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2024-08-17 09:15:00

浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 3/4

こんにちは!

 

浪速の空手3 練習の内容、目的がとても分かりやすくシリーズ全て観ています。

対象が高校組手なので、道場の生徒とは当然動きやスピード感に違いはありますが指導者・生徒にはマインドは共有出来るはず。

低学年が多い道場ですので理解出来る言葉や例え方に落とし込まないといけませんが。

勝ってる時・負けてる時・相手との距離・攻める気持ちを持って凌ぐ・ひとつの技に拘らない・技のあと

学ぶことばかりです。

 

 

浪速の空手3 (3).jpeg

 

 

07・動きを止めない 近場の勝負

08・一歩目の速さをつくる15秒フリー総合練習

09・立て直しの速さをつくる15秒フリー総合 + ミットプレス 

 

 

 

【動きを止めない 近場の勝負】

相手と密着した状況です。

掴みに関してはルールがどんどん変化し今では掴みは片手のみ。

掴んだ瞬間、即座に得点技もしくは倒さなくてはいけません。

 

即座に得点技を狙わないといけませんが、掴みの判断は主審に委ねられています。

一つくらいペナルティ取られても構わへん』

掴みの時間の感覚は主審の主観であって、取られる場合もあればまだ取られない場合もあると説明しています。

ペナルティを覚悟して少々相手を掴んでも構わないと指導されています。

 

『でもみんなは、すぐ離さなアカンという意識が働き、相手に投げられ引っ張られて蹴られたりすることもある』

ルールの範囲内でギリギリのところで凌ぎ合いをしなければいけないとのこと。

 

ここでの練習では相手に掴まれた場合の防御の仕方、逆に相手を掴んだ場合の攻撃のパターンを選手に考えさせることにありました。

掴まれた場合では、裏回し蹴りが飛んでくるケースが良く見受けられます。

ここでの避け方。引っ張られる力を逆に利用した避け方が参考になりました。

普通、技を極められまいと抵抗しそうなところですが逆でした。

一番良くあるパターンは両手を顔の位置に上げ、上段を蹴らせないことではないでしょうか。

 

蹴りだけでなく、足払いで上体を崩して次の技に繋げたりを4枚のマットの中で練習されています。

近場の戦い方、ポジショニングを克服する。

自分の苦手な距離を把握することが目的です。

 

「やめ!」がかからない状況で安心できる場面はありません。

外国人選手はガードの上から巻き込んで蹴ってきます。

 

意識をはること。

『自分で勝手に区分せず、意識をはっていれば取られることはないよ』

 

『今は浪速どうし、意識はっている状態で練習しているから取れないけど、試合中「やめ!」がかかる頃、相手がどこかで気を抜いたところを押さえる。

相手が休むか審判の「やめ!」がかかるまで、自分が休むことはない』

 

 

一歩目の速さをつくる15秒フリー総合練習

これも状況練習です。

新しいルール「先取」によって、ポイントが先取した方が有利となります。

現在のルールにおいても浪速では以前よりファーストポイントを取ることを大事にしてきたように、そのための動き・作りの速さを意識させています。

ファーストポイントを取れたなら1-0の組み立て方、もしくは0-1からの組み立て方を考えて、バタつかずに試合運びしなければいけません。

強い選手でもバタついたら負けてしまう。その焦りが少ない選手が勝つのでしょう。

 

フリーの1本取りの中でも、何を意識して練習するかが大事だと指導されています。

『どこの学校でも道場でもチームでもやってる練習ですが何をどういうことを意識して、その時の区分によって状況判断するのか』

でも動きは区分してはいけません。

要するに、ポイントが入ったかどうか「やめ!」をかけて判断するのは審判の先生であり、選手ではありません。

15秒間止まらずに、入ったとしても選手は動きを止めずに次のポイントを狙いにいく。

15秒フリーでは、ポイントを取っても(取られても)動きを止めず続けています。

目的は動き出しのあと、技が極まったあとの次の動きを区分せず、次へ次へと繋げていけるかをフリーの中で養っています。

試合形式や1本取りでは審判のやめがかかるので、技あとの繋ぎの意識が自分では分かりにくいことがデメリットです。

技あとの動きが遅れていないか自分で気づくための練習です。

動き出しの一歩目の速さ、判断の速さを選手自らに感じさせています。

なるほど!

