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2024-08-10 12:21:00

浪速の空手3 -先の先・後の先の間を消す攻撃と対応- 世界レベルの総合力を身につける最先端の練習体系 1/4

こんにちは!

 

浪速の空手シリーズ3本目。

現時点で発売しているのはここまで。

内容が濃いので4回に分けて紹介したいと思います。

 

浪速の空手3.jpeg

 

01・ストレッチ・柔軟体操

02・両構え ステップ練習

03・フォースサイクル 蹴り練習

 

 

ストレッチ・柔軟体操

肩甲骨の可動域をゆっくり広げ、脇腹のストレッチなんかも。

股関節は互いにペアで向かい合い、相手の右肩に手を置き足を前後にスイングし左右にブランブランも。

他にも片膝をつき前屈立ちの姿勢で前足のつけ根と足裏のストレッチでした。

 

ここからサーキットトレに移ります。

上半身は可動域の伸ばしながら軽いジョグしたり、両手のひらをお尻にあて踵でタッチ。前腿を伸ばしてます。

ツイスト系メニューで見られるカリオカしてたり、リズムに乗って前や横方向に足を上げてジョグなんかも。

同様に股関節の内外旋もです。

ステップワークでは、緩やかなリズムで左右に動いたりサイドランでした。

 

 

両構え ステップ練習

強豪校では両構えがスタンダードです。

左右のどちらでも相手を捉えられるように、上半身はリラックスさせ芯を通した拳先を楽にして構えます。

下半身は腰の高さを安定させ、腰から下だけは細かく動かします。

前へのプレスも腰の高さをキープしたまま寄ります。

バックステップでは後ろの膝が柔らかく外側を向いていること。

後ろ膝が前方向に向いていては、詰まってしまい素早く間合いを切れませんね。

 

次サイドの動きです。

サイドステップは必ず一度外側に振ってから移動すること。

コーナー際、真身でサークルに動く時も逆に振ります。

もちろん腰の高さを安定させること。

 

一度逆を入れることで、相手にとってはフェイントのような動きにもなります。

必ず相手の意識を横に逸らすことが重要と指導されています。

(どっちに動く一瞬分からない)

 

特に注意を促していることは、横への動きの時みんなは気を抜いてしまう。

(休憩だと思っている)

この時間、身体をリラックスさせるだけで気は張っておくこと。

フットワークはなにも前後左右だけではありません。

斜めへの対処も必要です。

斜めに相手の攻撃を切る時は、しっかり身体を反らしてガードを上げておきます。

この時の軸は前足となります。

 

要約すると

1・上半身はリラックスし、拳先は芯だけ通ってる

2・腰の高さは常に一定

3・下半身は小刻みに動いている

 

これで30秒間フットワークします。

最初の15秒は利き構え、残り15秒は苦手構えでステップ練習されています。

前後左右に加え斜めの動きも思いおもいに動いています。

 

数セット繰り返し今度はペア練。

内容は同じですが、動いた後にペア相手が軽く刻み突きや足払いを加えてあげます。

溜め足の意識が足りないと、重心が前足に乗りますので足払いをかわせません。

俯瞰して観ていた今井監督の指示でペア練に切り替えていました。

選手の動きを見て足りない部分を克服させるために、メニューにアレンジを加えられるところが凄いところなんでしょうね。

 

ペア相手が間を詰める動きを取ってきた時、バックステップで間をキープしがちですが、強い選手はさらにその上を行く反応でプレスし返して間を制しています。

 

溜め足を意識させるために、ペア相手が攻撃を出したり押えたりしながら練習されていました。

ステップしながら、その判断が出来るための意識が必要です。

目的は、実際の試合を想定して相手の攻撃に対応することをしっかり意識します。

ステップが上手くなっても、咄嗟の対応が出来ないとポイントは奪取出来ないと指導されていました。

不安定な状態(足元払われたり)でも攻撃しないといけないので、動きの中で判断をする練習として取り入れられていました。

 

一つひとつのアドバイスが短い言葉で適切で理解し易いように感じます。

ダラダラと間が空かず直ぐに練習に戻る感じですね。

 

 

フォースサイクル 蹴り練習

テコンドーミットを2つ使って蹴りの練習です。

選手がお手本を披露してくれています。

 

持ち手が構えたミットに向かって、前足、後ろ足を使い蹴りを極めています。

出す技を見てみると、刻み蹴り・中段回し蹴り・上段回し蹴り・背面への中段回し蹴り・中 /上 ダブル・裏回し蹴り・引き込み裏回し蹴り・後ろ回し蹴り

これらを軽快に蹴っています。

 

今井監督から蹴りについてのアドバイスは、前足・後ろ足とも大振りにならずミットの線上に蹴ることでした。

ライン上とは、身体の枠の中で蹴ることを指します。

回し蹴りですが、回さず直線的に刺すように蹴ります。

横から回して蹴ると軌道が大きくなり相手に反応されてしまいます。

 

前足で蹴る刻み蹴りのダブル。

中段を蹴るフェイクの蹴りを2割、足を降ろさず上段を8割で動きをつけながら(スライド)刻み蹴りを出します。

大事なのは2割の蹴りの方。

ここに意識を持っていかさないといけません。

もうひとつ大事なのは後ろの手の使い方で、蹴りを遠くへ飛ばすために蹴る瞬間後ろに振っています。

反動使ってるのかな?

