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古川 哲也の形強化セミナー バランス・スピード・タイミングを極める! 4/5
こんにちは!
随分ご無沙汰だった古川先生のDVDシリーズ。
道場稽古が増え、投下するタイミングが無かっただけですが。
さてセミナー4本目はスーパーリンペイ編。
ここまで剛柔流の指定形が続いていましたが、スーパーリンペイは剛柔流最高峰の形と言われています。
別のDVDでのお話ですが剛柔流の選手がこの形を打つ時は『負けちゃいけない形』と説明されていました。
剛柔流の形に強いプライドを感じるお話です。
近年世界大会では、他流の形を打つ選手が多く見受けられます。
剛柔の選手でもパープーレン選択したりしていますね。
最近のトレンドでしょうか。
4・スーパーリンペイの極めポイント
始めの突きの挙動です。
突きの瞬間に身体が崩れてはいけません。
これまでのセミナーの内容では、
1・軸を保ち
2・肩を速く前にだし
3・腰も速く動かし
4・太ももを中に入れる
これらを注意してなおかつ、上半身の使い方が追加されています。
カタチが崩れないようにするには、肋骨をひとつの塊として安定させ突くことを道場で習うと思いますが、その段階を経た次のステップです。
『崩れないことを前提に、上半身の肋骨部分を突く側だけ前に入れるように意識して突く』
古川先生の説明では突き手側の肋骨を動かしますが、私は腕のつけ根(肩甲骨)を前に押し出す感覚で演武していました。
ペアとなり、後方から肋骨の動きを確認しあっています。
競技では、まずバランスが崩れてはいけません。
そのうえで『バランスを保った状態で、腕・足・腰・膝・動体、身体を総動員する』と説明されています。
突きひとつでこれだけの拘りです。
やってみると簡単なようで簡単ではありません。
私は宇佐美先生の突き方が身体に染みついていて、全然掴めずでした、、
でもこの胴体を動かしながらの突き方、スーパーリンペイでは『合わせ突き』・『逆突き』・『一本拳』・『肘当て』と使いどころが何か所も豊富に出てきます。
動かし方を心得ていればこの形では見栄えが大きく上がると言えますね。
軸を保ったまま真っ直ぐ突きを出せるようになれば、次のステップで練習してみれば良いのではないでしょうか。
「あんまり気配だして突いてはいけません」
肩を大きく引いて突くのは意味としてちょっとずれていますので、
『動きの気配や気迫などは表に出さないように注意して、速さを出す』
審判目線の話です。
突きの前動作で、「肩が開く」・「顔を作る」等の予備動作があった場合、そこから突き終わりまでの時間は見た目的に長く感じてしまうものです。
誇張した予備動作がなく、パチンっ!と速さと力強さがある突きを出す方が評価が高いとのこと。
もう突き終わってる!と感じる方が突きが速い印象を持って当然と私も感じます。
ホントに些細なことですが競技において、速さの意味をはき違えると逆効果だということが分かりました。
難しいですね、顔を作って気迫を全面に出しながら伊吹だして突く選手がほとんどのような気がします。一見キレを上げるためにやってるとも言えますが、観るべき視点がズレていると諸刃です。
突きの後は回し受けです。
引ききったあと、肘を締めることがポイントのひとつ。
背中で寄せて、寄せたものを開きます。
(身体の前面だけでなく、背面の意識が必要です)
三戦立ち / 回し受けを4回行ったあと、3方向に猫足立ち / 回し受けを取ります。
『猫足立ちが極まるのに合わせて受けも極めます』
このあとスピードに乗った転身動作が入りますが、軸をブラさず入るコツを説明されていました。
回転動作で軸がブレると確実にバランスが崩れ減点に繋がりやすいところでもあります。
また、三戦立ちで力強さを出そうとするあまり上半身(というより顔)が前に倒れがち。
この癖も修正するポイントが分かりました。
『首筋を立てるように意識して、身体の軸がブレないように回し受けに入る』
一本拳で貫いたあと、左手で相手の手を持って来て右手で金当ての挙動です。
『金当てを打ったときの左手が膝の外側に行かないように、しっかり張る』
『バランス良く・初速を速く・後ろ足を寄せる』
掛け受けを3回繰り返したあとの挙動です。
『3回目の掛け受けの時、胸を張らず肩肘が落ちた状態にすることで、前蹴りの足が上がりやすい』
『2段蹴りの前の掛け受けも身体が伸びているとジャンプ出来ないので、胸を張らずに膝は緩める』
狐拳に入る前の最後の突きです。
『スーパーリンペイの最後の貫き手・セーサンの正拳突きは、相手の突きを脇影という急所を突く技なので、突きの高さに注意する』
『ずらすのと脇影を突くのをほぼ同時に行うので、指定形のセーサンでは左手の入り方に注意する』
形を打つ際のおさらいです。
1・バランスを大事にする
2・スピードを出す
3・タイミングを合わせる
タイミングとは、
1・手と足のタイミング
2・気迫と身体のタイミング
3・呼吸と技のタイミング
シンプルに勉強になるDVDです。
形の競技力を高めたい人には必見。
空手道形教範 第一指定形 Vol.1 剛柔・松涛館 編
こんにちは!
