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2022-05-27 10:15:00

競技の達人11 「カニ組手習得法編」

こんにちは!

競技の達人Vol.11 「カニ組手習得法編」

 

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現在、世界の主流となる「カニ組手」。

真横に構えサイドステップで戦います。通常の半身での構えに比べ多くのメリットがあります。運足に関してはフェンシングが参考になります。

 

 

カニ構えの特徴

 

①的が小さくなる

真横に構える事で、中段が狭くなり攻撃されにくくなる

 

②距離を稼ぐことが出来る

相手の突きは届かなくなり、自分の突きはより遠くに届くようになる

 

③攻める時に危険な時間帯が少ない

真横に構えると突く瞬間しか身体が開かない

 

④力負けしない

カニ構えだと指一本で押し勝つことが出来る(ようです)

 

⑤運足が速くなる

逃げる方がエビ構え(真身)、追う方がカニ構え(真半身)の場合、すぐに追いつける

 

 

構え方

 

①つま先の角度

やや浅めの四股立ち。つま先は90度開き、後ろのつま先は少なくとも真横か後ろに向ける

 

②上半身

前腕は必ず縦に構え、肩甲骨を寄せる

 

③運足

膝から下で移動できるように心がける

 

 

引き手を利用する

 

①突いた後、強く引き手を取り、相手との間をとり反撃を断つ

この時、股関節の外旋を使うことで間を切る速さが上がります。(間を切る足は、前足から)

 

②回り込み方は、中段逆突きをした後、引き手を利用して後ろ足を外側に開き、その後に前足を引く

回り込むことで相手の反撃を避けながら、前足での裏回しが容易に出せます。 なるほど良く出るコンビネーションですが、後ろ足の使い方は意識してなかったですね。

 

 

基本練習方法

カニ組手を行うには、上半身と下半身のバランスがもっとも重要です。いくつか練習方法を紹介します。

 

・後ろの腰に壁を前足から踏み込む(足を踏み出した時、身体が一緒に動かないように注意する)

・後ろ足の太ももを内旋し、腰を切って突く(腰が入れば自然に遠くまで突くことが出来ます)

・突いた後、肘と太ももで戻る

 

ツーステップの入り方をいろんなパターンで紹介されています。

・1歩目を浅く入り、2歩目を深く入る

1歩目を深く入り、2歩目を浅く入る

・1歩目をゆっくり入り、2歩目を早く入る

・1歩目で一瞬止まり入らないと思わせて、2歩目で早く入る(タイミングをズラす)

 

中段突きひとつをとっても、これだけ入り方に変化をもたらす事が出来れば、相手はどんどん戦いにくくなりイニシアチブを握りれるのではないでしょうか。 

2022-05-26 12:15:00

【糸東会】糸東流空手形全集 第4巻

こんにちは!

空手形全集 Vol.4です。収録形は、

1・三戦(サンチン)

2・転掌(テンショウ)

3・十八(セーパイ)

4・壮鎮(ソウチン)

5・二十八歩(ニーパイポ)

 

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東恩納系(那覇手)の基本形である、三戦。体、手、脚の締め・呼吸の呑吐を習練します。三戦立ちは、ゆらゆら揺れる電車内では特に有効です。

剛柔流のイメージが強い形ですね。

 

剛柔流 第1指定形であるセーパイ。糸東会のそれとは、少し異なります。剛柔の演武線は斜めが入りますが、こちらは真横です。剛柔の指定形で覚えましたので混乱した覚えがあります。

他にも、倒した相手を諸手突きする挙動がありますが、DVDでは「中高一本拳」です。剛柔では「弁足立ち」糸東会では「公差立ち」なんかも違いますね。

逆技を使った倒し、関節技など接近戦での護身術として効果的な技が含まれています。緩急の動作がリズミカルで随分練習した形です。

 

壮鎮は松濤館流のイメージが強いですね。「緩」と「急」・「動」と「静」加えて躍動感溢れる技法が求められる形ですね。

 

ニーパイポは中国拳法の使い手・呉 賢貴より直接流祖に伝えられました。

一本拳による攻撃や四本貫手、肘固め、肘繰り受け、差し手、掬い受けや押え受け等技が豊富で打っていて楽しい形ですね。

糸東流 第2指定形です。

2022-05-25 09:15:00

競技の達人10 「縦横無尽!三次元の蹴り習得法編」

こんにちは!

