こんにちは!
何年かかったかな?
かなり古い書籍で四大流派全て揃うのに随分時間がかかりました。
糸東流に至っては、昭和59年(1984年)発行ですので40年前、驚く事に消費税導入の遥か前!
探しに探して、先日ゲットしたばかりです。
書籍の内容は流派の特徴を捉えた内容となっていますので簡単にですが触れてみたいと思います。
【剛柔流】
全五章で構成され、剛柔流空手道の特徴・呼吸法・移動動作・型の緩急の分け方・女子護身組手。
吸いと吐きを息吹音として表面に表す陽息吹。
臍下丹田の鍛錬に適した身体の締め、相手に呼吸を測らせない利点のある陰息吹。
基本稽古や型の中で、上下肢の締め、臍下丹田への "気" の集中を試みます。
剛柔流の「剛」の部分が陽息吹とすれば、「柔」の部分が陰息吹と言えますね。
【糸東流】
糸東流の歴史・身体各部位の名称・防御の五原則・形についての知識・空手道競技について。
攻撃技や防御技が写真で説明されています。
平安四段の形と分解の説明、ジオン・バッサイ大・クルルンファの形なんかも写真で挙動が載っています。
【松濤館流】
松濤館空手の特徴・使用部位の名称・立ち方の説明と運足方法・突き技・打ち技・蹴り技・受け技の種類・形とは何か・組手とは何か・準備体操
使用部位の名称や技の説明では、どの本よりも大きな写真と説明で、理解しやすかったです。
平安形も同様です。
面白かったのは約束組手の内容。
打ち受けからの裏拳打ち。
揚げ受けからの上段回し蹴り
中段横受けからの猿臂打ち
かなりたくさんの練習パターンが紹介されていました。
【和道流】
空手練習の心得・身体の急所・平安形の分解・組手連続技・ストレッチング
形の意味を理解し、力の強弱・緩急を会得する。
稽古前のストレッチや体幹の紹介等でした。
独特な受け技の和道流、技の説明では興味津々でした。
ルールの変化、時代の流れに乗り組手競技に関しては現代と大きな違いを感じましたが、
基本や形はずっと先代からの教えを崩すことなく頑なに守られています。
「温故知新」
空手道、これからもずっと引き継いでいかなくてはいけない、とても大事なものですね。
こんにちは!
今週の火曜日、帰宅中の電車の中で全空連から送られてきたメールに気づきました。
審判レベルの向上を目的とした動画です。
審判員としての基本的な役割や責任を再確認することに加え、より高いレベルの知識とスキルを身につけ、総合的なレベルアップを目指すために出来た教材をYou Tube上で学べるようになりました。
その日は夜練がありましたので、稽古後PC開いて全空連の公式チャンネルを開いてみることに。
動画が3本。
初級・中級・上級と分かれていて、ルールに関しては変更点の説明を軽く触れる程度で、メインはケーススタディ。
いろいろな試合映像の中で、ジャッジに困るようなシーンが流れ、正しい判断を解説付きで答え合わせする感じです。
大阪で審判講習に出席した内容と似た作りだった気がする。
”コンタクト” か "無防備" で議論が白熱してましたので多分同じじゃないでしょうか。
初級編は、主審・副審・監査に焦点を当てた内容で構成されています。
主審はペナルティとウォーニング、副審は得点を確認することになっています。
しかし主審の権限は競技上だけに留まらず、その周辺全体に及び試合全てをコントロールすることが求められます。
主審の動作や判断ひとつで、その試合が良い試合になるかどうかが決まると言って過言ではありません。
責任を理解することが大切です。
副審は得点とするための6項目を正しく理解し迅速に技を判断する能力が求められます。
抜けた技・弱い技を得点としてしまうと、選手からの信用を失います。
進行中の試合を監督する立場の監査の役割はとても多く重要です。
主審・副審の決定が競技規定に従っているか否かを管理します。
時間内外の得点やウォーニング・ペナルティの判断は監査の重要な役割です。
初級編は、比較的イージーな内容。
ジャッジの仕方、反則の取り方、得点技が分かれた時の決まり方等のおさらいが中心でした。
ケーススタディもそんなに難しくありませんでした。
もっぱらDVD派なので購入したら保管しておきたいものですが、配信のメリットは通勤電車の中や、道場でちょっと気になったらスマホでいつでも簡単に視聴出来ます。
便利な世の中になりました。
こんにちは!
