた手をしっかりガードしておきます。また相手が蹴ってきても手を上げていればガード出来ます。
高学年ともなれば、上体を柔らかく使い受けています。
後ろに下がる時、横に下がる時も手のガードは下げてはいけません。
残り15秒で焦ってしまうと、足も手も動かなくなってポイントを取られてしまうので、攻撃の練習だけでなくディフェンスの練習も必要です。
受ける(捌く)練習・ダッキングの練習・コートを上手く使う練習をしておけば余裕が生まれます。
「あとしばらく」を想定した練習でした。
【足元を意識させる足払い → 刻み突き】
足払いの目的を説明されています。
1・相手を崩す足払い(ころばす、刈る)
2・相手に足を意識さす足払い(技を上下に散らす)
3・もうひとつ相手の心理としては触られると
①ビビる、居つく
②足を引く、身構える
③体勢が崩れる
④下がる・前に出る等反応する
と何らかの現象が起こります。
ここでは、相手を動かしてコントロールするための技として使う足払いを紹介されています。
メリットとしては、駆け引きの中で足払いを用いると相手の反応を探れたり、相手を動かすことが出来ると説明されています。
逆にデメリットもあります。
相手に触るということは逆に攻撃される距離に近づくということです。
いくら足払いのあとに、技を出したとしても技の数としては「いち・に」です。
足払いの「いち」に、相手に技を合わされたらポイントを取られてしまうことを説明されています。
ふむふむ。
上記をふまえた上で技術論に入ります。
①構えた体勢から、寄せ足しないで触る(これが出来たら良いがなかなか難しい)
②自分の前拳で相手の意識を上に持っていき、寄せ足して足を触る
寄せ足出来る分、②の方が簡単です。
ただし2挙動になるので自分の前拳で、相手の前拳を上から蓋します。(相手はカウンターの刻みを狙ってきます)
前拳で相手の突進をブロック出来るので必須ですね。
注意点は、身体から突っ込まず前拳から入ること。
身体から入ると相手はカウンターで反応しやすいですが、前拳から入ると相手は受けなアカン!かわさなアカン!という感覚が働きます。
ここから実際に技に繋げた入り方です。
前足足払い → 刻み突き
まずフットワークから、足払いをして距離を取り、2度目は足を触らず刻み突きを極める入り方を練習していました。
これは、相手に対し距離を惑わしています。
1度目:足払いされ距離が近い認識を持たす
2度目:足払いが届かず遠いと思わせて、刻み突きでポイントを狙いに行きます
1回目は触る・2回目は触らないことで相手は距離感を間違えやすくなり、ポイントに繋げるという訳です。
足払いは、相手の反応を遅らすことが狙いです。
足払いをする時のポイントは、後ろ足の溜めが大事です。
後ろ足の溜めを使って、跳びこみます。
『足払いの姿勢』
足は触っているが、上体は後ろにあってバランスが取りやすい体勢です。
後傾していると相手からしたら距離が遠く突きにくいが、自分は後ろ足に溜めがあるので前に跳びこみやすい。
『攻撃後』
足払いからの刻み突きの後スイッチしてVの字で残心を取ります。
『応用技』
触らない足払いを撒き餌にし、相手が反応して刻み突きを合わしてきても、距離が遠くもらう心配はありません。
そこを捌いて、突きで返すお手本も見せてくれました。
【足払い → 刻み突き → 中段蹴り → +αの連続蹴り】
相手の足を蹴って突いて切り返したら、中段蹴りを繋げます。
流れるように技が出せるようになれば、もうひとつ刻み突きを追加!
こうしてドンドン技が繋がっていけるように繰り返し練習しています。
ここで大事なのが中段蹴り。
ダッキングされた後、切り返しての近間の中段蹴りや後ろに下がった相手に対しての中段蹴りに有効です。
なぜ大事かと言うと、「先取」ルールが出来たから。
相手に選手を取られると、逆転するには2ポイント上回らなければいけません。(中段蹴りは2ポイント)
強い相手に突き技で2つ取るのはしんどいかも知れませんね。
上段蹴りを狙って上を警戒されるより、しっかり下を狙ってポイントを取れるようにすることが重要と説明されていました。
また中段蹴りは、腹部に相手の手があったとしても、音がすると入ったと思わせることが出来ます。
(背後の副審にはタイミングと音でごまかせる?)