第一指定形の教範DVDです。
とうとう四大流派の指定形DVDコンプリート。
16種類の指定形を4枚に分けて販売していますので揃えるのもなかなか大変でした。
道場での指導もありますので糸東流はすぐに購入しましたが、他流派となると後回し状態でした。
【剛柔流】
サイファは短い形ですが立ち方の種類が多く、剛柔流の特徴も多く含まれています。
それぞれの立ち方の正確性とスムーズな移動が求められ手技とのバランスも大切です。
単調な基本動作で構成されていますが相手に手首や襟を掴まれたり、足を取りにくるのを解きはずす等、実用的な護身術の技法が主体になって構成されています。
谷派のサイファとはほんの少し異なります。
セーパイは逆技、投げ技など接近戦での護身術として効果的な技が多く含まれています。
特に巧妙な円運動が特徴です。
攻防技が一連になり緩急の動作をリズミカルに行うことが求められます。
谷派のセーパイもサイファ同様に挙動が少しだけ異なります。
足払い後に両縦拳で下突きする挙動が、谷派では中高一本拳。
また右弁足立ちが、谷派では交差立ちとなります。
剛柔の指定形でかなり練習した覚えがあり、セーパイは好きな形のひとつです。
【松濤館流】
模範演武は、ナショナルチーム男子団体形の在本 幸司選手。
ジオンは穏やかな動きの中に激しい気魂のこもった形です。
転身・転回・寄り足等を体得するのに適している形と言えます。
特に難しい技はありませんが、四肢の立ち方・技を正確に使えなくてはいけません。
緩急のリズム、方向転換の際の手足同時の基礎的な動きが大切で基本技を大変重んじた形です。
私は谷派のジオン・ジッテ・ジインをセットで覚えました。
カンクウダイは四方八方に敵を仮想し、各方面からの様々な攻撃を捌き受けて反撃のように変化に富んだ形です。
技の緩急、力の強弱、身体の伸縮はもちろんのこと、転回・飛び上がり・伏せ等があり大変難しい形です。
また分解では、棒を使って襲ってきた敵との攻防がありました。
興味深い内容です。
糸東流では公相君大と呼び、この形も公相君小・四方公相君とセットで覚えました。
このDVDは挙動順に沿って留意点はストップモーションで、字幕付きで解説してくれますので正確に覚えることが出来ます。
唯一無二の指定形。
間違って覚えてしまっては競技では勝てません。
指定形は特に正確に覚える必要がありますね。
新城 孝弘式 泊手身体操作法 THE 形の真髄 -初めて明かされる ”ガマクの秘密” で清水那月・驚愕の上達!- 1/2
こんにちは!
