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強豪道場シリーズ 志新塾 矢倉道場 -2021劇的変革指導法- 1/2
こんにちは!
2年程前に購入したDVDをやっと開封しました。
道場開設の前後だったかで、遥か先を行く道場のメニューを観るのは時期尚早。
「強豪道場の練習メニュー」でも紹介されていましたし興味津々でしたが、そんな理由でずっと寝かせたままでした。
運動能力、反射神経、一瞬の判断力を向上させる練習方法を構築されていましたので、指導者としてはマストアイテムです。
しっかり学んで道場に還元したいと思います。
1・身体能力強化サーキット①(フィジカル強化トレーニング)
2・身体能力強化サーキット②(体軸の意識と基本技の捻転)
3・”人間負荷” トレーニング
【身体能力強化サーキット①(フィジカル強化トレーニング)】
どちらかというと狭く感じる道場。
その中に何人の生徒がいるのでしょう。
ざっと見た感じでも40~50名でしょうか。
軽いジョグからスタートしましたが、とにかく活気が凄いです。
道場中に大きくて元気な声が響いています。
この雰囲気大好きです。
ジョグから始まりジャンプ。
ジャンプしてテッペンの高さで逆突き入れて、着地と同時に残心。
このあとワンツーも。
ジャンプ系はまだまだ続き180度回転しながらワンツー。
これも着地と同時に残心取ります。
ポイントは「身体が流れない」「腹筋を使って極める」
次は腿上げです。
足を動かすメニューの時は絶対に手を振ることも忘れずに意識づけされています。
シャッフルも同様に腕を振っています。
バックシャッフルなんかもやってます。
ジグザグに進みながら、正体・逆体で突き技。
この辺は思いおもいに自由に技を出していました。
面白かったのは、ジグザグでバックステップしながら技を出すメニュー。
後ろ後ろに下がりながら準備(溜めを作る)し追ってきた相手を想定し、前で技を出す練習。しっかり残心まで繋げて。
1,2の3でシャッフルした後、4で寄せ足。
これは知らなかった。
道場ではラダー使って軽やかに1,2,3でシャッフルしてますが、強く速く1,2,3,4です。
サラッと深いアドバイス。
”表拍子”で技出すと反応される
”裏拍子”で技出すと相手反応出来へん
表現が難しいですが矢倉先生の説明はこんな感じでしょうか。
1,2,3の足の動きで突きを出してはダメ。
これは始めに習うオーソドックスなステップからの刻みの入り方ではないでしょうか。
その域を超えた矢倉道場では、裏拍子で指導されていました。
これは以前の荒賀先生のセミナーDVDで触れた内容と表現方法は異なれど近い意味だと感じました。
荒賀先生はスピード意識した素早い入り。
後ろ足の引きつけと説明されていました。
ゆりでは子供達に両足内側を磁石のように素早くくっつけると指導しています。
手技に後ろの足をつける事で裏拍子に変わります。
オーソドックスなリズムとはやはり違いがあり、観ていてもリズムを狂わされます。
やはり組手は相手が嫌がることをしてなんぼ。
”裏拍子” 会得(体得)出来れば、面白いように技が極まるような気がします。
下半身を作り上げ、超スピードを追求するのもひとつ。
独特のリズムを身につけイニシアチブ握るのも手ですね。
1(前足)・2(後ろ足)・3(突き技)のリズムで技を出すのは誰にでも出来るねん。
誰にでも出来るって事は誰にでもやられるって事やねん。
3(突き技)に足元をつけるねん。
開封して5分で新しい気づきを得ました。
*バックシャッフルも裏拍子を取り入れています。
普段のアップの中からこのリズムを取り入れることで、実際の動きの中でスムーズに連動させれるんでしょうね。
頭で考えた事を筋肉に伝達させる時間が速ければ速いほど運動神経が高いと言えます。
アップはまだまだ続き、次は小刻みに全力で腕を振っての超スピードラテラル。
ラテラルの後はヒトますを小さくしたケンケン。
ケンケンの次は、安定感を重視したケンケンジャンプ。
ケンケンの姿勢を取り、床を蹴って垂直にジャンプ。
しかも軸足を抱え込んでいます。
高く飛んで着地はしっかり安定させないといけません。
着地が安定していると、前足で蹴れますので刻み蹴りまで繋げていました。
激しく動く組手競技の中でバランス(安定感)は極めて重要な要素です。
攻撃しないと得点は奪えませんので、どんな体勢からでも技を仕掛けなくてはいけません。
ケンケンでジャンプし、しかも軸足を抱え込むことで敢えて不安定な状況を作りだし蹴りを繰り出す練習でした。
一見、ただジャンプしてるだけの単調なメニューに見えますが理にかなった奥が深い練習に感じです。
腕を大きく振ってのカエル飛びジャンプもやってます。
ジャンプのあとはスピード系に移ります。
フルスピードでグーパーした後、1フロント1バック。
これを1,2,3,4のリズムで。
短い距離をフルで動き、組手フットワークです。
ステップワークでは上には絶対に浮いてはいけません。
道場では浮いている時間、技は出せないしガードも出来ない無防備な瞬間だと説明していますが、矢倉先生は浮くと力が逃げるからと説明されていました。
「浮く」のではなく「沈む」です。
ステップの中にオープンとクローズを加えます。
単調にならず、一瞬異なる動きを高速で加えるだけでハッ!と感じさせることが出来ることでしょう。
相手が居ついた瞬間がチャンスですので、前へのプレス以外に面白いと感じたアクションでした。
ビックリしたのが次のステップ。
さっきステップは浮いたらダメと書きましたが、今度のメニューは組手構えから足を閉じる。
閉じると当然頭は浮きます。
この浮きを利用した突きの速射練習。
パッと浮いて、自重を利用して深く沈み中段突きに入る練習でした。
これは知らなかった。
これを生徒たちはフットワークの中からオープン・クローズを挟みながら高速で足を閉じ、瞬間脱力で沈んでいます。
足を閉じるといっても高速でやるとすれば、両足内側を寄せ合う意識です。
