こんにちは!
大阪の強豪、浪速高校の稽古内容を収録した ”浪速の空手” です。
以前浪速の空手2を3回に分けてシェアしましたが、今回はシリーズ1作目、前編です。
紹介順が入れ違いましたが、何も意味はありません。
1:動きを止めない練習体系
2:実戦想定!スタミナ養成トレーニング
3:世界標準の感覚をつくる フットワーク&至近距離
4:見切り組手
【動きを止めない練習体系】
1-1 動きを止めないウォーミングアップ
今(当時)テーマとして取り組んでいたことが『動きを止めないこと』
リスタートの時であったり、構えだしの速さです。
ジョグしながら、ゆっくり大きく全身運動しています。
突きを入れたり、サイドステップ・足上げ等思いおもいに行っています。
部活の良いところは、元気な声が道場中に響き渡り、声が途切れません。
キャプテンが鼓舞し、皆がついてくるといった感じです。
活気があって大好きです。
1-2 リスタート(打ち込み)
ペア練習です。
受け手側の方も、避ける動きを交えながら終始動きを止めません。
場合によっては反撃を入れ生徒に工夫させます。
”漠然とならない”・”ボーっとしない”です。
構えだしから、交互に一本ずつ技を出し合う練習をされています。
突き終わりの逆の手
押すことで、相手の反撃を断ち間を取る事が出来ます。
相手の体勢を崩したり、タイミングを一個外したりの役割を持つので意識するように、アドバイスされています。
他にも、受け手側のプレッシャーのかけ方。
簡単に相手に技を出させてはいけません。
前手でちょっかいかけながら、実戦をイメージさせていました。
ただ台となって受けてるだけじゃダメだということですね。
途中、中断し生徒を招集するのですが、全員ダッシュです。
一つひとつの言葉に、押忍っ!
打ち込み前に互いに一礼。
打ち込み後にも一礼。
道場のあるべき姿です。
1-3 カウンター
1-2同様に、相手が間合いに入ったタイミングで”後の先”を取る練習です。
ここでのアドバイスは ”離れ際” を注意すること。
構えだしの速さと、打った後伸びたらアカンことです。
1-4 扇パターン
3人を扇状に配置させ、技を決めて打ち込みです。
一人目:刻み突き
二人目:連続技
三人目:蹴り
ルールはひとつ。
打ち終わりは、バックステップでスタート位置まで間を切ること。
意識することはふたつ。
戻りからの立て直しの速さ。
打ち終わりは逆の手を相手を押し反撃の姿勢を作らせないこと。
1-5 扇ランダム
扇パターンと異なる点は、台が前に出たり後ろに下がったり。
しかも順番ではありませんので、状況に応じて素早く反応します。
応用練習です。
打ち込み側がトップクラスの選手ですと、台は横の動きを取り入れたり、ダッキングの姿勢を取ったりと揺さぶってあげます。
(状況判断の難易度を高めています)
1-6 扇状況判断
台の選手はランダムに蹴り・突きを出してきます。
この練習の目的は、
・打ち込み側の状況判断の精度を高めること
・咄嗟の動きに身体が対応出来ること
無理に相手の技に嚙み合わせてしまうと、取られてしまったりするので、避けるだけの動きも必要となります。
状況によっては、守りを固めポイントを取られないようにすること。ガードの意識も持たせています。
練習に入る前に、意識を置くポイントを説明されていますので視聴者も生徒も分かり易い進め方なんじゃないでしょうか。
練習やから思いっきりいったらアカンけども、突く軌道・蹴る軌道を真っ直ぐ出せる確認をする。
流れに任せて、雑な技の入り方をしないように。
普段から1対3で扇の練習していると、絶対試合は楽に感じるでしょうね。
【実戦想定!スタミナ養成トレーニング】
2-1 二分一分
2分間フリーで試合形式。
「あとしばらく」を意識した稽古も兼ねていますが、がむしゃらに攻めてはいけません。