確かに上段蹴りの場合、手でガードしていれば旗は上げにくいですね。
なので攻撃終わり(離れ際)の中段蹴りをとても意識されているようです。
あくまでも、足払いに相手の意識を向けさせ突きで極めます。
それにプラスして蹴りで終われるようにします。
注意することは距離。
足で触って突きで跳びこみますが、その後相手との距離によって蹴り方を変えなければいけません。
詰まっているなら相手を押して空間を確保します。
それでも近い場合腰を残して蹴ります。(遠間の蹴りかたでは、抜けてしまうし潰れてしまいます)
距離を見て判断することもポイントです。
こんにちは!
組手審判資格取得に向け、購入したDVDです。
少しばかり古いですが、この平成29年度版がDVDとしては最新です。
悲しいかな、しょっちゅうルールがマイナーチェンジしますので5年も経つと、ところどころ今と異なっています。
このDVDの優れているところは、ルールブックを読んでいても分かりにくい試合中のシュチエーションを、試合形式の動画で再現し答え合わせしてくれます。
やはり文字より動画の方が、頭の中に入ってきやすいです。
ルールブックやDVDで頭に叩き込み、マイナーチェンジした情報をJKFに自分で取りにいかないといけません。
常にアンテナを張り巡らせていないと、変わったことすら気づかない事にも繋がりかねます。
2022年9月の審判講習会で学んだ新ルールから、つい先日開催された栃木国体から、またルールが変わったと聞きます、、
更には、2023年1月にWKF主導で大きくルール変更があると情報が入りました。となれば来年春にはJKFでも改定があることでしょう。
新ルールに対応した練習をしないと組手競技では命取りですね。
※ おっと!年末の全日本からルール変更のようですね、、
こんにちは!
荒賀龍太郎のチャンピオン組手セミナー3 いよいよ最終回です。
17・ダッキングしながら瞬時に転換する攻撃技
18・ダッキングする相手をコントロールする技
19・セミナーのまとめ
20・質問タイム
21・龍太郎先生からのメッセージ
【ダッキングしながら瞬時に転換する攻撃技】
今の空手競技ではダッキングやスウェーは出来て当たり前です。
ダッキングしてくる相手にどう攻撃をするか考えていると思いますが、ダッキングをフェイントとして使いながら攻撃することも出来ます。
上体を柔らかく使ってダッキングしながら瞬時に攻撃をしかけていけるようにすると、ワンテンポずれた入り方が出来るので相手はふいを突かれ返しづらくなります。
大きなフェイントをすれば相手は固まってしまったり目で追ってしまいます。
目で追わせれば、その後の反応が遅れますので技が極まりやすくなります。
ダッキングを上手いこと使いながら攻撃技に繋げられるようにすることです。
この練習をしていれば、自分がコーナーに詰まった時も活用出来ます。
ただ単に、
・来た技にダッキング
・攻撃後、相手の返しをダッキング
だけでなく、ダッキングをフェイントとして入る方法を紹介してくれていました。
間合いをはかりながら上体を左右に振って、仕掛けてくるのは海外選手に良く見られますね。
如何に相手にやりにくさを感じさせるかが、勝率を上げるポイントになりますので引き出しは一つでも多いに越したことはありませんね。
【ダッキングする相手をコントロールする技】
相手がダッキングしてくる!と分かっている場合です。
まず低めを突いていかなければいけません。
そしてダッキングされたら、相手の足を刈る技も使えます。(小学生は反則ですが)
いろんなパターンを紹介されています。
1・ダッキングされたら上から相手を落として押える
押えられると、相手は自分の力で起き上がれません。ということは自分のタイミングで相手を起こす事が出来ますので、技を極めれる確率が高まります。