これに「競技の達人」でおなじみの月井 新先生の瞬間脱力を上手く組合せたような動きをミックスさせています。
対戦相手に高速でこんな動きされたら嫌でたまりませんね。
しかも突きは普段見慣れない裏拍子で仕掛けてきます。
矢倉道場の強さの片鱗が伺えます。
※裏拍子とは「突きながら移動すること」「移動して突くのではありません」
前進したあとバックステップもしっかりやってました。
どっしりと重心を落とし、一回いっかいスイッチしながら前進なんかも。
頭が浮かないように注意を促していました。
小さく後ろ足を寄せながらのステップワーク。
寄せ足は大きくなってはいけません。
大きくなればなるほど相手にとってチャンスとなってしまうとアドバイスです。
応用でバックステップもです。
手足を床につけ前進。
これは昨年の喜友名先生のセミナーに出席した時、動物の動きをアップで紹介してくださいましたのと同じ動き。
お尻を暴れさせず体軸を整えたまま、足は伸ばしたまま手の入れ替えをスムーズにです。
横向きでもやってます。
それにしても声が途切れない。
ずっと誰かが声を出しているので途切れません。
これだけ元気があると途中しんどくなっても、上手く乗せられて最後までやり切れそうな雰囲気がしますね。
この元気の良さメッチャ好きですね。
誰一人ふざけてないし、気を抜かないし、手を抜くとライバルにおいていかれる雰囲気が伝わってきます。
小学生から高校生まで一緒になって、当たり前のことを一切手を抜かず必死に取り組まれています。
手を止めての指導者のアドバイスには「ハイっ!」
稽古再開の度に「オッシャー!」
途中、矢倉先生は「勝つ雰囲気を自分らで作れ」「一人ひとりの意識で上げろ!」
小さな小学生から日の丸つけた高校生まで、夢中になって汗を流しています。
美しい姿です。
【身体能力強化サーキット②(体軸の意識と基本技の捻転)】
01・カエル飛びジャンプ ジャンプの瞬間思いっきり身体(背中)を反っています。
02・その場で2回連続開脚。開脚後、着地して素早く2歩ダッシュ。床の反動を使った瞬発系です。
03・応用で空中ジャンプで四股立ち また着地後ダッシュ。
04・両足同時に連続スクワットジャンプ 間髪入れずに飛んでバネ強化してます。
05・アンクルジャンプ つま先で動く事で足首の掛かりを意識させています。足首の掛かりがある状態で構えると地面(床)を捉えられるとのこと。
06・ツイストジャンプ これもアンクルと同じ要領で掛かりを意識しながら対角にある手と足を交互に入れ替えています。グッっと地面を噛んでいます。
07・1,2、3のリズムでアンクルジャンプしながら軍隊のように行進してます。
08・横向きで開脚しながら体を入れ替えストレッチで前進してます。みんな柔らかいですね。
09・しゃがみ歩き しゃがみながら股関節を広げています。
10・しゃがみ歩きから立ち上がりスッとしゃがみます。その際内腿をパパンと叩いて刺激入れてます。
11・ガニ股ジャンプ しゃがみながら軽くジャンプして前進してます。
12・ローリング その場で足の裏をつけてローリングしながら前進。もちろん手を使ってませんので激ムズ。前転する子も居れば斜めから入る人も居たりです。
13・肘飛ばし 逆突きの要領で拳では無く縦肘です。ゆっくりと歩きながら脇を締めて肘を飛ばすことで突きのスピードに繋げます。また別でしゃがんだ状態から縦肘。これは後ろ足の足首と膝からパワーの伝達で一気に縦肘に持っていきます。
要するに意識の上で、突きは腕を伸ばして突くのではなく、肘から先をロケットのように飛ばすんだと捉えました。
「突きの中で長くせぇとか伸ばせとか捻転せぇとかはムリやから、この基本の時に引き手使って捻転するのを意識する」
「手足で技を出さずお腹から手足が生えてると思って。体軸を意識すること」
「身体を使った技を出すこと 手とか足とか技術は潰されるから」
14・斜めエンピ 13と同じで踏み込んだ足は斜め前で捻転を使います。縦肘は正面に向けています。応用で逆上を飛ばしています。
15・匍匐前進 腕力だけで身体を運んでいます。後ろ向きでは体軸を意識して行っています。
【”人間負荷” トレーニング】
アップはまだまだ続きます。
DVDはこの時点で35分経過。
アップで基礎体力をつけているのでしょうか。
それと始めから違和感があったのですが、稽古に入る前のアップから生徒達は全員拳サポはめて防具も全てつけています。
1・狭く感じる道場ですが全力疾走します。ただ走るのではなくペア相手が後方から帯を掴んで引きずられながら負荷をかけています。瞬発力強化に持ってこいですね!
2・シャッフル なかなか進まない子もいてますが、デカい雄たけび上げながら自分を奮い立たたせています。こういうの大好き。踏み込みの強化です。
3・連続ジャンプ これもきつい。なんせ人を引きずりながらなので。
4・組手フットワーク 寄せ足で進みますが、引っ張ろうと思って重心が崩れない事が重要です。しっかり重心落として下半身主導で踏み込みます。
5・バックダッシュ 帯の向きを前に戻して後ろ向きでダッシュしてます。
6・バックステップ 前にプレスをかける攻撃的意識と同じくらい大事な回避意識。これを2ステップで練習します。
「強烈なバックステップ、対戦相手が仕掛けたい時にカチッと外す」
7・だっこ 冷蔵庫抱えるようにしてダッシュしてます。
8・雑巾がけ ペア相手に仰向けに寝てもらい肩を押しながら前進してます。
これらのメニューはチューブを使って出来ることばかりですが、チューブの本数に限りがある道場、生徒の数が多い道場には待ち時間が発生し非効率と言えます。その意味において人間負荷トレーニングは時間もコストも節約出来る知恵を使った合理的な練習方法だと感じました。
何よりも基礎体力があった上での技術面。
土台となる強い身体作り。
前半3つのメニューだけで身体作りの重要性を痛感しました。
浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 4/4
こんにちは!
