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全日本空手道連盟 審判道場 上級編
こんにちは!
審判道場シリーズラストは、判断に難しい状況や10カウントについての判断力を身につける回となっています。
まず「場外」
場外とは相手に起因せず、自ら競技場外に出る事であり判断するのに最も難しいウォーニング(ペナルティ)とされています。
自ら場外に出たのか、相手に押されたのか判断が難しいからです。
映像では自ら攻撃(蹴り)を仕掛け、相手に押されたケースです。
これは押した方のプッシング。
ただややこしいのは、押されたとしても自ら2ステップ以上下がって場外に出た場合、自身の場外となること。(我慢する意志が重要です。)
激しく攻防する中で、どちらの反則かを主審は見逃してはいけません。
どこに立っていれば攻防が見渡せるかポジショニングも大事になってきますね。
他には、倒されて場外に出た場合どうなるか?
場外で倒れた相手に攻撃をしかけた場合、技は成立するのか?
同場面で、攻撃を仕掛けた瞬間自らの足が場外に出てしまった場合、技は成立するのか?
このような状況を動画で解説されています。
ややこしいのが自身の過失により負傷する「無防備」
これはウォーニング(ペナルティ)となります。
無防備状態とは、
・相手に背を向ける
・攻撃の際顔をそむける
・相手の反撃を無視して攻撃する
・相手の攻撃を何度も防がない
この時、過度の接触により負傷した場合「無防備」となりウォーニング(ペナルティ)となります。
判断ややこしいですね。
攻防の中でジャッジしてると、コンタクトを取り攻撃側に反則を取ってしまいそうです。
これまたややこしいのは「誇張と装い」
コンタクトはあったが、そこまで痛がる必要はないやろ的なやつです。
なので誇張はコンタクトとセットで捌かれます。
僅かな誇張は「注意」
明らかなのはいきなり「反則注意」でも構いません。
重大な誇張に関しては「反則」が考慮されます。(例えば床に倒れるとか)
当たってないのに痛がるフリは「装い」
これも明らかなのは直接「反則注意」
もしも得点が入っていれば、直接「反則注意」確定事案です。
重大な場合は直接「失格」が考慮されます。
大会でもあまりお目にかかれない10カウント。
ひと大会のうち1度有るか無いか、どこかのコートから超デカい声で「ドクター!」と叫んでるケースです。
選手が自ら倒れたり・投げられたり・倒されたりして直ぐに立ち上がれない場合、主審が試合を止めドクターを呼び指差しながら10カウントします。
映像では10カウントの成立方法等を説明されています。
反則負け / 反則勝ちとか普段めったにないので、自分が主審の時このシチュエーションはイヤですね。
それでも中段蹴りまともに入って起き上がれないケースは稀にあるかな。
装いによる10カウント成立なら注意 → 棄権 となり相手側の勝利
こんなのも滅多にない事ですが、自分の時にこんなややこしいケースはやめてもらいたいものです。
ケーススタディではフルスイングした上段回し蹴りがまともに顔面に入った時の判断。
蹴られた選手は首が後方にのけ反る程の衝撃です。
別のケーススタディでは、一方の選手が逆上を極め相手が後方に尻もちをついたタイミングで追撃の上段回し蹴りのシーンでした。
全てが全日本クラスの試合で起こったケーススタディ。
一つひとつの攻防がまさに一瞬の出来事。
このシーンは10カウント3秒で立ち上がり、ケガ無しドクターストップ無しでした。
ひとつめの技でポイントが入ったのか?はたまた蹴りに旗が挙がったのか?
いやいや倒れた選手のシュミレーションやろ?
全国審レベルでしたら見分けれるのでしょうね。
めちゃくちゃ難しい問題でした。
とにかく審判はメチャクチャ疲れます。
真剣に競技する選手のジャッジに間違いがあってはいけない思いから、私も全神経を集中させていますので終わったらもう疲労困憊です。
審判も勉強を重ね空手界に貢献したいと思います。
グッバイJuly!!