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2025年9月28日(日) 宮原 美穂 白鷺祭 正剛館ジュニア強化練習会 @姫路県立武道館
こんにちは!
日曜日、朝早くから姫路に出発。
大阪方面への距離感は良く把握していますが、姫路方面は全くと言って良いくらいに分かっていません。
何となくメチャクチャ遠い印象が強くありました。
夏前に仕事で姫路に行った時は時間も読めないし電車で向かったくらい。
さてこの日は、姫路県立武道館で東京2020女子55㌔級日本代表の宮原 美穂選手の組手セミナーでした。
インスタで情報をキャッチし道場で誰か行けへんかなぁ。
私自身どうしても出席したく、道場で参加希望者を募ってみることに。
唯一Kちゃんから参加連絡がありました。
よっしゃー!!
これで行ける!
2023年の3月に入会して以来、これまでKちゃんとは喜友名 諒セミナー・清水 希容セミナーに続いて3度目のオリンピック出場者のセミナー参加です。
引率という名のまるでコバンザメです。(Kちゃんありがとう)
でもしっかりと勉強してきましたよ!
貴重なアドバイスを忘るまじとノートを片手に臨みました。
ところが!
なんと動画の撮影オッケーとのこと!
なんという事でしょう。
メモ取りぃの動画撮影しいので大忙しでした。
朝から晩まで長時間でしたが、ざっとこんな感じ。
9時50分アップ開始 ~ 13時まで技術練習
13時50分 ~ 16時30分 試合形式
午前のアップと技術練習の方は、
アジリティと組手ステップによる十字ランダムでした。
基本的にはペア練で進行し、始めに行った練習はプレスをかけながら宮原選手のブザーに合わせ刻み突きでした。
プレスをかけつついつでも行ける状態に構えをスタンバイさせていないといけません。
結構な時間これを繰り返した後、2ステップでの入りの練習に移りました。
後ろ足の寄せはスタンスの半分まで。
前足の踏み込みは相手の前足のそばまで近づける。
荒賀選手のセミナーDVDでは、足の内側が磁石に寄せられる感じと表現していました。
重心を深めに置き、斜め上の軌道で突き相手との間を詰められていました。
「刻み突きは突きにいくんじゃなく、腕を放り投げる!」
突きの威力を競うわけではありませんし、どちらの突きが早く相手に到達させるかを競い合ってるので、その意味ではこの考え方は正しのかも知れません。
次の技術指導。
相手の動かし方でした。
自分が相手を誘い技を出させておいて、自分が技を極める方法。
とても難しいことですが、こんな感じです。
まずプレスありき。
軽めのプレスと強めのプレス。
軽めとは距離のこと、相手がハッ!としない距離感。
強めのプレスとは2ステップでの踏み込み。
お手本ではかなり接近していました。
重要なポイントは、ここで一瞬グッと深く沈むこと。
こうすることで相手の技は、ほぼ刻み突きが飛んでくるとのこと。
小さい宮原選手がさらに溜めを作ることで相手は中段突きよりも上から被せてくることが多かったんでしょうね。
自分の身体をよく知った戦術、撒き餌なんだと思います。
1・深くプレス
2・グッと沈む
3・相手は刻みで取りにくる
4・一気に重心を上げ逆上!
4で特に重要なのは、前足だけを下げることだそうです。
どうやって相手に技をださせるか?