とにかく質の高かった浪速の空手シリーズ いよいよ最終回です。
10・クールダウン・ストレッチ
11・今井監督の言葉
12・今井謙一監督インタビュー
【クールダウン・ストレッチ】
・ハムスト伸ばし
・ランジ
・前腿伸ばし
・肩甲骨伸ばし
・脇腹伸ばし
・屈伸
空手に限らずいろんなスポーツで見かけるストレッチばかりでした。
【今井監督の言葉】
空手っていう競技は技がたくさんあるし難易度もそれぞれ違うが、総合的にいろんなことが出来ないと勝っていけない時代になっている。
今後益々競技レベルが上がってくるのでサウスポーも普通に出来ないといけない。
練習ひとつにしても何を意識してやってるのか?
右が得意な選手・反対に左が得意な選手も居てる、蹴りが苦手な選手もいる事だろう。
自分は何をどういうカタチに持っていくのかを各人が明確に考えを持ち、どこに注意を注いでやるのかしっかり考えること。
今日やった、蹴込みや2:8のダブルの蹴りなんかは今後大事な技になってくる。
ほとんどの選手がフリーの時出せていない。
それは何でか?習熟していないからや。
本番で出せるよう練習でしっかりやっていこう!
【今井謙一監督インタビュー】
Q1・春の選抜がはじまりますが。
A1・3連覇がかかっていますし、その先にあるユースオリンピックに向けて選手が活躍出来るように育てていきたいと思います。選抜だけでなくその先を見据えた指導をやってます。
Q2・空手がオリンピック正式種目に決定しましたが。
A2・高校生にとってオリンピックはまだ先の舞台というイメージがありますけども、ユースオリンピックは目の前にあるオリンピックになりますので私としては胸が弾みました。
Q3・浪速からも多くのオリンピアンが誕生すると思いますが、そのための練習体系とは。
A3・不変なものも持ちながらルールも変わり、また競技レベルも上がっていきますので様々な競技から学べることもたくさんあると思いますし、私自身もコーチングスキルをもっともっと上げないといけないと思っています。浪速が最先端を走れるように選手たちにそういった意識を植え付けて取り組んでいきたいと思います。
Q4・技術やトレーニング以外に生徒に教えることは。
A4・技術面の方は今日観て頂いたとおり出来ていますが、中身の部分ソフトウェアを作っていかないといけません。例えばどういった目の使い方で相手を見ないといけないのか。または心の持ちよう、普段の食生活もそうですし休養時間もです。練習時間は僅か3時間と限られた時間で残りの生活時間の方が長くなってきます。もちろん高校生なので普段の授業もありますので、今一度そういったところも見直して、選手としてどうあるべきか・どういったものを食べたらダメなのか・どう心の持ち方をしないとダメなのか・試合までどう準備をしないといけないのかといったところを私自身も発信しますが、彼ら自身も自分で学んで自立した選手になるのが一番大切なことだと思います。情報提供としてこれから彼らには与えていきたい。練習すればするほどもちろん技術はついてきますし体力もつくでしょうけども、こういう食生活していたら明日はもっと良いパフォーマンス発揮出来るとか疲れが取れるよといった部分、休養の仕方なんかを学ばせてあげたい。これから大きな舞台で空手するにあたり、このような部分を知っていないと遅れを取ると思います。
Q5・「浪速の空手」が日本の空手界全体のレベルアップに貢献し、国内海外のみならず海外でも注目をされ、いろんな選手が学びに来ると聞いていますが。
A5・来るもの拒まずというのもありますし、日本代表のコーチもさせて頂いていますのでナショナルチームの選手たちが練習に来てくれたりもするんですが、コーチの出来ることは彼らの後押しであったりとか本来自分らが培ってきたものがありますから、ちょっとした修正であったりとか崩れているフォームを直してあげたりといった限られたことです。
先程言いました目の使い方を知ることで選手のパフォーマンスが上がることや、違う競技を経験することで選手のスキルアップが図れるといったチャレンジする機会があったりする中で
培ってきたもの以外で、こういった考え方があるのか・こういった動きがあるのかという事が知れたら良いなと思います。
強くなりたい・上手くなりたい・何か良い刺激がほしいといった選手が頼って来てくれてるのかなと思います。
Q6・最後にメッセージを。
A6・やはり夢の舞台のオリンピックの表彰台で日の丸を掲げられるように、私自身は協力を惜しみなくしていきたいなと思います。後は学校の協力があって私自身いろんなところへ遠征に行かせてもらっているので、感謝の気持ちを持って頑張っていきたいなと思います。
技術指導のみならず、心の持ち方や試合への準備・より良いパフォーマンスを発揮するために必要なこと等指導されていました。
そら強いはずだ。
このシリーズお勧めです。
浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 3/4
こんにちは!
