ブログ
競技の達人12 「シン・組手理論編」
こんにちは!
競技の達人12 「シン・組手理論編」
第12巻で紹介されている、跳ぶ組手(月井理論)を説明します。
1・前足を上げることで、後ろ足の反力をより有効に使います。
2・刻み突きが極まった瞬間、後ろ足を上げて全体重を拳に乗せます。
3・動き始めから残心を取るまで片足または両足とも空中にあり、両足がマットに着くことはありません。
4・足が空中にあることで、「より速く」「より遠く」を攻撃でき、挙動の間を詰めることが出来ます。また連続技もスムーズに繋げられるメリットもあります。
マイクロハードルを活用した練習方法です。
【刻み突き1】
マイクロハードルを間に置き、前足を上げた時に突きを伸ばします。
【刻み突き2】
突いた手の肘を思い切り引くと同時に両膝を掻い込み、両足を空中に浮かせて相手の胸を押します。
ポイント1:突きが極まった時は後ろ足が上がっています。足を上げますが足の裏が上を向かないように注意します。理由は足の裏が上を向いてしまうと上体が流れてしまうからです。
ポイント2:逆体相手の場合、胸では無く肩を押します。
ポイント3:突いた後、空中でスイッチし両足同時に着地し、間を切ります。
ポイント4:突きは斜め下から突くような意識を持ちます。
ポイント5:突きが極まった時は、身体が真横を向いています。
ポイント6:慣れてきたら、上体の振りを使えばより遠くを突くことが出来ます。
次に月井先生による、中段突きの基本的な方法を説明します。
後ろ足で床を蹴って相手にぶつかるように突くと身体全体が前進することになり、被弾するリスクも高まります。
シン組手理論によりますと、前足だけ前進させ腰を切って突くとリスクが最小限に抑えられることに加え、より遠くまで突きが届きます。
挙動に分けてみます。
1:前足の膝から下だけを前進させる(後ろ足の膝が緩まないよう、しっかりと壁を作る)(構えも一切動かさない)
2:突く瞬間に、腰を切り上体を前進させる(前の手を引くよりも前の手に上体を寄せる感覚で突くと遠くまで突きが届く)
3:元の構えに戻る(前足は母指球のみ床に着ける)
前膝の下から挙動を始めることで「おこり」が捉えにくくなり、身体も開かず遠くを突くことが出来ますね。
文字だけでは分かりづらいかと思いますので、、(前足)足払いからの中段突きの入り方がイメージし易いかと思います。
【逆突き】
マイクロハードルを跳ぶ時に突き始め、前足の着地と同時に突きを極めます。(慣れてくれば、1歩で2本突けますね!)
ポイント1:引き手を取った時に片足になる その時つま先は後ろを向きます。
【2ステップ逆突き】
マイクロハードルを跳んで、前足が着地してすぐにスライドして逆突きを行います
ポイント1:動き始めと同時に突きが始まるようにします。
【2ステップ中段逆突き】
上段突きと全く同じタイミングで中段を突きます。
ポイント1:中段突きの時は、突きが極まった瞬間は後ろ足も床に着いています。
「解説」
従来のステップで中段を突くと、相手がカウンターを狙っている場合、相手の突きが早く入る可能性があるが、今回のステップのように後ろ足→前足でステップすると相手の反応が間に合わず、先に動いた方が有利になります。
【上段逆突き】
上記の中段突きと同様の入り方プラス、前足は踵から床に着けます。
ポイント1:突きが極まった瞬間に胸を後ろに反らすようにすると、肩甲骨が円滑に動き突きが伸びます。
ポイント2:突きが極まったあとは、引き手を利用して後ろ足を寄せます。
接近戦について (相手の攻撃は全て刻み突きです)
ダッキング(やや深めの四股立ちの体勢を取り、前拳側の肩と奥手で止めます)
ダッキングから回り込む「脇を押す」
1・突きに合わせてダッキングで懐に入り脇腹を押し、横または後ろに回り込みます。
ポイント:足のスイッチをスムーズに行うと相手の背後に回り込むことが出来ます。
ダッキングから回り込む「回し受け」
2・脇の下から上腕を回し受けして回り込みます。
ポイント:相手の前拳に絡みつかすように。
ダッキングから反撃「上段突き」
3・腰を回さず、耳をこするように突く
ポイント:前足を外旋させる
ダッキングから反撃「上段蹴り 回し蹴り・裏回し」
4・頭を上げずにダッキングの体勢で蹴ります。
ダッキングから投げ
5・ダッキングのままの体勢で、後ろ足で相手の前足をかけます。
ポイント:相手足首では無く、ふくらはぎの上の方を自分のふくらはぎでかけます。
組み合った状態からの攻撃について
一度目の攻撃で残心を取る時に、軸足を空中に浮かせて両足で着地すると、反力を利用して接近した状態から次の攻撃が可能となります。
蹴りの極意
「足の踏み替え」
床を強く2度踏むことのメリット
1・蹴りのスピードが増します。
2・どちらの足で蹴るのか予想出来ません。
3・距離とタイミングが取りやすくなります。
身体の振りについて
「手と首でかわす」
素早く相手の攻撃を避けるには、上体のみを動かすのではなく手と首を有効に使う事が重要です。
「ダック」
両手を顎の近くに置き、上体の方向と反対に手を動かします。
「スウェイ」
前の手を下げ、後ろの手を上げ身体を振ります。
他にも、ダッキングしてからの攻撃、スウェイバックしてからの攻撃方法、ペアでの練習方法が沢山紹介されています。
【突きのマジック】
1・刻み突きを食らわない中段突き
相手の肩にぶつけるように突くと、前足が同じ場所にあっても線が外れ、相手の刻み突きが抜けていきます。
逆に相手が刻みに来たカウンターで中段を突く時は、後ろ足を若干内側に置いておくと相手の突きは抜けていきます。
2・ダッキングでかわせない刻み突き
「相手にダッキングさせないことは、試合の流れを掴むうえで重要となります」
・相手が右構えの場合、向かって見て顔の左半分の真ん中を突くとダッキング出来なくなります。(相手が逆体の場合は反対となります)
3・腰を切らない上段突き
「小さな選手が大きな選手を相手にする時は、リーチのハンデを克服し突きを届かせないといけません その為には腰を入れないことが重要です」
・腰を入れて身体を回してしまうと突きが短くなり、自分の身体が開いてしまいリスクが高まります。体側を使い腰を回さないで突くと、より遠くを突けます。
(注意点1)後ろ足のつま先は、前に向けないこと
(注意点2)突きの時に、小指を上に向けて突くとより伸びる
(注意点3)接近する際に前の手を、相手の前の手の外側をとることです。
逆体相手に中・上のコンビネーションでは、とても有効な攻め方だと思います。自分の前拳で相手の前拳を抑えながら放てるとリスクが軽減しますね。
4・中段に潜られない上段突き
「上段突きの時、中段カウンターに潜られるのは、上体が浮くか脇が開いている事が原因です それらを防ぐには、肩が上がらないように突くことが望ましいです」
・縦拳で突きます。
・脇で突く意識を持って、正拳で突きます。
・構えた時に親指を立てます。(親指を立てて構えると相手に中段に潜れない!と意識させることが出来ます)
内容充実の12巻。是非一度観てもらいたいです。
説明が難しくて割愛しましたが、時間差の蹴りや、カウンターの蹴りも紹介されています。
跳ぶ組手でした。