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2022-12-15 21:28:00

荒賀龍太郎のチャンピオン組手セミナー2 龍太郎伝 「基本」-変幻する先- 2/2

こんにちは!

 

セミナー2本目は「変幻する先」 後編です。

・斜めに入るコンビネーション技(相手の外側をついて蹴る)

・ワンツーからの裏回し蹴り

・中段突きの突き合い

・三人組で反応の練習

・勝つためのアドバイス

 

龍太郎伝2 (2).jpeg

 

【斜めに入るコンビネーション技(相手の外側をついて蹴る)】

移動して突いたら後ろの足で相手の上段を蹴ります。

移動して突くと相手は、必ずこちらに体を向けますのでその瞬間蹴るコンビネーションです。

相手の向きを移動させて外側から蹴る事がポイントですね。

もうひとつポイントがあり、重心のバランスが取れるように相手を持って支えにして蹴ること。

攻撃の流れの中で相手を持ちながら蹴りが出せるようにならないといけませんね。

 

 

ワンツーからの裏回し蹴り

ワンツーは一発目からしっかり突きにいき、引いた時の重心の反動を使って裏回しを蹴ります。

後ろに重心が乗った反動を利用して、前の足を上げます。

道場ではよく、「軸足のため」と表現しています。次の攻撃に入るための準備と言えます。

後ろに重心をかけた瞬間、前の足を上げる事が重要です。シーソーみたいなイメージでしょうか。

前の足はしっかりと抱え込むように意識する事で蹴りが出やすくなります。

 

コツは2本目の突きの後、相手との距離を一瞬詰めて、一気に引きながら蹴ります。

一瞬間を詰めた事で、相手の足に引っかかるのは抱え込みが無いから。

やってはいけないのは、上体をくの字に折る事。蹴り足が上がらなくなりますので股関節は詰まらせず開いて蹴らないといけません。

近距離からの裏回しと同じで、蹴る時は相手を押してでも開いてから蹴ります。

 

 

【中段突きの突き合い】

ペア練習です。

片側は、カウンターの中段突き。

もう一方は、自分から入っていく中段突き。要はツーステップです。

最初はフェイント無しで、自分が行きたいタイミングで技を仕掛けます。

カウンター側は、集中して反応します。(受けてからのカウンターでは無く)

片方の動きは寄せ足と中段突きの2つ。

カウンター側は1歩で突きます。

カウンター側は反応の練習ですので相手が、寄せ足をした瞬間に技が出ないといけません。

ツーステップ側が、技を極めるには寄せ足を小さく(速く)突きを長く出せば相手の反応を狂わせます。

カウンター側:反応力を高め技を極める練習

仕掛ける側 :間合いを詰め技を極める練習

 

仕掛ける側は、モーションが大きいと動きが遅れるので、構えを変えずにそのまま中段を突けるようにします。

(合わされやすくなりカウンターの餌食になる)

両者とも共通することは、突いた後の引き手を速く取ることです。

 

仕掛ける側のスピードアップの秘訣ですが、カウンター側は入って突いてきます。なのでそこを計算して突く位置を短くすることで、引きも速くなります。

相手は人形では無いのでずっと止まったままではありません。

なので止まった位置(相手のお腹)めがけて突くと、距離に狂いが生じます。だって相手は前に出てきますので。

確かに引きが速いと自分の技が先に極まった感じがしますが、決して「長い突き」とは言えず詰まった感じもしますが、、

入ってくる位置を予測して突くと表現されていました。

 

突いてくる人は大きく入ってきますので、自分も大きく突けば拳が潰れたり(キレイな突きでないという意味)

被弾してダメージを受けるので、突く位置を調整すると説明されています。

 

異なるシチュエーションですので「先の先」・「後の先」の練習と言えますね。

練習の目的が明確なので、意識高く取り組める選手は試合で伸びるんでしょうね。

フェイント無しなので、仕掛ける側は激ムズだと思います。

 

止まった状態では反応が遅れてしまうので自分の身体のでリズムを取って相手に合わせていきます。

但し大きくリズムを取ると、それも遅れる原因になるので注意が必要です。

 

後半はフェイントを交え、単純には入らず駆け引き(相手を崩しながら)しながら中段差し合いでした。

 

 

【三人組で反応の練習】

A:攻撃する人

B:受ける人

C:受ける人の後ろにもう一人攻撃する人

このように配置します。

 

Aさんは自由に打ち込みをし、Bさんは受けます。

CさんはAさんが攻撃技を出している時を除いて、好きなタイミングでBさんの左右好きな方から刻み突きだけでAさんを攻撃します。

AさんはCさんの攻撃にしっかり反応します。

どんなタイミングでも良いのでCさんはいつ攻撃を仕掛けてくるか分かりません。

 

Aさんは自分のリズムでBさんを攻撃しますが、仕掛ける間が悪いとCさんの刻み突きが飛んできます。

攻めながらも防御にも気を配らなければいけない難しい練習です。

これを止まることなくグルグル続けていきます。

一瞬の判断力を養う面白いトレーニングではないでしょうか。

 

Cさんの飛び出すタイミング次第でAさんの判断力が磨かれます。

Aさんが技を極めた後、Cさんが間髪いれずに攻撃すれば

1・その場で中段を抜くカウンター

2・ダッキングしてからの裏回し蹴り

3・間合いを切って突きで迎撃

 

AさんはCさんがいつ攻撃を仕掛けてくるか分からないことを意識して打ち込みをし、攻撃の後もフットワークを止めずに常に準備を続けることも大事です。

自分の攻撃はリラックスして出来ても、Cさんの攻撃が飛んで来た時に力まずリラックスすることも心がける必要があります。

 

カウンターが来そうなら前に出て攻撃し、遠いところから突いて来たなら返しで攻撃します。

自分の体勢・タイミング・相手との距離を瞬時に判断し適切な技を出す練習でした。

(状況判断がとっさに出来るように)

こんな練習を繰り返していれば本番に強い選手に育ちそうですね。

 

 

【勝つためのアドバイス】

・自分の技、コンビネーションのパターンを増やす

・練習のうちから、相手が突いてくるのを警戒しながら突いたりすると、試合に出てしまう。そんな突きはポイントに繋がらない

・怖がりながら突くと、思ったより突きが伸びない(ポイントにならない)

・どんな体勢でもとっさに技が出せるような状況判断の練習をしておくと競技組手には有利

・パターン化した打ち込みだけではダメ

・自分より強い選手・年上の選手に勝とうと思ったら、一瞬の反応力・判断力を高めないとダメ

・いつ来るか・どんな攻撃か・どんな距離か、分からない状況で練習をしていれば、本番で活きる

・目標とする人を見つけ、どういった態度で練習しているか観察して真似る

・自分から積極的に行動出来る人になる