浪速の空手3 練習の内容、目的がとても分かりやすくシリーズ全て観ています。
対象が高校組手なので、道場の生徒とは当然動きやスピード感に違いはありますが指導者・生徒にはマインドは共有出来るはず。
低学年が多い道場ですので理解出来る言葉や例え方に落とし込まないといけませんが。
勝ってる時・負けてる時・相手との距離・攻める気持ちを持って凌ぐ・ひとつの技に拘らない・技のあと
学ぶことばかりです。
07・動きを止めない 近場の勝負
08・一歩目の速さをつくる15秒フリー総合練習
09・立て直しの速さをつくる15秒フリー総合 + ミットプレス
【動きを止めない 近場の勝負】
相手と密着した状況です。
掴みに関してはルールがどんどん変化し今では掴みは片手のみ。
掴んだ瞬間、即座に得点技もしくは倒さなくてはいけません。
即座に得点技を狙わないといけませんが、掴みの判断は主審に委ねられています。
『一つくらいペナルティ取られても構わへん』
掴みの時間の感覚は主審の主観であって、取られる場合もあればまだ取られない場合もあると説明しています。
ペナルティを覚悟して少々相手を掴んでも構わないと指導されています。
『でもみんなは、すぐ離さなアカンという意識が働き、相手に投げられ引っ張られて蹴られたりすることもある』
ルールの範囲内でギリギリのところで凌ぎ合いをしなければいけないとのこと。
ここでの練習では相手に掴まれた場合の防御の仕方、逆に相手を掴んだ場合の攻撃のパターンを選手に考えさせることにありました。
掴まれた場合では、裏回し蹴りが飛んでくるケースが良く見受けられます。
ここでの避け方。引っ張られる力を逆に利用した避け方が参考になりました。
普通、技を極められまいと抵抗しそうなところですが逆でした。
一番良くあるパターンは両手を顔の位置に上げ、上段を蹴らせないことではないでしょうか。
蹴りだけでなく、足払いで上体を崩して次の技に繋げたりを4枚のマットの中で練習されています。
近場の戦い方、ポジショニングを克服する。
自分の苦手な距離を把握することが目的です。
「やめ!」がかからない状況で安心できる場面はありません。
外国人選手はガードの上から巻き込んで蹴ってきます。
意識をはること。
『自分で勝手に区分せず、意識をはっていれば取られることはないよ』
『今は浪速どうし、意識はっている状態で練習しているから取れないけど、試合中「やめ!」がかかる頃、相手がどこかで気を抜いたところを押さえる。
相手が休むか審判の「やめ!」がかかるまで、自分が休むことはない』
【一歩目の速さをつくる15秒フリー総合練習】
これも状況練習です。
新しいルール「先取」によって、ポイントが先取した方が有利となります。
現在のルールにおいても浪速では以前よりファーストポイントを取ることを大事にしてきたように、そのための動き・作りの速さを意識させています。
ファーストポイントを取れたなら1-0の組み立て方、もしくは0-1からの組み立て方を考えて、バタつかずに試合運びしなければいけません。
強い選手でもバタついたら負けてしまう。その焦りが少ない選手が勝つのでしょう。
フリーの1本取りの中でも、何を意識して練習するかが大事だと指導されています。
『どこの学校でも道場でもチームでもやってる練習ですが何をどういうことを意識して、その時の区分によって状況判断するのか』
でも動きは区分してはいけません。
要するに、ポイントが入ったかどうか「やめ!」をかけて判断するのは審判の先生であり、選手ではありません。
15秒間止まらずに、入ったとしても選手は動きを止めずに次のポイントを狙いにいく。
15秒フリーでは、ポイントを取っても(取られても)動きを止めず続けています。
目的は動き出しのあと、技が極まったあとの次の動きを区分せず、次へ次へと繋げていけるかをフリーの中で養っています。
試合形式や1本取りでは審判のやめがかかるので、技あとの繋ぎの意識が自分では分かりにくいことがデメリットです。
技あとの動きが遅れていないか自分で気づくための練習です。
動き出しの一歩目の速さ、判断の速さを選手自らに感じさせています。
なるほど!
向かい合って構えから集中して、フットワークしているところからスタートしています。
フリー見ていたら技あとを取られる選手、反応してさらにポイントを重ねる選手と様々でした。
今井監督がネットの接続に例えて説明されています。
『ネットの接続やテレビゲームで処理が遅かったらイライラせえへんか?
組手もそれと一緒でバンと打ちあって、その後の展開が遅かったら、アカンねん。
処理は性能が良く速い方がいい。雑なところはこの練習で削り取っていくように!
訓練して慣れて来て身体が勝手に反応出来るようにならなアカンで。
後ろのみんなも遅れてる時は声掛けして発破かけたらなアカンで!
その瞬間「そこ!」「いま!」って教えたらなアカンで!
