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2023-10-30 00:15:00

古川 哲也の形強化セミナー バランス・スピード・タイミングを極める! 1/5

こんにちは!

 

超久々の形ブログです。

ここ最近、道場稽古の様子や組手ブログが長いこと続いていましたが、特に意味はありません。

いったい何本DVD持ってるのか数えたこと無いので良く分かってませんが、ストックしてるブログも組手ばかりが控えています。

 

さて、本日ご紹介するDVDは現ナショナルチーム形コーチ 古川 哲也先生のセミナーの様子を収めたDVDです。

 

古川セーサンセミナー.jpeg

 

他流ですが、立ち方のコツや技を極める方法なんかは応用出来ることは数多くあると思っています。

キレや極めを上げる練習方法などを取り入れることで道場全体のレベルアップ、または自身の指導の幅を広げるつもりでいます。

古川先生のセミナーDVDは1本持っていますが、今回のはセーサンが収録されています。

糸東流にもあるセーサン 。

私も大好きな形のひとつです。

挙動に足刀蹴りがありとてもカッコ良い形です。

新しい形を勉強する時、とても嬉しそうな顔を見せてくれる道場生達。

暫く大会の無いオフシーズンに、最近始めた夜練習会でセーサン、クルルンファあたりを練習しようかと思っています。

 

 

1・セーサン の流れ

2・セーサン のポイント

 

 

【セーサンの流れ】

全空連第二指定形のセーサン。

同じ流派内であっても、所属する会派・指導する先生によって若干の違いは存在します。(どれも正解とされています)

ただし、指定形は違いがあってはいけません。

今回のセミナーは、全日本空手道連盟 剛柔流第二指定形セーサンですので唯一無二です。

決められたとおり打たなくてはいけません。

その辺の説明から入っています。

 

ざっと、指定形と自由形の違いを記載します。

同時にコツも説明されていますので備忘録を兼ねて挙動順に沿って書き記します。

 

1・諸手受け / 掌底当て

両手を使いますが、手だけでは打ちません。

姿勢を保ったまま、お腹・背中・脇腹を締めて、両方の手の間の位置で掌底当てを行います。

 

2・押え受け / 掌底当て

接近戦での技なので、肘を伸ばさず締めて掌底当てを行います(3連続)

「左・右・左の順に下から打ちながら押える」

 

3・掬い受け / 貫手

今ある位置から技をかけることが大事なので、あまり大きなモーションにならないように掬い受けを行います。

 

4・掛け受け / 3連突き

四股立ちとなり右・左・右の3連突きですが、指定形ではパン・パン・パンのリズムです。

パン・パパンではなく、加速していくイメージです。

 

5・裏打ち / 肘当て / 下段当て / 寸突き

指定形では引き手を取らず今の位置から技を出し、鉤突きのように身体から離してはいけません。

 

 

【セーサンのポイント】

1・諸手受けからの突き

指定形では水月を突きません。

「雁下」

乳首の真下にある急所を狙っています。

筋肉も贅肉も一番薄い部分だそうです。

突きの高さを間違ってしまうと減点の対象となりそうですね。

 

競技面におけるコツを説明されています。

突きを放った時の姿勢が、左右に傾いたり背中が曲がった状態で全力で突けば、突きの衝撃で自分の立ち方が崩れてしまいます。

三戦立ちで丹田を持ち上げる際、横から見て身体がくの字に曲がりがちですが、ここは注意が必要です。

「母指球」の真上に膝がくるイメージとのこと。

私が普段行っていた三戦立ちよりも安定感が増します。

これは収穫です。

まだ道場では三戦立ちは登場していませんので、しっかり自分の身体に落とし込んでおきたいと思います。

 

もうひとつ、突いた方の手が前方に伸び、反動で受けたままの手が縮んでしまいがちです。

背中を合わせて正しい位置で突くようにします。

ギリギリ可能な範囲で突き手側の腰を切り(肩は動かさず)、突いた瞬間に腰の切り替えしを使ってキレを上げたりも出来ますね。

 

部分練習をお勧めされています。

競技空手では突きのスナップを使いますが、『突き止め』で両方の肩が正しい位置に止まっているかを確認するようにします。

①バランス(姿勢・目付・コース・立ち方)とフォームをここまでの内容で整えます。

 

さらにスピードを加える説明に移ります。

②スピード(初速 → 中間の速さ → 最後の速さ)

 

