ブログ

2022-06-17 00:15:00

【糸東会】糸東流空手形全集 第5巻

こんにちは!

空手形全集 Vol.5です。収録形は、

1・ジッテ

2・慈恩(ジオン)

3・五十四歩

 

糸東流5巻.jpeg 糸東流5巻 (2).jpeg

 

ジッテは、ジオン、ジインと同系統のものとして、首里手(糸洲派)に包含されています。軽快なリズム且つダイナミックな動作が特徴です。

珍しい技では、裏受けや平拳打ち落とし、背刀打ち、流し受け、四股立ち移動なんかが出てきます。松濤館流のイメージが強いですね。

 

ご存じ、松濤館流の第1指定形ジオン。

挙動数は多いですが、基本技で構成されています。猫足立ち中段掻き分けからの中段蹴り、そして中段の連突きです。他にも後屈立ち下段払いや、四股立ち流し受けが特徴的ですね。

ジッテ・ジインとともに結構練習した形です。

 

首里手(糸洲派)最高峰の形、五十四歩は挙動数が多くとても長い形です。四本貫手からの突き受け、掛け手、流し受け、肘当て等技が豊富で打っていて楽しい形です。

後ろから抱きついてきた敵を前傾して振り払ったり、二の腕受けが出てきたりもします。その二の腕受けですが、お侍さんが着物を着て出歩く時、両袖に手を入れて歩いていたそうです。手を入れた状態でも敵から身を守るために出来た技と聞いた覚えがあります。

 

最近のトレンドではないのでしょうか。あまり見かけませんね。

2022-06-15 08:15:00

諸岡奈央のスーパーセミナー チャタンヤラクーシャンクー編

こんにちは!

セミナー2つ目は、チャタンヤラクーシャンクーです。

以前は糸東流の多くの女子選手が、決勝戦まで温存する形でしたね。

最近では、パープーレンが人気でしょうか。

 

この形は、上のお姉ちゃんが小学生の時、館主催の夏合宿で教わりました。

2分を軽く超える長い形を、たった1回の練習で挙動を覚えてくるのですから、凄い集中力だと思います。

我が娘から、何度も教わりなんとか覚えた形です。

 

諸岡セミナー (2).jpeg

 

ではセミナーの内容に移ります。

よく出てくるキーワードは「下半身から技を出す」と「沈みながら」です。

また長い形なので、どこで息を入れるかが大事になってきます。

例えば、「脇構え」です。気迫は込めますが、すーっと呼吸を整え機敏に正面蹴りです。

「龍の舌構え」でも同様に貫手ですし、「二段蹴り」からの裏拳打ちもそうです。

 

まず第一挙動、いきなり腰を切り手刀受けです。諸手突きの直前まで、小さく腰を切っています。

説明では、腕だけで技を出すのではなく身体を緩めて全身で技を出すのだそうです。

 

繰り受けの挙動では、諸岡先生の極めを真似して当時良く練習していたことを覚えています。

 

諸手突きのあと、後ろに振り向き、左手を後頭部に置きます。

似た形で「公相君大」がありますが、こちらはおでこの前で相手の突きを受けています。

では、なぜチャタンでは後頭部でしょうか。

これは、「髷隠しの構え」と言い後方から敵に髷を掴まれないようにする為です。

 

今度は、髷隠しの構えから正面蹴りを入れ、下段落とし構えです。この時、股関節は外旋していますが払い受けと同時に締めます。立ち上がると同時に横払いに移行します。

座りながらの払い受けで、しっかり締めることがポイントです。

 

ジャンプ直前の左足の踏み込みは、大きくしないこと。高さも出ないし、これはかなりの難易度です。

立ち上がって、下段払い→逆突き→手刀受けの挙動も「腰の切り返し」を使います。

この腰の切り返しこそが、諸岡先生の最大の特徴ではないでしょうか。歴代の女子形選手の誰よりも美しい技だと思います。

 

正面に振り返り、「龍の舌構え」からの貫手です。貫手を引き込み受けに移行しますが、この時軸足で技を合わすとバシッと極まります。

バッサイ大の内受け→中段横受けの時に、軸足で極める感覚と同じですね。

 

後半、猫足立ちからの肘打ちでは、沈みながら溜めを作るポイントや、後屈立ちの正しい立ち方を説明してくれています。

 

最後の、猫足立ちで後ろに下がる挙動では、中心軸の移動の仕方を教えてくれています。

これは方向転換が入る形で、応用が効きます。

 

 

それにしても美しい形です。

腰の切り返しが上手くなる練習方法を見つけることが必要だと改めて感じました。

 

皆が憧れるような形が打てる生徒に育てたいな。

2022-06-10 17:15:00

諸岡奈央のスーパーセミナー トマリバッサイ編

こんにちは!