 

向かい合って構えから集中して、フットワークしているところからスタートしています。

フリー見ていたら技あとを取られる選手、反応してさらにポイントを重ねる選手と様々でした。

今井監督がネットの接続に例えて説明されています。

『ネットの接続やテレビゲームで処理が遅かったらイライラせえへんか?

組手もそれと一緒でバンと打ちあって、その後の展開が遅かったら、アカンねん。

処理は性能が良く速い方がいい。雑なところはこの練習で削り取っていくように!

訓練して慣れて来て身体が勝手に反応出来るようにならなアカンで。

後ろのみんなも遅れてる時は声掛けして発破かけたらなアカンで!

その瞬間「そこ!」「いま!」って教えたらなアカンで!

やられるねんから!』

 

相手の攻撃をダッキングで掻い潜って間髪いれずに攻撃。

差し合ったあとの入りの速さ。

技が流れるように出せる選手もいますし、

避けたと思った。

入ったと思った。

ここで躊躇し相手の動きを観てしまう選手には適格に指摘です。

もうひとつ!もうひとつ!と技を重ねていくのに、重心が高いと一手遅れますね。

 

 

立て直しの速さをつくる15秒フリー総合 + ミットプレス

フリー練習する選手の背中を後方からミットで押さえてあげます。

身体が浮いた時が相手に最もやられやすい瞬間です。

自分が対応できる手段が無くなってしまいますので、そこを無くす練習です。

 

ミットの持ち手も選手に合わせて動かないといけないのでフットワークの練習を兼ねています。

場外間際でミットに背中が当たれば前にでるもしくはサイドステップしないといけません。

浮くという動作を削り取ります。

試合中はどうしても浮いてしまう場面がありますが、すぐに立て直さなければいけません。

相手に主導権を握られたまま試合を進めたら負けてしまいます。

その不利な状態に気づいて立て直す練習をされています。

 

もうひとつの目的は、相手と見合い何も仕掛けない場合、持ち手が後ろから押しプレッシャーをかけています。

説明の中で今井監督は、強い選手の特徴のひとつにプレスが強い(速い)ことを挙げられています。

押すタイミングもありますので、頭を使わないといけません。

 

フルスピードでフリーしてますが、とても難しい、、

遠間から上段の蹴りで間を詰めてきた際、身体がのけ反るシーンがありますが、この瞬間が浮いた時。

間髪入れずにミットで背中を押し、体勢を立て直します。

一気に畳みかけられてもおかしくない場面でしたが、上手く回避していました。

気をつける点は、後ろに壁(ミット)がありもう下がれない状況で固まってしまうこと。

これだけで一手遅れます。

 

持ち手側は選手がバックステップしたら同じく下がってあげないといけません。

ボーっとしてたら詰まってしまい練習になりません。

持ち手は練習の意図を考えて、選手が浮いた時にだけ止めてあげることです。

攻防してる時は流れに沿う必要があります。

サイドステップしたらついていき、選手の仕掛けが足りない時は、後ろからプッシュし教えてあげないといけません。

相手のリズムを読む練習でもありますので、気を抜かないことです。

 

 

シンプルなんですけど良く考えられたメニューだと思います。

固まった時、浮いた時に後ろから教えてあげることで、客観的に持ち手が知らせてくれます。

自分一人では気づきにくい部分をサポートしてくれますね。

普段から選手の動きをよく観察して、弱点克服する方法をずっと考えてるんだろうな。

指導者の創意工夫です。

 

 

フルスピード、本気の突き、蹴りでの練習。

コートの中を4人が目まぐるしく動いています。