突く瞬間の立ち上がり(初速)、最初に身体から拳が離れる瞬間。

1・ゆっくりスタートして突き終わりがビタっと止まる

2・初速が速くて突き終わりもビタっと止まる

 

初速が速い方がキレが上回りますので、意識するのは2番目の方です。

無意識に突いていては、キレが上がらないってことですね。

突き全体を通してのスピードばかりを意識していましたが、意識すべきは初速でした。

すぐにでも道場で取り入れるべき指導内容と言えます。

また、丹田を意識すると身体がくの字に折れやすいですが、姿勢をスッと真っ直ぐ伸ばすだけで突きのスピードが増します。

上半身は理解出来ますが、顎がほんの少しも落ちてはいけないのだそうです。

こんな細かいところ一つひとつを組み合わせて、スピードが強化されていくんですね。

意識して何本も何本も打たないとある程度のところで成長がとまってしまいそうです、、

指導者が正しく理解し、競技で勝つコツを指導し、生徒自身が反復練習を重ねないとダメなんだと思います。

顎なんてほんの僅かなことですが、癖を矯正するのは至難の業と言えます。

 

スピードとはなにも手技に限ったことではありません。

身体全体もスピード感が求められます。(前後左右に移動する速さの意味ではありません)

例えば左拳のスピードを上げるには左腰を引いた状態から戻して突くなり、緩んだ状態から突きの瞬間入れたりと方法がいくつかあります。

身体の部位で言えば、腰を切るスピード・軸足を締めるスピードのことを指しています。

なるほどと思える説明がコレ。

形競技で前3人の審判から見た場合、手技のスピードがある選手は「おっ!ええな」と思わすことが出来ますが、

後方から観る審判からは、腰や下半身を使っていない突きだとペラい手突きに感じてしまいます。

後ろから観ている審判の目にもスピードを感じさせるように、身体全体の動きを速くさせないといけませんね。

 

先述の内容はキレを上げる突き方でしたが、さらに極めを上げる方法も説明されています。

突きが極まった瞬間(腕が伸びた状態)三戦立ちを緩めないこと。

つまり母指球の上に膝が乗った状態を保つことでした。

 

母指球に乗せることは、今まで意識していなかったことでして時間を見つけては、三戦立ちからの突きを繰り返しています。

 

2・掬い受け / 貫手

とても細かいポイントです。

これまで意識してこなかった内容です。

右足を跳ねて掬い受けで前進する挙動ですが、掬い受けする瞬間、肩が強張り上体が後傾しがちです。

横からのアングルだととても良く分かりました。

ポイントは、重心を後ろへ戻さずに、前に崩して前に入るとのこと。

前足の抜きを柔らかく使うとスッと侵入するような入り方になる感じかな。

抜きがないと力感が残り、固い形になってしまい美しさが損なわれる印象を持ちます。

ほんの些細なことですが、印象がかなり異なります。

セミナーは、痒い所に手が届くのでとてもありがたいです。

「DVDで自分がしっかりインプットして道場生にアウトプットする」

これを普段の稽古で生徒の身体に馴染ませる。

この繰り返しで競技力を高めるしかなく、生徒以上に私が勉強しないといけません。

 

貫手では、親指を支点にして回るのか小指側を支点にして回るのか、超絶に細かい指導もされています。

要するに親指側から回すと、大きな回転軸となり攻撃をする時に時間をロスしてしまいます。

小指を支点にしてスッと貫手するのが正解でした。

形は奥が深すぎます。

知れば知るほど形の魅力にはまっていきます。

 

3・両引き手 / 足刀蹴り

これも知らない方法でした。

三戦立ちから足刀蹴りの挙動ですが、私はそのままの姿勢で蹴っていましたが、そうではありませんでした。

軸を左側に寄せ(左猫足立ちの姿勢)蹴ります。

更には抱え足をなるべく高く取り、蹴り足のコースを上げます。(相手の膝頭を蹴るイメージ)

また、引き足をしっかり取って転身に繋げます。

 

4・掬い受け / 掛け受け

手のコースに注意し、手・足の順に入ります。

腕は脇を締め半円を描くように動かし、掛け受けの腕は肘を伸ばさずに、手首・肘・肩をしっかり落とします。

最短距離で技を出す糸東流とは異なり、丸みを帯びた動きは剛柔流らしさが出ていると言えます。

 