2・ダッキングしてきた相手の背後に回って逆の足で蹴る
流れの中で背後に周ります。
ダッキングを狙う選手は相手の前足を嫌います。
フェイントで前足を見せておいて相手が居ついたところを低めを狙って突きます。
ポイントは前足でプレッシャーをかけ続け、相手にダッキングせざるを得なくします。(そういう体勢に持っていく)
他にも、コーナーに詰めた場合 前足でプレッシャーをかけ、相手をわざと逃がして攻撃します。
自分のお腹側に逃げたら逆上・回し蹴り・後ろ回し蹴り
自分の背中側に逃げたら刻み突き・刻み蹴り
これはセオリーですね。
相手をコーナーのギリギリまで詰めた時は、時間を考えて場外に出すか、前に引き出すかします。
状況によって戦い方を考えると言います。
荒賀先生はパターン練習と呼んでいます。
とっさに技が出せるようにするには、相手に自由に逃げてもらい自分は出す技を限定し、ひたすら練習を繰り返すことで身体に染み込ませているようです。
プレッシャーをかけた後、突きで極める、蹴りで極める、足払いをする等ダッキングのパターン練習でバリエーションを作ります。
相手を引き込んで裏回し蹴りを狙う選手を多く見受けられますが、対処方法を紹介されています。
突っ込むとやられるので、切り返して攻撃します。
出させたところを、両手でブロックしながら蹴ってました。
カウンター狙いの戦術を取る選手には「技を出させる」ことが重要です。
試合中間合いギリギリでせめぎ合ってるのはカウンターを警戒してのことですね。
パターン練習でアイデアの引き出しを増やしておけば、タイプの異なる選手と当たっても落ち着いて試合運び出来ると言います。
あと忘れてはいけないこと。
ダッキングする相手には、中段突きも有効。
中段突きは相手に被されないので引いて技を出すことが出来ます。
中段突きを極めたあと、バックステップと同時に相手の前足を刈れます。(こかせます)
他にも、残心を大きく見せれますので副審にアピールしやすい。
パターン練習が大事だと説明されていました。
【セミナーのまとめ】
・得意とする蹴り技があれば、突き技が生きてきます。(相手が警戒するから)(逆も然り)
・大技ばかり狙わない。(蹴りのこと)強力だけど隙が多いから。間合いや入り方を間違えると突きに負けるよ。(手技の方が速いから)
【質問タイム】
Q1:フェイントが苦手です。
A1:フェイントは相手を騙す(反応さす)(動かす)ためのもの。そのことをもう少し考えてみよう。
あなたがフェイントを仕掛けた時、相手がどういう動きをしたかを考えてみよう。
例えば、相手の前拳を触るフェイント・相手がハッと思う位に近づくフェイント・前足を上げるフェイントがあるよ。
実際に技を仕掛ける時に「よいしょ」で入ってたら、フェイントが活きないよ。
フェイントをかけながら、フェイントと見せかけて攻撃に入らないといけないよ。
Q2:龍太郎先生の上段突きを突く時に後ろ足を、自分の体の後ろの方へ蹴っているようにみえますが実際はどのように動かしていますか。
A2:突いた後は、相手の技をもらいやすいので寄せ足を速くしています。
地面の反動を使って、真後ろではなく斜めに蹴るイメージです。
突いた後、後ろ足を引きずっていてはその後の動作が遅れるので寄せています。
【龍太郎先生からのメッセージ】
夢や目標を持つ。
夢や目標に向かって努力する。
同じ学年のチャンピオンを知る。
同じ学年のチャンピオンを研究する。
意識しだすと取組み方が変わります。
ライバルはどんな練習してるかな?
どんな態度で日々過ごしてるかな?
どんなこと意識してるんやろ?
普段からライバルを意識すると「伸びしろ」が変わるのでライバルに近づける。
プラスしてアレンジもしていかなくてはいけない。
お手本となる人を見つけて、真似をすることも大事。
その人の良い行いを自分も取り入れよう。