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2024-02-05 15:45:00

新城 孝弘式 泊手身体操作法 THE 形の真髄 -初めて明かされる ”ガマクの秘密” で清水那月・驚愕の上達!- 1/2

こんにちは!

 

ずっと気になって仕方が無かった沖縄空手道拳法会 拳龍同志会。

競技空手用のDVDばかりを求めていましたが、年末休み前に思い切って購入しました。

 

泊手 (2).jpeg

 

剛柔流の清水 那月選手が、沖縄空手を継承する新城先生のもとを訪れました。

沖縄空手では「ガマク」「チンクチ」「ムチミ」と言った用語が頻繁に飛び交います。

私は聞いたことがある程度でしたが、新城先生がDVDの中で意味を説明してくださいます。

始めに披露した清水選手の形が指導を受ける度に、どんどん深みが増していきます。

とくに逆腰の使い方に滑らかさと力強さが感じられます。

指導前と指導を受けた後とで、こんなにも形が変わるのかといった具合にです。

 

沖縄空手恐るべし

 

 

1・プロローグ

2・清水 那月選手による「スーパーリンペイ」

3・「スーパーリンペイ」解説・指導

 

 

1・プロローグ

 

拳龍同志会 創設者の新城 孝弘先生は、柔軟な指導で数々の王者を輩出する「チャンピオンメーカー」と呼ばれています。

14歳で首里手系の空手を始められ泊手の師匠のもとで稽古に励み、その後剛柔流の久場 良男先生に師事しその後拳龍同志会を設立されました。

 

競技空手にも理解を示し小中学生の全日本クラスの大会で数々の入賞者を輩出されています。

沖縄空手だけではなく、競技で勝つ秘訣をお話しされています。

 

 

2・清水 那月選手による「スーパーリンペイ」

 

印象は、硬くて脆いと表現したら良いのかな。

剛柔流の特徴である粘りと丸みを帯びたような動きではないと言うか。

あくまでも主観ですが。

女子選手特有の形の柔らかさが足りない感じがします。

かと言って男子選手のようなパワフルな形でもなく。

なんというか淡々とした印象でした。(すみません)

でも決してわざとじゃない、自然な息吹に好感が持てます。

 

 

3・「スーパーリンペイ」解説・指導

 

ひと通り隣で形を観た新城先生が、気になる部分をひと挙動ずつ説明し修正する進め方です。

新城先生の第一声は「股関節の使い方が固い」(沖縄で言うガマク)でした。

 

第一挙動の三戦立ち / 両腕中段横受け では、競技空手のパフォーマンスが強すぎる。

三戦立ちは、立ち方を極めるとともに丹田を持ち上げますが、そこを言われています。

これはDVDを観て私も感じたところでした。

「丹田を上げ過ぎず締めるだけ」

 

両腕横受けから左拳をゆっくり引く時にも、丹田を締め突きに合わせて逆腰、突いた手を横受けに返す時にも右の腰を切り返します。

締め (丹田) → 左逆腰(左突き)→ 右逆腰(左受け)

中段横受けは、肘のスナップを使って締めるだけ。

左拳突きは、腕が伸びきる手前に右に切り、腕が伸びた瞬間、腰は正面に向いて逆腰の状態。

突き終わりに身体の締めと床の掴みを同時合わせることも重要です。

「チンクチ」を固める。(背中から脇にかけての筋肉のことのようです)

注意を受けていた部分は、

・突きの際に肩が流れる

・三戦立ちで床を掴んでいないので身体が浮いている

 

繰り返しこのパートを練習し、お弟子さんの新城 志さんがお手本を披露されていました。

 

 

ここのテクニックは、何もスーパーリンペイだけに限らず、谷派の「セイサン」「シソーチン」「ウンシュウ」「サンセール」にも当てはまりますね。

 

次に運足です。

突き / 受けを左右3回繰り返しながら前進しますが、移動足は軸足にぶつけないこと。

軸がブレてしまうから。

三角形を描きながらとのこと。

また膝で歩きます。

膝をロックしてしまうと棒立ちとなり硬い印象を持つから。

「股関節を緩めて膝で歩く」と指導されています。

DVD自体は10分しか進んでいませんが、観始めて軽く2時間経過しています。

何度も止めて、動き方を確認して巻き戻してを繰り返してブログにメモ書きしています。

 

回し受けに移ります。

身体の締めは両肘が身体から離れたタイミングでゆっくり丹田を締める。

回し受けからの抜き手の入り方ですが、なんとここでは競技向けを指導されています。

この挙動セイエンチンでも理屈は同じですので、参考にしたいところ。

上手く文字に書き表しにくいですが、逆腰に入る前に一度余分にタメを作っています。

たったひとつ滑らかに腰を操作するだけで、見栄えが変化するのが不思議です。

受けた手で相手の腕を掴み取る表現も、細部にまで拘ります。

指先を下に向けないで上側に小指側から掛けて滑らかに引き込んでいます。

 

三戦立ちでの転身

斜め45度に捻った軸足親指の直線上に、移動足の親指の向きで三角点を作り母指球を中心に回ります。

身体は動かさず移動足だけ運ぶと指導されています。

 