やられるねんから!』
相手の攻撃をダッキングで掻い潜って間髪いれずに攻撃。
差し合ったあとの入りの速さ。
技が流れるように出せる選手もいますし、
避けたと思った。
入ったと思った。
ここで躊躇し相手の動きを観てしまう選手には適格に指摘です。
もうひとつ!もうひとつ!と技を重ねていくのに、重心が高いと一手遅れますね。
【立て直しの速さをつくる15秒フリー総合 + ミットプレス】
フリー練習する選手の背中を後方からミットで押さえてあげます。
身体が浮いた時が相手に最もやられやすい瞬間です。
自分が対応できる手段が無くなってしまいますので、そこを無くす練習です。
ミットの持ち手も選手に合わせて動かないといけないのでフットワークの練習を兼ねています。
場外間際でミットに背中が当たれば前にでるもしくはサイドステップしないといけません。
浮くという動作を削り取ります。
試合中はどうしても浮いてしまう場面がありますが、すぐに立て直さなければいけません。
相手に主導権を握られたまま試合を進めたら負けてしまいます。
その不利な状態に気づいて立て直す練習をされています。
もうひとつの目的は、相手と見合い何も仕掛けない場合、持ち手が後ろから押しプレッシャーをかけています。
説明の中で今井監督は、強い選手の特徴のひとつにプレスが強い(速い)ことを挙げられています。
押すタイミングもありますので、頭を使わないといけません。
フルスピードでフリーしてますが、とても難しい、、
遠間から上段の蹴りで間を詰めてきた際、身体がのけ反るシーンがありますが、この瞬間が浮いた時。
間髪入れずにミットで背中を押し、体勢を立て直します。
一気に畳みかけられてもおかしくない場面でしたが、上手く回避していました。
気をつける点は、後ろに壁(ミット)がありもう下がれない状況で固まってしまうこと。
これだけで一手遅れます。
持ち手側は選手がバックステップしたら同じく下がってあげないといけません。
ボーっとしてたら詰まってしまい練習になりません。
持ち手は練習の意図を考えて、選手が浮いた時にだけ止めてあげることです。
攻防してる時は流れに沿う必要があります。
サイドステップしたらついていき、選手の仕掛けが足りない時は、後ろからプッシュし教えてあげないといけません。
相手のリズムを読む練習でもありますので、気を抜かないことです。
シンプルなんですけど良く考えられたメニューだと思います。
固まった時、浮いた時に後ろから教えてあげることで、客観的に持ち手が知らせてくれます。
自分一人では気づきにくい部分をサポートしてくれますね。
普段から選手の動きをよく観察して、弱点克服する方法をずっと考えてるんだろうな。
指導者の創意工夫です。
フルスピード、本気の突き、蹴りでの練習。
コートの中を4人が目まぐるしく動いています。
浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 2/4
こんにちは!
浪速の空手3 2本目のご紹介。
夏休みに入りましたが、ムダに時間を使わないよう早起きを心がけています。
粛々と家事をこなし空手のDVDでインプットしてブログのストックです。
どこまで更新出来るか分かりませんが、勉強頑張りたいと思います。
04・縦横無尽 区分した打ち込み
05・即座の対応 ランダム練習
06・残り15秒 コーナー際の攻守
【縦横無尽 区分した打ち込み】
区分した打ち込み。
攻撃する手足を予め決めて精度を高める練習です。
改めてこの練習の意図を説明されています。
どれだけ素晴らしい刻み突きを持っていても、始めの1ポイントは奪えたとしてもやがて相手に反応されてしまいます。
ひとつの得意技では相手に対応されてしまうので右手、右足、左手、左足、それぞれを使って技を出す練習をされています。
例えば、正体選手の場合左手の技は何もひとつだけとは限りません。
1・刻み突き
2・切り返しの逆上
3・スライドの刻み
4・スイッチしての中段突き
5・足払いからの刻み突き
6・スイッチした状態から相手が出てきた場合の中段突き
左手だけでもこれだけ技が豊富です。
今度は左足(正体)ですと、
1・上段回し蹴り
2・中段蹴り
3・裏回し蹴り
4・刻み蹴り(2:8)ダブル
5・抜いて裏回し(裏回しの軌道から刻み蹴り)
6・スイッチして中段蹴り
と、これもレパートリーが何種類もあります。
自由に打ち込みしていると自分の好きな(得意)技ばかりを練習しがち。
となれば試合で、他の技が出なくなります。
咄嗟の状況判断にも繋がる区分した打ち込み。
なかでも左手の練習では、左のリードからのワンツーもあり。
左手から右手、右足から左足といった具合です。
これを2分間5本交代でペア練習。
もちろん技を出した後の動きも当然の如くつけながら練習されています。
それだけに限らず、フェイント・フェイク・プレスも挟んで練習されています。
ひたすら打ち込みを繰り返し、技のベースを作る段階を経た次のステップで必要になる練習方法ではないでしょうか。
技は自由、各選手に考えさせながら自分のカタチを作っていきます。
直線的な組手だけでなく、一瞬横に振って斜めから入る刻み突き。
いたってノーマルな刻み突きもあれば、横から入る刻み、スライドの刻み、止まって入る刻みと様々です。
受け側も同じ構えだけでなく、スイッチして対応しています。
練習のための練習にならず試合で使えるようにするため、選手への説明による意識づけが大変勉強になりました。
当たり前ですが、とても質の高い練習です。
ひと通り選手の練習を観終えた今井監督が選手を呼び指導に入ります。
「攻撃することばかりを意識せず、相手に攻められた時対応出来るように、バランスの良い動きをすること。」
攻められた時みんなは逃げてしまい、ポイントの奪い所を逃している。
つまり、
1・自分は刻み突きとともにダッキングして相手の懐に潜ります。
2・相手は刻みをガードし反応して技を出してくる
3・そこを逆上で捕える
かなりのスピードと反応の速さが求められますが、相手を動かして(技を出させて)そこを狙う練習です。
他にも間合いを近づけ相手が我慢出来ずに技を出してきたところを捌いて返す技や、
同じ状況で中段カウンターのような、自ら攻めるだけの打ち込みだけで終わらず、相手を動かして得点を狙う練習もしなさいといった指導でした。
打ち込みしながら動きながら、相手の動きを考えて、工夫して練習しなといけませんね。
「頭を使った打ち込みしてるかしてないか」・「このままで終わるか一個上に行けるか」
ソフトな口調から発したズバリ厳しい言葉でした。
攻めにいって得点を狙う展開以外にも、攻め込まれた時でも得点を奪えるカタチを身につけなさいといった感じ。
こんな意識で練習してたら強い訳です。
この練習の裏ポイント。
”攻守のバランス”
下がる時もあれば、見切る時もある。
またサイドに振ってはいる時もあるやろし状況を考えながら、より実践を想定し練習に取り組む必要があります。
【即座の対応 ランダム練習】
5人1組で行う練習です。
目的は技あとの動き。
技を出した後、動きを止めないこと。
4人の選手はコートを広く使い詰めたり、切ったり、サイドに展開したり動きます。
攻めてきた一人目に攻撃をしたら、間髪入れずに二人目三人目と繋いでいきます。
受けて側は一人ずつランダムに攻撃を放つこと。
目的は技あとの動きを止めないことと、あらゆる攻撃から対応できるようにするためです。
反応と状況判断の強化でしょうか。
これは相手が先に準備していて、自分が出遅れている状態です。不安定な状態を直ぐに立て直して攻撃する練習です。
咄嗟の対応を即座に判断して動くこと。迷ってる場合ではありません。
これは攻め手と受け手のどちらも意図を理解して動けないと良い練習にはなりません。
試合ではいつもいつも、自分が主導権を握って試合出来るとは限りません。
不利な状況でも即座に対応出来るための練習です。
良く考えられた素晴らしい練習です。
寸止め空手とは言え、4対1でフルスピードでランダム練習していたら研ぎ澄まされた集中力も養えますね。
気の抜けた練習していたら一発でケガして終了です。
一瞬の判断力と集中力を磨く効果的な練習方法だと感じました。
指導者の目的意識の高さが選手を成長させるのではないでしょうか。
・競技空手にはどんなスキルが必要か?