審判に無謀な攻撃を取らてしまいますので。
そうじゃなく、技術を見せるように。
いつもはここで試合が終了しますが、集中力を上げるために1分間の再試合を取り入れています。
試合中の今井監督のアドバイスは、
「動きとめるな」
「的をずらせ」
「動き固いぞ」
「出入りかけな」
「フェイントないぞ」
自分の攻撃の後、「身体伸びんな」「逆の手で押して相手を伸ばせ」
2分間の試合形式の後、素早く審判が入り1分間の再試合。
団体戦で延長再試合を想定しての稽古です。
インターバル1分で息を整え、すぐ再開出来るように普段から稽古されています。
2-2 二本取り
離れ際とリスタートを大事にしながら、本番さながらの二本取り。
(相手の攻撃を)見て動かず、それまでに予測するようアドバイスされています。
【世界標準の間隔をつくるフットワーク & 距離感】
3-1 足組手
上半身の脱力と動きを止めないための練習方法です。
ポジショニングが悪いと、こかされてしまう事もありますので、この練習で克服します。
両足を上手く使い、相手の足を踏むだけの練習です。
フェイントを覚えるには丁度良いかも知れません。
これは体幹の強さが必要です。
上半身の余分な力が抜けきったところで、構えだけつけて再開しています。
互いの足が交差した時、ケガをさせたらいけないという意識が働き、動きが一瞬スローになってしまうが、試合中では絶好のチャンスです。
ここで変な癖をつけては悪影響ですので、立て直しの速さを意識付けされていました。
リラックスした動きを身につける練習かと思いきや、チャンスを的確に狙う真の目的を意識をもたしていました。
間髪入れずに詰める!
3-2 触り組手
今度は両手両足で相手をタッチするだけの触り組手。
ただ相手をタッチしたあと、安心しているとすぐに反撃されてしまうので注意を切らさずです。
反対側も咄嗟の反撃が出来るように、互いにリスタートを意識です。
触れてたのを、試合ではしっかり突く(蹴る)だけです。
【見切り組手】
4-1 突き
相手の攻撃をスウェイバックで引き込んで、返す練習です。
前拳側の肩をやや下に下げながら、相手の中段突きを引き込み上から被せるように逆上で極める練習方法です。
ポイントは相手の攻撃時、止まっていてはいけませんし浮いてもいけません。
引き込んでの突き以外のバリエーションでは、
・足払い
・裏打ち
何かも紹介されています。
(スウェイまでは一緒)
今(発売当時)のルールだと相手の中段突きを、前拳で落としてカウンターを狙っていては、先に仕掛けた相手の方に旗が上がりやすい傾向にあるので、
しっかり「見切り」が必要と説明されています。
相手の攻撃が届いていないよ的なアピールかな。
当然、反撃への動作にムダがあってはいけません。
可能な限りクイックにです。
受けることに意識を置くと相手のスピードに差し込まれてしまいます。
目的は見切りですので来たと同時に、肩を下げながらスウェイします。(最後逆上)
軸足の膝の使い方が重要です。
相手の拳先を見る必要はなく、自分の中段を届かさなければ良いだけです。
真半身で構えるからこそ出来るテクニックです。
お互いにフルスピードで繰り返し練習していました。
4-2 蹴り
蹴りも突きと同様ですが、蹴ってこられたら怖いので肩が上がってしまいがちです。肩が上がると裏回しの餌食となるので、ビビッて身体が浮いてはいけません。
要するに蹴りを見てしまうとダメ。見て受けようとせず間を切る練習です。
目的は見切りです。
相手の蹴りのバリエーションが変わろうが、見切りさえ出来たら何にも怖くないと指導されていました。
当然、試合中では間を詰めて蹴りを潰したりもありますが、見切りの練習でした。
見切りのあと、
・突き(逆上)
・投げ(足払い)
・蹴り(背中への中段蹴り・上段裏回し)
に繋げていました。
いつもありがとうございます!