ずっと気になって仕方が無かった沖縄空手道拳法会 拳龍同志会。
競技空手用のDVDばかりを求めていましたが、年末休み前に思い切って購入しました。
剛柔流の清水 那月選手が、沖縄空手を継承する新城先生のもとを訪れました。
沖縄空手では「ガマク」「チンクチ」「ムチミ」と言った用語が頻繁に飛び交います。
私は聞いたことがある程度でしたが、新城先生がDVDの中で意味を説明してくださいます。
始めに披露した清水選手の形が指導を受ける度に、どんどん深みが増していきます。
とくに逆腰の使い方に滑らかさと力強さが感じられます。
指導前と指導を受けた後とで、こんなにも形が変わるのかといった具合にです。
沖縄空手恐るべし
1・プロローグ
2・清水 那月選手による「スーパーリンペイ」
3・「スーパーリンペイ」解説・指導
1・プロローグ
拳龍同志会 創設者の新城 孝弘先生は、柔軟な指導で数々の王者を輩出する「チャンピオンメーカー」と呼ばれています。
14歳で首里手系の空手を始められ泊手の師匠のもとで稽古に励み、その後剛柔流の久場 良男先生に師事しその後拳龍同志会を設立されました。
競技空手にも理解を示し小中学生の全日本クラスの大会で数々の入賞者を輩出されています。
沖縄空手だけではなく、競技で勝つ秘訣をお話しされています。
2・清水 那月選手による「スーパーリンペイ」
印象は、硬くて脆いと表現したら良いのかな。
剛柔流の特徴である粘りと丸みを帯びたような動きではないと言うか。
あくまでも主観ですが。
女子選手特有の形の柔らかさが足りない感じがします。
かと言って男子選手のようなパワフルな形でもなく。
なんというか淡々とした印象でした。(すみません)
でも決してわざとじゃない、自然な息吹に好感が持てます。
3・「スーパーリンペイ」解説・指導
ひと通り隣で形を観た新城先生が、気になる部分をひと挙動ずつ説明し修正する進め方です。
新城先生の第一声は「股関節の使い方が固い」(沖縄で言うガマク)でした。
第一挙動の三戦立ち / 両腕中段横受け では、競技空手のパフォーマンスが強すぎる。
三戦立ちは、立ち方を極めるとともに丹田を持ち上げますが、そこを言われています。
これはDVDを観て私も感じたところでした。
「丹田を上げ過ぎず締めるだけ」
両腕横受けから左拳をゆっくり引く時にも、丹田を締め突きに合わせて逆腰、突いた手を横受けに返す時にも右の腰を切り返します。
締め (丹田) → 左逆腰(左突き)→ 右逆腰(左受け)
中段横受けは、肘のスナップを使って締めるだけ。
左拳突きは、腕が伸びきる手前に右に切り、腕が伸びた瞬間、腰は正面に向いて逆腰の状態。
突き終わりに身体の締めと床の掴みを同時合わせることも重要です。
「チンクチ」を固める。(背中から脇にかけての筋肉のことのようです)
注意を受けていた部分は、
・突きの際に肩が流れる
・三戦立ちで床を掴んでいないので身体が浮いている
繰り返しこのパートを練習し、お弟子さんの新城 志さんがお手本を披露されていました。
ここのテクニックは、何もスーパーリンペイだけに限らず、谷派の「セイサン」「シソーチン」「ウンシュウ」「サンセール」にも当てはまりますね。
次に運足です。
突き / 受けを左右3回繰り返しながら前進しますが、移動足は軸足にぶつけないこと。
軸がブレてしまうから。
三角形を描きながらとのこと。
また膝で歩きます。
膝をロックしてしまうと棒立ちとなり硬い印象を持つから。
「股関節を緩めて膝で歩く」と指導されています。
DVD自体は10分しか進んでいませんが、観始めて軽く2時間経過しています。
何度も止めて、動き方を確認して巻き戻してを繰り返してブログにメモ書きしています。
回し受けに移ります。
身体の締めは両肘が身体から離れたタイミングでゆっくり丹田を締める。
回し受けからの抜き手の入り方ですが、なんとここでは競技向けを指導されています。
この挙動セイエンチンでも理屈は同じですので、参考にしたいところ。
上手く文字に書き表しにくいですが、逆腰に入る前に一度余分にタメを作っています。
たったひとつ滑らかに腰を操作するだけで、見栄えが変化するのが不思議です。
受けた手で相手の腕を掴み取る表現も、細部にまで拘ります。
指先を下に向けないで上側に小指側から掛けて滑らかに引き込んでいます。
三戦立ちでの転身
斜め45度に捻った軸足親指の直線上に、移動足の親指の向きで三角点を作り母指球を中心に回ります。
身体は動かさず移動足だけ運ぶと指導されています。
猫足立ちからの諸手突き
突きは手だけで突かない。
上段は肩の回転
中段は腰の回転
を利用する。
イメージは身体を螺旋状に回して最後に両拳が出る。