・選手が持つ課題は何か?
・どんな練習で克服するか?
・意図は明確に伝わっているか?
このシリーズからビンビンに伝わってきます。
熱のある練習です。
詰める、切る、ダッキングする、サウスポーに構える、プレスする。
数を数えるだけの台打ち込みにならず、受け手にも工夫を持つこと。
練習する上で大事なこと。
動き出しの一歩目を速く。迷ったり詰まったりせず一歩目の判断を動きながらしないといけません。
次の動きはテンポをおかずすぐに対応しなければ、実際の試合では相手にやられてしまいます。
自分が準備している間に相手も準備します。
自分が主導権を握れるように速く動くことでポイントが取れます。
この意識が「先の先」または「後の先」に通じます。
予定調和の打ち込みではなく、二人目がどこからどんな攻撃してくるか分からない状態で行います。
気配を感じることも重要ですね。
この判断が速い選手が強いと言っています。
受け手はタイミング良く技を出してあげること。
強い技では無くタイミングです。
受け手は待ってあげていては練習の意図がズレます。
矢継ぎ早に攻撃です。
待ってあげていては1対1の打ち込みと同じですから。
それでは練習の目的が全く異なります。
状況判断の練習ですので、その環境を作ってあげないといけませんね。
1対4のランダム練習になれたら、絶対に試合が楽になります。
だって目の前の相手にだけ集中するだけですので。
ランダムに意識をはることで次の技への対応が上がりますね。
ホントに理にかなった練習です。
ただ指導者も選手も目的を見誤ったら、それはただの打ち込みになってしまう。
空手脳が無いとカタチだけの練習になる恐れがあると言えます。
受け手側は実際に相手を狙った動きをすること。数を数えるだけの台打ち込みにならず、受け手にも工夫を持つこと。
攻め手は反応が遅れれば失点に繋がります。
カタチだけの流れの練習をする場ではありません。
区分した打ち込みであったように、このような実践を意識したランダム打ち込みで偏った技に拘らないこと。
結構重要な要素です。
一瞬一瞬の状況判断で自分の得意技だけしか出せないと、試合で咄嗟の技は出せません。
ここも意識の差がどんどん広がっていく部分です。
日頃から区分した練習を心がける選手と、それが足りない選手とでは、一回いっかいの積み重ねが恐ろしい程に広がっていく。
たった一回、、
それが命取りです。
半年間、意識の違いが続けば簡単には埋めようの無い差が出来ている事でしょう。
応用練習の時に咄嗟の判断や偏った技しか出せない選手は、まだ習熟が足りません。
意識を持って練習を繰り返すしかないと仰っています。
とても重みのある言葉でした。
【残り15秒 コーナー際の攻守】
取った取られた場外関係なしに15秒間動きます。
理想は15秒間場外に出ないこと、最後まで避けきって凌いで終わることです。
相手の動きを良く見て場外に出てしまうのはギリOKとしても、一番ダメなのは相手から目を反らし場外に出てしまうこと。
意識の上で逃げることに専念してしまうと、出際で相手に取られてしまうからです。
この練習では、自分(守る方)は15秒間、守りに専念しますが隙あらば取るつもりで守り切ります。
試合終盤の残り数秒。
ここを凌ぎきる練習です。
気持ちは決して守りに入らない、集中力を切らさず両手でガードしながら巧みにダッキング。
相手の攻めの合間に攻撃に転じ、残り時間守り切ります。
取った取られたは練習なので関係ありません。
でもどんな時、自分が取られたかここを知ることが大事です。
今井監督曰く取られる時は固まってしまった時。
その場で居ついてしまう時です。
相手の攻撃を1回凌いだ後、区切りをつけて動きを止めてしまうから相手に取られてしまうとアドバイスです。
得点を狙う相手は1回の攻撃で終わるはずがありません。
でも守りたい自分が一回攻撃を凌いだ後、ひと呼吸おく余裕なんてないのにここで気を緩めてしまう。
この瞬間こそが失点するパターンです。
それを無くす練習。
練習する意図はそこにあります。
相手の動きに合わせてクイックに両手と身体を左右に振り凌ぎきることが重要です。
このシチュエーションでダッキング出来ないと高速の攻撃は凌ぎきれません。
途中3人1組に移りました。
もちろん1対1でコーナー際で攻防しますが、3人目は審判もしくはアドバイス。
本人に状況を気づかせてあげる役目です。
咄嗟に逃げてるぞ!
のけ反ってるぞ!
気が後ろに引いて逃げる気が伝わってるぞ!
