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2024-10-09 06:42:00

劉衛流 KARATEセミナー 世界王者たちの「形 ・ 極意」 3/4

こんにちは!

 

劉衛流セミナー (3).jpeg

 

豪華講師陣による劉衛流セミナー3本目です。

競技で活かせるテクニックが満載。

流派は異なりますが、応用出来る身体の使い方も多く学びの多いセミナーDVDです。

ここでの学びを生徒に還元させたいと思います。

インプットとアウトプットの繰り返し。

 

 

08・清水 由佳先生によるクルルンファ

09・上村 拓也先生によるスーパーリンペイ

10・特別演武

 

 

清水 由佳先生によるクルルンファ

全日本で形試合の解説でよく見かける清水先生ですが、剛柔流の形の中で個人的に好きなクルルンファのセミナーでした。

受講者は中低学年が多く説明の仕方なんか小さな子が分かるようにかみ砕いています。

溜めて溜めて軸で回る回転の仕方なんて、遊びを交えながら要点をしっかり押さえられたもの。

手慣れた感じです。

これも教範記載の挙動順に沿って説明してみます。

 

第4挙動

掬い受けと押え受けを前進しながら3回繰り返すところです。

半後屈立ちとなり、掬い受けを下段払い受けに切り替えしますが、高校生ともなると筋力がついているので勢いがつき過ぎて頭がブレてしまうとのこと。

修正方法はこうでした。

①掬い受け(三戦立ち) → 下段払い受け(半後屈立ち):腰の勢いだけを使い、肩に力は入れず、円運動で真下に落とす

②下段払い受け(半後屈立ち) → 掬い受け(三戦立ち):跳ね上げる締めと腰の切り替えしでピタっと止まる(ムズい)

一言で表すと『鼠径部のエネルギーを持って極める』でした。

 

第7挙動

正面蹴りから四股立ちとなり肘当ての挙動ですが45度に踵が揃ってなければいけません。

右足:真横

左足:真後ろ

両踵の先にお尻を乗せる

平安二段で演武線を説明するのに苦労していました。

 

第10挙動

天地の構えから回し受けに入るところです。

スーパーリンペイにも出てくる、回し受けなかなか難しい技ですね。

 

美しい見せ方は、息を大きく吸い込むことで両手を深く引き込め、大きく息を吐くことで脇を締め相手を押し出します。

(吐くと脇が締まる)

 

第11挙動

向きを東方向に変え三戦立ちとなり左掛け受けする挙動ですが、ここでの入り方が独特でした。

見せ方としては、左手だけで受けるのでなく右手で素早く流し受けを入れダブルで受けること。

この挙動を反対方向(西)にも繰り返しますが、次の使い方を覚えればスーパーリンペイやアーナンが上手になるとのこと。

 

左三戦立ちから右足を跨いでクルりと向きを変えますが、跨いだ状態では身体は東を向いたまま。

東を向いたまま軸を動かさず高速でターンします。

溜めて溜めて軸を使って回ること。

頭がブレてしまうと軸に乗っていません。

重要なポイントは腰をどれだけ「溜めれるか」

溜める = 沈む

溜めてるのに腰が緩いと半身の状態となり、回転量が足りず物足りない形になってしまうそうです。

ここまででも上達する要素が盛りだくさんで私は大変勉強になっています。

 

 

【上村 拓也先生によるスーパーリンペイ】

セーパイ・クルルンファと比べ、中高生の参加率が高いスーパーリンペイ。

受講生も見たところ30名以上でしょうか。

大人気です。

 

この形の重要部分、回転動作についてとても丁寧な説明とともに何度も何度も繰り返し部分練習するシーンが収録されています。 

アーナンでもクルルンファでも指導されていた『溜めを作って回る』

軸をブラさずにしっかり溜めを作ることはどの指導者にも共通しているポイントです。

理解しやすいように、コマで例えられています。

「勢いよくコマを回そうとすれば、一度反対方向に捻るよね?」

「そのイメージで溜めて、溜めて勢いをつけよう」

「溜めは最後の最後に一気に放出する」

「東西南北全てに共通し、腕の力(回し受け)で回らないこと」

「合わせ突きなんかでも共通するので理解出来れば上手くなります

「回転しきった後回し受けを極めるが、グッと腰を落とし技に重みを加える」

「腕の力で回るのは小学生までにして、しっかり足の筋力を使って回れるように」

 

余談ですが「足の力を使って」は最初に、突いた手を引き中段横受けに入る挙動がありますが、ここにも共通します。

腕力で横受けに入らず、しっかり下半身を沈めて床からのパワーを腕に伝達させ技に入るとのこと。

私はそのまま横受けに入っていましたが、これでは技に重みが出ません。

ペラい受け方していては、見ている人に相手の攻撃をしっかり受けているように見せることは出来ませんね。

「しっかり受けれている」と見ている人に伝わるようにするには腰が入ってなくてはいけないということだと思います。

もちろん突きも腰を沈めて突きますよ。

(手突きにならない、手受けにならない)

 

 

・四股立ちに移行する挙動では、手技はもっさり動かさず四隅をにらみつけ素早く動かし雰囲気を出すこと。

・一本拳で突いたら反対の手で捕まえて金的打ち

(この捕まえての表現がポイントで、パーに開いた手をグーに変え金的打ちとのこと)

 

1度目の気合いのあとに、四股立ち押え受けの挙動に入ります。そのあとに後方に向きを変え5歩移動しますがポイントが隠されていました。

海外の選手は三戦立ちで移動するとのことですが上村選手の表現は「一度沈み腰を使って締めなおす」

この味わいは日本人特有の感覚だとのこと。

上手く言葉で表すのは難しいですが、上村選手のは逆腰使ってる感じでしょうか。

簡単ではありません。

腰の動きが滑らかでないとロボットみたいな動きになりますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別演武

喜友名先生・金城先生・上村先生の他、当日指導に加わられた4名の計7名で演武を佐久本先生の号令の基、披露されています。

1・セーパイ

2・アーナン

当たり前ですが息ぴったり。

 

 

3・アーナン分解

この後、2016年オーストリアで行われた世界空手道選手権大会 男子団体形優勝の分解に続きます。

一気に目まぐるしく技術が交錯する分解です。

鎖骨への貫手や金的等の一撃必殺禁じ手を多分に含む3人のアーナン。

華やかな空手とはほど遠い、どこか沖縄空手の武術性を感じさせます。

 

また7名に戻り、佐久本先生の号令による演武が続きます。

パイクーは岩本選手も合流されていました。

 

4・ヘイクー

5・パイクー

6・パーチュー

 

佐久本先生のコメントでは、劉衛流では、ニーセーシー・サンセール・セーサン・パーチュー・ヘイクー・パイクー・アーナン・アーナン大・オーハン・パイホーの順に学んでいくとのこと。

オーハンは先日の世界大会で喜友名選手が本邦初公開しましたが、たかだか4,5年でものに出来るものではないのでもっともっと熟成させなければいけないと仰っていました。

 

日本語では黒虎と書いてヘイクー、白虎と書いてパイクーと呼びますが中国語だそうです。

巴球と書きパーチューと呼ぶ形。

この形が凄く好きで昔よく練習していました。

まろやかに角張らずに動かないといけないそうです。

これも岩本選手を含めた8名で模範演武されています。

 

 

剛柔流と劉衛流の形を一度にいくつも学べ、超一流の形も観ることが出来るセミナー。

私も参加したいです。