道場のホームページを立ち上げて丸3年が経ち、容量MAXまで使い切ってしまう勢いでしたので良い機会ですしプラン変更しました。
また新たな気持ちで情報発信していきたいと思います。
荒賀空手教範の2冊目です。
これもkindleで買いなおしたもの。
全五章で構成されています。
第一章:突き(16種)
第二章:蹴り(6種)
第三章:連続技(13種)
第四章:逆体に効果的な技(8種)
第五章:トレーニング(7種)
前回に引き続き、各章ひとつずつ内容を紹介して見たいと思います。
第一章 突き
『相手の突きをバックステップでかわし、相手が引く瞬間に突きに行く』
これも道場で練習していた技。
相手が間合いの中から技を出せば、後ろ足のみバックステップし上体はやや後傾させ突き終わりを逆上で極める技。
相手が引き手を取る前に極めなければいけません。
相手は前に飛び込んできますので自分は迎撃するだけでオッケー、踏み込んでしまうと距離が詰まって旗が挙がりません。
如何にして相手に技を出させるかがポイントですね。
このあたりの駆け引きが詳しく紹介されています。
第二章 蹴り
『カウンターの上段裏回し蹴りは、わざと下がって相手を引き込み、蹴り足で巻き込むとアピールとなりポイントになりやすい』
相手が攻めてきたタイミングでスウェイし蹴り足の足裏で相手を巻き込みます。
ここで忘れてはいけないこととして、蹴りは突きよりも遅くなるということ。
蹴り足である前足を真っ直ぐに上げて蹴ると最短距離で技を出せます。
第三章 連続技
『ポイントを取りに行く蹴りを防御する相手の腕に当て、押し込むようにして反撃を封じてから蹴り足側の上段刻み突きでポイントを重ねる』
押し込むような重い中段の刻み蹴りを相手に放ち、間髪入れずに上段の刻み突きを狙う技です。
ポイントは相手がどうガードするか。腕でガードするのであれば引いてしまうような軽い蹴りでなく、当てた後さらに押し込むこと。
押し込むことで相手は次の一手が遅れそこを刻みで取る連続技でした。
第四章 逆体に効果的な技
『中段の逆突きに反応させて前拳を落とさせ、あらかじめ前方に出しておいた前拳で上段の刻み突きを狙う』
相手がカウンター狙いのタイプだとハマるかも知れません。
フェイクの中段突きをわざと相手に捌かせられるかがポイント。
相手が捌いてくれると、前に出る推進力を利用して自分が刻み突きでポイントを狙いますが、下手すればポイントを奪われてしまいます。
フェイクとはいえ、本気で中段突きを見せないと相手は反応してくれません。
相手が前拳落としてくれたら、上段ががら空きになりますね。
かなり練習を積まないと本番で極めるのは難しそうです。
第五章 トレーニング
『中段突き / 上段蹴りを受けてカウンターを当てる練習』
突きの返し技は、前拳でしっかりと下に落とし、前足で踏み込みながら上段カウンターを狙います。
蹴りの返し技は、腕を自分の顔からなるべく遠い位置でしっかり受け、前足を踏み込みながら突きでカウンターを狙います。
各章の合間に荒賀道場の教えがいくつも載っています。
・常日頃からよく見る・よく聞く・よく考える。どんな相手にも弱点があり、よく見ておくことが重要です。また常に聞く耳を持てば自分の技術向上に役立つことが発見出来ます。
・自分の苦手な選手の試合を見ましょう。必ず苦戦する場面があります。自分なりに解析して、決して真似はせず出来るように工夫して自分流に対策を考えましょう。
・相手が突き・蹴りで攻撃する場面は、目・肩・足・顔など何処かが動きます。その時が攻撃を仕掛けるチャンスです。そのためには相手の目を見ていても全体像を監視しておきましょう。
組手に磨きをかけたい選手、もうワンランク上を目指したい選手には、手元に持っておいて損しない内容だと思います。
こんにちは!
