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松久 功のベスト空手 -最速のステップワークと技への運用- 「蹴り」
こんにちは!
松久 功のベスト空手 -蹴り編-です。
突きと同じで、基本的な技がだせる前提です。
動きの中でチャンスを探り相手が、いついた(固まった状態)瞬間を狙います。その中で面白そうな技をシェアします。
まずは刻み蹴り(前足の蹴り)です。
後ろ足を寄せて蹴る(2挙動)パターンと後ろ足をスライドしながら蹴る(1挙動)のパターンがありますが共通することは
・上半身は固定する(構えは崩さない)
・膝を抱え込む(相手の枠の中で)
・太ももの誘導
・膝下を柔らかく”ヌンチャク”のように
注意するポイントですがアウトエッジ(足の外側)に引き付け、蹴る瞬間体を開くと説明されています。
予備動作で体が開くと気づかれてしまい、カウンターを取られます。
蹴る瞬間に軸足の踵を相手に向けると、骨盤が開くので飛距離が伸びる蹴りが出すことが出来ます。
(要するに相手の突きが飛んでこない、自分にとって安全な距離で蹴り技が出せます)
刻み蹴りには、「裏回し蹴り」もあります。
蹴るコツは、親指の腹を当てるイメージで蹴れば相手の上段ガードを搔い潜れるようです。
次の技は後ろ足の裏回し蹴りです。
技に「おこり」があれば、相手に察知され距離を取られたり反撃されたりします。
なので上半身の情報(おこり・モーション)により、相手は何かくるっ!と察知します。
ここでいう上半身の情報とは、
・体が倒れる
・体が開く
・手が下がる
事を指します。相手の体の中で膝を素早く抱え込み、ちっちゃく折りたたんで大きく開放します。
(モーションに関しては全ての攻撃に共通します)
裏回しのバリエーションには、接近戦もありました。
相手と組み合った至近距離で、すばやく相手の襟を掴み引き付けることで、相手の体が崩れます。
体勢が崩れたら目線も下がるので、前足で裏回し蹴りを決めるというものでした。
アクロバティックな技では、回転しながらの「後ろ回し蹴り」がありました。
試合で決めるには相当難しいと感じましたが、、
背中から回り目線を早く相手に向けます。回りながら膝を抱え込みことが一番のポイントですが、
動作が大きいので、回転しながら前で蹴ることが重要です。
次は中段蹴りです。
単発で蹴り技を決めることは、なかなか難しいですが(相手も警戒するし動いてるので)、予想の上をいく攻撃が出せればポイントを奪取する確率が高まります。
難易度高めですが、トリッキーな技の紹介でこんなのがありました。
①あえて大きいモーションで上段蹴りにいくふりを見せ、中段に落として蹴る。
膝を体の外に開いて上段蹴りの軌道に見せれば、釣られて相手は上段をガードします。そこで空いたお腹をペチンと蹴る技でした。
②相手のガードした手を利用した中段蹴り
上段裏打ちの手を残したまま(相手はガードをあげた状態)、手だけ持っていって体の反転で中段を蹴ります。(文章では伝えにくい、、)
相手のガードが空いているし、自分自身の手が邪魔で蹴りが見えない利点があります。
しっかり裏打ちを見せることで、相手の体がガードする為に浮きます。浮くことで中段にスペースが生まれるという理屈です。
③失敗にみせかけての中段蹴り
あえて遠間から、相手に届かない中段回し蹴りを見せます。空振りした足でスライドして中段蹴りです。
バリエーション違いで裏回しにも移行できそうです。
上段蹴り
①スウェイバックからの上段蹴り
フットワークの中で、自分の顔を相手に差し出します。相手はチャンスだと感じ攻撃を仕掛けてきたら、スウェイバックしながら、上段蹴りを決めます。
コツは、スウェイで上体を戻した反動で膝を抱え込みます。相手は攻撃中につきガードが無い状態の中でのカウンター技です。
※スウェイバックとはボクシングのテクニックで、膝の抜き差しで上体を後ろに倒しパンチを避ける技です。
②上段縦蹴り
膝から下を相手に放り投げる要領で、股関節の外旋で相手の上段に縦に落とします。
相手の両手の隙間をめがけて縦蹴りします。ポイントは膝の抱え込みのあと、横軌道から縦軌道に変えることです。
グラウべ フェイトーザ選手のブラジリアンキックと同じでしょうか。
③サソリ蹴り
3パターン紹介されています。至近距離からの技であることは共通ですが、
・掴んで上体を下げさせて決めるサソリ蹴り
・相手の攻撃をダッキングで潜ってからのサソリ蹴り
・投げからの変化で決めるサソリ蹴り
が紹介されています。
このDVDで松久先生は、一つひとつの動作を論理的に説明してくれます。頭で理解出来たあと、ゆっくりのスピードで技の見本を左右方向を入れ替えながら行い、最後に本番さながらのスピードでテクニックを披露します。
年々凄いスピードで進化する組手競技ですので、ここで紹介されているテクニックは古いものかもしれません。
しかし基本技を習得したお子さんが、もうワンランク上を目指したいという場合には持ってこいだと思います。
※ ペアは最後の最後まで東京オリンピック67㌔級代表の座を争った、篠原 浩人選手です。