 

女子形選手の中では、ダントツでNo.1。逆腰の入れ方を勉強したもんです。

 

2008年の全日本決勝で魅せた宇佐美先生とのチャタン対決が特に印象深いですね。

 

諸岡セミナー.jpeg

 

女性特有のキレ味の鋭さに加え、どこか温かみのある柔らかさが感じられます。

そんな諸岡奈央先生のセミナーの様子です。

独学で覚えようとしていた頃、前半の開手技が速すぎてどうなっているのか良く分からなかった事もあり、このDVDを購入しました。ずっと分からなかった方法は、「逆腰」でした。

かなり高度なテクニックです。スローで説明してくれている内容がこうです。

腰が先に入り、ほんの少し遅れて手がついてくる。

キーワードは「腰を切り戻す」と「逆半身」

DVDを止めて、部分練習に入ってしまいましたね。

 

 

泊バッサイの挙動順に、要点を纏めてみたいと思います。

 

ナイハンチ立ちから、猫足立ちへの後方へ転身する時の体重移動のかけ方や、小さくて速く腰を切る方法を学べます。

 

スローに動くところで引き付けて、パッとスピーディに動くところのメリハリを説明されています。(第一挙動や一つ目の気合の直前、また中盤にもありますね)

また、どんな形でも共通する事ですが、ひとつの形の中で、山場を意識するようアドバイスされていました。

 

四股立ちから猫足立ちへ移行する際、スピードの上げ方をDVDではサラッと説明されていますが、これは意識してませんでした。改めてDVDで知る事が出来ました。

 

足刀蹴りは、外から中へ向って円運動で蹴ると技に重みが増す。

 

 

足刀蹴りから、前に出て相手を腕を掴む挙動では、一旦下に沈んでから引き込む魅せ方をレクチャーされています。

沈む(溜める)ことで、タイミングに余裕が出来るので軸足の極めと一致させることが出来ますね。

いろんな人の動画で見比べましたが、やはり諸岡先生の泊バッサイは味があります。

 

後半、後ろ正面に四股立ち/下段払いをした後、正面に前屈立ち/横払いの挙動がありますが、どちらの技もしっかり速く極めること。

2度目の気合の後の振り返りは、手足を動かす前に目付を先に行うと気迫が伝わる。

逆に手足が先、目付が後だと怖さが足りず、あっさりした印象に変わってしまう。

 

猫足立ち/諸手突きも沈みながら、軸足に乗せたタイミングで突く。

 

最後、掛け手の手前、突き / 横受けは、腰と肩を切りながら。

 

 

とても難しい形です。

2022-05-26 12:15:00

【糸東会】糸東流空手形全集 第4巻

こんにちは!

空手形全集 Vol.4です。収録形は、

1・三戦(サンチン)

2・転掌(テンショウ)

3・十八(セーパイ)

4・壮鎮(ソウチン)

5・二十八歩(ニーパイポ)

 

糸東流4巻.jpeg 糸東流4巻 (2).jpeg

 

東恩納系(那覇手)の基本形である、三戦。体、手、脚の締め・呼吸の呑吐を習練します。三戦立ちは、ゆらゆら揺れる電車内では特に有効です。

剛柔流のイメージが強い形ですね。

 

剛柔流 第1指定形であるセーパイ。糸東会のそれとは、少し異なります。剛柔の演武線は斜めが入りますが、こちらは真横です。剛柔の指定形で覚えましたので混乱した覚えがあります。

他にも、倒した相手を諸手突きする挙動がありますが、DVDでは「中高一本拳」です。剛柔では「弁足立ち」糸東会では「公差立ち」なんかも違いますね。

逆技を使った倒し、関節技など接近戦での護身術として効果的な技が含まれています。緩急の動作がリズミカルで随分練習した形です。

 

壮鎮は松濤館流のイメージが強いですね。「緩」と「急」・「動」と「静」加えて躍動感溢れる技法が求められる形ですね。

 

ニーパイポは中国拳法の使い手・呉 賢貴より直接流祖に伝えられました。

一本拳による攻撃や四本貫手、肘固め、肘繰り受け、差し手、掬い受けや押え受け等技が豊富で打っていて楽しい形ですね。

糸東流 第2指定形です。

2022-05-24 12:15:00

【糸東会】糸東流空手形全集 第3巻

こんにちは!

 

空手形全集 Vol.3です。収録形は、

1・公相君大(コウソウクン ダイ)

2・公相君小(コウソウクン ショウ)

3・四方公相君(シホウ コウソウクン)

4・鎮東(チントウ)

 

糸東流3巻 (2).jpeg 糸東流3巻.jpeg

 

4つとも首里手の形で構成されています。 キレ良く動くことは出来ませんが、当時熱心に練習していましたので今でも身体がしっかりと覚えています。

 

公相君(コウソウクン)という名称は、この形を伝えた支那の武官、公相君(クーサンクー)の名に由来するとされています。

四方公相君は首里手の糸洲安恒先生から、流祖・摩文仁賢和先生に伝授されています。

四方八方からの敵を仮想して、多方面からの様々な攻撃を捌き、受けて反撃するもので変化に富んでいます。

 

公相君シリーズはジャンプする挙動が含まれていますが、糸東会では飛びません。(谷派は飛びますが)

 

鎮東(チントウ)は、和道流の第一指定形のイメージが強いのではないでしょうか。松濤館流では、岩鶴(ガンカク)と呼びます。流派が違えば名称も異なりますし、更には立ち方までも変わります。理由は、伝承された人の受け取り方(解釈の違い)だそうです。なのでどれも「正解」と聞いたことがあります。 ※全空連指定形はひとつです。

 

後半、片足立ちでの攻防、体軸も回転による技法の変化等、随所に難度の高い技が数多く含まれています。

軽快で敏捷な動きと技の緩急・力の強弱・加えて重心の安定が特に求められる難しい形です。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...