kindle書籍シリーズ
毎月連載されていたものを一冊に纏められていますので一気に読むことが出来るので理解を深めることが出来るのではないでしょうか。
パワーラインとは身体能力に主眼を置くのではなく、身体能力を如何に発揮させるか?という身体能力発揮システムに着眼したスポーツトレーニングメソッド。
その中のパワーライン理論は、野生動物や超一流アスリートの身体・動き・意識の共通点を導き出し研究されたハイパフォーマンス理論です。
身体や動きはもちろんのこと、感性・感覚にアプローチし「センス」を鍛えられるメソッドはアスリートだけでなく、障害をもった人や美を追求する人、いつまでも健康であり続けたい人など、多くの人の可能性を引き出し続けています。
普段道場で取り入れているウォーミングアップひとつをとっても見ている視点が異なると言います。
技術力を上げるためには、反復練習だけではなく反復練習の「質」を上げるためのトレーニングを重視しています。
例えば、腹筋ひとつでもやり方によっては身体・動きの質を上げ、身体の細胞単位に刺激を与えて空手の技術向上に繋げています。
内容については詳しく触れませんが、
腰の効いた突きを出すためのトレーニング方法が紹介されています。
市販のトレーニングチューブを使って肩甲骨を鍛えたりといった感じ。
・伸びる突き:へびのような動き
・骨盤を使った動き:手と足の連動
・直線的な推進力:押す力の強化
・バネを作り出す:腰を前に出す、重心移動
・逆突き強化:腰を攻める
・足上げトレ:腰の押し込みで強さが生まれ蹴る際の足が上げやすくなる
・押し込みとぶらぶらトレ:飛ばすような蹴りを出す
・四股立ちから前蹴り:間合いが詰まった場合でも全力で蹴りが出せるスペースがあることを知る
・お尻タッチトレ:刺すような蹴り
・上体の捻りトレ:肩甲骨を寄せながら捻ることで背中のスペースを作る
・腕振りトレ:単純な動きの中に肩甲骨を意識させ、精度の高いスピードのある突きを繰り出す
・スキップトレ:丹田の意識があるかないかの見極め
・身体に壁を作るトレ:丹田と足が繋がり、丹田に自然と力が入る
・蹴りの強化:膝上げトレ
・下に落ちない中段突きのために:足を広げたステップトレ
・突きの強化:骨盤意識トレ
・突き・蹴りの改善:手のひらでプレス、四股からの蹴り強化トレ、軸を外に置くトレーニング
・腰の動きを知る:3Dのイメージで腰を動かす
・背中に意識を作る:腰と背中を作って前後運動
・ゼロポジションを知る:逆さまの概念
・ゼロポジションの構え:引き手に身体を近づける
・骨盤を使うトレ:足の跳ね上げトレ
・手と足を使うトレ:手を使って進む、手を使って刻み突き
・胸椎の柔軟性:ブリッジトレ
・腰の入った突き:腰部、臀部の強化
・ステップワークの強化:ゆらゆらの動き
・肩甲骨の柔軟性:棒を使った運動
・手と腰の連動:四つん這いでの前進
・腰を残すトレ:引っ張り合いからの突き
・自分のゼロポジションを知る:身体に一本の棒を作る
・上半身・下半身の一体性:棒を使った上半身捻りトレ
・呼吸トレ:過度に酸素を吸わないトレ
・プレス強化トレ:肩甲骨を寄せる
・裏回し蹴り強化:足を割くトレ
理論に基づいた運動メニューが数多く紹介されています。
特に勉強になったのが「引っ張り合いからの突き」
上半身は前方:下半身は後方
動きの中で、このように身体を割ることが出来れば、前への推進力が飛躍的に向上することと、間髪入れずに次の技が仕掛けられます。
理論を理解し実際の動きで確認してみると全然違うものになっています。
ところどころQRコードが貼り付けられていますので映像でも確認でき理解が深まります。
この書籍は新しいテクニック面の紹介ではなく、自身の持つ潜在能力を高める練習方法が記されていると言えます。
こんにちは!