猫足立ちからの諸手突き

突きは手だけで突かない。

上段は肩の回転

中段は腰の回転

を利用する。

イメージは身体を螺旋状に回して最後に両拳が出る。

何度も練習しますが「惜しい」。

逆腰が1回しか極まっていないようです。

前述の開手横受けからの掛け手同様に、1度逆腰を挟みますが、今度は回転スピードが乗った状態でプラス1回逆腰を挟むのですが激ムズ。

これは簡単には出来ません、、

東西南北にこの挙動を繰り返しますが、ひと方向に計4回、合計で16回向きを変えながら逆腰・逆腰です。

 

清水選手もかなり苦労されていますが、お手本の新城 志さんはキレキレの諸手突き。

この挙動だけで多くの人を唸らせることが出来ると思うくらいです。

 

三戦立ちを東西南北に移動しますが、予備動作が多く瞬間移動になっていないとのこと。

3回目の移動では母指回転するのが伝統的ですが、パフォーマンス的には軸足踵の切り替えしです。

これは、道場稽古で今特に力を入れている回転スピードの上げ方を全く同じでした。

 

諸手突きから、下段払い / 中段突き

と技が続きますが、大事なポイントがあります。

下段払い / 中段突きをそれぞれ捻ること。

捻ることでチンクチがかかり、強い技に変わります。

 

実際、チンクチをかけていない状態で、突き手を正面から手のひらをぶつけてみると簡単に後ろに飛ばされていますが、

チンクチをかけてみると、同じことをしてもビクともしません。

脇を締めると技に重みが増す感じでしょうか。

 

競技空手では、突き手はピーンと伸ばしていますが、これではチンクチがかからずペラい。

脇と肘を締めチンクチをかけると、ビクともしない突き(払い受け)になっています。

 

この先の四股立ちの挙動は、糸東流と剛柔流では若干違いがありますので割愛しますが、突きと受けを分割するとのこと。

おそらく一つひとつの技を極めるという意味だと思います。

四股立ちは足で歩かず、膝の抜きを使う。

ここは同じ理解です。

 

同じ理解ですが、大きな違いがひとつ。

軸足膝の抜きを使いながら前屈立ちの姿勢を取り、移動足の母指球で蹴って移動スピードを上げるよう指導されています。

これも新城 志さんがお手本見せてくれていますが、四股立ち移動とは思えない位の高速移動です。

自分の方法とは異なりますが、平安二段で使えるかも知れませんし引き出しのひとつとして(備忘録をかねて)ストックしておきたいと思います。

これも4回繰り返しますが、四股立ちの逆腰も使うようです。

身体の捻じり。

剛柔流では金的打ちでしょうか。ここが逆腰の使いどころとか。

前に入って 右 → 左 に戻す。(その反対もある)

 

四股立ちから掛け手しながら三戦立ちで前進する挙動では、「ガマク」を柔らかく使うために間に猫足立ちを挟むと指導されています。

確かに股関節を柔らかく使えば移動がスムーズに運べそうです。

 

右正面蹴りの挙動です。

蹴る瞬間に右股関節を抜く。

抜きが無いと猫背の蹴りになるようです。

膝を上げる意識が先に働き、結果ムダな動作(力み)が入るとのこと。

奥が深すぎます。

 

清水選手が、説明の意味は分かるがこれを習得するためにどんなことを普段意識し稽古すれば良いのか質問されています。

新城先生の答えはナイハンチを打つこと。

ナイハンチは横移動オンリーの形ですが、股関節の抜きを使って移動します。

その時の身体の使い方と同じだとか。

余談ですが、この抜きを使った蹴り。

この後に控えるチャタンの正面蹴りでも使います。

お手本があまりにもキレが鋭すぎて目がついていかない位ですが、ちゃんと抜きが入っていました。

パワーとスピードにテクニック(逆腰)が加わった、とてもハイレベルな形を披露されています。

それにしても凄い指導内容です。

DVDだと何度も見直せますので理解を深められます。

 

 

蹴りからの裏拳

パフォーマンス的には、肩のスナップを使って大きく表現すること。

四股立ちが極まって、連動して腰が極まって、遅れて技がついてくる感じ。

下半身からです。

 

後方に向かって移動する挙動です。

股関節の抜きで前進し丹田を締めます。

 

蹴って回っての挙動。

直線蹴りを放ち、膝を折って当てます。

これはバッサイ大の蹴り方と通じるものがあります。

 

最後の最後、後方に四股立ちになる挙動ですが、

移動足は直線に運び、軸足は半円を描きます。

両足とも真っ直ぐに寄せ足すると足を引きずったモッサリした印象を与えてしまうからです。

四股立ちからの貫き手は、手で突かず、ガマクから上だけを回し技を極めます。

 

 

稽古前に演武した形と比べ、清水選手の形は別人のように変化していました。

スーパーリンペイの指導DVDは3本観てきましたが、ダントツでレベルが高かったです。

国内トップクラスの選手に向けた形指導でしたのでハイレベルでした。

 

 

既にお腹いっぱいです。