競技の達人Vol.10 「縦横無尽!三次元の蹴り習得法編」

 

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技術の進化により多様化する蹴り技。思いがけない距離や角度、タイミングで蹴る選手が世界には多数存在します。

 

突き蹴りの基本は、やはり股関節と肩甲骨の可動域を円滑に動かせることが条件に挙げられます。

肩甲骨を柔らかく使うことが出来れば、突きの距離も伸びキレが増します。(キレの無い突きは旗が上がりにくい)

 

蹴りの上達に欠かせない要素を細かく分けて説明されていますのでご紹介してみます。

 

 

①股関節の可動域を広げる1 (2人1組になり、一人が寝ころび、パートナーが足の付け根に立ちます)

1:片足を抜き身体の真横に持っていき足の裏をつけます(パートナーが障害物となりぶつからないように)

2:膝から足を反対側に回し、最後に足を伸ばしてつま先でタッチします

3:踵から足を曲げて1の状態に戻ります

4:足をパートナーの足の間に入れ、両足を揃え元の状態に戻します。

 

②股関節の可動域を広げる2 2人1組になり、一人が横向きに寝ころび、パートナーが足の付け根に立ちます)(固定式基本の回し蹴りの軌道です)

1:ゆっくり膝から足を回し、足を伸ばしながら前方の床をつま先でタッチします

2:踵から戻すようにし元の体制になります

 

③股関節の可動域を広げる3 (イスの横に立ち蹴る側の手でイスを持ちます)

1:膝をたたんだままイスに触れた手の裏まで掻い込み、手をイスから離すと同時に足を回します

 

④軸足股関節の運動

1:前足を胸まで掻い込み、軸足でスライドさせ前進します

(股関節の動きは肩甲骨と連動しているので肩甲骨の開閉も意識すること)

 

⑤膝を抱え込みながらのスライドステップする

1:軸足のつま先を後ろに向け、抱え込んだ膝が前を向くように

 

⑥スライドステップしながら蹴る

1:⑤の要領で前進しながら回し蹴り

 

⑦軸足股関節の内外旋で移動する

1:前足の膝をたたんで、軸足股関節の内外旋で移動します(軸足のつま先は、横↛後ろ↛横↛後ろとなるように)

 

⑧股関節の内外旋で回し蹴りをする

1:股関節を外旋させた時に、回し蹴りを行い、内旋させた時に蹴り足を引き込みます

 

 

蹴る時の姿勢のおさらいです。

背中を丸く構えてしまうと、蹴った時お尻が飛び出てしまいます。(前足裏回し蹴りの時が分かり易いかも)

逆に、肩甲骨を寄せて(胸を出すような感じ)構えると上手く(キレイなフォーム)蹴れます。

 

 

ここから縦回転の蹴りです。

蹴りで大切なのは、蹴り足では無く軸足です。軸足の内旋や外旋をコントロールする事によって、三次元的な蹴りが出せると説明されています。

 

①脚上げ

1:足を真上に振り上げながら前進します(膝と足首を伸ばし足が真っすぐになるように蹴り上げる)

 

②膝を掻い込んで蹴り上げる

1:膝を思いっきり曲げ胸に寄せ、前方に放り出します(肩甲骨を柔軟に使うことで足の曲げ伸ばしがスムーズになる)

 

③軸足股関節で蹴りの角度を変える

1:膝を胸まで掻い込んで真上に振り上げた後、足を振り下ろす時に軸足股関節を外旋させます(外旋させると軌道が変わり足を斜めに振り落とす事が出来る)

 

④足を前方に振り上げる

1:全身をリラックスさせつま先を胸の高さまで連続して振り上げます。

 

⑤縦蹴り

1:足を前方に振り上げ、蹴り足の膝を投げながら、軸足の股関節を外旋させると縦回転の回し蹴りになる(リングス オランダのハンスナイマン選手の必殺技)

 

注意点:

蹴り足に絶対力を入れてはいけません。股関節の使い方が分かる様にならば、蹴り足に一切力を入れずとも強くてしなやかな蹴りが出せると言います。

身体が柔らかい子供のうちに、根本的な動きを覚える事が理想的だと説明されていました。

 

 

素早く且つバランス良く蹴るには肩と腰の使い方が重要です。(肩と腰を分離して動かす)

後ろ回し蹴りの基礎です。

 

1:肘で打つ

構えたところから、正面に目標を設定し、そこを肘で打つように半回転します

 

