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浪速の空手 -浪速高校空手道部 世界標準の練習体系- 2/2
こんにちは!
今井監督率いる浪速高校の練習メニューの紹介。
後編です。
5:蹴りを制する徹底対策
6:クールダウン
7:校長の言葉
8:監督の言葉
【蹴りを制する徹底対策】
5-1 蹴り対策 蹴りをつぶす
蹴りの見切りを練習していましたが、試合中では逆に間合いを潰す場面も出て来ます。
一番危ないのは、相手の蹴りの瞬間(足が上がった時)躊躇して懐に潜ろうとしたらゴーンと蹴りをもらってしまいます。
入る恐怖を克服する練習からです。
足を上げた瞬間、一気にトップスピードで間を詰めます。
5-2 蹴り対策 反応
5-1同様に前に詰めますが、よくあるパターンとして突きが短く極まらないケース。
入りのトップスピードを緩めないこと。
少々痛くても、プロテクターつけてるし普段から鍛えてるから大丈夫です。
入りきることが重要です。
上段蹴られて3失点するより、痛くても入り切って間を潰すことが重要です。
近間で審判にアピールするには、後ろ足の使い方が大事になってきます。
突きの後、後ろ足を背中側に動かして残心を取ることで、大きな技に見せることが出来ますね。
距離によって変える必要があります。
5-3 蹴り対策 投げ
これも同じ。
一気に間を詰めて、蹴り足をキャッチし投げていますが当時と今とでは投げ(掴み)に関してルール変更がありましたので、これやったらウォーニング(ペナルティ)取られます。
相手との距離感が近過ぎると、投げれませんのでキャッチした膝を支点に自分が横に周り相手をコントロールしています。
膝が直撃しグッと押されてしまうので、周り込まないといけません。
5-4 体の切り返しで投げる
間合いを詰めて密着した場合、互いに投げるチャンスが訪れます。
体を入れ替え(背中を相手につける)ながら、自分の足で相手の軸足を刈り投げの練習を指導しています。
前足を刈ろうとすれば、踏ん張られますので、その瞬間軸足にチェンジしています。
もうひとつ、自分も肩膝ついてバランスを安定させることが重要です。
力任せに投げるのではありませんので、身体の小さい選手に有効な技術と言えます。
【クールダウン】
ペアとなり入念にストレッチし、
神棚に向かって黙想
正面に礼
指導者に礼
お互いに礼
し今井監督の総括で稽古を終えました。
生徒に向けた一言の中に、浪速が強い理由は、生徒一人ひとりの高い意欲、真剣さを挙げられています。
指導者が教えることは、ただのオプションのひとつ。
3年生は目の前のことを必死に、
2年生はその先を見据えて、
中学生は先輩たちを見習って、
頑張っていこう!
対人練習では技に入る前必ず礼、技の後も必ず礼をしています。
道場で生徒に技の指導をする前に、当たり前のことを当たり前に出来るよう指導していかないといけないと感じました。
【校長の言葉】
・校内にある武道館が出来て半年で、大きな大会で優勝出来た。身体が震える位興奮したことを覚えている。
・全校生徒は2,300人いてるが、目指すところは単なる大学進学では無く文武両道である。
・校長先生が着任したのが6年前。空手道部は校舎の片隅や、体育館の順番待ちで練習しており可哀そうな思いをさせていたことから1階の一番良い場所に武道館を建てた。
・1階は空手道・柔道、2階はお茶室(茶道?)・剣道、3階は弓道と想いの丈を込め、武道館を造りました。
・単なるクラブの練習場を造るのではなく、浪速高校のアイデンティティは武道であると、はっきりさせたかった。
・空手道とは、自ら攻撃を仕掛けることなく武器ひとつ持たず、来たものを振り払いながらやっていくことに、奥ゆかしさ・神秘的なものを感じる。
・空手道部は礼儀正しく、人間力が高まっていると感じる。
・今井監督には、更に大きく飛躍していってほしい。
・人生は山あり谷あり。良い時ばかりではないが逆境に立った時、たとえレギュラーになれなくても浪速を通じて学んだことに誇りを持ち頑張ってほしい。
【監督の言葉】
・こんな立派な武道館を建てて頂き、結果でお応え出来ればと思っていた。
・勝ち負けだけではないが、やはり勝ちに拘って結果を出したい。
・これだけの環境を整えてもらい、良い意味で練習量も質も増えた。
・勝負から逃げない強さを生徒には身につけさせたい。
・技術的なところで言えば、動きを止めないことを取り組んでいる。
・国際大会を観ていると、海外の選手は動きがしなやかで止まらない。まさに浪速が求めているスタイルと同じだった。
・動いていると不安定になるが、その中で精度の高い技が出せることが今の課題である。
・国際大会では止まらない空手に変化している。動きの中にしなやかさとスピードがある組手に変わってきているので世界標準を指導するのが我々の務めである。