ブログ
パワーライントレーニング 空手がドンドン上手くなる
こんにちは!
kindle書籍シリーズ
毎月連載されていたものを一冊に纏められていますので一気に読むことが出来るので理解を深めることが出来るのではないでしょうか。
パワーラインとは身体能力に主眼を置くのではなく、身体能力を如何に発揮させるか?という身体能力発揮システムに着眼したスポーツトレーニングメソッド。
その中のパワーライン理論は、野生動物や超一流アスリートの身体・動き・意識の共通点を導き出し研究されたハイパフォーマンス理論です。
身体や動きはもちろんのこと、感性・感覚にアプローチし「センス」を鍛えられるメソッドはアスリートだけでなく、障害をもった人や美を追求する人、いつまでも健康であり続けたい人など、多くの人の可能性を引き出し続けています。
普段道場で取り入れているウォーミングアップひとつをとっても見ている視点が異なると言います。
技術力を上げるためには、反復練習だけではなく反復練習の「質」を上げるためのトレーニングを重視しています。
例えば、腹筋ひとつでもやり方によっては身体・動きの質を上げ、身体の細胞単位に刺激を与えて空手の技術向上に繋げています。
内容については詳しく触れませんが、
腰の効いた突きを出すためのトレーニング方法が紹介されています。
市販のトレーニングチューブを使って肩甲骨を鍛えたりといった感じ。
・伸びる突き:へびのような動き
・骨盤を使った動き:手と足の連動
・直線的な推進力:押す力の強化
・バネを作り出す:腰を前に出す、重心移動
・逆突き強化:腰を攻める
・足上げトレ:腰の押し込みで強さが生まれ蹴る際の足が上げやすくなる
・押し込みとぶらぶらトレ:飛ばすような蹴りを出す
・四股立ちから前蹴り:間合いが詰まった場合でも全力で蹴りが出せるスペースがあることを知る
・お尻タッチトレ:刺すような蹴り
・上体の捻りトレ:肩甲骨を寄せながら捻ることで背中のスペースを作る
・腕振りトレ:単純な動きの中に肩甲骨を意識させ、精度の高いスピードのある突きを繰り出す
・スキップトレ:丹田の意識があるかないかの見極め
・身体に壁を作るトレ:丹田と足が繋がり、丹田に自然と力が入る
・蹴りの強化:膝上げトレ
・下に落ちない中段突きのために:足を広げたステップトレ
・突きの強化:骨盤意識トレ
・突き・蹴りの改善:手のひらでプレス、四股からの蹴り強化トレ、軸を外に置くトレーニング
・腰の動きを知る:3Dのイメージで腰を動かす
・背中に意識を作る:腰と背中を作って前後運動
・ゼロポジションを知る:逆さまの概念
・ゼロポジションの構え:引き手に身体を近づける
・骨盤を使うトレ:足の跳ね上げトレ
・手と足を使うトレ:手を使って進む、手を使って刻み突き
・胸椎の柔軟性:ブリッジトレ
・腰の入った突き:腰部、臀部の強化
・ステップワークの強化:ゆらゆらの動き
・肩甲骨の柔軟性:棒を使った運動
・手と腰の連動:四つん這いでの前進
・腰を残すトレ:引っ張り合いからの突き
・自分のゼロポジションを知る:身体に一本の棒を作る
・上半身・下半身の一体性:棒を使った上半身捻りトレ
・呼吸トレ:過度に酸素を吸わないトレ
・プレス強化トレ:肩甲骨を寄せる
・裏回し蹴り強化:足を割くトレ
理論に基づいた運動メニューが数多く紹介されています。
特に勉強になったのが「引っ張り合いからの突き」
上半身は前方:下半身は後方
動きの中で、このように身体を割ることが出来れば、前への推進力が飛躍的に向上することと、間髪入れずに次の技が仕掛けられます。
理論を理解し実際の動きで確認してみると全然違うものになっています。
ところどころQRコードが貼り付けられていますので映像でも確認でき理解が深まります。
この書籍は新しいテクニック面の紹介ではなく、自身の持つ潜在能力を高める練習方法が記されていると言えます。
空手「組手」 戦術の極意55 最強道場が教える実践のコツ
こんにちは!
