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新城 孝弘式 泊手身体操作法 THE 形の真髄 -初めて明かされる ”ガマクの秘密” で清水那月・驚愕の上達!- 2/2
こんにちは!
新城 孝弘先生による形指導、後編に入ります。
レベルが高すぎる内容で決して簡単ではありません。
技を出す瞬間に逆腰。
立ち方が変わる瞬間に逆腰。
コンパクトで高速逆腰を挟むか否かで、形の印象が劇的に変わります。
ペラい形が重みのある形にバージョンアップする感じでした。
4・「チャタンヤラクーサンクー」(拳龍同志会・新城志さん)
5・「チャタンヤラクーサンクー」解説・指導
6・新城 孝弘先生インタビュー
4・「チャタンヤラクーサンクー」(拳龍同志会・新城志さん)
競技で観るチャタンとは似て異なります。
よく観ると古流ともどこか違いが。
至るところで逆腰の使いどころが出てきます。
一瞬のスピード、キレ味が鋭くパワーも伝わってきます。
5・「チャタンヤラクーサンクー」解説・指導
清水選手と新城 志さんが並んで形を打ち、挙動ごとに新城 孝弘先生が指導。
競技で観るチャタンとの違いを記してみます。
(第7挙動)
突いた後、素早く小手受けに入りますが、肘で相手の攻撃を受けます。
伸ばした腕の肘を畳みそのまま受けに転じています。
(第17挙動)
手刀受けで3回前進したあと両手を翻して諸手突きしますが、両拳を引かず突いています。
これは相手に正中線を晒さないため。
晒した時点で相手に攻撃される。
要するに一手遅れるからです。
回し受けの要領で入っています。
余談ですが、四股立ちに入る時の腰の切り方を指導されています。
腰を使わない状態で四股立ちに入っても力が伝わらない。
(四股立ちとなり横肘当ての挙動です)
ここでも逆腰を挟んでいます。
肘で当てる意識ではなく腰で体当たりする感じ。
(第21挙動)
髷隠しの構えからガマクの抜きで中段前蹴りを蹴って戻して、フワッとジャンプします。
ジャンプの際、助走してはダメ。
ほとんどの手技に小さくて素早い逆腰が入ります。
ゆっくりと大きな切り返しで腰の使い方を馴染ませ、稽古を繰り返しどんどん小さくしていく方法がベストかと。
後半良く知るチャタンとはまるで違い覚えるのはパスですが、ガマクの抜きと逆腰に関して、学ぶことが多いDVDと言えます。
形が好きな人、競技空手でもうワンランク高みを目指したい人は、一度観ておいた方が良いんじゃないかな。
(新城 志さんの打つ形、えげつないです)
4方向に猫足立ち手刀受けをする挙動がありますが、方向転換時のスピードの上げ方。
ここは、いろいろな形で方向転換しますが応用が利きます。
膝の抜き(脱力)を使って、移動足を放り投げるイメージかな。
多いに参考になります。
6・新城 孝弘先生インタビュー
Q1・多くの流派を経験したことが指導に活かされていることについて
A1・過去に首里手系・那覇手系・泊手系と学んできたことで、生徒の特長に応じた形をセレクト出来る。
ひとつの組織にしか属していないとそれが出来ない。(流派によって形の種類も限られているし選択肢が少ないケースがある)
剛柔流や松濤館流空手を学んだことが、指導に活きている。
組織化され過ぎていて、ひとつの組織に属しているとメンツが邪魔をして他の道場に稽古出来なくなっていて、技術が伸びない。
(生徒にあった形を選んで指導してあげる事がしにくくなっている)
Q2・競技で勝つ秘訣は?
A2・意識高く稽古することを認識させること。
指導者が決して無理強いすることなく、道場の基本稽古を自分でさせる。
考えて自ら主体性を持ってやるものだよと教えること。
(指示待ちの生徒を作らない)
上手くできない時は聞きに来なさいのスタンスを取っている。
自由に考え自分でさせている。
Q3・沖縄と本土の稽古体系の違いについて
A3・本土の空手は軍隊式で一斉稽古。(体育の授業のような感じ)
沖縄空手は集団稽古は少なく、基本的には個人稽古が大半。
道場での全体稽古は、せいぜい10分程度で後は個人稽古です。
レベルの高い人、中くらいの人、入ったばかりの人が同じ稽古をしても、
レベルの高い人は伸びない。
下の人はついていけない。
中くらいの人は右往左往する。
個々のレベルに合わせた稽古体系を取っている。
沖縄は競技を目指している道場よりも『空手道』を追求している道場の方が多い。
全体稽古は取らず、生徒にあったカリキュラムを組んでいる。
沖縄は競技を追求していないので、自分の都合にあった時間で好きな空手を嗜むというスタンスです。
あくまでも自己鍛錬がメインの生涯空手です。
Q4・日本の形選手が世界で勝ち続けるために必要なことは?
A4・観たところ、腕力に頼っているように感じます。
ロボットのような動きをする選手もいる。
形には空手の動き。身体操作が必要だと思います。
肩を怒らせて、しかめっ面で形を打っていては、観ている側の肩がこる。
もっと脱力して、技の意味を認識した上で身体を使った方が良い。
そういう稽古を取り入れた方が良いんじゃないかな。
(さいごに)
今日稽古した身体使いをヒントにすれば、もっとスムーズに全パワーが出せるようになります。
この学びを競技空手に組み合わせることが出来れば、1ランクも2ランクもより進化します。
決して簡単ではないテクニックですが、知らないよりは知っている方が良いに決まってます。
逆腰の練習は、大きな回転から始めどんどん小さくしていくことが出来れば、競技力が増すと思います。
細かなテクニックに加え、尋常じゃないスピードとパワーです。
全国大会クラスで入賞者を続出しているのも頷けます。
頷けますが、競技志向じゃないところがまた面白いですね。