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必勝の空手 王者の組手トレーニング 【1・基礎訓練編】1/2
こんにちは!
全日本空手道連盟ナショナルチーム前監督、帝京大学空手道部師範 香川政夫先生率いる帝京大学空手道部の稽古を収録したDVDです。
門下生の中には残念ながらメダル獲得とはなりませんでしたが、植草 歩選手・宮原 美穂選手は東京オリンピック2020に出場しましたね。
同じくオリンピック出場した染谷 真由美選手のお姉さん香予選手、香川選手の息子さん幸允選手。
第45回 全日本空手道選手権大会で荒賀選手を破り優勝した渡邊 大輔選手等、錚々たる顔ぶれです。
普段行う基本稽古をVoL.1では2回に分けてシェアしたいと思います。
伝統空手特有のスピードと爆発力はチューブトレによって生み出されます。
組手が大好きな選手にはとても勉強になる内容だと思います。
1・基本動作
2・移動動作
【基本動作】
-立ち方と運足-
立ち方と運足の説明からですが、帝京大学で習う流派は松濤館流。
非常に細かいことですが、松濤館流の前屈立ちは糸東流よりも更に深い立ち方となります。
前屈立ちでは前足の体重をグッとかけて立ちます。
前足足首は開かず・膝もしっかり曲げる。
軸足のハムストリングスはしっかり張ることを意識して、腰に手を置き移動します。
次、前膝を深く曲げたまま大きく前に跳びこみながら移動基本しています。
ポイント1:後ろ足の曲げ伸ばし。
ポイント2:後ろ足も開かない。なるべく正面を向ける
3つ目はここからは組手構えでの送り足です。
いわゆるエビ構えです。(真身となり後ろ足つま先は正面向き)
後ろ足のバネを使います。
前足主導で大きく前に出て後ろ足はバネを使ってついてきます。(この時から組手構えです)
4つ目は2ステップ
後ろ足を前足付近にまで寄せ、前足を大きく前に跳ばします。
ポイント1:後ろ足は素早く半歩引き付ける
-手技の基本-
チューブトレーニングです。(各5本やってます)
テンションのかけ具合は、その人の力によって距離を調節する必要があります。
緩すぎても張り過ぎても練習になりませんので、現状の力に応じて少し負荷をかける位が良い
柱にチューブを結び、先程の立ち方となり前屈立ち / 中段逆突きです。
ポイント1:構え方は目一杯身体を開く → 腰・後ろ足の力を使う → 突きのスピード・威力に繋げる
次は、実際の中段逆突きの要領で前足を大きく踏み込み逆突きです。
今度は、組手の動きの中から中段逆突きです。
ポイント1:特に後ろ足のバネを意識します
チューブを持ち換えて刻み突きです。
①腰を落とし気味に構えその場で刻み突き
ポイント:腰と身体の回転で突き手の肩を押し出して突きます(縦拳で構え捻ってます)
②半歩出て刻み突き
ポイント:後ろ足のバネを使い前足をスライドさせてます
③追い突き
ポイント:チューブを持ち換え一歩前に出て追い突きです
④跳び込んで追い突き
ポイント:これも後ろ足のバネで強く跳び込みます
-足技の基本-
①正面蹴り
チューブを軸足に巻き前屈立ちから正面蹴りします。蹴った足は後ろに戻します。
ポイント1:チューブに負けて振り回されないよう前足にしっかり重心を乗せ蹴ります
ポイント2:蹴り足を前に放り投げるのではなく、しっかり抱え足を取ります
②蹴込み
ポイント1:足筋・腹筋の全てを締めて蹴ります
ポイント2:体幹を意識して蹴ります
③回し蹴り
ポイント:引き足を取りながら後ろに下ろします
④裏回し蹴り
ポイント:腰を内から外に持っていき蹴ります
⑤回転後ろ蹴り
ポイント:前足踵を回すとともに回転し蹴り足の踵で蹴ります