何度も練習しますが「惜しい」。
逆腰が1回しか極まっていないようです。
前述の開手横受けからの掛け手同様に、1度逆腰を挟みますが、今度は回転スピードが乗った状態でプラス1回逆腰を挟むのですが激ムズ。
これは簡単には出来ません、、
東西南北にこの挙動を繰り返しますが、ひと方向に計4回、合計で16回向きを変えながら逆腰・逆腰です。
清水選手もかなり苦労されていますが、お手本の新城 志さんはキレキレの諸手突き。
この挙動だけで多くの人を唸らせることが出来ると思うくらいです。
三戦立ちを東西南北に移動しますが、予備動作が多く瞬間移動になっていないとのこと。
3回目の移動では母指回転するのが伝統的ですが、パフォーマンス的には軸足踵の切り替えしです。
これは、道場稽古で今特に力を入れている回転スピードの上げ方を全く同じでした。
諸手突きから、下段払い / 中段突き
と技が続きますが、大事なポイントがあります。
下段払い / 中段突きをそれぞれ捻ること。
捻ることでチンクチがかかり、強い技に変わります。
実際、チンクチをかけていない状態で、突き手を正面から手のひらをぶつけてみると簡単に後ろに飛ばされていますが、
チンクチをかけてみると、同じことをしてもビクともしません。
脇を締めると技に重みが増す感じでしょうか。
競技空手では、突き手はピーンと伸ばしていますが、これではチンクチがかからずペラい。
脇と肘を締めチンクチをかけると、ビクともしない突き(払い受け)になっています。
この先の四股立ちの挙動は、糸東流と剛柔流では若干違いがありますので割愛しますが、突きと受けを分割するとのこと。
おそらく一つひとつの技を極めるという意味だと思います。
四股立ちは足で歩かず、膝の抜きを使う。
ここは同じ理解です。
同じ理解ですが、大きな違いがひとつ。
軸足膝の抜きを使いながら前屈立ちの姿勢を取り、移動足の母指球で蹴って移動スピードを上げるよう指導されています。
これも新城 志さんがお手本見せてくれていますが、四股立ち移動とは思えない位の高速移動です。
自分の方法とは異なりますが、平安二段で使えるかも知れませんし引き出しのひとつとして(備忘録をかねて)ストックしておきたいと思います。
これも4回繰り返しますが、四股立ちの逆腰も使うようです。
身体の捻じり。
剛柔流では金的打ちでしょうか。ここが逆腰の使いどころとか。
前に入って 右 → 左 に戻す。(その反対もある)
四股立ちから掛け手しながら三戦立ちで前進する挙動では、「ガマク」を柔らかく使うために間に猫足立ちを挟むと指導されています。
確かに股関節を柔らかく使えば移動がスムーズに運べそうです。
右正面蹴りの挙動です。
蹴る瞬間に右股関節を抜く。
抜きが無いと猫背の蹴りになるようです。
膝を上げる意識が先に働き、結果ムダな動作(力み)が入るとのこと。
奥が深すぎます。
清水選手が、説明の意味は分かるがこれを習得するためにどんなことを普段意識し稽古すれば良いのか質問されています。
新城先生の答えはナイハンチを打つこと。
ナイハンチは横移動オンリーの形ですが、股関節の抜きを使って移動します。
その時の身体の使い方と同じだとか。
余談ですが、この抜きを使った蹴り。
この後に控えるチャタンの正面蹴りでも使います。
お手本があまりにもキレが鋭すぎて目がついていかない位ですが、ちゃんと抜きが入っていました。
パワーとスピードにテクニック(逆腰)が加わった、とてもハイレベルな形を披露されています。
それにしても凄い指導内容です。
DVDだと何度も見直せますので理解を深められます。
蹴りからの裏拳
パフォーマンス的には、肩のスナップを使って大きく表現すること。
四股立ちが極まって、連動して腰が極まって、遅れて技がついてくる感じ。
下半身からです。
後方に向かって移動する挙動です。
股関節の抜きで前進し丹田を締めます。
蹴って回っての挙動。
直線蹴りを放ち、膝を折って当てます。
これはバッサイ大の蹴り方と通じるものがあります。
最後の最後、後方に四股立ちになる挙動ですが、
移動足は直線に運び、軸足は半円を描きます。
両足とも真っ直ぐに寄せ足すると足を引きずったモッサリした印象を与えてしまうからです。
四股立ちからの貫き手は、手で突かず、ガマクから上だけを回し技を極めます。
稽古前に演武した形と比べ、清水選手の形は別人のように変化していました。
スーパーリンペイの指導DVDは3本観てきましたが、ダントツでレベルが高かったです。
国内トップクラスの選手に向けた形指導でしたのでハイレベルでした。
既にお腹いっぱいです。
古川 哲也の形強化セミナー バランス・スピード・タイミングを極める! 3/5
こんにちは!
