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浪速の空手 -浪速高校空手道部 世界標準の練習体系- 1/2
こんにちは!
大阪の強豪、浪速高校の稽古内容を収録した ”浪速の空手” です。
以前浪速の空手2を3回に分けてシェアしましたが、今回はシリーズ1作目、前編です。
紹介順が入れ違いましたが、何も意味はありません。
1:動きを止めない練習体系
2:実戦想定!スタミナ養成トレーニング
3:世界標準の感覚をつくる フットワーク&至近距離
4:見切り組手
【動きを止めない練習体系】
1-1 動きを止めないウォーミングアップ
今(当時)テーマとして取り組んでいたことが『動きを止めないこと』
リスタートの時であったり、構えだしの速さです。
ジョグしながら、ゆっくり大きく全身運動しています。
突きを入れたり、サイドステップ・足上げ等思いおもいに行っています。
部活の良いところは、元気な声が道場中に響き渡り、声が途切れません。
キャプテンが鼓舞し、皆がついてくるといった感じです。
活気があって大好きです。
1-2 リスタート(打ち込み)
ペア練習です。
受け手側の方も、避ける動きを交えながら終始動きを止めません。
場合によっては反撃を入れ生徒に工夫させます。
”漠然とならない”・”ボーっとしない”です。
構えだしから、交互に一本ずつ技を出し合う練習をされています。
突き終わりの逆の手
押すことで、相手の反撃を断ち間を取る事が出来ます。
相手の体勢を崩したり、タイミングを一個外したりの役割を持つので意識するように、アドバイスされています。
他にも、受け手側のプレッシャーのかけ方。
簡単に相手に技を出させてはいけません。
前手でちょっかいかけながら、実戦をイメージさせていました。
ただ台となって受けてるだけじゃダメだということですね。
途中、中断し生徒を招集するのですが、全員ダッシュです。
一つひとつの言葉に、押忍っ!
打ち込み前に互いに一礼。
打ち込み後にも一礼。
道場のあるべき姿です。
1-3 カウンター
1-2同様に、相手が間合いに入ったタイミングで”後の先”を取る練習です。
ここでのアドバイスは ”離れ際” を注意すること。
構えだしの速さと、打った後伸びたらアカンことです。
1-4 扇パターン
3人を扇状に配置させ、技を決めて打ち込みです。
一人目:刻み突き
二人目:連続技
三人目:蹴り
ルールはひとつ。
打ち終わりは、バックステップでスタート位置まで間を切ること。
意識することはふたつ。
戻りからの立て直しの速さ。
打ち終わりは逆の手を相手を押し反撃の姿勢を作らせないこと。
1-5 扇ランダム
扇パターンと異なる点は、台が前に出たり後ろに下がったり。
しかも順番ではありませんので、状況に応じて素早く反応します。
応用練習です。
打ち込み側がトップクラスの選手ですと、台は横の動きを取り入れたり、ダッキングの姿勢を取ったりと揺さぶってあげます。
(状況判断の難易度を高めています)
1-6 扇状況判断
台の選手はランダムに蹴り・突きを出してきます。
この練習の目的は、
・打ち込み側の状況判断の精度を高めること
・咄嗟の動きに身体が対応出来ること
無理に相手の技に嚙み合わせてしまうと、取られてしまったりするので、避けるだけの動きも必要となります。
状況によっては、守りを固めポイントを取られないようにすること。ガードの意識も持たせています。
練習に入る前に、意識を置くポイントを説明されていますので視聴者も生徒も分かり易い進め方なんじゃないでしょうか。
練習やから思いっきりいったらアカンけども、突く軌道・蹴る軌道を真っ直ぐ出せる確認をする。
流れに任せて、雑な技の入り方をしないように。
普段から1対3で扇の練習していると、絶対試合は楽に感じるでしょうね。
【実戦想定!スタミナ養成トレーニング】
2-1 二分一分
2分間フリーで試合形式。