メインテーマともいえる位の、とても難しいテーマですが前半のうちにサクッと始まりました。
私はこの時点でテンション爆上がりでした。
瞬発力抜群の刻み突き・撒き餌を使った逆上と同じ技をペアでかなり長い時間をかけて身体に落とし込んでいました。
本当に何本も何本も。
小休止を挟み次はサークリング。
主にコーナーに詰まった時に見かける攻防。
宮原選手曰くこのステップの出しどころは、自分のリズムで試合運び出来ない時、展開を作り直したい時、仕切りなおしたい時。
直線的な組手だけではなく、サイドを使った技の入りです。
サークリングしながら動きの中で突き技を出す練習でした。
サイドからの攻撃方法をレクチャーしたあとは蹴りに入りました。
後ろ足の裏回し蹴りのペア練方法。
「身体の枠の中」で技を出す。
これは松久セミナーでの教えと全く一緒。
直線的な蹴りです。
相手に向かって膝を直線的に出すと、上段回し蹴りと裏回し蹴りは軌道が同じだから相手からしたらどっちが来るか分かりません。
要するに裏をかくことが出来るってわけ。
「膝下を柔らかく」
「相手の前拳に膝をぶつけるイメージ」
裏回し蹴りの練習のあと、コンビネーション練習に入りました。
なんとケンケンワンツー。
前足でケンケンしながらのワンツー。
その流れで裏回し蹴りです。
浮いてしまうことで無防備状態になるケンケンの入り。
今日はせっかくのセミナーです。
教えてくださったことを一生懸命理解し、あとは自分の考えに合うか合わないか取捨選択です。
「ひとつ目の技をしっかり取りにいくこと!」
次は前足の裏回し蹴りに戻りました。
前足で極める時は撒き餌を使うこと。
相手に刻み突きを出させた時がチャンス。
刻みで来たところを引き込んで前足で極めます。
指導のポイントは頭を後方へ倒すこと。
「やじろべえ」です。
頭を下げれば前足が上がる理屈です。
宮原選手の相手の誘い方は、こんな紹介をされていました。
プレスを挟みながら、前拳を上に上げ素早くステップイン。
その時やや前傾姿勢を取ります。
相手が釣られて前に出てくれば、自分の頭を後傾し裏回し。
前に出てこなければ誘いなおす。
お腹いっぱいの技術練習。
戦術面なんかも学ぶことができ、もう既に大収穫です。
昼食のあとは、8つくらいコートがあったかな。
さすがに学年は分けますが男女関係無くひたすら試合形式。
ここからはどれだけ積極的に数をこなせるか。
全体を見渡しても4年生・5年生が多い印象を受けました。
Kちゃんも積極的に列に並び、最終的にはトータルで8試合程度だったでしょうか。
なんと!
ひとコート宮原選手がついているコートがあり、直々に試合を観ていただきアドバイスを貰えます
1年生から順に集まり、とうとう4年生の番。
この時ばかりは私もスタンドから席を立ち、コート側でKちゃんの練習試合を観戦です。
オリンピック選手に自分の試合を観ていただける機会なんて滅多にないこと。
ホントにありがたいセミナーだこと。
2試合やったかな。
全学年ひととおり終え、最後は団体戦で締めくくりました。
帰りの時間も押し迫った中、ギリギリいっぱいまで質問タイム。
Q1・好きな食べ物はなんですか?
A1・そぼろ丼です
Q2・なんで空手を始めようと思ったのですか?
A2・兄が空手をやっていて楽しそうに見えたからです
Q3・好きな空手の技は何ですか?
A3・前蹴りです
Q4・オリンピックの舞台はどんなところでしたか?
A4・気持ち的には緊張も無く、負けたけど楽しかったです
Q5・試合の前はどんな気持ちで挑んでいますか?
A5・どの技を出すか決めて挑みます。この相手にはこの技と決めてから臨んでいました。
Q6・オリンピックや世界大会は何回出場しましたか?
A6・オリンピックは1回で世界大会は3回出場しました
Q7・裏回し蹴りのコツは何ですか?
A7・膝下を柔らかくすることです。いつでも巻けるように試合前のアップで膝下を柔らかくストレッチしています
Q8・背の高い人への攻撃の仕方を教えてください
A8・フェイントの中で相手が何を狙っているかを調べます。足を上げた時の相手の反応、手のフェイントした時の相手の返しがあるかを見て見たり。サークリングで仕切り直して一つ目の技で取りにいくようにしていました。大きい相手に連続技で入ると懐が深いので返される可能性があるので私は一発で取りにいく意識でやってました。
Q9・連続技を出す時に相手にダッキングされ上手く点が取れませんので取る方法を教えてください
A9・ダッキングされて終わるのはもったいないので、相手の前足を自分の右足で払って投げに繋げていました。
Q10・メダルは何個もっていますか?