 

今度は蹴りのガード練習です。

片膝立ちを取り、両手を巧みに使って蹴りを捌く練習。

いつもやってる怖がらないための練習だそうです。

気をつけないといけないのは、ガードの位置と顔の位置です。

それと、受ける必要のない蹴りは上体を逃がして避ける。

その後は必ず元の位置に戻ることです。

受け側は相手をしっかり見てガードを意識し、蹴り側は工夫して蹴りを極めます。

 

足払いは、膝を上げてかわし、受け側は逆体も取り入れます。

(蹴り側はオーソドックス)

 

 

スピード中段蹴りです。

上段蹴り同様、大振りにならないように線上に蹴ること。

自分の身体の体側にテコンドーミットを構えます(障害物の役割)

ペア相手が持つミットめがけて刺すような蹴りの練習です。

なので3人で蹴りの練習してます。

スピードを意識して踏み込むと同時に腰を送り出して蹴ります。

 

完全なる大振りの悪いパターン(これ絶対極まらん)と、膝を送り出す正解のパターンを今井監督が披露されています。

この時も右手振りかぶっています。(スピードキックを指導してます)

蹴る瞬間のリスク回避を取るか、先の先でスピード勝負するか、考え方の違いですね。

片足で立つ不安定な蹴りよりも、両足で踏み込んで出す突きの方が速いはずですので私の考え方は『ガードを残して蹴る』です。

 

もうひとつ蹴込みの練習です。

蹴込みの時は相手の攻撃を回避出来るように上体を倒して顔の位置を離すこと。

「あとしばらく」の時間帯、負けてる相手は怒涛の攻撃しかけてきますので、蹴込み有効でしょうね。

特に「続けてはじめ」の時なんかは。

 

これも監督自ら良い見本と悪い見本を紹介してくださいます。

相手の突きをもらわないように蹴らないといけませんね。

なんとっ!狙う位置は相手の足のつけ根。

中段蹴りは相手の蹴りのスピードを下げる効果があるのでそうするとのこと。

自分の攻撃で相手の攻撃力を削いでいます。

身体を倒して蹴ることでカウンター回避し、足のつけ根を蹴ることで相手のスピードを下げます。

 

蹴込みは90度に押すのではなく、相手の足のつけ根にくさびを打つようなイメージで、斜め下に落として蹴ると指導されていました。

・真っ直ぐ蹴ると「相手を押すだけ」

・つけ根を斜め下の軌道で蹴ると「相手のスピードを奪える」

 

正確なフォームで蹴込みを練習したあと、フェイントを入れてから蹴込みに入る方法も収録されていました。

こんな高速フェイントされると相手は翻弄されるでしょうね。

 

また応用ですが、仮に相手がバックステップで反応した場合、蹴りの軌道を上段に変え追撃です。

 

このあと面白い練習方法取り入れています。

ペア相手と蹴込みのカタチを作り「膝押し相撲」です。

注意する点は、膝をしっかりと上げ畳みこんでキープし相手の膝を押す。

4メートル四方を押したり引いたり駆け引きの中で行い、相手の膝が下がったら上段蹴りを差し込みにいきます。

判定のルールが変わった今、蹴りの重要性が増しています。

ミットを蹴る練習は当然のことながら、駆け引きの中で中段から上段へ切り替えるチャンスを伺う練習方法でした。

実際の試合に活かせるよう、普段の練習から目的の意識づけが成されています。

意味を理解して取組む練習の重要性を感じますね。

溜め足のトレーニング、体幹のトレーニングになるので、膝の位置を確保して強さを作るよう声掛けされています。

でも体幹が弱かったり、膝の抱え込みが弱いと相手に突破され突きを極められてしまいます。

 

(ただでさえ自分は片足で立ってるので不安定)

 

今井監督のアドバイスはこれだけではありません。

この膝押し相撲の意図は相手と交錯した瞬間膝で相手の動きをブロックし、自分は突きで攻撃に転じます。

 

この蹴込みのフォームが安定するからこそ応用も生まれるのですね。

 

・理にかなった稽古内容

・理路整然と言語化するチカラ

・ひとつの技を技で終わらせず応用にまで結び付けている点

浪速高校が強いわけを垣間見た瞬間でした。

 

意味を持たせて生徒に反復練習させています。

 

(蹴りのガード練習)

攻めばかりではなくディフェンスの練習も。

自らが片膝立ちとなり、相手の蹴りを両手でガードしたりスウェイバックで避けます。(間を潰すダッキングなんかも)

蹴る方は寸止めとは言えスピードのある蹴りを上下左右に散らし、正体 / 逆体入れ替えて蹴りの連射です。

 

途中、今井監督からのアドバイスが入ります。

スウェイだけでかわしていては、相手に巻き込みの蹴りをもらうリスクが生まれるので、

スウェイでかわしたら相手を良く見ながらウィービングしてダッキングに繋げること。

映像見てたらなるほどなって思います。

今井監督の指導と、その言葉通りに実際に動ける選手の動きを観てると蹴りをもらわないようにするには、どうすれば良いのかが良く分かります。

 

しっかりガードすることが一番の目的ですが、タイミングを見て突きで攻撃を入れることも。

 

 

ゴールデンエイジ期に反射神経を高めないといけないとホントに感じます。

小さい頃にどんなトレーニングを積んできたかが問われる。

・速く動く

・素早く反応出来る

・一瞬で状況判断出来る

この3つに尽きるのかな。

上記3つに繋がる、基礎的な土台作り(運動神経)を生徒たちに『今』必要な練習として導いていかないといけないと強く感じました。