現ジュニアカデットでコーチを務める荒賀 知子先生のDVDです。
ご存じ荒賀 龍太郎先生のお姉さんですね。
3回に分けて紹介してまして、今日が最終回です。
※現在の競技空手で主流のカニ構えではなく、真身(おへそが前)構えです。
09・世界を目指す「追い突き」
10・世界を目指す「刻み蹴り」
11・世界を目指す「コンビネーション」
12・世界を目指す「返し」
【世界を目指す「追い突き」】
上段逆突きです。
自分の攻撃するルートに相手の前拳がありますので、自分の前拳で落としてから攻撃に入ります。
この前拳は落としてから入るのではなく、落としながら入る事が重要です。
そして次に入った後ですが、前に持ってくる後ろ足をつっかえ棒にしないことです。
追い抜いた後ろ足で踏ん張ってしまっては、せっかくのスピードやパワーが無くなってしまいます。
なので前に出す足でブレーキをかけてはいけません。
自分の身体ごと相手にぶつかっていきます。
前足の入り方ですが、近間はそのまま入っても届きますが、遠間から入る場合では前足をスライドさせて入ります。
とても大きなこの技は、相手にとっては見破りやすいとも言えますので、連続で2本突くのも有効です。(逆 逆)
ワンツー同様に1本目の後を追って2本目を出し ”間" を消します。
【世界を目指す「刻み蹴り」】
一般的な刻み蹴りでは、まず後ろの足を寄せて蹴りますが、寄せ足を行わず突きの間合いの外側から蹴ります。
少しでも後ろ足を寄せれば相手にバレてしまいますので、組手構えから出来るだけ変化せず蹴ります。
蹴り易くするには、少しだけ半身に構えます。
蹴る瞬間モーションがあってはいけませんので、足を抱える時に手が下がらないよう注意が必要です。
手が下がる癖がバレると刻み突きでカウンターを合わされてしまいます。
蹴り方のコツですが軸足つま先は前を向いて構えますが、間合いの外側から蹴るには、踵を相手に向け蹴ることです。
そうすることで飛距離が出ます。但し蹴り終わりは、つま先を前に戻します。
それともうひとつ。
後ろの足で蹴って距離を出すのは当然ですが、それだけでは距離は伸びません。
軸足で床を蹴る力と同様に、前足を抱え込む力も必要です。
後ろ足で蹴り込む力
前の足で引き上げる力
の両方が必要と言えます。
DVDでは、この刻み蹴りダブルで蹴っています。
ポイントはひとつ目の蹴り終わりに寄せ足を素早く行い、両手が乱れないことです。
【世界を目指す「コンビネーション」】
刻み蹴りに刻み突きを合わせたコンビネーションです。
気をつけることは、蹴った足が床に着いてから突くのではなく
『蹴りながら突く』です。
やはり蹴りの反動で手が乱れると、当然突きが遅れます。
蹴り終わりの寄せ足は無しです。
イメージ的には、「前の足が落ちる前に突きが終わっている」です。
【世界を目指す「返し」】
返し技とは、相手の技を待ち、その後自分の技を出すことです。
返し技を極める上で大事になってくることは、「タイミングを前で取る」です。
相手が出てくるのを後ろで待つと、どうしても出遅れてしまい相手の技が先に到達してしまいます。
ですので前足でタイミングを取るイメージを持ち、相手の出会いの中段を取るような感じで入ります。
そしてもうひとつ大事な事は下がり過ぎてはいけません。
下がり過ぎてしまうと、相手との間に距離が出来てしまい自分の技が遅れてしまいます。
なので奥拳で返し技を狙う時は、
1・「下がる距離は最低限に」
2・「スウェイし相手との距離を調節する」
次に連続の返し技です。
相手の1本目の突きを前拳で捌き、2本目の突きを奥拳で落とし、刻み突きで攻撃をします。
この時重要なことは、攻撃する方の手の動きです。
2本目を落とした時に前拳は必ず攻撃に転ずる準備をしなくてはいけません。
一つひとつの技を理論的に説明しながら、実際に披露されています。
基本に忠実なこのベスト空手シリーズ、セミナーDVDとはまた違った気付きがあります。
数年ぶりに観返しましたが、言葉がシンプルで分かり易くおさらいすることが出来ました。
国語力はホント必要ですね。
いつもお世話になります!
