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2024-11-04 18:40:00

タナス・フラッシュ Vol.3 -HOW TO TZANOS SEMINAR- 1/5

ジョージ・タナス選手のセミナー第3弾をシェアしたいと思います。

「ベスト空手」からも1本発売されてますし、荒賀龍太郎選手の居る京産大での出稽古の様子を収めたDVDも発売されていますね。

 

タナスフラッシュ3.jpeg

 

チャプターが細かく刻まれてますので全5回に分けて少しずつ紹介してみたいと思います。

ホントは1本丸ごと行きたいところですが、観て学んで、身体動かして、感じてみて、内容を頭と身体に落とし込んだうえでブログに書き記しますので恐ろしい程に時間がかかる作業を繰り返しています。

 

 

1・ウォーミングアップ

2・3つの間合い

3・間の詰め方

 

 

ウォーミングアップ

練習(アップ)のポイントです。

①動的なもので身体を温めながら行う

②静的ストレッチで筋肉を伸ばす

③徐々に空手に直結した動きに移行し空手に使う筋肉を動かす

 

 

まずはその場でリラックスしながらその場で足踏み。

足元はずっと足踏みですが、腰は捻りの動作を加えたり、腕を上げ下げしたり、回転させたりの動作です。

いろんなのが約10種類リラックスしながら続けます。

この当たりはベスト空手から出ている内容と同じでした。

 

今度は5秒間全力で腕を振り足バタバタ。

動きを止めずリラックスした足踏みに戻ります。

とにかく動きを止めないこと。

 

ラダーでよくするスタックアウトしたり、組手構えで号令とともに素早くスイッチ。

どんどんスイッチのリズムが速くなっていきます。

しゃがみながらの反復横跳びなんかも。

下半身しんどそうです。

 

アメフトの瞬発系で見かけるトレも。

前に3歩出てコーンをタッチ。

後ろに3歩下がってコーンにタッチしてます。

全てに共通することですが、どんどんスピードを加速させています。

 

前傾姿勢を取り、大きく前方にカエル飛びジャンプ。

ジャンプした後、また後方に3歩ジャンプして戻ってきます。

 

ラジオ体操の深呼吸してました。

普通のテンポかと思いきや、ゆっくり頭上に上げた後フルスピードで腕を降ろしていました。

深呼吸したので終わりかなと思いましたが、今度は騎馬立ちを取り両手を耳の高さでキープ。

その高さで丸く円を描きます。

先生は騎馬立ちですが、セミナーを受講する生徒の大半が四股立ちでした。

似て異なる流派に無い立ち方でした。

耳の高さでこれも高速で回転させますが、五十肩の人には出来ないことでしょう。

時計回りと反対回りです。

この耳の高さでグルグル動かすのは何のためやろう?と思ってましたが、試合中疲れてくると必ず腕が下がってしまう。

腕を上げて最後まで戦い続けるためのエクササイズとのことでした。

アドバイスでは、鏡に向かって5分間、腕を上げ続ける練習も有効だそうです。

 

身体が温まったあとに肩・肘・肩甲骨・下半身をストレッチ。

腰に手を当て腰を回したり、体側を伸ばしたりとラジオ体操なんかも。

開脚してゆっくり伸ばしたり膝・足首を直角に曲げて股関節の可動域を広げていたり背中を反らしています。

途中で挟むアドバイスでは、ストレッチは伸ばしている筋肉を意識して行うことだそうです。

 

両拳を顎の前に置き左右に大きくウィービング。

左右の手を交互に顔の前に添え、上体を後方に反らしスウェイバック。

平行立ちで限界まで反らしていきます。よほど体幹が強くないと転んでしまいそうですが、上段蹴りをかわしている動きに似ています。

 

組手構えをとり刻み突きを、ゆっくり大きくのリズムで連続10回です。

左で突く時、右手は必ず耳の横に連動させています。ガードでしょうか。

逆突きの時も必ず前拳はおでこの前。

 

次は足だけ。

ステップのアップです。

1で軽く前方にステップインしてバック。

これをもうひとつ続けて、3のリズムで大きく踏み込みこみ緩急も変えています。 

後退する時にガードを下げず素早く行うようアドバイスが入りました。

素早く移動するコツの説明では、前方にステップする時に後ろ足、後退する時は逆に前足を使い機敏に動きます。

 

これらを全て繋ぎ合わせると、フットワークの中から間合いを探り、起こりを無くして刻み突き。

刻み突きから相手の反撃をバックステップで断っています。

道場で指導する内容と相違ありません。

 

このあと、十字方向にランダムでステップの練習でした。

横への動きは、進行方向の後ろ側の足を使うとあります。

道場では、行きたい方向と反対に前足を踏み込むと指導しています。

タ・ターンのリズムと言えば通じるかな。

タナス選手は後ろ足リードでした。

ここで大事なアドバイスです。

「左右に動く時は足が交差しないように」

これは前足を刈られて転がされるから。

 

大きく前に入る中段突きの練習です。

この練習に限って言えばタナス選手のスタンスは現在のスタンダードとは異なりました。

前足と後ろ足のつま先は「ハの字」もしくは後ろ足は90度ですが、どちらかというと少し前方に向いています。

これには理由があって、大きく前に飛ぶには軸足で床を強く蹴って入れるから。

 

