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浪速の空手2 変革・深化・速スピード -攻防を制する高次元の練習体系- 3/3
いつもありがとうございます!
大阪の強豪校、浪速高校の練習を収録したDVDシリーズ2本目です。
チャプターが多いので3本に分けてシェアしたいと思います。
ラストです。
09・間合いの感覚をつかむ コーナー際の攻防
10・クールダウンストレッチ
11・今井監督のことば
12・今井謙一監督インタビュー
【間合いの感覚をつかむ コーナー際の攻防】
コーナーを背負って戦う時の注意点の説明です。
相手がリードして、コーナー際に立っているとします。
リードされている側は、少し詰めれば相手は場外・負けているので精神的に余裕が無いことから、ポイントを取り急ぎ直線的に深く詰めすぎとなり、前に出た時にカウンターを合わされると説明されています。(相手は待っている)
『攻め急いで深詰めしない』
大事なのは間合いです。
間合いとは目に見えるものではありませんので、チューブを自分(リードされていて攻撃したい側)の間合いに長さを合わせ互いに握ります。
チューブが弛んだら間合いが近い=相手に合わされる距離です。
弛みの無いほど良い張りをキープする練習です。
この練習のポイントは、自分の攻撃が届く間合いを理解していないと意味がありません。
この距離間を分かっていないと深追いしてしまうと言います。
さすがですね。
闇雲に練習を重ねるのではなく、眼に見えないものを可視化してヤバい距離・攻撃の間合いを身体で理解させています。
強さの理由がここに隠されていますね。
選手一人ひとり、懐の深さも違うでしょうし理にかなった練習(指導)方法と感じました。
ペア練習でコーナー側が左右に逃げる動きをした時の追いかけ方も指導されています。
・逃げる相手に対して平面で追う
・相手が休んだ後の次の動き出しの瞬間がチャンス
・自分の距離に入るまで攻撃を我慢する(攻め急がない)
次は攻守交代です。
自分がリード、コーナー側です。
引き込みで技を極めるには、『前』に出る動きがあってこそです。
後傾するだけ、左右にふるだけでは相手は釣られません。
横の動きを活かすには前の動きが重要になることを踏まえた上で、技を出す練習です。
大事なポイントはここでも同じ。
・上体を柔らかく使う(スウェイ・ウィービング・ダッキング)
・重心を落とし過ぎない(地面の反動を使って跳ねる)
・後ろ膝のゆとり(溜め)
・腰の安定(上に飛んでると無防備)
・リラックス(反応出来る)
・コーナーでは足を止めない(やられるから)
我慢して深詰めすることなくプレッシャーをかけ続け相手を前に出す練習や、
左右に振った瞬間、人間の心理としては前に詰めてしまいます。
そこを逆手にとる技です。
始めの前後左右斜め8方向のフットワークを使い斜めから刻み突きを出しています。
直線的な攻撃以外に斜めからの入り方を練習されています。
【クールダウンストレッチ】
練習後のストレッチでは、
・ハムストリングス伸ばし
・ランジの姿勢を取り股関節の可動域伸ばし
・前腿伸ばし
・肩甲骨伸ばし
・深めの屈伸を取り股関節の内外旋
ペアとなり入念に肩甲骨回りをほぐしていました。
【今井監督のことば】
・技をなんぼ練習しても、理にかなった動き・理にかなった戦い方をしていかな競技空手では勝っていけない
・強い選手の真似をしても良いが『なんでそうしているのか』を常に考えて練習する人と、ただ漠然と練習する人とでは結果に差が出るよ
・意識して練習しないとトップ選手にはなられへん
・苦手な技・苦手な時間帯いろんなシチュエーションを想定した練習が試合に活きる
・いらんものは切り捨てて新しい自分にアップデートしないと競技レベルについていかれへんようになる
・研究心や向上心を持って取り組まへんかったら強くなれない
・自分で物事を考えられる自立した選手にならなあかん(取捨選択)
・言われたまま動ければ大したもんやけどこれだけじゃアカンで
『自立した』
何度もこの言葉を発していました。
【今井謙一監督インタビュー】
・以前負けた強豪校の対策をキッチリたてた。
・チームのモットーとしていた事は、ライバル校のエース格の選手を2番手・3番手で勝ち切るようにすることをテーマに挙げていた。
・高体連のテーマが『最強の人から最高の人へ』とテーマを掲げていることもあるが、勝っても喜びを爆発させることはしない。(敗れた相手校を称える、礼儀の部分に立ち戻る)
・競技レベル・ルールの変化に感度を高めないと今後勝っていけない
・古き良き空手を変革することを恐れていては、将来生徒が苦労してしまうのでWKFのトップ選手の動きに準じた仕様に合わす
・自分自身が知る空手を捨てる必要もある
終始大阪弁で親近感が湧きます。