ゴールデンウィークのブログ3本目、いよいよシリーズ最終回です。
5・小林実希のワン・ツーテクニック
6・RAY MORCOMBのボクシング式エクササイズ
7・2分間フリー組手
【小林実希のワン・ツーテクニック】
①体重移動でスピードを上げる
寄り足した瞬間に、後ろにタメていた体重を一気に前の足に乗せて突きます。
②小林実希のワン・ツーテクニック実戦編 1
WKF パリ世界大会 2012の映像が紹介されています。
間合いの出入りから、一気に上・上を極めていました。
③1と2の間を詰める
1と2の間が大きすぎると、間を抜かれてしまいます。
突きだけではなく、ステップのワン・ツーも速くないといけません。
相手の中に入る速さと、1と2の間を抜かれない突きの速さのどちらも重要です。
④まっすぐ入る
横の動きを見せつつ、間合いの出入り。
前後左右に間合いの駆け引きを繰り返し中に入る時はまっすぐ深く入ります。
⑤小林実希のワン・ツーテクニック実戦編 2
ワールドコンバットゲームズ2013の中からワン・ツーが紹介されて、これも上・上です。
1本目の突きを追いかけるように2本目が出ています。
⑥カウンターへの対応
身体の入り方。
寄り足を上手く使ってスピードを上げますが、寄り足をフェイントにも使い突きに繋げます。
他には、後ろに逃げられないようにライン際やコーナー際に追い詰めて突きます。
⑦小林実希のワン・ツーテクニック実践編
先に突いた前の手に自分の身体を引き付けていくイメージで入ります。
間と距離を潰す独特のワン・ツーに思えました。
1本目に反応されないために刺すようなイメージで動きを小さく突きます。
一度止まってタイミングを外したり、床を滑るように入ったり工夫されています。
他にも、ダッシュする時のように後ろ足を使って入り込んだりバリエーションが豊富です。
練習の時意識していることは、入りを速くすること。
技のおこりの動きを徐々に小さくしていくことです。
【RAY MORCOMBのボクシング式エクササイズ】
①ウォーミングアップ
グルグルと道場をジョグ。
1の号令でスッとしゃがみ、同じ要領で2の号令では両足ジャンプ。
チェンジの号令で逆回転。(割と頻繁)
3の号令でバービー。
②その場でのアッパーとストレート
平行立ちとなり、少し前かがみの姿勢を取り、両手でグルグルアッパーパンチで肩回りをほぐします。
次は左右のストレートテンポ良く繰り返します。
スピードアップとリラックスを交互に繰り返しています。
③基本のジャブとストレート
ボクシングの立ち方は、組手競技に例えると完全なるエビ構え。
後ろ足の爪先は完全に前方を向いています。(後ろ足の踵は上げています)
構え方は、重心を身体の中心に置き上体を少し前に倒します。
両手は顎の前。
ジャブは少しだけ肩を入れながらストレートは腰を切って放ちます。
ストレートは後ろ足の力を拳に伝え、押されても負けないような姿勢を取ります。
④肩と足を使ったコンビネーション
アッパー4回、ワンツー1回をテンポ良く。
ワンツー入れながら1歩踏み込んでます。
⑤身体のひねりを意識した防御
ボクシングの構えから、上半身を左右に腰を捻ります。
ただ後ろに上体を引くだけでなく肩を回したり捻る動きを加えます。
逆上を肩を切ってかわしたり、スウェイしながら避けています。
左右どちらの突きにも身体を捻る動きで対応です。
奥の肩を斜め45度に向けています。
刻み突きは、自分の前の肩を少し前に畳み相手の懐に入り込む意識で避けます。(ダッキング)
⑥肩を使った防御
上段逆突きに対して身体を後ろに倒すだけでなく肩を捻ってブロックします。(スウェイバック)
上段蹴りのガードに対しても同様に腰の捻りを利用して肩を巻きます。