2:膝を掻い込む

次に一回転しながら、膝を出来るだけ高く掻い込みます

 

3:後ろ回し蹴り

蹴り足のちからではなく、回転力で自然に蹴り足が伸びる感覚で蹴ります。順序としては、肩↛腰↛膝↛足の順で回転していきます

 

2人1組のパートナー練習です。

回し蹴り → 後ろ回し蹴り

 

1・パートナーに拳サポを顔の前に合わせて立ってもらい、拳サポに回し蹴りをし、同じ足で後ろ回し蹴りを行います。

この蹴りのコンビネーションを素早く行うには、肩と腰のタイミングに注意することです。

後ろ回し蹴りを出す上で最も大切なことは、上半身をリラックスさせることです。

特に連続した蹴りを出す場合、身体が力んで緊張していると鞭のようなしなやかな蹴りは出せません。

 

 

試合中、確実に蹴りを極めるには足先の感覚を磨くことが重要です。速く・細く蹴ることで足先の感覚を身に着けることが出来ます。(筋肉を細かく使う)

動いている相手に対して、距離を合わせる・タイミングを合わせる事を示しています。

 

①裏回し蹴りのダブル

パートナーに拳サポを顔の横に並べて構えてもらい、裏回し蹴りを連続で行います

 

②連続蹴り

パートナーと手を繋ぎ、連続して蹴ります。(中段・上段・裏回し)

 

蹴りの軌道が突然変化すると試合中、相手は混乱することでしょう。

月井先生の教えを、実践している生徒たちの動きに驚きの連続です。

一見の価値ありです。

2022-05-24 12:15:00

【糸東会】糸東流空手形全集 第3巻

こんにちは!

 

空手形全集 Vol.3です。収録形は、

1・公相君大(コウソウクン ダイ)

2・公相君小(コウソウクン ショウ)

3・四方公相君(シホウ コウソウクン)

4・鎮東(チントウ)

 

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4つとも首里手の形で構成されています。 キレ良く動くことは出来ませんが、当時熱心に練習していましたので今でも身体がしっかりと覚えています。

 

公相君(コウソウクン)という名称は、この形を伝えた支那の武官、公相君(クーサンクー)の名に由来するとされています。

四方公相君は首里手の糸洲安恒先生から、流祖・摩文仁賢和先生に伝授されています。

四方八方からの敵を仮想して、多方面からの様々な攻撃を捌き、受けて反撃するもので変化に富んでいます。

 

公相君シリーズはジャンプする挙動が含まれていますが、糸東会では飛びません。(谷派は飛びますが)

 

鎮東(チントウ)は、和道流の第一指定形のイメージが強いのではないでしょうか。松濤館流では、岩鶴(ガンカク)と呼びます。流派が違えば名称も異なりますし、更には立ち方までも変わります。理由は、伝承された人の受け取り方(解釈の違い)だそうです。なのでどれも「正解」と聞いたことがあります。 ※全空連指定形はひとつです。

 

後半、片足立ちでの攻防、体軸も回転による技法の変化等、随所に難度の高い技が数多く含まれています。

軽快で敏捷な動きと技の緩急・力の強弱・加えて重心の安定が特に求められる難しい形です。

2022-05-23 07:15:00

競技の達人9 「足払いと中段蹴り編」

こんにちは!

競技の達人Vol.9 「足払いと中段蹴り編」

 

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足払いは小学生の間は反則ですが、DVDで紹介されていますので触れてみます。

蹴りや足払いは力任せで出していては、相手にケガをさせてしまいます。また正面から強引に入ってはカウンターの餌食になります。

効率的にこれらの技を出すための、身体操作の基礎を紹介します。

 

足払いの基本は、股関節の外旋で軸足をスライドさせ足を飛ばします。

 

 

2人1組で股関節運動を行うエクササイズを紹介します。

 

1-1:お互い向かい合い、前屈立ち逆突きの構えから手を繋ぎます。

1-2:腰を切って後屈立ちとなり、突いていた手を引き、引いていた手を出します。

1-3:再び腰を切って前屈立ちになり逆突きの構えに戻ります。

これをイチの号令で、後屈立ち。二の号令で前屈立ちに戻ります。

応用ですが、イチの号令で後屈立ち→前屈立ちと連続で2回腰を切ります。

 

 

一人で出来る、前屈立ち↔後屈立ちのエクササイズです。「腰のキレが磨かれますのでお勧め」

1-1:前屈立ち / 下段払い

1-2:後屈立ち / 裏拳打ち

1-3:前屈立ち / 逆突き

 