随分前に本屋さんで偶然目にした書籍です。
スマホでサクサク読めるし、通勤電車に丁度良いこともあり暫くしてKindleで買い直しました。
なんとこの本、以前には無かったQRコード付きでリニューアル販売されていました。
55種類紹介されているテクニックのうち、24種類動画で実際に勉強出来ます。
私も時々ですがYouTubeを拝見しています。
やはり動画はより理解し易いですね。
荒賀道場というだけあって、荒賀龍太郎先生の他、お姉さんと弟さんを加えた3名で指導されています。
さて、内容の方ですがさすが組手の教科書なだけあって、全て実践を想定した内容です。
全6章で構成されています。
第一章:試合時間帯別の考え方と進め方(16種)
第二章:試合場の場所別の攻め方と動き方(5種)
第三章:状況別戦術的打撃テクニック(12種)
第四章:対逆構え対策(7種)
第五章:試合に直結する実践的練習方(9種)
第六章:試合前の調整法と試合に臨む際の心構え(6種)
これを55種類に分けてテクニックを紹介されています。
少しだけ紹介してみます。
『自分の動きを顧みて、攻めるタイプ、待つタイプ、下がるタイプのどれに該当するかを知る』
これは自分自身の組手スタイルを指します。
敵を知り、己を知れば百戦危うからずという言葉のとおり自己分析です。
①積極果敢に攻めるタイプ
②相手の攻撃に合わせカウンターを狙うタイプ
③自分から下がり相手が間合いに入る瞬間を引き込んで狙うタイプ
自分の特徴を理解した上で、それぞれのタイプに応じた間合いの作り方を覚えることから始めると書いてあります。
上記の内容を今度は相手に当てはめてみると有効です。
例えば第一章ですと、、
『自分の動きを顧みて、攻めるタイプ、待つタイプ、下がるタイプのどれに該当するのかを知る』
(相手が攻めてくるタイプなら、その特徴を逆手に取って攻める
(相手が待つタイプなら、フェイントなどでタイミングを崩し、ゆさぶりをかけて攻める)
(相手が下がるタイプなら、間を空けられないよう注意し、相手のフェイントに合わせて間を詰めて攻める)
それぞれ各3パターン対処法が記されていてとても勉強になります。
自分や相手選手の特徴を分析し、それぞれの対処法を道場で繰り返し練習すれば試合で落ち着いて対処できるのではないでしょうか。
指導者の腕の見せ所ですね。
読めば読むほど質の高い教科書です。
第二章では、コートの場所別の戦い方からひとつ。
『場外を背にした場合は、フェイントを使って間を取る。または、相手に技を出させてカウンターを狙う』
なかなかハードな展開ですが、これも3つポイントを分けて写真付きで対処法が記されています。
1・相手はカウンターを狙っていることが多い
2・フェイントを使って間を取ることを考える
3・相手に技を出させてカウンターを取る
かなり勉強になりますね。
想定練習を積んでおけば慌てず試合運びが出来るんでしょうね。
学びを道場練習に落とし込んで組手のレベルアップを図りたいところです。
第三章 状況別戦術的打撃テクニックからもひとつ。
『相手のフェイントに対しては、フェイントで返さず間を切るか後ろ足を引きつけて間合いを詰めてしまう』
コレ動画付きです。
道場で地味に取り入れている練習でもあります。
相手の動き出しに反応するためにやってるのと同じ。
前に出てきた相手にプレスで反応です。
フェイントにプレスで反応すれば、相手は容易に踏み込めないし、そのまま技に繋げれば出鼻を捉えることが出来ます。
相手のフェイントには乗らず、意図を持って間を切るか、間を詰めるかとあります。
第四章 対逆構え対策ですとこうです。
『刻み突きはなるべく使わず、前の手は防御に使い逆突きで打つ』
なぜ刻み突きを控えた方が良いか。
こちらが右手で突いた瞬間カウンターでクロスを合わされる可能性が極めて高いから。
自分の前拳は防御に使います。
ガードする時も自分の身体が外に出るよう、左から右に向かって受けます。
反対にしてしまうと相手の内側に入り危険です。
なので攻撃は奥拳で相手の外側を取りながらがセオリーです。
第五章 試合に直結する実践的練習方についてです。
『全ての練習のベースとなるもの』
これを6つのポイントに分けて詳細に記されています。
1・全力を出せなくなったら勇気を持って休む
2・練習を休んだら、他の人の練習を見て力の無さを実感する
3・全力で目的意識を持つことで自分の足りない部分が見える
4・ピークで練習を終わらせピークから始めて上乗せさせる
5・聞く、見る、体験する全てを練習に取り入れる
6・日常生活の中には練習の機会が多くある
第六章 試合前の調整法と試合に臨む際の心構えです。
『試合当日は、試合時間にベストな状態で臨めるよう、逆算して調整する』
2時間前に食事を済ませ、以降はゼリー等の消化の良いものを口にするとあります。
会場入り直前に激しめのアップで心拍数を上げ、1時間半前にはアップを始めておき各関節の可動域を広げます。
これらのことは、試合で実力を発揮するために心得ておきたい内容ばかりです。
今はまだ技のフォーム固めの段階ですが、いつの日かこの本のような想定練習が出来る日が来ることを信じてインプットしていきたいと思います。
それにしても学びが多い教科書です。