⑦相手に近いところで攻撃をかわす
その場では避けず突きに合わせるように、相手の身体の側面に入り込んでかわします。
右手なら左側・左手なら右側に肩を入れながら懐に潜ります。(ウィービング)
かわした後に上体を起こさず低い位置から次の体勢に移動します。
空手のような直線的な攻撃にはより有効な技術だと言っています。
⑧組手式ミット打ち
ジャブ → ストレート → ワン・ツー → スウェイ → ストレート
ゆっくり技を確認しながらどんどんスピードを上げていきます。
ポイントは後ろに下がると同時に相手の攻撃に備えます。
下がってから対応していたら遅すぎます。
これを、YAHIRO選手が超高速スピードでミット打ち。
両手の回転スピード、突きをかわす反射神経、反動を利用したストレート
センスの塊です。
次の攻防は、右ストレート → 左フックをウィービング → 右ストレート
左フックは空手で例えると上段蹴りと想定します。
全部繋げると、
ジャブ → ストレート → ワン・ツー → スウェイ → ストレート → ウィービング → ストレート
攻 撃 :5回
ガード :2回
フルスピードで5回ほど繰り返し、終わったあと歓声が起こってました。
その他の選手も、ゆっくりゆっくり練習してました。
さすがです。荒賀選手はフルスピードで対応できていました。
組手にもボクシングのように繋がった動きを取り入れることが出来るかも知れませんね。
【2分間フリー組手】
正体の篠原選手と逆体でやや後傾に構えるYAHIRO選手
肩のフェイントを上手く使う篠原選手と、横のフットワークを使うYAHIRO選手です。
当たり前ですが、どちらもノーモーションですが上手く間合いを外します。
スイッチした篠原選手が一瞬前に入ったところを、前足で正面蹴りの軌道から裏回しに変化させ見事に一本取っています。
極められた篠原選手は蹴りが変化した途端、驚きの声を上げていました。
小林選手(正体)と中村選手(逆体)
中村選手の攻撃に上手く中段を合わせます。
面白い攻撃だったのは、やや浅い姿勢の中段突きから上段回し蹴りのコンビネーションがありました。
3試合目は、荒賀選手とYAHIRO選手
前足を高く上げたり、両手を大きく上げたり、スッと抜いたフェイントを入れたりと、いろんな動きを混ぜチャンスを伺う荒賀選手。
仕掛けた荒賀選手に上手くダッキングするYAHIRO選手ですが、なんと投げたのは荒賀選手の方。体幹の強さが光ります。
8割程度のマススパーとはいえ、荒賀選手の刻み突きを肩を入れてウィービングでかわします。
さっき教わった技を試されていました。
運動神経が高くないと、こんなにすぐに出来ないと思います。
面白かったのは、YAHIRO選手がその場で一瞬肩を入れながら沈んで刻み突きを出しています。
距離が足りず極まりませんでしたが、面白い入り方でした。
小林選手とYAHIRO選手
フットワークを止め、カウンター狙いのYAHIRO選手と、どうにかして得意の中段を極めたい小林選手の駆け引き。
崩そう(動かそう)と仕掛けますが乗ってきません。
攻撃をことごとくボクシングのテクニックを駆使してガードしています。
受けに徹するYAHIRO選手ですが、前足での横蹴り(多分フェイク)で中段に意識を植え付けておき、間を切ってリスタートする際、同じフォームから上段裏回しに変化させて一本取ってました。中段は撒き餌ってやつでしょうか。
ひとつ極まったのが、小林選手の逆上。
自分の前拳でYAHIRO選手の前拳を被せておき、逆上を極めています。
これは松久先生のDVDで紹介されていた入り方と同じでした。
YAHIRO選手も、スウェイしての逆上で反撃していましたが、一手遅れた印象です。
荒賀選手と小林選手
なんと!
