ブログ
競技の達人3 蹴り編①「広角蹴法・基本編」
こんにちは!
競技の達人Vol.3 蹴り編①「広角蹴法・基本編」
月井先生は、アジアやアフリカでナショナルチームを歴任。競技に勝つ為の理論を、単純明快に実践へと転化し競技力向上を証明されています。
蹴りは、股関節をほぐして体と連動させる必要があります。
・歩きながら、片足を頭の上まで振り上げる。
・歩きながら、回し蹴りを行う感じで、足を掻い込む。(体の横に小さく)
・歩きながら、足を掻い込み内側から大きく稼働させる(回し蹴りと逆の軌道)
・歩きながら、膝を胸まで掻い込み、前方へ大きく放り投げる
・歩きながら、足を振り子のように放り投げ、膝頭を胸まで引き付ける
・歩きながら、膝頭を片足ずつ前・横と掻い込みと同時に軸足をスライド
・歩きながら、回し蹴りと後ろ回し蹴りを連続して行う(膝を抱え込む)
・歩きながら、回し蹴りのあと、一回転して同じ足で再び回し蹴り(テコンドーでよく見ます)
・横向きに立ち、両腕は前後水平に伸ばし足を横に掻い込んだ勢いで軸足をスライド(掻い込んだ時に脛が前方)
・横向きに立ち、前足を前方に出し、連続して蹴りをだしながら軸足をスライド(蹴りながら進む)
・横向きに立ち、一回転しながら後ろ回し蹴りを連続して行う
これだけのメニューを定期的に行えば柔軟性とバランス感覚、そこから導き出される身体の連動性、最大伸縮が期待できます。
準備運動として取り入れるとより効果的ですね。
広角蹴法とは、「蹴りの動作に入ったあと、あらゆる方向に蹴る事が出来る蹴り方」です。
この蹴り方を身に着けると、相手を「点」ではなく「線」で捉えることが出来ます。
相手が移動したり、ブロックしたとしても瞬時に対応できるようになります。
広角蹴法の重要な要素として、「膝の掻い込み」が挙げられます。
鼠径部を開くのではなく、足の付け根を思い切りたたむように掻い込みます。
掻い込み方も3種類あります。
①脛を縦に掻い込む
②脛を水平に掻い込む
③脛を斜めに掻い込む
ポイント
①膝頭を顎の高さまで垂直に掻い込む(掻い込み時、体を硬直させない)
②足の付け根が伸び切らない(膝関節と股関節を縮める)
利点
①脛で相手の上段と中段の攻撃をブロック出来る
②脛で相手の中段の攻撃をブロック出来る
練習方法の紹介です。
①ペアとなり、前手を握りあいます。
奥手を顔の前に置き、交互に上段蹴りを出し合います。その際、体を傾けず軸を保つ事がポイントです。
手を握りあえる位の至近距離なので、しっかり掻い込まないと蹴れませんね。
(応用で裏回し蹴りも出来ますね)
②外にステップして蹴る
互いに向かいあい、相手が軽く突いてきた手を外側にステップして掴み、回し蹴りや裏回し蹴りを行う。(追い突き)
慣れてくれば、中段、裏回しと足を下ろさずコンビネーションで極めたいところですね。
③手を握りあい片方が自由に蹴る
互いに向かいあい、手を握った状態で片方が自由に蹴り技を出します。リズム感が養われますね。
3人1組練習
3メートル間隔を空け左右にサイドステップしながら、回し蹴りを行います。
裏回し蹴りや刻み蹴りで応用も出来ますね。左右両方の足で蹴る練習になります。
なかでも面白い蹴りがこれです。
振り子のように足を放りだし、胸まで掻い込み回し蹴りを行います。
タイミングをずらす蹴りです。相手が対応した後、飛んでくる時間差の蹴りです。
膝の掻い込みにより、自分の中段を防御出来るのでカウンターをもらいにくいですね。
これは収穫でした。
もうひとつ、
通常蹴りは軸足を回して蹴りますが、これを90度・180度・軸足スライドの3段階で蹴る練習をします。
90度は、相手の突きも届く間合い
180度は、自分の蹴りの間合い
軸足スライドは、お互いに取って安全な間合い
蹴りが届きそうもない、安全な間合いから軸足スライドで蹴ると届きます。
意表を突いた有効なテクニックですね。
さらにさらに、スピアキック。
受けて側が顔の前に両手を立てます。攻め手側は、正面蹴りの軌道を保ち、蹴る瞬間に回し蹴り(裏回し蹴り)の軌道に変化させます。
これも、軸足の角度ひとつで間合いも変化さすことが出来ます。
イメージは刺す回し蹴り。
後ろ足を相手の外に送り出し、体側線の外からまっすぐに蹴ります。
組手競技は相手が予想出来ない(嫌がる)事をすることで、自分のペースやリズムを掴む事が出来ます。
自分の蹴り技にこれらの技術をプラスアルファする事で、勝率が増すのではないでしょうか。
蹴りは円運動では無く、直線的に蹴りモーションを消します。
一言で表すと、回さない回し蹴りですね。
競技の達人2 ステップワークスとスウィッチ練習編「Iの組手からXの組手へ」
こんにちは!
