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新設! 組手の基本【ゼロの間合いを制す】
こんにちは!
Vol.6はゼロの間合いを制す (2017年6月号)
※ゼロの間合いとは、相手と密着した状態を指します。この記事が掲載された2017年当時はまだ「分かれて」・「続けて」がありませんでしたので、それを承知の上でご覧ください。
密着したゼロの間合いの中で、何もせずに離れるか、審判の「やめ!」を待つのは非常にもったいないことです。
なぜならば、自分が間合いを詰める必要も無く、相手が目の前にいてくれるからです。ここで何もしないのと、攻撃して終わるのでは、その後の展開に大きな違いが生じてしまいます。
たとえ得点にならなくても、攻撃で終われば審判に積極性を印象付けることが出来ます。
ゼロの間合いから直接攻撃は出来ませんので、攻撃の前に自分の間合いを作り出す事が重要です。また接近していれば相手も攻撃できる状態だということを念頭に入れなければなりません。
①自分の間合いを作る方法
1-1:相手を押して自分が動く
ルール上相手を押せばカテゴリー2のウォーニングとなりますが、自分が動くための支点を作るために相手を押します。
1-2:蹴りは足の踏み替え
接近戦からの蹴りにおいて足の踏み替えを行うことは、相手の突進をかわす・蹴りの間合いを作る・技の切れと威力を出す等、様々な効果が期待出来ます。
②ゼロの間合いからの中段蹴り
2-1:後ろ足で蹴る
接近した状態から後ろ足で中段を蹴るには、後退する必要があります。しかし実際に後退すると相手に反撃されるリスクがあります。リスク回避する方法として、蹴る方と同じ側の手を前に出して、相手の前進と攻撃を止めながら蹴ります。
2-2:前足で蹴る
前足で直接蹴ると、威力が乏しくポイントに繋がりにくいですが、足を前後にスイッチさせて踏み替え、瞬間的に後ろ足として蹴ります。
ポイントは両足をト・トンと2度踏み替えることです。
③ゼロの間合いからの上段蹴り
3-1:基本的には中段蹴りと同じですが、密着した状態で足を高く上げるため崩されるリスクがあります。
・蹴り足を身体の中心に寄せる
・相手を横に押すと同時に軸足を横に移動させる
・後頭部を蹴る
コツは出来るだけ接近した状態から足を巻き付けるように相手の後頭部を蹴る事です
3-2:後ろ足で蹴る
蹴り足を後ろに引き、次に軸足を後ろ足の位置に引いて蹴ります。この時も、足の踏み替えでト・トンです。上体を倒しながら蹴ることで足がより高く上がり、顔面への攻撃を防ぐ効果もあります。
注意点は、相手に対し上半身を真横に保つことです。
④ゼロの間合いから突きで極める
4-1:押して突く
片手で押して、押した手を使って突きます。後退せず、横に移動しながらです。
ポイントは腰を切らない突き方です。後ろ足のつま先を後ろに向けたまま突けば、上体が横を向いたままなので、速いだけでなく相手に攻撃される心配も少なくなります。
4-2:肘受けで間を作る
前腕の肩から肘までを相手に密着させ、前の足を軸にして後ろ足を外にスライドさせます。
⑤ダッキングされた時
5-1:乗って押す
自分の突きをダッキングで潜られてしまった時、相手の肩の後ろを押して横に移動しスペースを作ります。ポイントは、少々体重を乗せて斜め下に押すことです。
5-2:押して下がる
相手の足が自分の内側に来てしまった場合、前足を払われる恐れがあるので、前足を優先的に逃がす必要があります。ただ前足を引いただけでは、その瞬間に足を掛けられて崩されてしまいますので、足を引く時は手で押すことでより速く相手から離れることが出来ますし、相手の反撃が遅れます。
5-3:押して回る
逆構えで接近した時、相手に外側を取られた場合、より注意が必要です。この場合、相手の肩を押しながら外側へくるりと270°回ります。これで足をかけられる可能性が低くなります。
この頃からルールに変化が生じましたが、密着した瞬間に審判は「分かれて」を発する訳ではありません。
ゼロの間合いを上手く活用して、試合巧者になりたいところですね。