これに対し今の構え方では、つま先が外を向いていれば素早く間合いを切れるから。

つま先が前を向く、ひと昔前のスタンスだと相手との間合いを切ろうと思っても膝がつっかかりスムーズにバックステップ出来ないと思います。

出入りが速い現代空手に合わせたスタンスが主流ですが、一長一短と言えるかも知れませんね。

しばらく大きく前に入る逆突きの練習をしたあと、今度はその場で大きくジャンプし空中でスイッチ。

着地と同時に逆突きの練習でした。

上手く床の反動を使われています。

ジャンプ → スイッチ → 回し蹴りのフォーム → 逆突き → 残心

こんなのもやってます。

回し蹴りの要領で横に膝を抱え込むだけ。

これはフェイクの蹴り。

中段突きを極めるための撒き餌です。

フェイクの中段回し蹴りのあと、上段回し蹴りを極め、中段突きに入る練習も指導しています。

 

最後は7つ組合せ。

1・抱え込みジャンプ + スイッチ

2・フェイク中段回し蹴り(前足)

3・上段回し蹴り(前足)

4・裏回し蹴り(前足)

5・中段逆突き

6・残心

 

 

アップだけで収録時間は30分超え。

実際はもっとやってることでしょう。

 

 

3つの間合い

①遠い間合い

②中間の間合い

③近い間合い

この3種類の違いを把握し技に活かします。

 

遠い間合いは安全だがポイントは取りにくいですが、距離を詰めるトリックはポイントを取るのに有効です。

中間の間合いは互いに何でも出来ますので、腕は下げてはいけません。

近い間合いでは気を抜かず常に何が出来るかを考えます。

 

遠い間合いから一瞬で間合いを詰めるトリックを紹介してくれていますが、2ステップの中段突きでした。

蹴りの間合いよりも更に外から、前足で探りをいれながらの2ステップ。

圧巻のスピードです。

タナス選手ほどの脚力があってこその間合いだと言えますが、相手の前拳を潰しながら入る方法を実演してくれています。

ワンツーではなく中段突きオンリーでの入り方です。

両手同時に飛び込む感じと説明すれば伝わるでしょうか。

おっと、2ステップ目は上に跳ねないこと。

 

あと技に入る瞬間の顔。

目を見開いたり、呼吸を止めたり、歯を食いしばったりと表情を変えないこと。

 

次の間合いの詰め方は、手と足、身体を使い常に動きの中から少しずつジリジリと距離を詰めていきます。

但し一定のリズム感にならないこと。

手を上げたり前にプッシュしたり、両足でスッと入ったり前足だけで測ったりと言ったことを指導されています。

プレスがワンパターンにならないこと。

常に無表情で相手を捉えて動き続けています。

いつもどうすれば、遠い間合いから中間の間合いにまで接近出来るかを考えておくようにとアドバイスです。

 

面白かったのは上半身を距離のトリック

遠い合い程度の距離感から上半身を前傾させます。

当然相手は、踏み込めば突きが届く距離に顔があるので「いまだっ!」と攻撃に入りますが、前傾させた上半身を一気に後傾させると距離は安全圏にありますので「後の先」を狙えます。

お手本では刻み蹴りや、引き込んでの裏回し蹴りを披露されていました。

 

もうひとつ遠い間合いからのトリックの紹介です。

①両手を顔の前でガードしながら後ろ足を前に寄せる

②前に寄せた後ろ足をそのまま前方に踏み込みスイッチする

③思いっきり踏み込んで逆突き

④残心

 

道場で指導するワンツースリーの3連打で使う足の運び方。

または逆突き・逆突きでの入り方と同じでした。

 

例えば相手が逆上で入ってきた時のタナス選手の対処ですが、後ろ足を一気に前に出しスイッチします。

スイッチした足は相手に向かうのでは無く、斜め前に踏み込み「線」をズラします。

要するに相手の突きの軌道からズレて、自分の上段逆突きを相手に極める技術の紹介をされています。

荒賀選手の試合で良く観かける入り方だと思います。

相手の攻撃を斜めにかわしてから反撃する方法でした。

これを逆上・逆突きとパターンを変えて指導されています。

ポイントは大きく入らないこと。

相手の突きが少し抜ければ十分だからです。

この ”小さく” 顔を振るお手本をボクサーがジャブを首を傾けて避ける感じで示されています。

ウィービングのように大きく振らず小さくダッキングするイメージかな。

 

 

【間の詰め方】

練習のポイントはこうです。

・リラックスした状態から楽に突き、反応をさせない。

・1本目を大きく突いてあえて反応させ、ガードが空いたところを突く。

 

リラックスした状態でステップし刻み突きされています。

力んで2挙動にならず、相手に気づかれず1挙動で突きます。

 

スタンダードな突き方と言えますが、これを逆手に取った入り方がこれ。

遠い間合いで大きく刻みを飛ばせば相手は捌きますので、2本目の逆上で極めるというもの。

逆上は小さく速くです。

一言で纏めますと、

遠い間合いでロングの刻み突きをとばし、距離を潰しながらショートの逆上。

この時点でゼロ距離ですので残心を大きく取らなければいけません。

1本目に相手が反応しなければ上・上の連打になりますね。