A10・数えたことがないので、数えて来年の7月また来ます!
Q11・初めてメダルを獲ったのは何位ですか?
A11・3位でした。ひとつ勝って3位だったのであんまり嬉しくなくて、お母さんにすぐ渡しました。初優勝は小学校4年生でした
Q12・入る時モーションがデカく相手に下がられてしまうのですが、どうやってモーションを小さくしたら良いですか
A12・自分は身長が低かったのでモーションというよりステップを細かく刻むことを意識していました。細かくすることで前に圧かけた時もそんなにスピードは落ちませんので細かく小さく刻んでみてください
Q13・どうやったら技を速くだせますか?
A13・走り込みです。是非短距離ダッシュを何本もやってください!下半身が強くなって技の出が速くなります
Q14・ウォーミングアップはどんなことをしますか?
A14・その場で1分間ステップ・前後にも1分間。正体/逆体で刻み5本・中段5本・逆上5本・蹴り5本と基本をやっていました。股関節のストレッチをやって技の確認から始めてください
Q15・背が低い人にはどうやって戦っていますか?
A15・自分が小っちゃかったんであんまり無かったんですけど、前拳だけで勝負していました。それと小さい人はスピードがあるのでコーナーまで追い詰めて技を仕掛けることを大事にしていました
Q16・残り15秒で焦らずに突きを出す方法とお勧めの技を教えてください
A16・まず何を出すかを大事にしていて、私は刻みが好きだから狙ってます。それと「続けて はじめ」の直後の構え出しの早さ。速攻で仕掛けることを大事にしていました。
Q17・自分から技を出す時に中段や返しを狙ってくる相手にどうやって自分から前にいくにはどうやれば良いですか?
A17・相手が待ってる時は、何回も何回も圧をかけ仕掛けを作ります。まだ待ってるなと思ったら一回自分から獲りにいって立て直すことを大事にしていました。
引いて引いて相手が来てくれるのを逆に待って相手の技に反応することをしていました。
圧掛けて仕掛けて相手の狙いを察知して、一回切って自分が逆に下がることで相手を誘って、前に出てきてくれた瞬間を捉えてください。
Q18・自主練の時間はどれくらいやってますか?
A18・自主練無かったです。その分練習時間が長くやり切ったのでやってません。朝練が6時からで長距離を11㌔山を走ったり短距離ダッシュ、チューブとつけてジャンプしてバネを鍛えていました。学校が無い日は14時から18時・19時まで練習し、道場がお寺だったので境内の掃除をして帰っていました。
Q19・めっちゃ蹴ってくる相手にどうやって入ったら良いですか?
A19・足を上げてくる相手には、足を降ろした瞬間を狙いました。降ろした瞬間は相手は準備が出来ていないからチャンスです。
Q20・相手との距離の縮め方を教えてください
A20・相手が一歩下がったら自分が一歩詰めるだけじゃなく、1ステップと2ステップを何回も使い分けながら攻めていくことが大事なのかなと思います。
県大会ベスト4以上の戦績を持つ選手が集まった団体戦の総括では、
・もう少し前での駆け引き(相手が攻めたくなるくらい近い距離)
・相手が技を失敗した瞬間がチャンス
このようなアドバイスでした。
セミナーの締めくくりでは、主催してくださいました正剛館の方の言葉の中に私の心に刺さる一言が。
東洋大姫路高校 野球部監督さんのお言葉のようですが、野球部の練習はゴミ拾いからスタートするとのこと。
当たり前ですが、ゴミを拾ったところで野球が上手くなるわけではありません。
「道端に落ちてるゴミに気づかないようでは、練習の中での小さな変化に気づくわけがない」
これはぶっ刺さった。
私自身とても学びの深いセミナーとなりました。
また最後までやり切ったKちゃん、身体も心も間違いなく強くなった。
技術練に加え午後からのたくさんの試合形式で大きく成長出来た!
このような贅沢なセミナーをオープン開催してくださった正剛館さんに感謝!