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強豪道場シリーズ 志新塾 矢倉道場 -2021劇的変革指導法- 1/2
こんにちは!
2年程前に購入したDVDをやっと開封しました。
道場開設の前後だったかで、遥か先を行く道場のメニューを観るのは時期尚早。
「強豪道場の練習メニュー」でも紹介されていましたし興味津々でしたが、そんな理由でずっと寝かせたままでした。
運動能力、反射神経、一瞬の判断力を向上させる練習方法を構築されていましたので、指導者としてはマストアイテムです。
しっかり学んで道場に還元したいと思います。
1・身体能力強化サーキット①(フィジカル強化トレーニング)
2・身体能力強化サーキット②(体軸の意識と基本技の捻転)
3・”人間負荷” トレーニング
【身体能力強化サーキット①(フィジカル強化トレーニング)】
どちらかというと狭く感じる道場。
その中に何人の生徒がいるのでしょう。
ざっと見た感じでも40~50名でしょうか。
軽いジョグからスタートしましたが、とにかく活気が凄いです。
道場中に大きくて元気な声が響いています。
この雰囲気大好きです。
ジョグから始まりジャンプ。
ジャンプしてテッペンの高さで逆突き入れて、着地と同時に残心。
このあとワンツーも。
ジャンプ系はまだまだ続き180度回転しながらワンツー。
これも着地と同時に残心取ります。
ポイントは「身体が流れない」「腹筋を使って極める」
次は腿上げです。
足を動かすメニューの時は絶対に手を振ることも忘れずに意識づけされています。
シャッフルも同様に腕を振っています。
バックシャッフルなんかもやってます。
ジグザグに進みながら、正体・逆体で突き技。
この辺は思いおもいに自由に技を出していました。
面白かったのは、ジグザグでバックステップしながら技を出すメニュー。
後ろ後ろに下がりながら準備(溜めを作る)し追ってきた相手を想定し、前で技を出す練習。しっかり残心まで繋げて。
1,2の3でシャッフルした後、4で寄せ足。
これは知らなかった。
道場ではラダー使って軽やかに1,2,3でシャッフルしてますが、強く速く1,2,3,4です。
サラッと深いアドバイス。
”表拍子”で技出すと反応される
”裏拍子”で技出すと相手反応出来へん
表現が難しいですが矢倉先生の説明はこんな感じでしょうか。
1,2,3の足の動きで突きを出してはダメ。
これは始めに習うオーソドックスなステップからの刻みの入り方ではないでしょうか。
その域を超えた矢倉道場では、裏拍子で指導されていました。
これは以前の荒賀先生のセミナーDVDで触れた内容と表現方法は異なれど近い意味だと感じました。
荒賀先生はスピード意識した素早い入り。
後ろ足の引きつけと説明されていました。
ゆりでは子供達に両足内側を磁石のように素早くくっつけると指導しています。
手技に後ろの足をつける事で裏拍子に変わります。
オーソドックスなリズムとはやはり違いがあり、観ていてもリズムを狂わされます。
やはり組手は相手が嫌がることをしてなんぼ。
”裏拍子” 会得(体得)出来れば、面白いように技が極まるような気がします。
下半身を作り上げ、超スピードを追求するのもひとつ。
独特のリズムを身につけイニシアチブ握るのも手ですね。
1(前足)・2(後ろ足)・3(突き技)のリズムで技を出すのは誰にでも出来るねん。
誰にでも出来るって事は誰にでもやられるって事やねん。
3(突き技)に足元をつけるねん。
開封して5分で新しい気づきを得ました。
*バックシャッフルも裏拍子を取り入れています。
普段のアップの中からこのリズムを取り入れることで、実際の動きの中でスムーズに連動させれるんでしょうね。
頭で考えた事を筋肉に伝達させる時間が速ければ速いほど運動神経が高いと言えます。
アップはまだまだ続き、次は小刻みに全力で腕を振っての超スピードラテラル。
ラテラルの後はヒトますを小さくしたケンケン。