⑥踏み込み前蹴り
ポイント:1本目蹴ったあと後ろに戻し、2本目は蹴ったあと前に出ます
⑦踏み込み蹴込み
ポイント:②の蹴り方で挙動は⑥と同じです
⑧踏み込み回し蹴り
ポイント:③の蹴り方で挙動は⑥と同じです
【香川政夫師範インタビュー】
-チューブトレーニングとは-
手・足・腰につけますが、チューブトレの目的は下半身の土台作りです。
下半身がしっかりしていないと、強く・速く突けません。(蹴りも同様に)
また、一歩前に出る・後ろに下がるように体幹で移動する力の養成でもあります。
強い技を出すには、下半身の安定と体幹が必要ですのでチューブで鍛えます。
チューブトレーニングとは、チューブの弾性を利用して無駄な力を無くし、動きを修正する訓練です。
その結果、鋭くケガの無い動きと身体を獲得出来ます。
【移動動作】
①前屈立ち / 追いつき移動
チューブをお腹に巻き、前屈立ち / 追い突き での移動基本です。
突きながら往復しています。
ポイント1:前進する際、重心移動の前足の溜めにあります。
前膝は曲げたまま、後ろ足を前足横に並べ次に踏み込む足に一気に吐き出します。(軸足は締めながら伸ばします)
ポイント2:後ろ足踵は上げてしまうと力が逃げてしまうのでNGです。
パワーは足元から腰を経て、突きに繋がります。
踵を突けることで、前に進むパワーも拳に乗せることが出来ます。
下がる時も、前膝の曲げ・後ろ足の伸ばしを意識します。
下がっても力は "前" です。
香川先生は追い突きした拳に正面から腹をぶつけ、力が逃げていないか確認されています。
押されて潰れるよう稽古の意図を理解しているとは言えませんので道場で確認するには良い方法ですね。
②前屈立ち / 飛び込み追い突き移動
真身で組手構えを取ります。
目線を上下させずに飛び込みながら追い突きします。
ポイント1:軸足の踵は上げない
ポイント2:軸足つま先を広げ過ぎない
つま先がよこを向くと、身体も流れてしまい技に力が伝わりません。
なぜダメなのか明確に理解出来ました。
これも往復しますが、帰り道は向きを変えます。
前進する時は、後ろからチューブで引っ張られ負荷がかかりますが、帰り道は戻る力を利用します。
戻る時は、チューブに吸い寄せられますのでスピードが加わります。
ポイント:チューブの速さに負けない下半身を作る練習です。
飛び込んでも、ドッシリした下半身で立ち方が崩れないよう意識します。
良い練習だと思います。
③前屈立ち / 飛び込み逆突き
半歩飛び込みながら逆突きです。
これも往復します。
④前屈立ち / 飛び込み刻み突き・中段逆突き
半歩飛び込みながらワンツーです。
これも往復します。
⑤前屈立ち / 正面蹴り移動
左右正面蹴りを連続して行い前へ移動します。
帰り道がすごく難しいです。
蹴る瞬間チューブに引き寄せられるのでバランスが崩れてしまいます。
ポイント:チューブの引き寄せに負けない位、素早く蹴り・素早く戻すことです。
⑥前屈立ち / 正面蹴り追い突き移動
蹴った足を前に置き、追い突きします。
帰りも同様ですが、蹴りが入ると難易度が上がります。
チューブに負けてしまわないよう、身体の締めを意識しないといけません。
⑦前屈立ち / 回し蹴り移動
蹴る瞬間身体を捻り、蹴り足の着地と同時にもう一度反対に捻りなおします。
蹴りで力を溜め、戻す時に締め直すことが重要です。
チューブで負荷がかかっていますので下半身強化に繋がるメニューばかりです。
ゆり道場では10月に入り下半身強化に取り組んでいます。
形も組手も下半身の安定感は欠かせません。
チューブを使って、効率的に安定感とスピード強化を図りたいと思います。