こんにちは!
競技の達人Vol.6 「二軸基本練習編」
第6巻は、二軸の身体操作による基本の練習法です。
技は中心軸で練り、二軸を使います。二軸を使えば驚くほどのスピードとパワーば生まれると説明されています。
二軸に欠かす事の出来ない急速落下の練習方法の紹介です。
1㌔程度のダンベル(1リットルのペットボトル)を両手に水平に持ち、股関節の抜きでスッとしゃがみます。
その時、ダンベルが一瞬宙に浮きます。20回程度繰り返し瞬間脱力の感覚を掴みます。
身体が前傾しないように注意が必要です。
応用として、急速落下と同時に水平に持ったダンベルを頭の上に持ち上げます。落下によって腕が伸びるイメージで行います。
二軸の本質は「追い突き」の中に隠されています。
練習方法をご紹介します。
まず基本立ちとなります。(各20回程度)
①:号令とともに、瞬間的に「前膝・股関節」を抜いて全体重を落とす練習を行います。
②:①にプラスして、「逆突き」を入れます。
③:①にプラスして、「後ろ足」を寄せます。
④:①、②、③を同時に行います。
移動基本にも応用が効きますね。抜きの感覚が掴めたら、楽に速く極めれます。(形にも活かされます)
次に、二軸ステップの練習です。
二軸を駆使する事で素早い重心移動が可能となります。まずはラインを使ったステップ練習で俊敏性を養います。
ラインの片側に両足を揃えて置き、細かくジグザグにステップしながら前進します。
膝を突っ張らずに、逆に抜くことを心掛けなければいけません。
ラダートレーニングのクロスカントリーですね。他にもシャッフルも取り入れていました。
片足移動では、面白い練習方法がありました。
片足で立ち、浮かせる足は前に置かずに身体の後ろに置きます。そこから軸足の股関節の抜きに合わせ片足逆突きを行います。
その際、立った時の姿勢がもっとも大切です。骨盤が後傾していると股関節が抜きづらいばかりか重心が崩れてしまうので威力のある突きを放てません。
若干ですが前傾していると股関節が抜きやすくなります。
次に片足での追い突きです。
片足で立った状態から股関節を抜きながら前進して浮かせている足を前に着地させます。
今度は軸足だった足を浮かせて連続して前に進み追い突きを入れます。
ポイントは沈みながら前進することでスピードが増します。
慣れてくると、踏み込んだ足が前方へ遠くまで飛ばせるようになるようで、組手競技では遠間から一気に距離を稼げます。
理にかなった練習だと感じました。
後ろ足で蹴って入るよりも、前足(股関節)の抜きの方がスピードも距離も出ることが分かりました。
組手の技では、股関節の外旋を使った「ジグザグ突き」や「らせん突き」が紹介されています。
説明が難しい為、細かい部分が割愛しますが、「外から内」「内から外」で技に移ります。
相手が予想出来ない動きを取り入れることで、自分のリズムで組手ができ、結果勝率が増すのではないでしょか。
こんにちは!
競技の達人Vol.5 「高速上段突き編」
高速で放つ突きは、決してスピードだけに頼っている訳ではありません。
相手が反応出来ないように入ることが重要です。
3つの要素について説明します
1:膝を抜いて相手の気を浮かす
2:手先(指先)の感覚を養うこと
3:中丹田を使う
1-1
2人1組のペアとなり「棒」を、使って柔らかく入る練習です。お互いおへその下に当てます。
一方が素早く前進し棒を腹で押し、もう一方は素早く反応し押された棒を腹で押し返します。
ポイントは、前足の膝を瞬間的に抜くと難なく前進することが出来ます。
しかし、床を蹴って入ると相手にバレてしまいます。どんなに速く前進しようとしても棒を押すことは出来せん。
棒を使うことで、相手の重心を浮かす感覚を身につける練習方法ですね。
1-2
ペアと向かいあい、相手を持ち上げるように入る練習です。
より遠くを突けるだけでなく、相手の反応を遅らせることが出来ます。
ポイントは前膝の抜きで、スッと入る練習です。
2-1
手を叩く練習です。
自分の手の5センチ程、上側にペアに手を構えてもらいます。
そこから、ペアの手の甲を叩く練習です。
