ブログ
イリーナ・ザレツカ チャンピオン組手セミナー -反応の分析で危険ゾーンを完全コントロール!- 2/4
こんにちは!
昨日から9連休がスタートしています。
仕事も空手も無いと既に今日が何曜日か分からなくなってしまいます。
空手周りでやらないといけないことは、ひと段落ついたのでボチボチですがブログの方も頑張ろうかな。
4・反応と打ち込み練習(構え→気合→残心)
5・相手の反応を見て技をチョイス
6・危険ゾーンでのカウンター攻撃
【反応と打ち込み練習(構え→気合→残心)】
ここから実際の打ち込み。
ペア練に入っていきます。
台の人が左右上下にランダムで手を差し出し、そこに打ち込む練習。
どこの道場でもやってるメニューかと思います。
少し異なる点は、互いに真身で立ち自分は軽く上下に身体を揺らします。
台の人がパッと左右どちらかに手を出した瞬間、組手構え。
この時の構えだしの速さと強さがポイントです。
もうひとつ大事なこと。
構えた瞬間にゾーンに入らないこと。
前拳、前足は相手と接近していますが、身体を後傾させ突きが届かない位置に上体を倒すこと。
なんとなく構えて、顔が相手の近くにあってしまっては突きをもらってしまうからです。
反応が問われるのは、台の人の手が挙がった瞬間だけ。
ここで相手の出方を伺います。
顔を安全圏に置き、瞬時に見抜きます。
それでも一瞬の判断ですが。
これまで道場では突きまでをワンセットで反応の意識づけしてましたが
「相手の動きを見る」
ここを重要視されています。
ただ間を空けるだけでなく、ディフェンシブに観察しアクションに繋げています。
もちろんプレスも強めで。
これを刻み突きと中段突きの4方向でランダム練習されています。
【相手の反応を見て技をチョイス】
これから行う練習でやってはいけないことを始めにメッセージ。
「何となく相手に接近する」
「何となく技を仕掛ける」
これらをしてしまうと、カウンターの餌食になるとアドバイス。
この「何となく」をしない前提でセミナーは進んでいきます。
ひとつ上のチャプターで「観る」動作をひとつ挟みましたが、ここから応用練習です。
今度は互いに組手構えを取り、攻撃側がプレスをかけていきます。
一つ目のパターンは、台の人がプレスにあえて反応しないケース。
この状況は要するに絶好のチャンスを意味します。
自分の仕掛けに相手がついて来れていない状況。
①プレスをかける
②上体を後傾させ相手のリアクションを観察
③ノーリアクションなら即座に攻撃
この流れです。
大事なのは②と③
判断と次のアクションまでの仕掛けの速さ。
次に相手がアクションしてきた場合。
①プレスをかける
②上体を後傾させ相手のリアクションを観察
③相手が誘いに乗り中段突きを仕掛けてくる
④素早くバックステップすると同時に前拳でガード
⑤ステップインして逆上
パターン練習でどう動くか身体に染み込ませランダム練に移ります。
相手を動かしカウンターを取る練習です。
大事なのは顔は安全圏に置いておくこと。
競技の達人でおなじみ月井 新先生もこれを「距離のマジック」と表現し四股立ち構え(カニ構え)を推奨されています。
余談ですが、後ろ足を相手方向に向けて構えて立つと「距離のマジック」は身体が後方へのけ反るため発動しません。
四股立ち構えの利点は、上半身の傾き方ひとつで相手との距離を自在に操れることと、後方へバックステップしやすいことです。
後ろ膝を前に向けると構えると、間を切りたくても膝がつっかえてバックステップが遅れてしまうデメリットが生じます。
イリーナ選手も四股立ち構えから上半身だけを巧みに操り後傾させ相手の動きを伺っています。
顔が遠くにあるから失点リスクが減り安心して戦えるとのことです。
この練習のポイントはコレ。
相手の懐へ侵入して、相手の攻撃を誘う。
ノーリアクションなら即座に自分から仕掛ける。
相手が誘いに乗ってきたら、バックステップで間を切りながら相手の攻撃を防ぎステップインしながらカウンター。
どちらも共通事項は、
1・下半身からデンジャラスゾーンに侵入(プレスは強め)
2・上半身を後傾させ安全圏へ
3・安全圏から相手の動きを観察
4・出入りと反応はスピードを上げる
「観る」
相手と相対する組手競技の中で、動きを見てアクションすることはスピード勝負の競技において恐怖すら感じることかも知れませんが、イリーナ選手は上半身の使い方ひとつで相手との距離をキープ出来るので心配ないとアドバイスされています。
落ち着いて観察すること、出入りの反応の速さ
相手が何を狙っているか、
相手の攻撃を観ることが出来たら、
自分は次のアクション(避ける・突く・蹴る)を選べる
理にかなった指導内容で勉強になります。
【危険ゾーンでのカウンター攻撃】
何で相手に近寄る必要があるのでしょうか。
何であえて自分を危険な距離に近寄らせる必要があるのでしょうか。
相手は自分からポイントを取りたいと思ってるはず。
中途半端な距離(中間距離)だったらカウンターもらいにいくようなものなので誰も攻撃しません。
デンジャラスゾーンに侵入することで相手の技を引き出します。
それに対してカウンターを狙えるわけです。
近い間合いだと相手は攻撃したくなって攻めてきますのでポイントを奪いやすくなります。
構えて、止まって、相手のリアクションを観て、反応する
そのためには自分を危険な場所に身を寄せなければいけない。
誘いに乗ったペア相手は全力フルスピードの刻み突き。
自分は逆上で互いに本気でやってます。
正面衝突する空手だと、先に仕掛けた方が推進力のチカラで打ち勝ちますが、間を切る(ガードしながら)ことでしっかり相手の攻撃を回避できるので、例え相手が先に仕掛けて来ても得点には結びつきません。(次の自分の攻撃でポイントを取ります)
この練習の大事なポイントは相手に攻撃をさせること。
デンジャラスゾーンに侵入することです。
稽古の中では実践と同じくらい近寄らないといけない。
もっともっと近寄って(侵入して)一本いっぽんを本気で取りに行くような稽古を重ねてください。
練習は勝つも負けるも関係がないので、どんどん積極的にトライすることが大事。
低いレベルでやっても意味がないので高いレベルで練習してほしい。
もっと間合いを詰めて!
もっと速く出入りを!
厳しくも愛のあるアドバイスでした。