超絶スピードで上・上で荒賀選手の顎をとらえました。
カウンターを合わせたようにも見えましたが、凄いスピード。
間合いの外からやのに、、
中段突きもあと少しな感じで極まりそうなくらいです。
この中段突き、荒賀選手は前足の抜きを使って左足で刻み蹴りを放っていました。
荒賀選手ですが、こんな技も。
遠間から刻み突きで跳びこみますが、一瞬途中で止め(フェイント)一気に突っ込んできます。
間合いを切った小林選手ですが、刻み突きから逆・逆に変化させていました。
改めて引き出しの多さに感心させられます。
荒賀選手とYAHIRO選手
互いに見合った上体から、荒賀選手がスッとスイッチしたと同時に左手で逆上を一発で極めています。
フットワークを止めカウンター狙いのYAHIRO選手。
プレッシャーをかけ続ける荒賀選手。じりじりと距離を詰めていきます。
比較的スタンスの広いYAHIRO選手を奥足で足払いで見事こかしました。
篠原選手と小林選手
私は篠原選手の組手が大好きです。
ピクリとも動かない、理想的な刻み突きの入り方。(これぞノーモーション)
どう表現して良いか分かりませんが、来る気配(殺気)が無い間合いの詰め方。
いつの間にか、篠原選手が間合いに侵入しています。
ドンドン小林選手が追い詰められます。
組手スタイルに殺気がないから強さを感じさせる組手ではありませんが、終始ペースを握っている印象です。
オリンピック出てほしかったな。
篠原選手とYAHIRO選手
礼の如く読めない動きで接近する篠原選手。
やりにくそうなYAHIRO選手です。
技にも、間の詰め方にもモーションが無いので、いつの間にか侵入を許してしまいます。
荒賀選手とYAHIRO選手
荒賀選手が逆上で入ってきたところを、バックステップでスペースを作り逆上でカウンターを取ってます。
相打ちのリスクを避け、相手の打ち終わりを一撃で仕留める海外スタイルですね。
単発の技は反射神経の良さで、ことごとくガードし返し技で得点を狙います。
見事な省エネです。
荒賀選手と篠原選手
またもや不気味な接近です。
刻みと逆上で荒賀選手から突きを極めていました。
途中、荒賀選手は両手・前足・両肩をバタバタさせながら訳の分からんフェイントで見事に刻み突きをドンピシャで極めていました。
こんな突飛な入り方するのも荒賀選手の魅力のひとつですね。
最後、単発で放つ荒賀選手の中段逆突きを後ろの足で足払いです。
こかすまでとはいきませんでしたが、ドンピシャでした。
最後は文字通り、自分の技術を試し合う場でした。
技の引き出しの多さに観ているだけで勉強になります。
※なにより驚いたのは、全日本で女子形3連覇中の大野ひかる選手が、胸に日の丸つけた組手道着で参加されていたことです。
いつもお世話になります!