随分前に本屋さんで偶然目にした書籍です。
スマホでサクサク読めるし、通勤電車に丁度良いこともあり暫くしてKindleで買い直しました。
なんとこの本、以前には無かったQRコード付きでリニューアル販売されていました。
55種類紹介されているテクニックのうち、24種類動画で実際に勉強出来ます。
私も時々ですがYouTubeを拝見しています。
やはり動画はより理解し易いですね。
荒賀道場というだけあって、荒賀龍太郎先生の他、お姉さんと弟さんを加えた3名で指導されています。
さて、内容の方ですがさすが組手の教科書なだけあって、全て実践を想定した内容です。
全6章で構成されています。
第一章:試合時間帯別の考え方と進め方(16種)
第二章:試合場の場所別の攻め方と動き方(5種)
第三章:状況別戦術的打撃テクニック(12種)
第四章:対逆構え対策(7種)
第五章:試合に直結する実践的練習方(9種)
第六章:試合前の調整法と試合に臨む際の心構え(6種)
これを55種類に分けてテクニックを紹介されています。
少しだけ紹介してみます。
『自分の動きを顧みて、攻めるタイプ、待つタイプ、下がるタイプのどれに該当するかを知る』
これは自分自身の組手スタイルを指します。
敵を知り、己を知れば百戦危うからずという言葉のとおり自己分析です。
①積極果敢に攻めるタイプ
②相手の攻撃に合わせカウンターを狙うタイプ
③自分から下がり相手が間合いに入る瞬間を引き込んで狙うタイプ
自分の特徴を理解した上で、それぞれのタイプに応じた間合いの作り方を覚えることから始めると書いてあります。
上記の内容を今度は相手に当てはめてみると有効です。
例えば第一章ですと、、
『自分の動きを顧みて、攻めるタイプ、待つタイプ、下がるタイプのどれに該当するのかを知る』
(相手が攻めてくるタイプなら、その特徴を逆手に取って攻める
(相手が待つタイプなら、フェイントなどでタイミングを崩し、ゆさぶりをかけて攻める)
(相手が下がるタイプなら、間を空けられないよう注意し、相手のフェイントに合わせて間を詰めて攻める)
それぞれ各3パターン対処法が記されていてとても勉強になります。
自分や相手選手の特徴を分析し、それぞれの対処法を道場で繰り返し練習すれば試合で落ち着いて対処できるのではないでしょうか。
指導者の腕の見せ所ですね。
読めば読むほど質の高い教科書です。
第二章では、コートの場所別の戦い方からひとつ。
『場外を背にした場合は、フェイントを使って間を取る。または、相手に技を出させてカウンターを狙う』
なかなかハードな展開ですが、これも3つポイントを分けて写真付きで対処法が記されています。
1・相手はカウンターを狙っていることが多い
2・フェイントを使って間を取ることを考える
3・相手に技を出させてカウンターを取る
かなり勉強になりますね。
想定練習を積んでおけば慌てず試合運びが出来るんでしょうね。
学びを道場練習に落とし込んで組手のレベルアップを図りたいところです。
第三章 状況別戦術的打撃テクニックからもひとつ。
『相手のフェイントに対しては、フェイントで返さず間を切るか後ろ足を引きつけて間合いを詰めてしまう』
コレ動画付きです。
道場で地味に取り入れている練習でもあります。
相手の動き出しに反応するためにやってるのと同じ。
前に出てきた相手にプレスで反応です。
フェイントにプレスで反応すれば、相手は容易に踏み込めないし、そのまま技に繋げれば出鼻を捉えることが出来ます。
相手のフェイントには乗らず、意図を持って間を切るか、間を詰めるかとあります。
第四章 対逆構え対策ですとこうです。
『刻み突きはなるべく使わず、前の手は防御に使い逆突きで打つ』
なぜ刻み突きを控えた方が良いか。
こちらが右手で突いた瞬間カウンターでクロスを合わされる可能性が極めて高いから。
自分の前拳は防御に使います。
ガードする時も自分の身体が外に出るよう、左から右に向かって受けます。
反対にしてしまうと相手の内側に入り危険です。
なので攻撃は奥拳で相手の外側を取りながらがセオリーです。
第五章 試合に直結する実践的練習方についてです。
『全ての練習のベースとなるもの』
これを6つのポイントに分けて詳細に記されています。
1・全力を出せなくなったら勇気を持って休む
2・練習を休んだら、他の人の練習を見て力の無さを実感する
3・全力で目的意識を持つことで自分の足りない部分が見える
4・ピークで練習を終わらせピークから始めて上乗せさせる
5・聞く、見る、体験する全てを練習に取り入れる
6・日常生活の中には練習の機会が多くある
第六章 試合前の調整法と試合に臨む際の心構えです。
『試合当日は、試合時間にベストな状態で臨めるよう、逆算して調整する』
2時間前に食事を済ませ、以降はゼリー等の消化の良いものを口にするとあります。
会場入り直前に激しめのアップで心拍数を上げ、1時間半前にはアップを始めておき各関節の可動域を広げます。
これらのことは、試合で実力を発揮するために心得ておきたい内容ばかりです。
今はまだ技のフォーム固めの段階ですが、いつの日かこの本のような想定練習が出来る日が来ることを信じてインプットしていきたいと思います。
それにしても学びが多い教科書です。
みんなの空手 Karate for Everyone
こんにちは!
