こんにちは!
競技の達人のご紹介です。
月井 新先生の組手競技力向上のDVDです。
競技の達人Vol.1 基本編「脱力とシンクロニゼーション」
1巻では月井理論の基礎となる脱力とシンクロニゼーションを中心とした練習メニューを紹介されています。
パワーとスピードを重視した空手では、国際大会において海外の強豪選手に勝てなくなる時代が来ると感じ
空手道の基本を根本から見つめ直し2つの法則を立てられました。
・膝の抜きによる瞬間脱力
・脱力によって可能となる重心の移動
この二つの観点から1巻は構成されています。
脱力による空手を構築出来れば負けない空手が実現できると語られています。
練習では、膝を瞬間的に脱力すると骨盤が前方向にスライドします。落下により、前に出る力を利用して前屈立ちの追い突きを行います。
決して筋力で行うのではなく、脱力した力(前に出る推進力)を利用して極めます。この理屈は移動基本でも当てはまりますね。
大臀筋とハムストリングスの中間部を意識して締めると、後ろ膝が自然に伸びて極めが強くなるようです。
これは知りませんでした。
横移動突きでは、左右片方の膝を横に脱力し反対の足を引き付けて移動します。スキーの「ターン」をする感じですね。
なじみの無い練習方法でしたが、膝の脱力と重心移動を使う事で極めが強くなるトレーニングでした。
次に「斜角突き」斜め45度方向に骨盤をぶつける感覚で突きを出します。腰を回して突くと脇が空き、突きの軌道がカーブを描いてしまいます。
DVDではペアで向かいあい、フルスピードで突きを出していました。
同じ理屈で「斜角回し蹴り」もありました。ペア練習する事で体が流れる事を防止でき軸をまっすぐに保つ練習に繋がります。
かなりレベルが高い練習でしたが。
次に、「シンクロニゼーション」。シンクロをテーマに相手に合わせて技を出す練習方法です。
逆突きや刻み突きの相打ち、ワンツーに合わせる逆突きで反応力を高めます。
注意点が2つあります。
①ゆっくりとしたペースで決して全力は出さない。
②動作を止めない。
ペアとなり、攻め手と受け手、事前に出す技を決めておきます。
攻め手は、フェイントを織り交ぜながら自分のタイミングで技を出します。
受け手は、必ず相打ちのタイミングで同じ技を返します。
応用練習では、攻め手がワンツー・受け手はワンとツーの間を狙ってカウンターを取ります。
こうやってカウンターのタイミングを計るんですね。久々に観ましたが勉強になります。
反応を高める練習方法では、攻め手が前後左右に動き、またフェイントを混ぜながら一瞬胸を開きます。その瞬間受け手は技を仕掛けます。
これも良い練習方法ですね。反応力が劣るとなかなかポイントを奪えませんので必要な練習と言えます。
お手本は、現フィリピンナショナルチーム所属の月井 隼南選手でした。
こんにちは!
松久 功チャンピオンセミナー
-あと少し、もう少しが実現する!全ての可能性が叶う心技体の作り方-
「蹴り編」
突きと同じで蹴りも、モーションが大きいとどんなに速い蹴り、強い蹴りでも
距離を詰められる・バックステップでかわされる・蹴り足をキャッチされる等、様々な反応をされてしまいます。
練習メニュー①:「上半身を使わない蹴り」
2人1組でペアを組み、お互いの前手を握ります。奥手は自分の襟を掴んだ状態で、交互にスローモーションで中段・上段・裏回しと足を下ろさず蹴りの練習をします。
ここで大事なのが、
①体を開かない(襟を掴む事で上半身の開きを防ぎます)
②しっかりと膝を抱え込む
③抱えた膝は身体の枠の中で動かす
練習メニュー②:「軸足のスライドで蹴る」
これもペアとなり、前膝を上げたタイミングで前方にスライドし、ペア相手はバックステップします。これを交互にリズム良く続け感覚を身につけます。
練習メニュー③:「裏回し蹴り」
蹴り終わりの引き足が大事で、ヌンチャクのイメージです。
練習方法の紹介では、壁に背中をつけ足裏を使って壁をトントンします。
注意するポイントとしては、踵ではなく親指で触れるように行う事です。
もう一つ、蹴り(縦軌道)を膝下を放り出す感じで出し、引き足を横軌道に変化させます。膝下を柔らく使えるとヌンチャクに近づくかと思います。
自在に操れるようになるまで訓練が必要ですね。
練習メニュー④:「サソリ蹴り」
・うつ伏せに寝転がり両手を横に広げます。視線は蹴る方向へ向け、反動をつけて爪先で拳サポを触ります。
・うつ伏せの状態から両肘と両膝をつけ後方へ蹴り込みます。引き足を自分の後頭部めがけて反動をつけて蹴ります。
・ペアで相手の肩を持ち、足を振り子のように動かしお辞儀のしながら爪先で相手に向けてサソリ蹴りの練習をします。
蹴る瞬間に視線は相手に向けること。視線が無ければ、蹴りが強打してしまい反則を取られてしまいますので注意が必要です。
最後に、松久先生のメッセージです。
一流の選手は、休憩の時間を有効に使います。
・体を休める時間
・体をほぐす時間
・習った技を復習する時間
・水分を取る時間
ボケっとしたり、おしゃべりに時間を費やす事はありません。
こんにちは!