競技の達人Vol.2 ステップワークスとスウィッチ練習編「Iの組手からXの組手へ」
ステップとスイッチの練習です。
ステップは膝から下を振り子のように動かし前進・後退します。
号令が鳴るとともに、スイッチも織り交ぜ「利き構え」「逆構え」どちらにも対応していきます。
上手く脱力状態になれていれば、前進する際、つま先は膝よりも前に、後退する時は、つま先は膝よりも後ろ側に着地します。
ポイントは床を蹴ってスイッチするのではなく、膝の抜きで行います。
次に、腰を切ってスイッチすると回転方向に力が働き、その時脱力していれば反発するので、その力を利用して逆突きを入れます。
決して腕の力で突かないようにします。
また蹴りへのコンビネーションとしては中段突きの後、引く力を利用して前足で刻み蹴りへ繋げる事も可能です。
ポイントは引手を取った時、軸足に体重を乗せる事です。そうすれば前足がフリーの状態になります。
応用練習1の紹介では、
1つ目の合図:横方向にスイッチ→前進して逆突き
2つ目の合図:逆方向にスイッチ→後退して刻み蹴り
これを箱型に移動を繰り替えしながら練習します。
応用練習2の紹介では、
相手が攻めて来たことを想定して斜め45度(菱型)に間合いを切ります。
1つ目の合図:後ろ斜め45度にスイッチ→後退して刻み蹴り
2つ目の合図:逆方向の後ろ斜め45度にスイッチ→後退して刻み蹴り
3つ目の合図:斜め前45度方向にスイッチ→前進して逆突き
4つ目の合図:逆方向の前斜め45度にスイッチ→前進して逆突き
直線的なIの組手から、上手く間合いを切り攻撃するXの組手です。練習のレパートリーとして面白いと感じました。
キーワードは斜め45度にスイッチです。
ペア練習による斜角スイッチを体に染みこませれば、試合中イニシアチブを握れるのではないでしょうか。
スイッチワークで重要なことは、アウト(外側)のポジショニングです。外側から繰り出す技を身につければ攻撃に幅を持たす事が出来ます。
従来のIの組手では、相手の技と正面衝突する可能性が生じますが、
競技で勝つ為のXの組手では、正中線を外す事が可能です。
理にかなっているのではないでしょうか。
競技の達人1 基本編「脱力とシンクロニゼーション」
こんにちは!
競技の達人のご紹介です。
月井 新先生の組手競技力向上のDVDです。
競技の達人Vol.1 基本編「脱力とシンクロニゼーション」
1巻では月井理論の基礎となる脱力とシンクロニゼーションを中心とした練習メニューを紹介されています。
パワーとスピードを重視した空手では、国際大会において海外の強豪選手に勝てなくなる時代が来ると感じ
空手道の基本を根本から見つめ直し2つの法則を立てられました。
・膝の抜きによる瞬間脱力
・脱力によって可能となる重心の移動
この二つの観点から1巻は構成されています。
脱力による空手を構築出来れば負けない空手が実現できると語られています。
練習では、膝を瞬間的に脱力すると骨盤が前方向にスライドします。落下により、前に出る力を利用して前屈立ちの追い突きを行います。
決して筋力で行うのではなく、脱力した力(前に出る推進力)を利用して極めます。この理屈は移動基本でも当てはまりますね。
大臀筋とハムストリングスの中間部を意識して締めると、後ろ膝が自然に伸びて極めが強くなるようです。
これは知りませんでした。
横移動突きでは、左右片方の膝を横に脱力し反対の足を引き付けて移動します。スキーの「ターン」をする感じですね。
なじみの無い練習方法でしたが、膝の脱力と重心移動を使う事で極めが強くなるトレーニングでした。
次に「斜角突き」斜め45度方向に骨盤をぶつける感覚で突きを出します。腰を回して突くと脇が空き、突きの軌道がカーブを描いてしまいます。
DVDではペアで向かいあい、フルスピードで突きを出していました。
同じ理屈で「斜角回し蹴り」もありました。ペア練習する事で体が流れる事を防止でき軸をまっすぐに保つ練習に繋がります。
かなりレベルが高い練習でしたが。
次に、「シンクロニゼーション」。シンクロをテーマに相手に合わせて技を出す練習方法です。
逆突きや刻み突きの相打ち、ワンツーに合わせる逆突きで反応力を高めます。
注意点が2つあります。
①ゆっくりとしたペースで決して全力は出さない。
②動作を止めない。
ペアとなり、攻め手と受け手、事前に出す技を決めておきます。
攻め手は、フェイントを織り交ぜながら自分のタイミングで技を出します。
受け手は、必ず相打ちのタイミングで同じ技を返します。
応用練習では、攻め手がワンツー・受け手はワンとツーの間を狙ってカウンターを取ります。
こうやってカウンターのタイミングを計るんですね。久々に観ましたが勉強になります。
反応を高める練習方法では、攻め手が前後左右に動き、またフェイントを混ぜながら一瞬胸を開きます。その瞬間受け手は技を仕掛けます。
これも良い練習方法ですね。反応力が劣るとなかなかポイントを奪えませんので必要な練習と言えます。
お手本は、現フィリピンナショナルチーム所属の月井 隼南選手でした。
松久 功チャンピオンセミナー 「蹴り」
こんにちは!