現役最強選手たちの得意技最新メソッド2014 中編に出てくるTSUNEARI YAHIRO選手。
東京2020オリンピックにオーストラリア代表として出場していました。
オリンピック前に購入していたガイドブックに出場選手の名前を見つけた時、気付きました。
3・荒賀龍太郎の蹴りテクニック
4・TSUNEARI YAHIROの組手トレーニング
【荒賀龍太郎の蹴りテクニック】
①膝の抜きを使ったフェイント
篠原選手に立ってもらい実際に技を披露します。
完全に上段を極められた篠原選手は驚きの表情です。
相手が一歩間合いを詰めた瞬間、スウェイするとともに前足を後ろに抜き、一気に前足で跳びこみます。
1・引き込んで前手でカウンター
2・引き込んで逆上
3・引き込んで裏回し
この3つは知っていますが、改めて引き出しの多さに驚かされます。
篠原選手曰く神技だそうです。
試合中、極まらなくても予想外の技を一発みせておけば相手は警戒しますね。
心理的に優位に立てるとも言えるのではないでしょうか。
②荒賀龍太郎の蹴りテクニック実践編
①の技が実際の試合で極めた映像が流れています。
ワールドコンバットゲームス2013です。
1:逆体のフランス人選手の刻み突きをダッキングで距離を詰めサソリ蹴り
2:相手の逆上をスウェイ → 前膝の抜き → 右上段蹴り(跳びこみながら)
フランス人選手も驚くべき反射神経で右手を上げ間一髪ガードし、得点には結びつきませんでしたがハイレベルな攻防です。
③普段の練習から生まれる技
②の技について、いろいろな選手が荒賀先生に質問攻めです。
Q1・そういうこと考えて練習してんの?
A1・たまたま自然な流れで出ました
Q2・普段練習してるんですか
A2・動きの中で自然に出た技を普段の練習にフィードバックして自分のものにしています
④手を使ったフェイント
この意表をついた蹴りの入り方を深堀りします。
前足の抜きを相手に見せないためには、手で返すふりをして相手を惑わします。
(相手の視線を上に向けておきます)
奥手 → 前手の順に手を動かして意識をそちらに向けます。
それにしても凄い身体能力です。
参加選手たちはいつの間にかモノにしたようです。
引き出しがひとつ増えますね。
⑤コーナーを背負ったときのフェイント
小刻みなステップの中から一瞬前足を内に踏み込み、刻み蹴り。
内側から相手の外側に蹴りを極めてます。
ほんの少し背中が見える位に踏み込んでます。
【TSUNEARI YAHIROの組手トレーニング】
(ペア練習です)
①刻み足からの刻み突き
向かい合って、前方に細かくステップしながら3つ目で刻み突き。
これを道場の端から端まで繰り返し、折り返します。
バックステップで細かくステップして同じく3つ目で刻み突き。
バックステップから前に出ますので当然後ろ足にタメが無いといけません。
ポイントは、動きの中で出来るだけ技のおこり(モーション)をなくすこと。
②スウェイからのカウンター
次は下がる側の練習です。
ペア相手が出す刻み突きを上半身の動き(スウェイバック)でかわし、カウンターの逆上を出す練習です。
下がりながら準備し、前に来る相手をあまり踏み込まずに。
上半身を前に置き距離をコントロールすることが重要です。
近距離なので、引きの大きさで残心をアピールです。
相手がワン・ツーの2ステップだとワンとツーの間を狙うかリスクが高ければ、自らもひとつバックステップで間を作り逆上です。
ワン・ツー・スリーでも同じ。相手の打ち終わりをスペースを保ちながら返します。
良ーく見ないといけませんね。
手だけで突くイメージで速く技をだし、アラブ系の選手はこの突き方が上手いのだそうです。
荒賀先生曰く、このシチュエーションだと日本人選手は後の先狙い。
海外の選手は相打ちに近い後の先だと、審判によっては失点するリスクが残るので、相手の攻撃を避けきって反撃します。
海外勢は「負けない」・「失点しない」どうやったら負けないかを追求した結果こうなったようです。
面白いですね。
③刻み蹴り
刻み突きの感覚で細かいステップから刻み蹴り。
前進しながら軽く当て、後退も同様に行います。