速く叩こうとすれば、反応の速い相手にはかわされてしまいます。
指先に意識を集中させ、叩こうという意識を持たないようにすると容易に手をタッチ出来ます。
2-2
手首を掴む練習です。
先程の手の甲を叩く要領で次は手首を掴みます。
これも掴もうという意識が強すぎると掴めません。
2-3
ペア相手に胸の前で手をパーで構えてもらいます。
胸をめがけて突きを打ちますが、これも「おこり」があれば読まれ、かわされます。
手先の感覚を養い、手が飛んでいくイメージで突くと当てることが出来ます。
3-1
力を使わずイスから立ち上がる練習です。
イスから立ち上がる時、通常は一旦体を前に持っていき、大腿四頭筋を使い身体を持ち上げます。
身体の力を抜き少し背中を丸めます。息を吸いながら胸が上方に膨らむイメージを持って立ち上がります。
3-2
今度は、やや低めのイス(箱)に座り、すぐに立ち上がり前進します。
ポイントは3-1と同様です。
3-3
最後は、椅子から立ち上がりながら胸の力で突きます。
足腰による推進力以外にも、胸が前方に引っ張られる感覚を持ち複数の推進力で突きこむとより効果的です。
中丹田を最大限に使い活用し突きを出す練習をします。
おさらいです。
膝を素早く抜き、相手を持ち上げるイメージで入り胸が、前方に引っ張られるようにして上体を突き乗せます。
相手の顔についた「ご飯粒」を取るイメージで突くとモーションが消せそうですね。
組手の攻防の中で、下肢の抜きが出来ていれば防御する両手は上がり、床を蹴って踏み込んだ場合、逆に反動で両手は下がります。
良いことに気づきました。
こんにちは!
競技の達人Vol.4 蹴り編②「広角蹴法・応用編」
体幹の準備運動を行う目的は、蹴り技に必要な骨盤と肩の動きを円滑にし、体幹部の力を足先まで使えるようにする為です。
この動きが身につくと、蹴りが楽に行えるようになります。
ポイントは骨盤の動かし方にあり、8の字を描くように動かします。
床に座り、足を少し浮かせ骨盤を動かして移動します。(お尻歩き)
いくつか紹介します。
①両足を伸ばし、前進・後退
「足を伸ばして骨盤を動かします」
②両足を伸ばし、横移動
「足を使わずに骨盤で左右に移動します」(お尻で飛ばないように)
③お尻だけ床につけ前進・後退
「踵をつけずにお尻だけで移動します」
④お尻だけ床につけ横移動
「膝を立て、踵をつけずにお尻だけで横移動します」
⑤お尻だけ床につけその場で1回転
「膝を立て、踵をつけずに右回り・左回りします」
骨盤がスムーズに動かせるようになれば形にも活きてきますね。
骨盤体操を、毎週の稽古に取り入れれば一年後凄い事になってそう!
【裏回し蹴りの準備運動】
正しい軌道を覚える為の練習方法で、3つの点に留意し裏回し蹴りを行います。
壁に片手を沿えて横並びします。
1・頭の位置を動かさない
2・思い切り掻い込んだ足を、思い切り伸ばす
3・爪先でつくように蹴り、スナップを効かせて戻す
応用編①
内回し蹴り→裏回し蹴り
応用編②
近距離裏回し蹴り→遠距離裏回し蹴り
【四方蹴り】
この練習方法は、90度に回り相手の側面に移動することを目的とします。
ポイントは円滑な重心移動です。
①逆突き→回し蹴り
真っすぐ中段突きし、前足を軸にして側面に回り蹴りをだします。
逆突きが「左」の時は、右に。「右」の時は左に回ります。
側面に移動した時に、後ろ足に重心をかけます。(ここから、前足の刻み蹴りに繋げられますね)
②回し蹴り→回し蹴り
後ろ足で上段回し蹴りし、引き足を利用して90度回ります。
「左」の回し蹴りの時は「左」に、「右」の回し蹴りの時は「右」に回ります。
蹴り足を着地させると同時に重心を移動させることがポイントで、90度横方向に蹴ります。
蹴る時のリズムは2拍です。
【囮としての蹴り】
蹴りを囮として使うテクニックが2つ紹介されています。
1-1:
相手の奥手(拳サポ)を軽くタッチするように刻み蹴りし、そのまま上段にダブルで蹴ります。
ポイントは、少し間合いを多めに取り、軸足スライドを使いノーモーションで相手拳サポと上段を蹴ります。
1-2:
相手の奥手(拳サポ)を軽くタッチするように刻み蹴りし、中段逆突きを極めます。
