形稽古により集中力を養い、組手稽古を通じ強い気持ちと
相手を思いやる心が芽生えます。

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2026-03-05 06:15:00

泊親会清水2 獲りたいときに獲るトレーニング 3つの "先" を極める! - "先" を獲る + 反射神経を養う - 2/3

こんにちは!

 

強豪道場、泊親会清水の練習体系を収録したDVD。

これで2本目ですが、今作も遥か先をいく内容となっています。

目から鱗が落ちるといっても過言ではない位の内容はもちろんのこと、選手への声掛け、意識への促し方等は道場で指導する立場の方は観ておいて損は無いと思う程。

今回も大いに参考になります。

  

 

泊親会2.jpeg

 

 

4・ステップからの突きと反応

5・進入角度をずらす蹴り

6・全方向4対1のランダム攻防

 

 

【ステップからの突きと反応】

①グッドポジションで手から飛ばして突く

ペア練相手が出すテコンドーミットにしっかりインパクトする打込み練習です。

打込みといっても、マーカーを挟んで左右の足先で俊敏にタッチしながらです。

パートナーが構えた瞬間を捉える練習で残心も必要以上に長くは取らず、直ぐに次の打込み準備を取っています。

 

②後の先・瞬間を獲る

次はミットが出たところに攻撃 → 残心

パートナーはランダムでテコンドーミットで反撃 → 手を上げてガード → 反撃

目的は受けた後の「後の先」のチャンスを逃さない練習です。

ガードする時の鉄則として「相手の反撃を手だけでは避けない」

これは後方の副審からは入ったように見られてしまうから。

絶対に旗が上がらないようなディフェンスを意識つけされています。

「ガードした手と顔を離して受ける」

実際入っていなくても入ったように見えてしまっては入ったのと同じですので、膝を使い手と顔の距離を取らせています。

しっかり距離を取り、その後即座に反撃です。

相手のミットが出た「瞬間」

瞬間に反応することを徹底されています。

 

③攻防のバリエーション

次もパートナーがミットを差し出しますが、飛んできた突きをランダムで外します。

構えたミットに突かせたり、的をズラして打たさないようにしています。

1・構えたミットを突けば残心

2・構えたミットを突いた後に相手が攻撃してくればガードして反撃

3・構えたミットを空かされたら残心をキャンセルして追撃

4・構えたミットを空かされながら攻撃が飛んでくればガードしながら反撃

 

パートナーの人は突きの反撃や蹴りの角度でミットを飛ばしたりいろんなパターンで反撃を入れてあげています。

 

このように、一瞬の状況判断を練習の中に組み込んでいます。

突きが極まってないのに残心は必要ありません。

即座に頭を切り替えて次の選択に入らないといけません。

よほど頭が柔軟で切り替えが早くないとついていけないと思います。

あらゆることを想定した練習をされていて、強い理由が練習内容から伝わってきます。

自分の得意なパターンにハマったら強い選手はたくさんいると思いますが、その中でも状況判断を普段の練習から取り入れているからこそ全国トップレベルなんでしょうね。

身体の反応と頭の切り替えをしっかりして状況の変化に対応する練習メニューでした。

 

男の子も女の子も打ち終わりのガード即反撃。

尋常じゃない反応スピードです。

 

④先の先・相手の出ばなを獲る

シンプルに相手の動き出しを捉える先の先、もうひとつは相手が下がった瞬間を捉える練習です。

ここでは相手が下がった瞬間を寄せ足で追い捉えます。

よくありがちなのが下がる相手に距離が足りないケース。

最初の技が届かなかった場合その後どう対処するかが重要で、そこで終わらず次の展開を生み出させています。

あっゴメン、もう一回。

じゃなくて次の技で取り切る、やり切るように指導されています。

「だから失敗しても良いよ」

突きが届かなかった失敗を次の技に繋げる発想を生徒自身に引き出させようとされています。

技を教えていく次元はもうとっくに終わっていて、試合中のあらゆる状況に対処できることを主目的としたレベルにまで達しています。

こうなってくると生徒達も自分自身で攻防を考えていきますので空手が楽しくなってくるんだと思います。

自分の予想と違う展開になる時、そこで「アッ」とフリーズしない。

状況変化を自らの発想でやり切る練習メニューでレベルが違い過ぎます。

 

 

【進入角度をずらす蹴り】

①蹴りたい方と逆に入る

例えば刻み蹴りや裏回し蹴り。

正面から入る蹴りを良く目にすると思いますが、自然に相手に刻み突きで刺されたりといったことを感じられています。

軸足を自分の背中側にズラして入る、逆体相手の入り方を説明されています。

例え真半身で構えていたとしても、真正面から打ちあうと急所にもらう危険性があります。

(正中)線を外して外側から入ることはセオリー通りの攻め方です。

如何に被弾せず攻めるか。

合い構えの時の攻め方も考え方は同じで、今度は軸足を自分のお腹側に振り前足で刻み蹴り。

 