随分間隔が空いてしまいました。
ストックしてるブログを放出しときます。
クルルンファの競技力向上編です。
4・クルルンファ の極めポイント
第2指定形のクルルンファ。
大会では9割方クルルンファを選択されていますので、そんな中審判をオッ!と思わせる形はそう簡単ではありません。
セーサンと比べ「その場回転」が多いため、よりスピードとキレが求められます。
【第4挙動】
掬い受け ・ 押え受け / 半後屈立ち
爪先が真横を向き、腰や肩を真っ直ぐにして立つのが基準となります。
キレを生むポイントは、「さらに股関節を絞るともっと良い」
要は可動域を大きく動かすイメージです。
間違った技をしてもいけません。
「裏掛け」ではなく「掬い受け」です。
もうひとつコツを教えてくれています。
帯の下・身体の真横に『大転子』があります。
ポコッと出っ張った骨とのこと。
腰を切るイメージでいましたが、もっと良い動き(キレ)を出すコツは、腰ではありませんでした。
腰を回しても股関節はあまり可動しないと仰っています。
言葉で上手く説明出来ませんが、一流選手のクルルンファでここの挙動を観てるとやはり違いを感じます。
可動域の大きさが全然違います。
単純に腰の切り替えしが大きくて速いなと感じていましたが、動かしてる部位が違うようです。
これはこのDVDを観ないと一生気が付かなかったことでしょう。
糸東のクルルンファでもこの挙動は同じですので応用が利きますね。
部分練習の仕方を説明されています。
大転子の横にハンドルがあるつもりで、親指の付け根を中心にハンドルをキュッと回すイメージで練習します。
セーパイの半打拳切り返し・前屈立ちからの手刀打ち・クルルンファの掬い受け切り替えし、理屈は同じなので使い方を知ると別の形でも応用が利きます。
糸東で同じ切り返しがある形を探して、身体の使い方の引き出しにしたいところです。
古川先生は他流派ですが、学ぶことが多くとても勉強になるDVDです。
これが分かった人が次にやるのが、太ももの動かし方。
先述のセーパイ編で触れてますので割愛します。
これはセイエンチンの挙動で多いに使えますのでキレを上げたい人は部分練習を絶対にしてほしいと思います。
(大転子を使って)親指の腹で回る
↓
踵を切り返す
↓
太ももの内側(外側も)を絞りながらスピード上げる
出来ているか注意して観るべきポイントは、
『腰が水平に切り返し出来ているか』です。
力ずくでは、身体が捻じれてしまいますね。
【第7挙動】
裏掛け受け(猫足立ち) / 上段揚げ突き(平行三戦立ち) / 正面蹴り / 肘当て(四股立ち)
裏掛け受けでは、身体を引かずに今の位置からすぐに前に飛び出すように。
猫足立ちの踵を落とし、スッと前に移動しないといけません。
揚げ突きは、相手の顎を打つようにして、高さに気をつけます。
肘当ては軸足の張りでタイミングを取り、中段の位置です。
正面蹴りしたあと、後ろ足が四股立ちに変形するとき、親指を中心に踵を前に移動して、足のつけ根をしっかり開きます。
肘当ての分解では、相手の腕を掴んだ状態で正面蹴りを入れ、さらに引きつけて肘当てしています。
なので肘当ての時の反対の手は水月前にあります。
相手を逃がさないよう引きつける動きなので、手の動きに注意しないといけません。
剛柔流の形では、正面蹴りからの肘当てが多数含まれています。
スーパーリンペイ・クルルンファ・撃砕・シソーチン
撃砕以外、糸東流にもありますので勉強になりますね。
『相手を逃がさない』が肝心です。
分解の解釈を間違うと、大きな形を意識するあまり身体が開いたりしがちです。
指導する際、注意が必要です。
古川先生はこの一連の挙動を、
(相手の技を)受けて → 掴んで → 乗っかる
と表現されています。
【第10挙動】
天地の構え(猫足立ち)/ 回し受け(猫足立ち)/ 裏掛け受け(三戦立ち)/ 後ろ肘当て(三戦立ち)
後ろ肘当てに入る動作では、手だけを頑張りがちだとか。
