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新設! 組手の基本【逆突きのパラドックス & 魔法の刻み突き】
こんにちは!
Vol.7は逆突きのパラドックス & 魔法の刻み突き (2018年4月号)
パラドックスとは、一般的に「正しい」と思われていることに反する事柄を指します。
①腰と肩を90°以上回す
身体をしっかりと回して腰と肩が目標に向かうように突く
②腰と肩を90°回す
基本の突きのように身体が正面を向いた時に突きを極める
③腰と肩を一切回さない
身体を一切回さず、真横を向いたまま手を伸ばして突く
この3種類の突きを遠くまで届く順に並べると、① →②→③と答える方が大半だと思います。
ところが、月井先生の答えは③→②→①の順です。
身体を回せば回すほど、突きが届く距離は短くなると説明されています。
次に威力のほどですが、ミットを叩いた時の感触では、やはりこれも③→②→①の順のようです。
そして最も重要な、「相手が反応しにくいか」どうかですが、③→②→①の順です。
腰と肩を回さない突きのコツ
①構えたところからまっすぐに突く
構えたところから、円軌道では無く直線軌道で突きます
②構えを動かさない
身体の回転を伴う突きは、必然的に前拳の構えを引いてしまいますが、この逆突きならば身体を回転させないので、前拳はそのままで突くことが出来ます。
③肩口を見せない
突く手の側の肩口を相手に見せないように突きます。その時、肩が上がらないように。
④つま先と足裏に気をつける
カニ構えで相手に対し真横に構え、突く時につま先の角度を変えずに、足裏を下に向けたまま突きます。
反応出来ない刻み突き
刻み突きは、全ての技の中で最も早くリスクの少ない技です。相手に一番近い位置にある前拳で突き、逆突きのように身体が正面を向くことがありません。
それでも技の「おこり」を捉えられれば、中段に潜られるか、突きを叩き落とされてカウンターをもらってしまいます。
その刻み突きのリスクを限りなくゼロに近づける方法です。
①斜め下から突く
高い構えから直接相手の顔を狙うと、ダッキングされるか潜られてしまいます。ところが、構えを下げたところから斜めの軌道で突くと、容易に極めれるとあります。
これは、斜め下から突くことで懐に潜ることが出来ず、相手の反応が遅れてしまうから。
前拳を下げることで重心が落ち、肩がリラックスするので相手の反応よりも速く、しかも遠くを突けるようです。
初めからこの構え方に慣れてしまうと、得点を奪う前に失点を重ねやすいと思います。
基本あっての応用といったところでしょうか。
②鎖骨を滑らせる
相手が逆体の場合、前拳や肩が邪魔になり斜め下から刻み突きは出しにくくなります。このケースでは相手の顔を狙うのでは無く鎖骨の上を滑らせるように突きます。
相手の鎖骨を意識するだけで、外を容易に取る事が出来るので、刻み突きだけでなく、全てにおいて自分の距離と立ち位置で戦うことが出来るようです。
刻み突き → 上段逆突き (ワンツー)
刻み突きは斜め下から突いて、ステップは踵から入ります。身体は回さずに踏み込んだ足が着地した時に逆上を極めます。
このタイミングですと、二歩分の距離を一歩で、連続の突きを単発の突きと同じタイミングで突くことが可能となります。
通常ならば二歩必要なところを、一歩で突くって訳です。
まさにスピードドラゴンのあれですね。