ポイントは、拳サポを蹴ると、相手は一瞬カウンターが遅れるのでその隙を中段突きで攻めます。
蹴りを中段と上段に振り分ける事でかく乱出来ますね。試合では上段蹴りは3ポイント得られますので、その後の展開が楽に進められますね。
レパートリーに加えたいところですね。
2-1:
距離の離れた上段蹴りし(当たらない距離)、軸足のスライドで刻み蹴りを極める。
一つ目はフェイクです。蹴りに合わせて相手がバックステップしたところを、二つ目の蹴り(軸足スライド)で一気に距離を縮め極めます。
上段 + 上段のダブル技ですね。
しつこいですが、共通点は膝の掻い込みです。
【接近戦での上段蹴り】
平行立ちの状態でペア同士向かい合い、お互いの肩を片手で掴みます。
横に動き腕を身体からまっすぐ伸ばして肩を掴みます。(蹴る時に身体が傾かない)
右手を伸ばしたら右足で蹴り、左手を伸ばしたら左足で蹴ります。
裏回し蹴りでも応用出来ますね。
-広角蹴法のおさらいです-
①直線的に攻撃に入るのではなく、斜めにステップし相手の死角から技を出します。
②膝を掻い込んだままステップし、相手にプレッシャーをかけることも戦略として有りです。
③膝の掻い込み、軸足のスライドが典型的な広角蹴法である。
④相手と組んだ時、瞬間的に横に捌いて蹴ります。(近距離でも死角から蹴る事で効果的な技となります)
⑤相手が前に出てきた瞬間に膝を掻い込めば防御として使える
⑥足の伸長で斜め上から蹴る
⑦軸足の角度を変化させ距離を変える
こんにちは!
競技の達人Vol.3 蹴り編①「広角蹴法・基本編」
月井先生は、アジアやアフリカでナショナルチームを歴任。競技に勝つ為の理論を、単純明快に実践へと転化し競技力向上を証明されています。
蹴りは、股関節をほぐして体と連動させる必要があります。
・歩きながら、片足を頭の上まで振り上げる。
・歩きながら、回し蹴りを行う感じで、足を掻い込む。(体の横に小さく)
・歩きながら、足を掻い込み内側から大きく稼働させる(回し蹴りと逆の軌道)
・歩きながら、膝を胸まで掻い込み、前方へ大きく放り投げる
・歩きながら、足を振り子のように放り投げ、膝頭を胸まで引き付ける
・歩きながら、膝頭を片足ずつ前・横と掻い込みと同時に軸足をスライド
・歩きながら、回し蹴りと後ろ回し蹴りを連続して行う(膝を抱え込む)
・歩きながら、回し蹴りのあと、一回転して同じ足で再び回し蹴り(テコンドーでよく見ます)
・横向きに立ち、両腕は前後水平に伸ばし足を横に掻い込んだ勢いで軸足をスライド(掻い込んだ時に脛が前方)
・横向きに立ち、前足を前方に出し、連続して蹴りをだしながら軸足をスライド(蹴りながら進む)
・横向きに立ち、一回転しながら後ろ回し蹴りを連続して行う
これだけのメニューを定期的に行えば柔軟性とバランス感覚、そこから導き出される身体の連動性、最大伸縮が期待できます。
準備運動として取り入れるとより効果的ですね。
広角蹴法とは、「蹴りの動作に入ったあと、あらゆる方向に蹴る事が出来る蹴り方」です。
この蹴り方を身に着けると、相手を「点」ではなく「線」で捉えることが出来ます。
相手が移動したり、ブロックしたとしても瞬時に対応できるようになります。
広角蹴法の重要な要素として、「膝の掻い込み」が挙げられます。
鼠径部を開くのではなく、足の付け根を思い切りたたむように掻い込みます。
掻い込み方も3種類あります。
①脛を縦に掻い込む
②脛を水平に掻い込む
③脛を斜めに掻い込む
ポイント
①膝頭を顎の高さまで垂直に掻い込む(掻い込み時、体を硬直させない)
②足の付け根が伸び切らない(膝関節と股関節を縮める)
利点
①脛で相手の上段と中段の攻撃をブロック出来る
②脛で相手の中段の攻撃をブロック出来る
練習方法の紹介です。
①ペアとなり、前手を握りあいます。
奥手を顔の前に置き、交互に上段蹴りを出し合います。その際、体を傾けず軸を保つ事がポイントです。
手を握りあえる位の至近距離なので、しっかり掻い込まないと蹴れませんね。
(応用で裏回し蹴りも出来ますね)
②外にステップして蹴る