松久 功チャンピオンセミナー
-あと少し、もう少しが実現する!全ての可能性が叶う心技体の作り方-
「蹴り編」
突きと同じで蹴りも、モーションが大きいとどんなに速い蹴り、強い蹴りでも
距離を詰められる・バックステップでかわされる・蹴り足をキャッチされる等、様々な反応をされてしまいます。
練習メニュー①:「上半身を使わない蹴り」
2人1組でペアを組み、お互いの前手を握ります。奥手は自分の襟を掴んだ状態で、交互にスローモーションで中段・上段・裏回しと足を下ろさず蹴りの練習をします。
ここで大事なのが、
①体を開かない(襟を掴む事で上半身の開きを防ぎます)
②しっかりと膝を抱え込む
③抱えた膝は身体の枠の中で動かす
練習メニュー②:「軸足のスライドで蹴る」
これもペアとなり、前膝を上げたタイミングで前方にスライドし、ペア相手はバックステップします。これを交互にリズム良く続け感覚を身につけます。
練習メニュー③:「裏回し蹴り」
蹴り終わりの引き足が大事で、ヌンチャクのイメージです。
練習方法の紹介では、壁に背中をつけ足裏を使って壁をトントンします。
注意するポイントとしては、踵ではなく親指で触れるように行う事です。
もう一つ、蹴り(縦軌道)を膝下を放り出す感じで出し、引き足を横軌道に変化させます。膝下を柔らく使えるとヌンチャクに近づくかと思います。
自在に操れるようになるまで訓練が必要ですね。
練習メニュー④:「サソリ蹴り」
・うつ伏せに寝転がり両手を横に広げます。視線は蹴る方向へ向け、反動をつけて爪先で拳サポを触ります。
・うつ伏せの状態から両肘と両膝をつけ後方へ蹴り込みます。引き足を自分の後頭部めがけて反動をつけて蹴ります。
・ペアで相手の肩を持ち、足を振り子のように動かしお辞儀のしながら爪先で相手に向けてサソリ蹴りの練習をします。
蹴る瞬間に視線は相手に向けること。視線が無ければ、蹴りが強打してしまい反則を取られてしまいますので注意が必要です。
最後に、松久先生のメッセージです。
一流の選手は、休憩の時間を有効に使います。
・体を休める時間
・体をほぐす時間
・習った技を復習する時間
・水分を取る時間
ボケっとしたり、おしゃべりに時間を費やす事はありません。
松久 功チャンピオンセミナー 「突き」
こんにちは!
松久 功チャンピオンセミナー
-あと少し、もう少しが実現する!全ての可能性が叶う心技体の作り方- 「突き編」
拳をグッと握ったままだと力みが生じ突きのスピードは遅くなります。
なので握りを軽くするだけでもスピードは上がります。
この辺りの事はたいていの場合、試合や稽古を重ねる中で自然と気づいていく事だと思います。
更に突きのスピードを上げる方法として、「薬指を走らせる」突きを説明されています。
肘を開かず、瞬間的に捻りながら薬指を走らすと肩甲骨が連動するので、しなやかで長い突きが出せるという訳です。
次に相手にバレない突き方の説明です。
突く時に自分の癖が無いかをチェックです。
「何か来るっ!」と相手が察知するとカウンターを合わされたり、距離を取られてしまい自分の組手が出来なくなります。
ここでいう突く瞬間に起きる自分の癖とは、
①攻撃する気満々の気配
②肩が上がった動き
③息を吸い込んだり呼吸を止めたり
④前手が落ちたり
⑤手を引いたり
を指します。
これらを取り除く練習ですが2人1組となり、突きが届く距離で、お互い平行立ちとなります。
顔の前で手の甲を相手に向け、肘のスナップで裏打ちの要領で飛ばします。
ペア相手は、飛んで来た突きをパーリングでかわします。
力みがあると、予備動作が入るので難なくかわせますが、ノーモーションだと面白いように技が入ります。
これは、簡単に癖を取る非常に効果的な練習方法だと思いました。ゲーム感覚で行えるのも良いですね。
松久先生は、自分が長く現役を続けられたのは、相手にバレない組手を追求したからと仰ってました。
「チャンスメイク」では、攻防を2人同時に行います。上体だけを動かすのではなく、股関節を緩め下半身主導で動き、その中で相手にタッチします。
ここで大事なのが、「動きながら」の部分。かわしながら・よけながら・しゃがみながら・飛びながら・回転しながらです。
ここぞの場面で、攻撃に間が生じてはチャンスを逃してしまいます。
意図をくみ取って稽古すれば、組手の駆け引きと、攻撃の入りが上手くなるなと感じました。
さすがですね、セミナーでは大人から子供まで幅広い年齢層が数多く集まっていますが、
大事な事を飽きさせず楽しみながらレクチャーされています。
指導の引き出しの多さを感じました。








