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2022-07-02 14:21:00

競技の達人14 「慣性負荷の組手・振り子の原理で勝つ!編」

こんにちは!

競技の達人Vol.14 「慣性負荷の組手・振り子の原理で勝つ!編」

 

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 タイトルからして難しそうですね、、

要するに、身体を振る事によって重心移動を利用し、力を攻撃部位に集中させます。

 

首を支点に、下肢だけを振って相手の懐に潜る方法を紹介されています。従来の中段突きの入り方では、身体全体で相手にぶつかっていきますが、動画では足を前方に送る時、頭の位置は前進せず、前足つま先だけを前方へ向けます。この入り方だと、射程圏外なので相手の中段カウンターは届きません。理にかなった方法だと感じます。

 

突きは、突こうとする意識を持つと、腕が短くなると同時に力みが生じてしまい相手に反応されやすくなります。

そこで、突く意識を無くす練習方法ですが、腕を一回転させてから手を伸ばします。

振る感覚で突けるようになれば、次は拳を飛ばす感覚です。揚げ突きの応用で、肘が身体から離れるまでは中段を目標に、肘が身体から離れたら上段を目標に突きます。

この突き方で、遠くまで突けるとともに、相手に中段に潜られない効果も得られます。

 

実際に、通常の突き方と腕を一回転させた突き方を2画面で比較していますが、拳サポ1ケ分飛距離が伸びていました。

 

 

中段突きにも様々な突き方がありますが、上段と錯覚する中段突きの紹介です。

たとえ相手が中段突きに合わせてカウンターを打ってきても正面の相手から見ると伸びあがるように突いてくるので、上段を突いたつもりで、実際には頭の上を突きが通り抜けます。

またこの突き方は、1歩で2歩分の距離を稼ぐことが出来ます。

 

では、入り方の説明です。(すごく細かなテクニックです)

 

1・前足を踏み込む時に息を吸う

2・息を吸う時に水月を斜め上に押し上げる

3・突きを極める時に息を強めに吐く

 

後ろ足に「溜め」を作ったまま水月を相手上方に向け持ち上げ(フェイク)中段に潜ります。

得られる効果としては、

①突きの距離が伸びる

②相手の反応が遅れる

③上段突きと錯覚する

 

 

次に、上体を振ってカウンターを合わせる方法です。

運足と腕による受けの防御からの攻撃だけでなく、上体でかわして「上体の振り」で反撃出来ると、足でかわすよりも速い攻防が期待出来ます。

つまり、足で50㎝後退するよりも上体だけを50㎝倒す方が反応は早く、相手は近くにいるので踏み込まなくてもすぐに反撃が出来ます。

 

1:相手の攻撃をスウェイバックでかわす

上体を傾けるのではなく、首を使って上体を後ろに引きます。顎を引くと同時に、股関節の外旋を使い上体を倒すと、速く大きくかわせます。

 

2:上体を倒したまま突く

後ろ足の膝を曲げたまま腰を切ります。相手の攻撃に対して、息を吸って上体を倒し、息を吐いて突くという呼吸を伴って動くと、速く強くなります。

 

3-1:上体を倒して横にかわす(①上段逆突き)

息を吸って攻撃をかわし、後ろ足を外に動かして、相手の外に位置取りします。相手の前拳を、自分の前手で絡めながら反撃の突きを出します。

 

3-2:上体を倒して横にかわす(②後ろ回し蹴り)

後ろ足を外に移動すると同時に、蹴り足を浮かします。

 

3-3:上体を倒して横にかわす(③背後からの突き)

逆体相手の場合、相手の内側にダッキングしても安全にかわすことが出来て、反撃も容易です。上体を倒す時の位置取りは、外を取る事が望ましいが結果的に自分の足が内側にあっても問題は無いと説明されています。

まず、上体をかわしてすぐに相手の懐に入り、肘で相手の背中を押します。両足を踏ん張らずに、前足を軸にして後ろ足は外に回し、相手の後方から攻撃します。

 

続いて蹴り編です。

蹴りは自分の身長よりも40㎝高く蹴る方法を紹介されています。

 

①相手と密着した状態になります

②上体を相手に向かって45度方向に倒し、膝を身体の真後ろに掻い込みます

③身体の後ろから垂直に蹴り足を出し、相手の正面から蹴ります。(密着状態からの蹴りなので、両手で相手の道着を掴まないように!)

 

中段蹴りは、最も遠くまで届く技です。

中段を蹴る事により、

①相手の攻撃を制限出来る

②攻撃の的を散らす事が出来る

③間合いの調整が出来る

等、自分の組手の中で中段を蹴ることが出来れば、試合展開がとても楽になります。

 

先を取る蹴り① 足先を走らす

①後ろ足を一気に床から離す

②前蹴りの要領で前方に掻い込む

③脚を伸ばす時に腰を切って回し蹴り

注意ポイントは、足裏が床から離れた時に身体が伸びて正中線をさらさないように注意します。

 

真っすぐに掻い込んで蹴る事が出来たら、次は身体を倒しながら蹴ります。

この蹴りは、さらに距離が伸びると同時に、途中相手にあわせられても相手の攻撃が届かないという利点があります。体を後方に倒さず喉元を支点として腰を押し出すように蹴るのがコツです。

蹴りが極まった時、上体はほぼ床と平行になっています。

なるほど、こちらが先に仕掛けて蹴りますが、上体を倒しているのでこれならカウンターの突きは届きませんね。

横から見ると、自分の身体は「T」の字になって蹴ってます。

カウンターの裏回し蹴りの姿勢といったら、イメージしやすいかも。

上段突きは届かないし、中段逆突きは自分の膝でブロック出来ます。面白い蹴り方だと感じました。

 

 お手本は、現フィリピン代表 月井 隼南選手と元日本代表 多田野 彩香先生です。

 

 

長かった競技の達人シリーズもこれで終わりです。

月井先生は空手道を科学的に追求し、時代の流れや技の進化とともに、常に新しい練習体系を構築されています。

12巻を超えた辺りから技術的にも高度になりますが、全巻を通して共通していたことは、「抜き」・「脱力」・「重心」・「肩甲骨」・「股関節」の使い方です。

シリーズの練習体系を徹底的の研究し、組手稽古に活かしていきたいと思います。