互いに向かいあい、相手が軽く突いてきた手を外側にステップして掴み、回し蹴りや裏回し蹴りを行う。(追い突き)
慣れてくれば、中段、裏回しと足を下ろさずコンビネーションで極めたいところですね。
③手を握りあい片方が自由に蹴る
互いに向かいあい、手を握った状態で片方が自由に蹴り技を出します。リズム感が養われますね。
3人1組練習
3メートル間隔を空け左右にサイドステップしながら、回し蹴りを行います。
裏回し蹴りや刻み蹴りで応用も出来ますね。左右両方の足で蹴る練習になります。
なかでも面白い蹴りがこれです。
振り子のように足を放りだし、胸まで掻い込み回し蹴りを行います。
タイミングをずらす蹴りです。相手が対応した後、飛んでくる時間差の蹴りです。
膝の掻い込みにより、自分の中段を防御出来るのでカウンターをもらいにくいですね。
これは収穫でした。
もうひとつ、
通常蹴りは軸足を回して蹴りますが、これを90度・180度・軸足スライドの3段階で蹴る練習をします。
90度は、相手の突きも届く間合い
180度は、自分の蹴りの間合い
軸足スライドは、お互いに取って安全な間合い
蹴りが届きそうもない、安全な間合いから軸足スライドで蹴ると届きます。
意表を突いた有効なテクニックですね。
さらにさらに、スピアキック。
受けて側が顔の前に両手を立てます。攻め手側は、正面蹴りの軌道を保ち、蹴る瞬間に回し蹴り(裏回し蹴り)の軌道に変化させます。
これも、軸足の角度ひとつで間合いも変化さすことが出来ます。
イメージは刺す回し蹴り。
後ろ足を相手の外に送り出し、体側線の外からまっすぐに蹴ります。
組手競技は相手が予想出来ない(嫌がる)事をすることで、自分のペースやリズムを掴む事が出来ます。
自分の蹴り技にこれらの技術をプラスアルファする事で、勝率が増すのではないでしょうか。
蹴りは円運動では無く、直線的に蹴りモーションを消します。
一言で表すと、回さない回し蹴りですね。
こんにちは!
競技の達人Vol.2 ステップワークスとスウィッチ練習編「Iの組手からXの組手へ」
ステップとスイッチの練習です。
ステップは膝から下を振り子のように動かし前進・後退します。
号令が鳴るとともに、スイッチも織り交ぜ「利き構え」「逆構え」どちらにも対応していきます。
上手く脱力状態になれていれば、前進する際、つま先は膝よりも前に、後退する時は、つま先は膝よりも後ろ側に着地します。
ポイントは床を蹴ってスイッチするのではなく、膝の抜きで行います。
次に、腰を切ってスイッチすると回転方向に力が働き、その時脱力していれば反発するので、その力を利用して逆突きを入れます。
決して腕の力で突かないようにします。
また蹴りへのコンビネーションとしては中段突きの後、引く力を利用して前足で刻み蹴りへ繋げる事も可能です。
ポイントは引手を取った時、軸足に体重を乗せる事です。そうすれば前足がフリーの状態になります。
応用練習1の紹介では、
1つ目の合図:横方向にスイッチ→前進して逆突き
2つ目の合図:逆方向にスイッチ→後退して刻み蹴り
これを箱型に移動を繰り替えしながら練習します。
応用練習2の紹介では、
相手が攻めて来たことを想定して斜め45度(菱型)に間合いを切ります。
1つ目の合図:後ろ斜め45度にスイッチ→後退して刻み蹴り
2つ目の合図:逆方向の後ろ斜め45度にスイッチ→後退して刻み蹴り
3つ目の合図:斜め前45度方向にスイッチ→前進して逆突き
4つ目の合図:逆方向の前斜め45度にスイッチ→前進して逆突き
直線的なIの組手から、上手く間合いを切り攻撃するXの組手です。練習のレパートリーとして面白いと感じました。
キーワードは斜め45度にスイッチです。
ペア練習による斜角スイッチを体に染みこませれば、試合中イニシアチブを握れるのではないでしょうか。
スイッチワークで重要なことは、アウト(外側)のポジショニングです。外側から繰り出す技を身につければ攻撃に幅を持たす事が出来ます。
従来のIの組手では、相手の技と正面衝突する可能性が生じますが、
競技で勝つ為のXの組手では、正中線を外す事が可能です。
理にかなっているのではないでしょうか。