ケンケンの次は、安定感を重視したケンケンジャンプ。
ケンケンの姿勢を取り、床を蹴って垂直にジャンプ。
しかも軸足を抱え込んでいます。
高く飛んで着地はしっかり安定させないといけません。
着地が安定していると、前足で蹴れますので刻み蹴りまで繋げていました。
激しく動く組手競技の中でバランス(安定感)は極めて重要な要素です。
攻撃しないと得点は奪えませんので、どんな体勢からでも技を仕掛けなくてはいけません。
ケンケンでジャンプし、しかも軸足を抱え込むことで敢えて不安定な状況を作りだし蹴りを繰り出す練習でした。
一見、ただジャンプしてるだけの単調なメニューに見えますが理にかなった奥が深い練習に感じです。
腕を大きく振ってのカエル飛びジャンプもやってます。
ジャンプのあとはスピード系に移ります。
フルスピードでグーパーした後、1フロント1バック。
これを1,2,3,4のリズムで。
短い距離をフルで動き、組手フットワークです。
ステップワークでは上には絶対に浮いてはいけません。
道場では浮いている時間、技は出せないしガードも出来ない無防備な瞬間だと説明していますが、矢倉先生は浮くと力が逃げるからと説明されていました。
「浮く」のではなく「沈む」です。
ステップの中にオープンとクローズを加えます。
単調にならず、一瞬異なる動きを高速で加えるだけでハッ!と感じさせることが出来ることでしょう。
相手が居ついた瞬間がチャンスですので、前へのプレス以外に面白いと感じたアクションでした。
ビックリしたのが次のステップ。
さっきステップは浮いたらダメと書きましたが、今度のメニューは組手構えから足を閉じる。
閉じると当然頭は浮きます。
この浮きを利用した突きの速射練習。
パッと浮いて、自重を利用して深く沈み中段突きに入る練習でした。
これは知らなかった。
これを生徒たちはフットワークの中からオープン・クローズを挟みながら高速で足を閉じ、瞬間脱力で沈んでいます。
足を閉じるといっても高速でやるとすれば、両足内側を寄せ合う意識です。
これに「競技の達人」でおなじみの月井 新先生の瞬間脱力を上手く組合せたような動きをミックスさせています。
対戦相手に高速でこんな動きされたら嫌でたまりませんね。
しかも突きは普段見慣れない裏拍子で仕掛けてきます。
矢倉道場の強さの片鱗が伺えます。
※裏拍子とは「突きながら移動すること」「移動して突くのではありません」
前進したあとバックステップもしっかりやってました。
どっしりと重心を落とし、一回いっかいスイッチしながら前進なんかも。
頭が浮かないように注意を促していました。
小さく後ろ足を寄せながらのステップワーク。
寄せ足は大きくなってはいけません。
大きくなればなるほど相手にとってチャンスとなってしまうとアドバイスです。
応用でバックステップもです。
手足を床につけ前進。
これは昨年の喜友名先生のセミナーに出席した時、動物の動きをアップで紹介してくださいましたのと同じ動き。
お尻を暴れさせず体軸を整えたまま、足は伸ばしたまま手の入れ替えをスムーズにです。
横向きでもやってます。
それにしても声が途切れない。
ずっと誰かが声を出しているので途切れません。
これだけ元気があると途中しんどくなっても、上手く乗せられて最後までやり切れそうな雰囲気がしますね。
この元気の良さメッチャ好きですね。
誰一人ふざけてないし、気を抜かないし、手を抜くとライバルにおいていかれる雰囲気が伝わってきます。
小学生から高校生まで一緒になって、当たり前のことを一切手を抜かず必死に取り組まれています。
手を止めての指導者のアドバイスには「ハイっ!」
稽古再開の度に「オッシャー!」
途中、矢倉先生は「勝つ雰囲気を自分らで作れ」「一人ひとりの意識で上げろ!」
小さな小学生から日の丸つけた高校生まで、夢中になって汗を流しています。
美しい姿です。
【身体能力強化サーキット②(体軸の意識と基本技の捻転)】