こんな具合です。
相手の攻撃を避けた後も安心せず次を取られないようにすぐに動かないといけません。
ダッキングのあと素早く横に動く、攻撃に転じる。
攻守ともに区切ったら絶対にダメ。
動き続け凌ぎきる練習です。
攻め側も簡単に突っ込んでいったら合わされてしまうだけですので、互いに気をはって練習です。
いろいろな状況を想定して動き、無意識に動けるまでに繰り返しが大事です。
練習の中で失敗と成功をしながら、成功のパーセンテージの高いものを作り上げていく。
選手に試行錯誤を促しています。
最後選手を集めて名言が。
練習の時から、攻める(凌ぐ)気持ちを持たず、場外に逃げてたら何の成長も無いよ。
失点のリスクを背負って、凌ぐ練習をしないと強くならへんよ。
明確な練習の意図。
スッと腹落ちする内容。
質の高い練習内容に選手の意識の高さ。
学びの多い組手DVDです。
この浪速の空手シリーズ、続編を希望したいくらい素晴らしい内容です。
浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 1/4
こんにちは!
浪速の空手シリーズ3本目。
現時点で発売しているのはここまで。
内容が濃いので4回に分けて紹介したいと思います。
01・ストレッチ・柔軟体操
02・両構え ステップ練習
03・フォースサイクル 蹴り練習
【ストレッチ・柔軟体操】
肩甲骨の可動域をゆっくり広げ、脇腹のストレッチなんかも。
股関節は互いにペアで向かい合い、相手の右肩に手を置き足を前後にスイングし左右にブランブランも。
他にも片膝をつき前屈立ちの姿勢で前足のつけ根と足裏のストレッチでした。
ここからサーキットトレに移ります。
上半身は可動域の伸ばしながら軽いジョグしたり、両手のひらをお尻にあて踵でタッチ。前腿を伸ばしてます。
ツイスト系メニューで見られるカリオカしてたり、リズムに乗って前や横方向に足を上げてジョグなんかも。
同様に股関節の内外旋もです。
ステップワークでは、緩やかなリズムで左右に動いたりサイドランでした。
【両構え ステップ練習】
強豪校では両構えがスタンダードです。
左右のどちらでも相手を捉えられるように、上半身はリラックスさせ芯を通した拳先を楽にして構えます。
下半身は腰の高さを安定させ、腰から下だけは細かく動かします。
前へのプレスも腰の高さをキープしたまま寄ります。
バックステップでは後ろの膝が柔らかく外側を向いていること。
後ろ膝が前方向に向いていては、詰まってしまい素早く間合いを切れませんね。
次サイドの動きです。
サイドステップは必ず一度外側に振ってから移動すること。
コーナー際、真身でサークルに動く時も逆に振ります。
もちろん腰の高さを安定させること。
一度逆を入れることで、相手にとってはフェイントのような動きにもなります。
必ず相手の意識を横に逸らすことが重要と指導されています。
(どっちに動く一瞬分からない)
特に注意を促していることは、横への動きの時みんなは気を抜いてしまう。
(休憩だと思っている)
この時間、身体をリラックスさせるだけで気は張っておくこと。
フットワークはなにも前後左右だけではありません。
斜めへの対処も必要です。
斜めに相手の攻撃を切る時は、しっかり身体を反らしてガードを上げておきます。
この時の軸は前足となります。
要約すると
1・上半身はリラックスし、拳先は芯だけ通ってる
2・腰の高さは常に一定
3・下半身は小刻みに動いている
これで30秒間フットワークします。
最初の15秒は利き構え、残り15秒は苦手構えでステップ練習されています。
前後左右に加え斜めの動きも思いおもいに動いています。
数セット繰り返し今度はペア練。
内容は同じですが、動いた後にペア相手が軽く刻み突きや足払いを加えてあげます。
溜め足の意識が足りないと、重心が前足に乗りますので足払いをかわせません。
俯瞰して観ていた今井監督の指示でペア練に切り替えていました。
選手の動きを見て足りない部分を克服させるために、メニューにアレンジを加えられるところが凄いところなんでしょうね。
ペア相手が間を詰める動きを取ってきた時、バックステップで間をキープしがちですが、強い選手はさらにその上を行く反応でプレスし返して間を制しています。
溜め足を意識させるために、ペア相手が攻撃を出したり押えたりしながら練習されていました。
ステップしながら、その判断が出来るための意識が必要です。
目的は、実際の試合を想定して相手の攻撃に対応することをしっかり意識します。
ステップが上手くなっても、咄嗟の対応が出来ないとポイントは奪取出来ないと指導されていました。
不安定な状態(足元払われたり)でも攻撃しないといけないので、動きの中で判断をする練習として取り入れられていました。
一つひとつのアドバイスが短い言葉で適切で理解し易いように感じます。
ダラダラと間が空かず直ぐに練習に戻る感じですね。
【フォースサイクル 蹴り練習】
テコンドーミットを2つ使って蹴りの練習です。
選手がお手本を披露してくれています。
持ち手が構えたミットに向かって、前足、後ろ足を使い蹴りを極めています。
出す技を見てみると、刻み蹴り・中段回し蹴り・上段回し蹴り・背面への中段回し蹴り・中 /上 ダブル・裏回し蹴り・引き込み裏回し蹴り・後ろ回し蹴り
これらを軽快に蹴っています。
今井監督から蹴りについてのアドバイスは、前足・後ろ足とも大振りにならずミットの線上に蹴ることでした。
ライン上とは、身体の枠の中で蹴ることを指します。
回し蹴りですが、回さず直線的に刺すように蹴ります。
横から回して蹴ると軌道が大きくなり相手に反応されてしまいます。
前足で蹴る刻み蹴りのダブル。
中段を蹴るフェイクの蹴りを2割、足を降ろさず上段を8割で動きをつけながら(スライド)刻み蹴りを出します。
大事なのは2割の蹴りの方。
ここに意識を持っていかさないといけません。
もうひとつ大事なのは後ろの手の使い方で、蹴りを遠くへ飛ばすために蹴る瞬間後ろに振っています。
反動使ってるのかな?