以前Kindleで購入した書籍です。
「超初心者」「空手に興味すら持っていない人」が対象のこの書籍。
空手に興味を持たない人の関心を持たせることは容易ではありません。
これから生徒を増やしていくヒントが隠されているんじゃないかと思いポチりました。
内容をサラッと触れてみますと、空手の基礎となる「動き」と「概念」を紹介し、「気持ちいい!」「楽しい!」と思っていただくことに着眼した内容になっています。
空手の動きのエッセンスを抽出・凝縮した体操が紹介されています。
「正しい姿勢の作り方」では、気をつけの姿勢で胸を張ることに意識を持っていきがちになりますが、これでは直ぐに疲れてしまい姿勢が崩れてしまいます。
正しい姿勢を保つための方法が記されていて、今更ながら再認識出来ました。
これは形競技に通じる大事に部分でもあります。
体幹を上手く動かすために運動を正しい姿勢で行うことは、空手以外のスポーツにも共通する基礎的な部分です。
人体を横から見た場合、アルファベットのS字のような湾曲をしていますので、この姿勢を保たなければ美しい形は打てません。
正しい姿勢を保つコツには、自然な呼吸に合わせて断続的に下腹に力を込めています。
文字だけでなくQRコード付きですので動画で学ぶことが出来ます。
空手の動きのエッセンスを体操にしていますが和道の基本がベースのようです。
骨盤周りの筋肉の運動では、セイシャンやクーシャンクーの動きを参考にされています。
体幹移動のコーナーでは、突きの動作で体幹を動かしてみたり、両足の切り返しを使って蹴り技へ移行したり前蹴りや足刀蹴りが出てきます。
もうひとつ、心と身体の健康を保つ空手としてこの書籍は意味を持ちます。
自分自身の身体との対話を目指し、稽古を行うことで自身の心身の不調に向き合い、それを意識して稽古することで不調を快方に向けることを目的としています。
日本語のほかに英語も収録されています。
それにしても電子書籍凄く便利です。
通勤電車の中、いろんな本で勉強が出来ます。
空手の本が随分増えてきましたよ。
イリーナ・ザレツカ チャンピオン組手セミナー -反応の分析で危険ゾーンを完全コントロール!-
こんにちは!
つい先日kindleで発売された書籍です。
アゼルバイジャン代表、東京オリンピック女子組手+61㌔級 銀メダリストのセミナーの様子が書籍化されています。
2022年の来日では、水戸女子高校、拓大、浪速、日本空手道会館の4カ所でセミナーを開催されています。
このセミナーにはオリンピックの舞台でも対戦した植草 歩選手がサポートされていました。
2018年、2021年 WKF世界選手権2連覇
2021年 東京2020オリンピック銀メダル
イリーナ選手が水戸、東京のセミナーで紹介した自身の技術と考え方 "常勝の鉄則” の概要は次のようになります。
「徹底:多様な反応訓練」
イリーナ選手の組手の考え方のベースにあるのが攻撃的カウンターです。
相手に技を出させた後を仕留める(後の先)
相手の動き出しの瞬間を捉える(先の先)
基本的には相手が動くことにリアクションし自分の技を決めます。そのために必要なのが反応の鋭さです。
誘って相手の技を出させるとき、自分から間合いを詰め相手と技が交錯するときの防御体制と攻撃体制の速さ。
それに自信を持つための練習を多数紹介されています。
「戦略視点:相手をコントロールする」
技を極めるにあたり重要視しているのが『相手の動きをコントロール』すること。
相手の動きを読んだり、またどのように動かすのかを常に考え、それに応じた自分の動きを組立ています。
「意識:完全実践思考」
練習メニューを果たすための練習にせず、あくまで手段と捉え常に試合の実際の状況の課題の克服にあると言います。
試合の中の動きを想定した "本番” です。
練習のための練習につい陥ってしまいがちな具体的な注意や指摘について触れられています。
相手も自分も攻撃が届かない距離を『セーフティーゾーン』と呼び、相手との組手の主導権を握るため『デンジャラスゾーン』に入り相手を反応させます。
