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2024-08-12 09:15:00

浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 2/4

こんにちは!

 

浪速の空手3 2本目のご紹介。

夏休みに入りましたが、ムダに時間を使わないよう早起きを心がけています。

粛々と家事をこなし空手のDVDでインプットしてブログのストックです。

どこまで更新出来るか分かりませんが、勉強頑張りたいと思います。

 

浪速の空手3 (2).jpeg

 

 

04・縦横無尽 区分した打ち込み

05・即座の対応 ランダム練習

06・残り15秒 コーナー際の攻守

 

 

縦横無尽 区分した打ち込み

区分した打ち込み。

攻撃する手足を予め決めて精度を高める練習です。

改めてこの練習の意図を説明されています。

どれだけ素晴らしい刻み突きを持っていても、始めの1ポイントは奪えたとしてもやがて相手に反応されてしまいます。

ひとつの得意技では相手に対応されてしまうので右手、右足、左手、左足、それぞれを使って技を出す練習をされています。

 

例えば、正体選手の場合左手の技は何もひとつだけとは限りません。

1・刻み突き

2・切り返しの逆上

3・スライドの刻み

4・スイッチしての中段突き

5・足払いからの刻み突き

6・スイッチした状態から相手が出てきた場合の中段突き

 

左手だけでもこれだけ技が豊富です。

 

 

今度は左足(正体)ですと、

1・上段回し蹴り

2・中段蹴り

3・裏回し蹴り

4・刻み蹴り(2:8)ダブル

5・抜いて裏回し(裏回しの軌道から刻み蹴り)

6・スイッチして中段蹴り

 

と、これもレパートリーが何種類もあります。

 

自由に打ち込みしていると自分の好きな(得意)技ばかりを練習しがち。

となれば試合で、他の技が出なくなります。

 

咄嗟の状況判断にも繋がる区分した打ち込み。

なかでも左手の練習では、左のリードからのワンツーもあり。

左手から右手、右足から左足といった具合です。

 

これを2分間5本交代でペア練習。

もちろん技を出した後の動きも当然の如くつけながら練習されています。

それだけに限らず、フェイント・フェイク・プレスも挟んで練習されています。

 

ひたすら打ち込みを繰り返し、技のベースを作る段階を経た次のステップで必要になる練習方法ではないでしょうか。

技は自由、各選手に考えさせながら自分のカタチを作っていきます。

直線的な組手だけでなく、一瞬横に振って斜めから入る刻み突き。

いたってノーマルな刻み突きもあれば、横から入る刻み、スライドの刻み、止まって入る刻みと様々です。

受け側も同じ構えだけでなく、スイッチして対応しています。

 

練習のための練習にならず試合で使えるようにするため、選手への説明による意識づけが大変勉強になりました。

当たり前ですが、とても質の高い練習です。

 

ひと通り選手の練習を観終えた今井監督が選手を呼び指導に入ります。

「攻撃することばかりを意識せず、相手に攻められた時対応出来るように、バランスの良い動きをすること。」

 

攻められた時みんなは逃げてしまい、ポイントの奪い所を逃している。

つまり、

1・自分は刻み突きとともにダッキングして相手の懐に潜ります。

2・相手は刻みをガードし反応して技を出してくる

3・そこを逆上で捕える

 

かなりのスピードと反応の速さが求められますが、相手を動かして(技を出させて)そこを狙う練習です。

他にも間合いを近づけ相手が我慢出来ずに技を出してきたところを捌いて返す技や、

同じ状況で中段カウンターのような、自ら攻めるだけの打ち込みだけで終わらず、相手を動かして得点を狙う練習もしなさいといった指導でした。

打ち込みしながら動きながら、相手の動きを考えて、工夫して練習しなといけませんね。

 

「頭を使った打ち込みしてるかしてないか」・「このままで終わるか一個上に行けるか」

ソフトな口調から発したズバリ厳しい言葉でした。

 

攻めにいって得点を狙う展開以外にも、攻め込まれた時でも得点を奪えるカタチを身につけなさいといった感じ。

こんな意識で練習してたら強い訳です。

 

この練習の裏ポイント。

”攻守のバランス”

下がる時もあれば、見切る時もある。

またサイドに振ってはいる時もあるやろし状況を考えながら、より実践を想定し練習に取り組む必要があります。

 

 

即座の対応 ランダム練習

5人1組で行う練習です。

目的は技あとの動き。

技を出した後、動きを止めないこと。

4人の選手はコートを広く使い詰めたり、切ったり、サイドに展開したり動きます。

攻めてきた一人目に攻撃をしたら、間髪入れずに二人目三人目と繋いでいきます。

受けて側は一人ずつランダムに攻撃を放つこと。

 

目的は技あとの動きを止めないことと、あらゆる攻撃から対応できるようにするためです。

反応と状況判断の強化でしょうか。

これは相手が先に準備していて、自分が出遅れている状態です。不安定な状態を直ぐに立て直して攻撃する練習です。

咄嗟の対応を即座に判断して動くこと。迷ってる場合ではありません。

これは攻め手と受け手のどちらも意図を理解して動けないと良い練習にはなりません。

試合ではいつもいつも、自分が主導権を握って試合出来るとは限りません。

不利な状況でも即座に対応出来るための練習です。

良く考えられた素晴らしい練習です。

寸止め空手とは言え、4対1でフルスピードでランダム練習していたら研ぎ澄まされた集中力も養えますね。

気の抜けた練習していたら一発でケガして終了です。

一瞬の判断力と集中力を磨く効果的な練習方法だと感じました。

 

 

指導者の目的意識の高さが選手を成長させるのではないでしょうか。

・競技空手にはどんなスキルが必要か?