今度は蹴りのガード練習です。
片膝立ちを取り、両手を巧みに使って蹴りを捌く練習。
いつもやってる怖がらないための練習だそうです。
気をつけないといけないのは、ガードの位置と顔の位置です。
それと、受ける必要のない蹴りは上体を逃がして避ける。
その後は必ず元の位置に戻ることです。
受け側は相手をしっかり見てガードを意識し、蹴り側は工夫して蹴りを極めます。
足払いは、膝を上げてかわし、受け側は逆体も取り入れます。
(蹴り側はオーソドックス)
スピード中段蹴りです。
上段蹴り同様、大振りにならないように線上に蹴ること。
自分の身体の体側にテコンドーミットを構えます(障害物の役割)
ペア相手が持つミットめがけて刺すような蹴りの練習です。
なので3人で蹴りの練習してます。
スピードを意識して踏み込むと同時に腰を送り出して蹴ります。
完全なる大振りの悪いパターン(これ絶対極まらん)と、膝を送り出す正解のパターンを今井監督が披露されています。
この時も右手振りかぶっています。(スピードキックを指導してます)
蹴る瞬間のリスク回避を取るか、先の先でスピード勝負するか、考え方の違いですね。
片足で立つ不安定な蹴りよりも、両足で踏み込んで出す突きの方が速いはずですので私の考え方は『ガードを残して蹴る』です。
もうひとつ蹴込みの練習です。
蹴込みの時は相手の攻撃を回避出来るように上体を倒して顔の位置を離すこと。
「あとしばらく」の時間帯、負けてる相手は怒涛の攻撃しかけてきますので、蹴込み有効でしょうね。
特に「続けてはじめ」の時なんかは。
これも監督自ら良い見本と悪い見本を紹介してくださいます。
相手の突きをもらわないように蹴らないといけませんね。
なんとっ!狙う位置は相手の足のつけ根。
中段蹴りは相手の蹴りのスピードを下げる効果があるのでそうするとのこと。
自分の攻撃で相手の攻撃力を削いでいます。
身体を倒して蹴ることでカウンター回避し、足のつけ根を蹴ることで相手のスピードを下げます。
蹴込みは90度に押すのではなく、相手の足のつけ根にくさびを打つようなイメージで、斜め下に落として蹴ると指導されていました。
・真っ直ぐ蹴ると「相手を押すだけ」
・つけ根を斜め下の軌道で蹴ると「相手のスピードを奪える」
正確なフォームで蹴込みを練習したあと、フェイントを入れてから蹴込みに入る方法も収録されていました。
こんな高速フェイントされると相手は翻弄されるでしょうね。
また応用ですが、仮に相手がバックステップで反応した場合、蹴りの軌道を上段に変え追撃です。
このあと面白い練習方法取り入れています。
ペア相手と蹴込みのカタチを作り「膝押し相撲」です。
注意する点は、膝をしっかりと上げ畳みこんでキープし相手の膝を押す。
4メートル四方を押したり引いたり駆け引きの中で行い、相手の膝が下がったら上段蹴りを差し込みにいきます。
判定のルールが変わった今、蹴りの重要性が増しています。
ミットを蹴る練習は当然のことながら、駆け引きの中で中段から上段へ切り替えるチャンスを伺う練習方法でした。
実際の試合に活かせるよう、普段の練習から目的の意識づけが成されています。
意味を理解して取組む練習の重要性を感じますね。
溜め足のトレーニング、体幹のトレーニングになるので、膝の位置を確保して強さを作るよう声掛けされています。
でも体幹が弱かったり、膝の抱え込みが弱いと相手に突破され突きを極められてしまいます。
(ただでさえ自分は片足で立ってるので不安定)
今井監督のアドバイスはこれだけではありません。
この膝押し相撲の意図は相手と交錯した瞬間膝で相手の動きをブロックし、自分は突きで攻撃に転じます。
この蹴込みのフォームが安定するからこそ応用も生まれるのですね。
・理にかなった稽古内容
・理路整然と言語化するチカラ
・ひとつの技を技で終わらせず応用にまで結び付けている点
浪速高校が強いわけを垣間見た瞬間でした。
意味を持たせて生徒に反復練習させています。
(蹴りのガード練習)
攻めばかりではなくディフェンスの練習も。
自らが片膝立ちとなり、相手の蹴りを両手でガードしたりスウェイバックで避けます。(間を潰すダッキングなんかも)
蹴る方は寸止めとは言えスピードのある蹴りを上下左右に散らし、正体 / 逆体入れ替えて蹴りの連射です。
途中、今井監督からのアドバイスが入ります。
スウェイだけでかわしていては、相手に巻き込みの蹴りをもらうリスクが生まれるので、
スウェイでかわしたら相手を良く見ながらウィービングしてダッキングに繋げること。
映像見てたらなるほどなって思います。
今井監督の指導と、その言葉通りに実際に動ける選手の動きを観てると蹴りをもらわないようにするには、どうすれば良いのかが良く分かります。
しっかりガードすることが一番の目的ですが、タイミングを見て突きで攻撃を入れることも。
ゴールデンエイジ期に反射神経を高めないといけないとホントに感じます。
小さい頃にどんなトレーニングを積んできたかが問われる。
・速く動く
・素早く反応出来る
・一瞬で状況判断出来る
この3つに尽きるのかな。
上記3つに繋がる、基礎的な土台作り(運動神経)を生徒たちに『今』必要な練習として導いていかないといけないと強く感じました。