5・掛け受け / 指挟み / 連突き

糸東ではない挙動です。

セーサンは接近戦を想定した形。

近距離で相手が突きを出した瞬間、左手で押さえたまま手首を捻ります。

なので動かす手は遠くに出さず、その位置から返します。

手首を返しながら、相手の喉を指挟みする挙動は一連の動きの中で行います。

1・左手首を返しながら

2・自分の身体も返しながら

3・右手が動きながら

4・指挟み

これを一連の動きの中で表現します。

 

相手の喉に指挟みをした後の連突きは、中段に打ち分けて技をハッキリとさせます。

 

6・四股立ち / 掛け受け / 3連突き

四股立ちは摺り足で入り、股関節をシッカリ折り込み姿勢を正して掛け受けします。

ここで興味深いアドバイスが。

四股立ちは膝を張るイメージですが、膝を張った状態で逆突きすると足が左右に振られやすい。

形競技でフラフラしてしまうと致命的ですが、安定感を保つ方法を指導されています。

前回のDVDでもあった『関節のロック』です。

両方の足のつけ根と足首の4か所を固めたまま突くとのこと。

膝は下半身の中心部分です。

いくら膝に意識を集中させていても、つけ根と足首が緩んでいてはドッシリしないって訳です。

 

この挙動、古川先生の意識では、四股立ちは前屈立ちのイメージで前足軸で立って極めると振られないとのこと。

前屈立ちで説明してもらえるとイメージ出来ました。

これは普段私が道場で指導している内容と同じでした。

『前足付け根』です。

 

7・足刀蹴り / 上げ突き

分解では相手の頭を掴んで上げ突きしています。

身体は開かないように注意し最後に上げ突きを行います。

ガマンしてガマンして半身から一気に真半身です。

 

8・裏打ち / 肘当て / 下段当て / 寸突き

顔面に裏打ちし、スナップで肘当てを出します。

肘で相手の鳩尾に追撃しています。

ここはメチャクチャ難しかった。

 

寸突きの練習方法も紹介されています。

平行立ちなどで、狭いスペースの中で握りながら突いて極める練習です。

正中線から体側までのスペースを突くのが寸突き。

拳2つ分程度でしょうか。

腰のスナップを使って極めるのですが、たったこのだけの距離なのでなかなかの難易度です。

鉤突きとは違いますので密着させなければいけないし、水月前に置いた手のひらを握りながら突いています。

握って突くんではなく、握りながら突きます。

ショートレンジで締める動作が多い形。

払った手をそのまま相手の背中に回し引き寄せています。

さらに四股立ちのまま、自分も寄せ足をしているので寸突きとなっています。

難しすぎて競技で敬遠される形と説明されています。

どうりで第二指定形では圧倒的にクルルンファを選択する選手が多いわけです。

自由形とは異なり指定形では勝手な解釈をして形を打ってはいけません。

教範とおり基本に忠実に打たなければ旗は上がらないからです。

どんな挙動なのか分解を理解したうえで練習に入らなければ勝てないと古川先生の説明を聞いていると強く感じました。

 

9・掛け受け / 両引き手 / 正面蹴り / 掬い流し受け(逆突き) / 回し受け

最後の挙動です。

掛け受けの手は、左手を引きながら右手を寄せて同じ高さになった時に引きます。

なんと正面蹴りは、蹴ったあと踵落としをしているとのこと。

競技の中で上手く魅せる方法は、蹴った瞬間に足首の力を抜くと、踵から降りやすくなり踵落としが極まりやすいようです。

真正面から見ると、

①上足底で蹴る

②足の裏全体が見える

③踵から着地する

抜きを使って滑らかに行います。

 

逆突きは、肩の高さよりも低くならないように注意し、回し受けは手と足を同時に引きながら軸移動し極めていきます。

 

 

四股立ちからの足刀蹴りの練習方法を最後に紹介されています。

片足を横に伸ばした屈伸運動のポーズを取り、畳んだ方の足に軸を寄せじっくり立ち上がり蹴る。

寄せた軸を正中線に戻しながら、また屈伸する練習方法でした。

前回のDVDでは、クルルンファの足刀蹴りの練習方法の紹介でした。(寝転んで自転車こぎするやつ)

クルルンファは猫足立ちからの蹴りですので比較的容易ですが、セーサンは四股立ちからの足刀蹴りが2回出てきます。

軸足の粘りをつけるための練習方法の紹介でした。

 

 

ホントそれ!

と思うことばかりの内容がこのセミナーDVDには詰まっています。

あとちょっと、、何かが足りない人にはお勧め出来るDVDです。

間違いなく練習の質が上がります。