ここでのポイントは「撒き餌」を入れること。

身体を少し倒して相手をわざと引きつけることです。

横に振ることで相手は差しに行きたく攻撃を仕掛けてきます。

身体を倒した方に相手は仕掛けてきますので、逆方向から蹴りを極めるという方法です。

真っ直ぐだけではなく多角的に斜めのラインを使って蹴る練習をされています。

考え方を説明するのはここまで。

ここから先、どうやって蹴りを極めるかのアイデアは生徒一人ひとりに考えさせるといったスタンスです。

「何を考えさせたいか」

答えは、

「どうやったら相手が自分の動きについてくるのか」

「蹴りが極まるのか」

です。

相手をついてこさせれたら、反対の角度からもう一本の足で蹴りが極まります。

考えさせられます。

決して答えを教えないスタイル。

それは自分のコピーを作ることに他なりません。

そんなところを目指していないので、とにかく生徒に思考させ練習の中でアイデアを促しています。

 

これは試合中、蹴りをどうしても極めないといけない場面を想定して練習する。

攻撃即防御、

場面場面の設定、

練習の目的、

なぜそうするのか理論的な部分、

このようなことは予め説明されていますが、どんな技を選択するのか判断は生徒に任せています。

 

0-2で負けてる

残り時間10秒切ってる

「こんな時って焦るのでみんな直線的な動きになりがちだけど、そんな状況下で今やってる横に振っての蹴りを出せば案外極まるよ」

 

逆体相手への裏回し蹴りは、自分の前拳で相手の前拳を避けながら腰を切って蹴るよう指導されています。

後ろ足をクロスさせ腰を切った反動で裏回し蹴りです。

 

②45度からのカウンター裏回し

①は自分から攻める蹴り方で、今度はカウンターの裏回し蹴りを説明されています。

そのまま引き込んでも極まりにくい大技ですが、蹴り方をこのように説明されています。

「進入角度から身体を45度倒し足も45度抱え込む」

相手が攻めてくる進入角度に対し、自分は後方に身体を45度傾けています。

前に出しがちな前足を身体を倒すとともに足ごと45度抱え込みます。

なぜ足を抱え込むのかについての説明では、前に出すと攻めてきた相手と交錯し技を潰されてしまうから。

なので抱え込む時は、自分の前足を奥拳にタッチ出来るくらいにまで掻い込んで蹴るように指導されています。

 

3つの基礎、両サイドと後方からの入りをやりこんで実践に移ります。

 

 

全方向4対1のランダム攻防】

①6アタックを極める

防具を全てつけて4対1の状況を作ります。

なぜ4対1か。

常にいろいろな状況を作り出せるから。

真ん中の人は気を抜かずに次の動作へすぐに繋げられるように、その為の4対1です。

構えて間合いをしっかり作ることから。

4人の側は前に詰めたり、間を切ったり、サイドに振ったりを行い自分はそこに反応していきます。

1人に技を極めたら、すかさず中央に戻りまた誰かにプレスを掛けます。

これをグルグルと同じパターンで回るのではなく、ランダムに相手を選びます。

ここで大事なのは5人全てが即座に反応、次の準備に移る事です。

ひと呼吸開けてしまうと1対1と何も変わりません。

例え体勢が崩れていたとしても、それはそれで練習ですのでリセットせずしっかり体勢を戻し対応していきます。

コントロールするのは真ん中の人でサイコロの「五」のようにフォーメーション組んでいます。

攻撃のテンポがパーン・パーン・パーンだとダメで、パパパパパーンです。

そうすることによって相手の隙をつけたり、隙が生まれたりするためです。

この練習で意識することは「次への作りを速くし相手の動き出しを瞬時に捉える」ことです。

突きに拘り過ぎず蹴りも挟みつつ6回1セットで順番交代されています。

 

②先のスピード攻撃

今度は即座に作り続けると四隅の人は準備が出来ていない瞬間が訪れます。

そこを自ら動いて先で仕留める練習に移ります。

組手競技において一番理想的なことは、相手が準備出来ていないところを獲ることにあります。(失点リスクが無いので)

 

どこか勘違いしているのか、相手の準備が遅れたら相手に合わせてしまう。

これは「正々堂々と戦っている」わけでも無く、準備が遅れた相手に技を極めることは卑怯でも何でもありません。

瞬間瞬間を狙うのは基本中の基本ですが、こんな強豪道場の選手でもおっとりした場面が見受けられるそうです。

「待つ」というよりも相手が動くのを「見る」んだと思います。

相手が一手遅れた状況で自分が攻撃体勢を取れていればドンドン仕掛ける意識付けです。

もっとアップテンポの組手を要求されています。

「ほら待った!」

「見ちゃってる!」

「その癖を直そう!」

 