・選手が持つ課題は何か?

・どんな練習で克服するか?

・意図は明確に伝わっているか?

 

このシリーズからビンビンに伝わってきます。

熱のある練習です。

 

詰める、切る、ダッキングする、サウスポーに構える、プレスする。

数を数えるだけの台打ち込みにならず、受け手にも工夫を持つこと。

 

練習する上で大事なこと。

動き出しの一歩目を速く。迷ったり詰まったりせず一歩目の判断を動きながらしないといけません。

次の動きはテンポをおかずすぐに対応しなければ、実際の試合では相手にやられてしまいます。

自分が準備している間に相手も準備します。

自分が主導権を握れるように速く動くことでポイントが取れます。

この意識が「先の先」または「後の先」に通じます。

 

予定調和の打ち込みではなく、二人目がどこからどんな攻撃してくるか分からない状態で行います。

気配を感じることも重要ですね。

この判断が速い選手が強いと言っています。

 

受け手はタイミング良く技を出してあげること。

強い技では無くタイミングです。

受け手は待ってあげていては練習の意図がズレます。

矢継ぎ早に攻撃です。

待ってあげていては1対1の打ち込みと同じですから。

それでは練習の目的が全く異なります。

状況判断の練習ですので、その環境を作ってあげないといけませんね。

 

1対4のランダム練習になれたら、絶対に試合が楽になります。

だって目の前の相手にだけ集中するだけですので。

ランダムに意識をはることで次の技への対応が上がりますね。

ホントに理にかなった練習です。

ただ指導者も選手も目的を見誤ったら、それはただの打ち込みになってしまう。

空手脳が無いとカタチだけの練習になる恐れがあると言えます。

受け手側は実際に相手を狙った動きをすること。数を数えるだけの台打ち込みにならず、受け手にも工夫を持つこと。

攻め手は反応が遅れれば失点に繋がります。

カタチだけの流れの練習をする場ではありません。

 

区分した打ち込みであったように、このような実践を意識したランダム打ち込みで偏った技に拘らないこと。

結構重要な要素です。

一瞬一瞬の状況判断で自分の得意技だけしか出せないと、試合で咄嗟の技は出せません。

ここも意識の差がどんどん広がっていく部分です。

日頃から区分した練習を心がける選手と、それが足りない選手とでは、一回いっかいの積み重ねが恐ろしい程に広がっていく。

たった一回、、

それが命取りです。

半年間、意識の違いが続けば簡単には埋めようの無い差が出来ている事でしょう。

 

応用練習の時に咄嗟の判断や偏った技しか出せない選手は、まだ習熟が足りません。

意識を持って練習を繰り返すしかないと仰っています。

とても重みのある言葉でした。

 

 

残り15秒 コーナー際の攻守

取った取られた場外関係なしに15秒間動きます。

理想は15秒間場外に出ないこと、最後まで避けきって凌いで終わることです。

相手の動きを良く見て場外に出てしまうのはギリOKとしても、一番ダメなのは相手から目を反らし場外に出てしまうこと。

意識の上で逃げることに専念してしまうと、出際で相手に取られてしまうからです。

 

この練習では、自分(守る方)は15秒間、守りに専念しますが隙あらば取るつもりで守り切ります。

試合終盤の残り数秒。

ここを凌ぎきる練習です。

気持ちは決して守りに入らない、集中力を切らさず両手でガードしながら巧みにダッキング。

相手の攻めの合間に攻撃に転じ、残り時間守り切ります。

 

取った取られたは練習なので関係ありません。

でもどんな時、自分が取られたかここを知ることが大事です。

今井監督曰く取られる時は固まってしまった時。

その場で居ついてしまう時です。

相手の攻撃を1回凌いだ後、区切りをつけて動きを止めてしまうから相手に取られてしまうとアドバイスです。

 

得点を狙う相手は1回の攻撃で終わるはずがありません。

でも守りたい自分が一回攻撃を凌いだ後、ひと呼吸おく余裕なんてないのにここで気を緩めてしまう。

この瞬間こそが失点するパターンです。

それを無くす練習。

練習する意図はそこにあります。

 

 

相手の動きに合わせてクイックに両手と身体を左右に振り凌ぎきることが重要です。

このシチュエーションでダッキング出来ないと高速の攻撃は凌ぎきれません。

 

途中3人1組に移りました。

もちろん1対1でコーナー際で攻防しますが、3人目は審判もしくはアドバイス。

本人に状況を気づかせてあげる役目です。

咄嗟に逃げてるぞ!

のけ反ってるぞ!

気が後ろに引いて逃げる気が伝わってるぞ!

こんな具合です。

 

相手の攻撃を避けた後も安心せず次を取られないようにすぐに動かないといけません。

ダッキングのあと素早く横に動く、攻撃に転じる。

攻守ともに区切ったら絶対にダメ。

動き続け凌ぎきる練習です。

攻め側も簡単に突っ込んでいったら合わされてしまうだけですので、互いに気をはって練習です。

 

いろいろな状況を想定して動き、無意識に動けるまでに繰り返しが大事です。

練習の中で失敗と成功をしながら、成功のパーセンテージの高いものを作り上げていく。

選手に試行錯誤を促しています。

 

最後選手を集めて名言が。

練習の時から、攻める(凌ぐ)気持ちを持たず、場外に逃げてたら何の成長も無いよ。

失点のリスクを背負って、凌ぐ練習をしないと強くならへんよ。

 

 

明確な練習の意図。

スッと腹落ちする内容。

質の高い練習内容に選手の意識の高さ。

学びの多い組手DVDです。

この浪速の空手シリーズ、続編を希望したいくらい素晴らしい内容です。