「あとしばらく」を意識した稽古も兼ねていますが、がむしゃらに攻めてはいけません。
審判に無謀な攻撃を取らてしまいますので。
そうじゃなく、技術を見せるように。
いつもはここで試合が終了しますが、集中力を上げるために1分間の再試合を取り入れています。
試合中の今井監督のアドバイスは、
「動きとめるな」
「的をずらせ」
「動き固いぞ」
「出入りかけな」
「フェイントないぞ」
自分の攻撃の後、「身体伸びんな」「逆の手で押して相手を伸ばせ」
2分間の試合形式の後、素早く審判が入り1分間の再試合。
団体戦で延長再試合を想定しての稽古です。
インターバル1分で息を整え、すぐ再開出来るように普段から稽古されています。
2-2 二本取り
離れ際とリスタートを大事にしながら、本番さながらの二本取り。
(相手の攻撃を)見て動かず、それまでに予測するようアドバイスされています。
【世界標準の間隔をつくるフットワーク & 距離感】
3-1 足組手
上半身の脱力と動きを止めないための練習方法です。
ポジショニングが悪いと、こかされてしまう事もありますので、この練習で克服します。
両足を上手く使い、相手の足を踏むだけの練習です。
フェイントを覚えるには丁度良いかも知れません。
これは体幹の強さが必要です。
上半身の余分な力が抜けきったところで、構えだけつけて再開しています。
互いの足が交差した時、ケガをさせたらいけないという意識が働き、動きが一瞬スローになってしまうが、試合中では絶好のチャンスです。
ここで変な癖をつけては悪影響ですので、立て直しの速さを意識付けされていました。
リラックスした動きを身につける練習かと思いきや、チャンスを的確に狙う真の目的を意識をもたしていました。
間髪入れずに詰める!
3-2 触り組手
今度は両手両足で相手をタッチするだけの触り組手。
ただ相手をタッチしたあと、安心しているとすぐに反撃されてしまうので注意を切らさずです。
反対側も咄嗟の反撃が出来るように、互いにリスタートを意識です。
触れてたのを、試合ではしっかり突く(蹴る)だけです。
【見切り組手】
4-1 突き
相手の攻撃をスウェイバックで引き込んで、返す練習です。
前拳側の肩をやや下に下げながら、相手の中段突きを引き込み上から被せるように逆上で極める練習方法です。
ポイントは相手の攻撃時、止まっていてはいけませんし浮いてもいけません。
引き込んでの突き以外のバリエーションでは、
・足払い
・裏打ち
何かも紹介されています。
(スウェイまでは一緒)
今(発売当時)のルールだと相手の中段突きを、前拳で落としてカウンターを狙っていては、先に仕掛けた相手の方に旗が上がりやすい傾向にあるので、
しっかり「見切り」が必要と説明されています。
相手の攻撃が届いていないよ的なアピールかな。
当然、反撃への動作にムダがあってはいけません。
可能な限りクイックにです。
受けることに意識を置くと相手のスピードに差し込まれてしまいます。
目的は見切りですので来たと同時に、肩を下げながらスウェイします。(最後逆上)
軸足の膝の使い方が重要です。
相手の拳先を見る必要はなく、自分の中段を届かさなければ良いだけです。
真半身で構えるからこそ出来るテクニックです。
お互いにフルスピードで繰り返し練習していました。
4-2 蹴り
蹴りも突きと同様ですが、蹴ってこられたら怖いので肩が上がってしまいがちです。肩が上がると裏回しの餌食となるので、ビビッて身体が浮いてはいけません。
要するに蹴りを見てしまうとダメ。見て受けようとせず間を切る練習です。
目的は見切りです。
相手の蹴りのバリエーションが変わろうが、見切りさえ出来たら何にも怖くないと指導されていました。
当然、試合中では間を詰めて蹴りを潰したりもありますが、見切りの練習でした。
見切りのあと、
・突き(逆上)
・投げ(足払い)
・蹴り(背中への中段蹴り・上段裏回し)
に繋げていました。