デンジャラスゾーンに入った時に瞬間的に止まり、止まることで相手の反応を正確に見る癖をつけ、正確に判断し技を出す練習方法が紹介されています。
デンジャラスゾーンに侵入し相手の反応が鈍ければ自ら前に詰め、相手が踏み込んできたらバックステップして返し技。
その時のスタンスや軸の位置の置き方、デンジャラスゾーンで強くなるエクササイズが複数紹介されています。
よほど反射神経が無いと相手の懐に入り観察するのは難しいと言えます。
また相手の反応に合わせ、先の先・後の先を使い分けています。
これだけ引き出しが豊富だとそりゃ強いわけです。
何といっても一番凄いと思った考え方は、相手と同時に技を出し合わないこと。
なぜならば相手に旗が上がるリスクが伴うからです。
『100%自分の攻撃』となるタイミングを作り出し、相手の虚をついて得点を狙います。
自分の攻撃の決定率を上げること、相手の攻撃を防ぐためや、相手が技を出そうとする瞬間を逃がさないための練習方法が取り上げられています。
これだけ空手脳が高いと待っても攻めても、どんな状況でも失点リスクを回避して面白いように得点狙えそうですね。
このセミナーはDVD化されていますので興味津々です。
世界王者を育てた名コーチが伝授する チャンピオンの空手テクニック! ジュニア・ルフェーブル
こんにちは!
書籍のご紹介2冊目はこちら。
東京オリンピック男子組手75㌔級 銀メダリストのラファエル アガイエフ選手や、DVDでも触れたことのあるギリシャのタナス選手を育てあげたジュニア ルフェーブル先生が、2017年に大阪、2018年は東京と静岡で。また母国ベルギーで高松中央高校の崎山 幸一監督を招待し開催されたセミナーの様子を一冊に纏めた内容となっておりとても読みやすくなっています。
さてセミナーの内容の方ですが、東京は初級向け・静岡は中級向け・大阪は上級者向け・ベルギーでは互いの理論をぶつけ合うセミナーとなっています。
DVDもそれぞれ発売されていて私は、大阪と静岡の2本持っています。
今は他に書いてる途中のブログが残ってますので順番待ち状態です。
【東京セミナー】
リラックスした状態で拳から先に突く動き方や反応ゲームなんかです。
また面白いのがカウンター狙いの相手に対しての入り方の紹介。
サイドステップを使い下から斜め上の軌道で出す刻み突きを説明されています。
他にもフットワークの重心移動やノンストップ連続技のバリエーション等を紹介されています。
【静岡セミナー】
・相手に反応させない入り方
・連続技の感覚を養うペアゲーム
・投げ
・集中力と反応力を磨くコンビネーションの練習
・コーチに指示された手足を使って連続技を出す練習
後ろ重心から前膝の抜きを使って間を詰め腰の回転をスムーズに連動させています。
区切らないで一連の動作とさせることがポイントだと指導されています。
3人で行う練習方法なんかも。
【大阪セミナー】
ナショナルチームから荒賀選手・篠原選手らが参加し2017年5月に浪速高校で行われました。
・中段突きでの腰と膝の使い方
・弓矢のような突き
・攻守の切り替え
・真横に移動
・アガイエフの蹴り
・相手の構えにぶつからない蹴り
・裏回しへのフェイント
・ノンストップの攻撃から間合いを制す
左右両構え、サイドからの攻撃、Xの組手、ノーモーション且つディフェンスしながらの蹴り。
海外の空手には固定観念を覆されます。
最先端の理論と指導法で参加者を魅了します。
【ベルギー編】
2018年4月に崎山 幸一監督を招いて開かれたセミナーの様子です。
場所はルフェーブル道場。世界12か国から50名が集まりました。
アガイエフ選手のYou Tubeを好んで観ますがルフェーブル道場だったとはこの書籍で初めて知りました。
セミナーではルフェーブル、崎山両講師が交互に指導し、それぞれの理論が紹介されます。
興味深いのは、組手に対する根本的な考え方はヨーロッパ式と日本式は驚くことに同じであったが、アプローチの仕方が異なること。
構え方・重心移動・間合いの概念をルフェーブル式・崎山式とで比較した内容になっています。
理論的な内容なので指導者向けではないでしょうか。