松久 功チャンピオンセミナー
-あと少し、もう少しが実現する!全ての可能性が叶う心技体の作り方- 「突き編」
拳をグッと握ったままだと力みが生じ突きのスピードは遅くなります。
なので握りを軽くするだけでもスピードは上がります。
この辺りの事はたいていの場合、試合や稽古を重ねる中で自然と気づいていく事だと思います。
更に突きのスピードを上げる方法として、「薬指を走らせる」突きを説明されています。
肘を開かず、瞬間的に捻りながら薬指を走らすと肩甲骨が連動するので、しなやかで長い突きが出せるという訳です。
次に相手にバレない突き方の説明です。
突く時に自分の癖が無いかをチェックです。
「何か来るっ!」と相手が察知するとカウンターを合わされたり、距離を取られてしまい自分の組手が出来なくなります。
ここでいう突く瞬間に起きる自分の癖とは、
①攻撃する気満々の気配
②肩が上がった動き
③息を吸い込んだり呼吸を止めたり
④前手が落ちたり
⑤手を引いたり
を指します。
これらを取り除く練習ですが2人1組となり、突きが届く距離で、お互い平行立ちとなります。
顔の前で手の甲を相手に向け、肘のスナップで裏打ちの要領で飛ばします。
ペア相手は、飛んで来た突きをパーリングでかわします。
力みがあると、予備動作が入るので難なくかわせますが、ノーモーションだと面白いように技が入ります。
これは、簡単に癖を取る非常に効果的な練習方法だと思いました。ゲーム感覚で行えるのも良いですね。
松久先生は、自分が長く現役を続けられたのは、相手にバレない組手を追求したからと仰ってました。
「チャンスメイク」では、攻防を2人同時に行います。上体だけを動かすのではなく、股関節を緩め下半身主導で動き、その中で相手にタッチします。
ここで大事なのが、「動きながら」の部分。かわしながら・よけながら・しゃがみながら・飛びながら・回転しながらです。
ここぞの場面で、攻撃に間が生じてはチャンスを逃してしまいます。
意図をくみ取って稽古すれば、組手の駆け引きと、攻撃の入りが上手くなるなと感じました。
さすがですね、セミナーでは大人から子供まで幅広い年齢層が数多く集まっていますが、
大事な事を飽きさせず楽しみながらレクチャーされています。
指導の引き出しの多さを感じました。
こんにちは!
松久 功のベスト空手 -蹴り編-です。
突きと同じで、基本的な技がだせる前提です。
動きの中でチャンスを探り相手が、いついた(固まった状態)瞬間を狙います。その中で面白そうな技をシェアします。
まずは刻み蹴り(前足の蹴り)です。
後ろ足を寄せて蹴る(2挙動)パターンと後ろ足をスライドしながら蹴る(1挙動)のパターンがありますが共通することは
・上半身は固定する(構えは崩さない)
・膝を抱え込む(相手の枠の中で)
・太ももの誘導
・膝下を柔らかく”ヌンチャク”のように
注意するポイントですがアウトエッジ(足の外側)に引き付け、蹴る瞬間体を開くと説明されています。
予備動作で体が開くと気づかれてしまい、カウンターを取られます。
蹴る瞬間に軸足の踵を相手に向けると、骨盤が開くので飛距離が伸びる蹴りが出すことが出来ます。
(要するに相手の突きが飛んでこない、自分にとって安全な距離で蹴り技が出せます)
刻み蹴りには、「裏回し蹴り」もあります。
蹴るコツは、親指の腹を当てるイメージで蹴れば相手の上段ガードを搔い潜れるようです。
次の技は後ろ足の裏回し蹴りです。
技に「おこり」があれば、相手に察知され距離を取られたり反撃されたりします。
なので上半身の情報(おこり・モーション)により、相手は何かくるっ!と察知します。
ここでいう上半身の情報とは、
・体が倒れる
・体が開く
・手が下がる
事を指します。相手の体の中で膝を素早く抱え込み、ちっちゃく折りたたんで大きく開放します。
(モーションに関しては全ての攻撃に共通します)
裏回しのバリエーションには、接近戦もありました。
相手と組み合った至近距離で、すばやく相手の襟を掴み引き付けることで、相手の体が崩れます。
体勢が崩れたら目線も下がるので、前足で裏回し蹴りを決めるというものでした。
アクロバティックな技では、回転しながらの「後ろ回し蹴り」がありました。
試合で決めるには相当難しいと感じましたが、、
背中から回り目線を早く相手に向けます。回りながら膝を抱え込みことが一番のポイントですが、
動作が大きいので、回転しながら前で蹴ることが重要です。
次は中段蹴りです。
単発で蹴り技を決めることは、なかなか難しいですが(相手も警戒するし動いてるので)、予想の上をいく攻撃が出せればポイントを奪取する確率が高まります。
難易度高めですが、トリッキーな技の紹介でこんなのがありました。
①あえて大きいモーションで上段蹴りにいくふりを見せ、中段に落として蹴る。