2-1: 前屈立ち / 中段横受け

2-2: 前屈立ち / 刻み突き

2-3: 前屈立ち / 逆突き

 

3-1: 前屈立ち / 上段揚げ受け

3-2: 前屈立ち / 逆突き

3-3: 後屈立ち / 刻み突き

 

これは形グループで練習する際、良くやってましたね。

 

次は組手前のアップです。

①:片足を上げたまま連続蹴りで前に進みます。当然股関節の外旋で行うので軸足のつま先は後ろ向きです。

②:前足を上げたまま軸足の股関節を内外旋です。(上体は動かさないように)

 

股関節の内外旋に加えて、足払いと中段蹴りに必要な要素は、スイッチです。

両足を自由にスイッチすることで、軸足のスライドと足払いや蹴りを同時に行う事が出来ます。

では次に、股関節、膝、足首を抜くために足を交差させるエクササイズの紹介です。

 

「1」ラインを使ったステップ練習

1-1:ラインを跨いで横向きに立ちます

1-2:左右の足を入れ替えながら進みます

1-3:1-2の動作にプラス逆突きを加えます

 

2-1:ラインを跨いで正面を向き足を素早く公差させて進みます

※ステップは細かく速く。

※つま先は外を向くように着地する

 

ラインを跨ぎながら連続蹴りの練習です。(2人1組

①:パートナーに拳サポを中段の高さに揃えてもらい、連続で蹴ります。

ポイントは、出来るだけ足が床に着いている時間を短くすることです。(空中に身体が浮いている感じ)

 

②:パートナーに拳サポを肩幅に構えてもらい、軸足を横にスライドさせて中段回し蹴りです。

 

③:②と同じ要領で上段回し蹴りです。

ポイントは、蹴りが極まった瞬間に身体が正面を向かないことです。

 

④:パートナーに低い位置で拳サポを構えてもらい、後屈立ちで足を飛ばしながら蹴ります。

ポイントは足払いの時、軸足がラインの外側に出ることです。

 

足払いは、ただ強く払ってしまうと対戦相手にケガをさせてしまう恐れがあります。ここでは効果的な足払いの方法が紹介されています。

 

足払いの原則です。

足を払おうとして、隙を作っては元も子もありません。危険を冒さずに足を払うには、相手の正面にたたないことです。

 

まず相手と向かい合い、自分の前足と、相手の後ろ足

自分の後ろ足と、相手の前足を結ぶ2本のラインの上に立ちます。

 

①前足で足払い:前足で払うと同時に、後ろ足を前足のラインにスライド。

②後ろ足で足払い:後ろ足で払うと同時に、前足を後ろ足のラインに乗り換えます。

軸足を乗り換えれば、相手の正面に身体を晒すことが無くなります。

 

足払いは、相手にダメージを与えてはいけません。そのためには相手の足を横から擦り上げるようにして払います。足裏では無く足の甲で払います。

 

 

足払いのパターン練習です。

 

①:前足で相手の前足を内側から足払い

ポイント:構えを絶対に下げないことです。

 

②:後ろ足で相手の前足を外側から足払い

ポイント:真横を向く位腰を切ることです。

 

③:前足で相手の前足を外側から足払い

ポイント:自分の腰を相手の腰にぶつけるように入ります。

 

④:後ろ足で相手の前足を内側から足払い

ポイント:相手の内側に入るのでカウンターに気をつける必要があります。

 

⑤:蹴りを意識させて足払い (後ろ足で相手の前足を外側から)

ポイント:膝を高く掻い込み、足を下ろしながら足払いをします

 

次に足払いからのコンビネーションです

①:前足払い ↛ 刻み突き (相手の前足を外側から)

ポイント:払った足が床に着地する前に、突きが極まるようにする

 

②:前足払い → 中段逆突き (相手の前足を外側から)

ポイント:前拳で相手をけん制しながら入ります

 

③:後ろ足払い → 刻み突き (相手の前足を外側から)

ポイント:足を振り回さずに最短距離で払えるように心がけます

 

④:後ろ足払い → 中段逆突き (相手の前足を外側から)

ポイント:相手の前拳を抑えながら入るとカウンターをもらいません。

 

突きからの足払い、カウンターの足払い、足払いからの上段蹴り、蹴りからの足払い等たくさん紹介されています。

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