そうではなくて、下半身の回転が重要です。
動きが遅くならないよう、下半身の回転に肘当てを合わせます。
テクニックを説明されています。
猫足立ちで向きを変え三戦立ちを取りますが、転身する際に一瞬膝を抜いて回り後ろ肘当てをする瞬間に三戦立ちすると極まるとのこと。
【第13挙動】
二の字構え(四股立ち)/ 両掌底押え受け(四股立ち)
身体がせり上がるのと同時に手を左右に開きます。(後から手がこない)
押え受けはセーパイの気合と同様に、下側に押えていますので上体が伸びてはいけませんので股関節を落とすような意識で行います。
コツはちょっとで良いので押え受けと同時に股関節を抜く。
【第14挙動】
上段開手交差受け(四股立ち)/ 両掌底すり合わせ(結び立ち)/ 振り降ろし(つま先立ち)/ 掌底当て(やや深い前屈立ち)
つま先立ちで相手を投げ捨て倒れた相手に掌底当てをしますが、自分の身体がバウンドしないように注意が必要です。
一度目の掌底当てする時にバウンドしないコツです。
つま先立ちから、斜め右方向に左掌底当てしますが、右足を先に動かすのではなく左足で右足を出してあげる。(ムズい、、)
2度目の掌底当ての入り方は、一度落ちたその高さから両足の股を引き寄せてから開くようにするとのこと。
つま先や膝の変形をしないように、腰の切り返しだけで掌底当てを行います。
軸足をピンと伸ばしたまま、腰だけ緩めて一気に締める感じでしょうか。
丸みを帯びた粘り気のある剛柔流のクルルンファがとても大好きでいまだに家で打ちます。
左右繰り返しが多い形なのでとても覚えやすいので、夜練なんかで気分転換に持ってこいかもしれませんね。
空手道形教範 第二指定形 Vol.1 剛柔・松涛館 編
Hello New Year!
元旦から一粒万倍日と天赦日が重なる開運日!
ゆり空手もこの日に合わせて、ホームページのリニューアルです。
ガラッとイメージを変えてみました。
ブログのストックも増えたままですので、3日間続けて投入しようかと思います。
お手すきの際にお越しいただけますと幸いです。
さて2024年一発目のブログは四大流派のうち、剛柔流と松涛館流の第二指定形が収録された教範DVDです。
他流の中でも剛柔流は、立ち方や受け技が糸東流に近く馴染みやすさがあります。
松涛館はとにかく技がダイナミックで剛柔流は丸み・粘りを帯びた受け方に特徴がありますね。
収録内容は
剛柔流 :クルルンファ / セイサン
松涛館流:カンクウショウ / エンピ
剛柔流の形は、糸東流にもありますのでバッチシです。
セイサンは糸東の中でも会派によって多少の違いがあって混乱しましたが。
クルルンファは剛柔流の方で、たくさん練習しました。
道場で生徒に指導する時は、このDVDのとおりの指定形になります。
実は剛柔流の内容ですが旧DVDと全く同じ。
正面、横、スロー、分解
で紹介されています。
特にスローは細かい動作について理解しやすく大変助かります。
松涛館の形は、これまで一度も練習したことがありませんでしたが、カンクウショウは糸東流では公相君小と同じと言えます。
松涛館は猫足立ちがなく後屈立ちとなりますね。
エンピはスピード感があって大好きな形です。
なんとなくワンシュウに似ているような気がしていますがどうでしょうか。
このシリーズですが、教範DVDなだけあって分解が収録されていますので技の意味を理解しやすいです。
意味を理解したうえで演武しますと、観るものを引きつけるようなキレや迫力が備わってくると思います。
まず自分が分解を理解し、道場で伝えていきたいと思います。
松涛館の方は撮り直しされていました。
正面、横、挙動・ポイント、分解、後ろ
と多彩です。
挙動・ポイントでは特に大事な部分を解説付きで説明されています。
内容が教範と完全に連動していますので理解が深まる工夫がなされています。
自由形と違い、唯一無二の指定形。
教範を基に正確に学び伝えないといけませんね。