③マルチアングル攻撃

攻め急ぐあまり直線的な入り方に陥りがちな部分を補うことを目的とした練習です。

ここまででも十分過ぎるほどの内容の濃い練習ですが、まだまだ生徒の技術を上げてきます。

もうお分かりだと思いますがサイドの振っての入り。

ダン!ダン!と動いたとしても動きが固くスピードが上がりません。

解消方法は、

1・膝と股関節の抜き

2・一瞬逆サイドに振る

 

逆体相手だと外を取るのがセオリーですが、あえて内から入り逆上を素早く極めるお手本を披露されています。

入り方にもひと工夫あり、自分の前手で相手の前拳を触り(蓋)ながらステップインされていて、速い流れの中で判断することを求められています。

 

④蹴りで攻撃&残心に反撃

次のメニューは四隅に立つ人が反撃するパターン練習でした。

内容はこんな感じです。

真ん中の人・「先で攻撃し残心」

パートナー・「反撃」

真ん中の人・「防御」

真ん中の人・「対応」

 

1・相手の動き出しを捉えたり

2・準備が出来ていない相手に先で仕掛けたり

3・横からの入りを使ったり

 

足で獲れると判断した時は足で獲れるように蹴りも混ぜています。

パートナー側は相手の残心に対してしっかり反撃をいれないといけません。

 

いろんな入りにプラスして、今度が返しが飛んでくる練習に変化していてより実践向きに感じます。

さらには極めた後の残心が弱い(または相打ち的なシチュエーション)時は、明確に間を切るように指導されています。

残心で反撃されそうなケースは試合中よく見かける光景です。

その場合、明確に間を切るとのこと。

無駄な失点を避けるための必要な考え方で抜け目がありません。

 

この練習の難しいところは四隅の人が頭を使って状況を作り出してあげること。

4対1でやってる意味を持たせなくてはいけません。

 

難しいのはこれだけではありませんでした。

練習を見つめ、時折生徒を集めて足りていない部分を補足説明していきます。

「人間の心理としてそうなるのかもだけど、残心後に反撃してきた相手を対応したところで満足してないか?」

「満足した結果そこでひと呼吸置いてしまうと、ひと呼吸置かない相手にやられちゃうよ!」

 

この段階に達するだけでも凄いのに明らかにレベルが違い過ぎます。

要求レベルは、常に次の対応を考えて脳に負荷をかけながら動き続けることです。

「脳を休ませちゃダメ!」

 

⑤残心で相手の反撃を遅らせる

もう一段階要求レベルが上がりました。

「試合中相手の反撃が速かった時、それは自分の攻撃で相手のグッドポジションを崩せていないから」

言い換えればそれは、攻撃を受けても即座に反撃が出来る体勢をキープ出来ているということ。

じゃあどうすれば良いのか?

「自分の残心で相手の反撃を遅らせることを意識する」

実際に動いている動画を観ればこうです。

攻撃する → (深く)残心を取る → 相手が反撃してくる → (懐に引き込んで)迎撃する

 

深く残心を取った後、相手が追いかけてきたところを中段カウンターで抜いたり、突きを返して前拳カウンターで練習をされています。

 

究極は相手に反撃させないこと。

これは中学生以上の空手ですが、突きの後に足払いを挟んで相手の体勢を崩します。

 

練習の中に「反撃」の約束事を入れますが、それを超えることを目指しています。

言われたことを守ることは当然として、そこからさらに思考を働かせ次は反撃させないような「崩し」を入れてみるようなアイデアを求めています。

「自分たちでもっと空手を考えよう!

 

⑥相手に反撃させない先の意識

「後の先」を獲る練習でも「先」を獲れればいつでも獲りにいく練習に移ります。

「相手に攻める隙を与えない」

これがホントの大正解。

「アッ!今は入れない!このタイミングは見れば良いんだが、コレ行ける!ってタイミングは必ず行くようにしよう!

(4対1練習では)攻撃を受けるって約束だけど、攻撃させない。

 

「先」と「先」がぶつかった(相打ちした状態)時は、必ず即座に追撃でフォローすること。

 

一言で表すと、

「先手取る意識での後の先」

相手が技に入ろうとする時にはもう自分の突きが極まってるくらいのスピードです。

 

 

一つひとつの練習メニューに意図を明確に伝えられていて、生徒も納得感や自身の成長を感じながら夢中になって取組んでいるように感じました。

合間で招集をかけ、説明する際の選手の眼差しを見れば如何に指導者を信頼しているかが伝わってきます。

しっかりと眼を見てお話を聞き、一つひとつに「ハイっ!」です。

理想的です。