蹴った後はすばやく残心です。
応用で裏回しもやってます。
膝から下を刺すように鋭い蹴りを放ってます。
最後、膝を内に抱え込んで相手の外側を蹴る横の変化を使った蹴りを披露してくれました。
④蹴りのクロスカウンター
前に出てきた相手に対し、軸足は動かさず上体をスウェイしながら裏回しです。
シーソーです。
軸足を支点にして身体を倒すことで蹴りの出せる距離を生み出します。
試合で負けていても落ち着いてしっかりプレッシャーをかけカウンターを狙います。
終盤、相手にポイントでリードされていたとしても、相手は手数を出さず逃げていてはC2取られますので、前に出てくる瞬間をこの技でとらえます。
⑤投げのバリエーション(払い腰)
背中に手を回し相手の体重をしっかりと上半身に乗せてから足を刈ります。
相手の懐に入った時に腰を落とします。
⑥投げのバリエーション(蹴りの反応)
相手が蹴りに来たところを中に入り込んで足を刈ります。
自分の前足で、相手の軸足を刈ります。
相手を持ち上げるのではなく、足を払い素早く相手の身体を落とします。
⑦小林実希の投げテクニック実践編
勝っている相手をコーナーに追い込み蹴りを出してくるところを狙います。
両手を前に出しながら詰めると、相手は蹴りで応戦してきますので、そこで足を刈る技を紹介されています。
当時と今とでは、投げに関するルールが変わっていますので参考にはなりません。
投げるために掴んではいけませんし、旋回軸が腰より上で投げたらC1取られます。
しかも両手で掴むとC2。(オッケーなのは片手で一瞬だけ)
いつもありがとうございます!
現ジュニアカデットでコーチを務める荒賀 知子先生のDVDです。
ご存じ荒賀 龍太郎先生のお姉さんですね。
3回に分けて紹介したいと思います。第2回目です。
※現在の競技空手で主流のカニ構えではなく、真身(おへそが前)構えです。
05・世界を目指す「移動基本」
06・世界を目指す「中段突き」
07・世界を目指す「刻み突き」
08・世界を目指す「ワンツー」
【世界を目指す「移動基本」】
一般的な移動基本ですと肩を入れず腕の長さだけで突きますが、荒賀 知子先生の移動基本はその場基本と同様、
顎を締め突きの延長線上に顎を置きます。
また胸を張り重心は真ん中ですが荒賀 知子先生は重心は前の方に置き、やや前傾ぎみです。
少々肩が入っていますので、拳ひとつ分長い突きとなっています。
【世界を目指す「中段突き」】
組手の中で使う中段突きの説明です。
まず立ち方です。
後ろ足の膝と指を正面に向け突いた時、膝が床に着くのはあまり好ましくありません。
この突き方では、重心が下に落ち距離が出ません。
軸足親指の外側を使い身体全体を支えるイメージで突くと距離が伸びる。
肩を入れずに突くと距離は出ませんので、肩を伸ばして突くと良い。
大事なのが突いた時の状態の姿勢。
上体が前に行き過ぎて前のめりになると前膝がつっかえ棒となり、入りにくくなります。
ですので、自分の前足は相手の前足の中に入る位に踏み込み、上体は真っ直ぐを保ちます。
【世界を目指す「刻み突き」】
これも基本同様に、前拳の延長線上に顎を置きます。
この状態で刻み突きし、反対の奥拳は顎の前に置きます。
これは上段の防御と刻み突きが極まらなかった時の、次の準備のためです。
【世界を目指す「ワンツー」】
ワンツーを突く時に一番気をつけることは、ワンとツーの間に返されることです。
この間隔が大きいほど、相手は狙い易くなります。
刻み突きの突き方は同じで、顎の下に準備した奥拳は、刻み突きを追いかけるように間髪入れず放ちます。
1本目を突いた手を引きながら、2本目を出すのではなく1本目の途中に2本目を出します。
そして次に注意することは足の音です。
普通のワンツーでは『トン・トン』と鳴りますが、ここでも突きのスピードに合わせ『トトン』です。
前足の着地の仕方ですが踵から落ちてしまうと、2つ目が前に出れず遅くなります。
ですので、つま先から着地し足を弾くイメージを持ちます。
前足だけでは素早く前に出れませんので、後ろの継ぎ足も重要になります。
前に出ると同時に内腿をくっつける感じではないでしょうか。