膝を体の外に開いて上段蹴りの軌道に見せれば、釣られて相手は上段をガードします。そこで空いたお腹をペチンと蹴る技でした。
②相手のガードした手を利用した中段蹴り
上段裏打ちの手を残したまま(相手はガードをあげた状態)、手だけ持っていって体の反転で中段を蹴ります。(文章では伝えにくい、、)
相手のガードが空いているし、自分自身の手が邪魔で蹴りが見えない利点があります。
しっかり裏打ちを見せることで、相手の体がガードする為に浮きます。浮くことで中段にスペースが生まれるという理屈です。
③失敗にみせかけての中段蹴り
あえて遠間から、相手に届かない中段回し蹴りを見せます。空振りした足でスライドして中段蹴りです。
バリエーション違いで裏回しにも移行できそうです。
上段蹴り
①スウェイバックからの上段蹴り
フットワークの中で、自分の顔を相手に差し出します。相手はチャンスだと感じ攻撃を仕掛けてきたら、スウェイバックしながら、上段蹴りを決めます。
コツは、スウェイで上体を戻した反動で膝を抱え込みます。相手は攻撃中につきガードが無い状態の中でのカウンター技です。
※スウェイバックとはボクシングのテクニックで、膝の抜き差しで上体を後ろに倒しパンチを避ける技です。
②上段縦蹴り
膝から下を相手に放り投げる要領で、股関節の外旋で相手の上段に縦に落とします。
相手の両手の隙間をめがけて縦蹴りします。ポイントは膝の抱え込みのあと、横軌道から縦軌道に変えることです。
グラウべ フェイトーザ選手のブラジリアンキックと同じでしょうか。
③サソリ蹴り
3パターン紹介されています。至近距離からの技であることは共通ですが、
・掴んで上体を下げさせて決めるサソリ蹴り
・相手の攻撃をダッキングで潜ってからのサソリ蹴り
・投げからの変化で決めるサソリ蹴り
が紹介されています。
このDVDで松久先生は、一つひとつの動作を論理的に説明してくれます。頭で理解出来たあと、ゆっくりのスピードで技の見本を左右方向を入れ替えながら行い、最後に本番さながらのスピードでテクニックを披露します。
年々凄いスピードで進化する組手競技ですので、ここで紹介されているテクニックは古いものかもしれません。
しかし基本技を習得したお子さんが、もうワンランク上を目指したいという場合には持ってこいだと思います。
※ ペアは最後の最後まで東京オリンピック67㌔級代表の座を争った、篠原 浩人選手です。
こんにちは!
サソリ蹴りでおなじみの松久 功先生のDVDです。
ここでは、いろんな突き・蹴り・フットワークが紹介されています。
松久 功のベスト空手 -突き編-です。
先生本人のコメントにもありますが、固定観念に捉われない。自由な発想で技を繰り出さないといけないと仰られています。
DVDを観てもらえば、その意味が分かると思います。ゼロ距離(間合い無し)で上段刻み蹴りを出したりします。
普通なら、至近距離で蹴りが飛んで来るとは想定できないと思います。
内容は組手の基本が出来ていることが前提で、攻撃のバリエーションUPが目的です。なので初歩的な技には触れません。
相手の予測出来ない動きが一つでも二つでもあれば、試合の中でイニシアチブが握れるかと思います。
ノーモーションの説明では、脇や肩を動かさず動作の無い状態で手から入り、膝の移動だけで突きます。
つまり、突く瞬間の予備動作「おこり」が無い突きをノーモーションと呼んでいます。
相手にバレない、ツーステップのワンツーについて。
通常のワンツーでは、踏み込みを1:1とすると、松久先生のワンツーは0.5:1.5で入るとのこと。
最初の踏み込みが大きいと相手に反応されるが、入りを0.5にすると相手は距離感がズレ、迷いが生じてしまい反応が遅れてしまう。(チャンス到来)
突き方の説明についてですが、人差し指と中指で突くのではなく、薬指を飛ばす感覚で突けるようになれば、「2センチ」距離が伸びるそうです。
薬指を飛ばすと、捻りの要素が加わりますので、肩甲骨が開く感覚ですね。
組手では、どちらの突きが速く相手に到達するかを競う競技ですので、肩甲骨を開く事で距離を伸ばすことは理にかなっていると感じました。
(似た体型の選手が同じタイミングで差し合いした場合、2センチの差で勝ちますね)
他にも面白いと感じたテクニックですが、「逆体」相手に対し、お互い外の取り合いをしますが(前足を引っ掛けて倒せるので)、あえて相手に外を取らせ
自分の突きは相手前拳の外側から突くというもの。 当然、技に入る前の「仕掛け」は必要ですが。
相手前拳の内側をフェイントを入れつつチョンチョンしながら距離を測り、気付いた時には相手の間合いに入ってる感じです。
「スイッチ刻み」や「ロケット逆突き」等、技のデパートといった感じです。
研究に研究を重ねた自身の技を惜しみなく披露されています。
一見の価値ありです。