01・カエル飛びジャンプ ジャンプの瞬間思いっきり身体(背中)を反っています。
02・その場で2回連続開脚。開脚後、着地して素早く2歩ダッシュ。床の反動を使った瞬発系です。
03・応用で空中ジャンプで四股立ち また着地後ダッシュ。
04・両足同時に連続スクワットジャンプ 間髪入れずに飛んでバネ強化してます。
05・アンクルジャンプ つま先で動く事で足首の掛かりを意識させています。足首の掛かりがある状態で構えると地面(床)を捉えられるとのこと。
06・ツイストジャンプ これもアンクルと同じ要領で掛かりを意識しながら対角にある手と足を交互に入れ替えています。グッっと地面を噛んでいます。
07・1,2、3のリズムでアンクルジャンプしながら軍隊のように行進してます。
08・横向きで開脚しながら体を入れ替えストレッチで前進してます。みんな柔らかいですね。
09・しゃがみ歩き しゃがみながら股関節を広げています。
10・しゃがみ歩きから立ち上がりスッとしゃがみます。その際内腿をパパンと叩いて刺激入れてます。
11・ガニ股ジャンプ しゃがみながら軽くジャンプして前進してます。
12・ローリング その場で足の裏をつけてローリングしながら前進。もちろん手を使ってませんので激ムズ。前転する子も居れば斜めから入る人も居たりです。
13・肘飛ばし 逆突きの要領で拳では無く縦肘です。ゆっくりと歩きながら脇を締めて肘を飛ばすことで突きのスピードに繋げます。また別でしゃがんだ状態から縦肘。これは後ろ足の足首と膝からパワーの伝達で一気に縦肘に持っていきます。
要するに意識の上で、突きは腕を伸ばして突くのではなく、肘から先をロケットのように飛ばすんだと捉えました。
「突きの中で長くせぇとか伸ばせとか捻転せぇとかはムリやから、この基本の時に引き手使って捻転するのを意識する」
「手足で技を出さずお腹から手足が生えてると思って。体軸を意識すること」
「身体を使った技を出すこと 手とか足とか技術は潰されるから」
14・斜めエンピ 13と同じで踏み込んだ足は斜め前で捻転を使います。縦肘は正面に向けています。応用で逆上を飛ばしています。
15・匍匐前進 腕力だけで身体を運んでいます。後ろ向きでは体軸を意識して行っています。
【”人間負荷” トレーニング】
アップはまだまだ続きます。
DVDはこの時点で35分経過。
アップで基礎体力をつけているのでしょうか。
それと始めから違和感があったのですが、稽古に入る前のアップから生徒達は全員拳サポはめて防具も全てつけています。
1・狭く感じる道場ですが全力疾走します。ただ走るのではなくペア相手が後方から帯を掴んで引きずられながら負荷をかけています。瞬発力強化に持ってこいですね!
2・シャッフル なかなか進まない子もいてますが、デカい雄たけび上げながら自分を奮い立たたせています。こういうの大好き。踏み込みの強化です。
3・連続ジャンプ これもきつい。なんせ人を引きずりながらなので。
4・組手フットワーク 寄せ足で進みますが、引っ張ろうと思って重心が崩れない事が重要です。しっかり重心落として下半身主導で踏み込みます。
5・バックダッシュ 帯の向きを前に戻して後ろ向きでダッシュしてます。
6・バックステップ 前にプレスをかける攻撃的意識と同じくらい大事な回避意識。これを2ステップで練習します。
「強烈なバックステップ、対戦相手が仕掛けたい時にカチッと外す」
7・だっこ 冷蔵庫抱えるようにしてダッシュしてます。
8・雑巾がけ ペア相手に仰向けに寝てもらい肩を押しながら前進してます。
これらのメニューはチューブを使って出来ることばかりですが、チューブの本数に限りがある道場、生徒の数が多い道場には待ち時間が発生し非効率と言えます。その意味において人間負荷トレーニングは時間もコストも節約出来る知恵を使った合理的な練習方法だと感じました。
何よりも基礎体力があった上での技術面。
土台となる強い身体作り。
前半3つのメニューだけで身体作りの重要性を痛感しました。