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世界王者たちの合宿 -イラン式”先の先”編-
こんにちは!
2つ目は、イラン式”先の先”
イランのザビオラ選手の技をシェアです。
ザビオラ選手は、荒賀龍太郎先生の宿命のライバルと言える人。
世界大会の舞台で勝ったり負けたりを繰り返す関係です。
では、練習メニューの紹介です。(ペア練習)刻み突き・中段逆突き・上段逆突き・
台に向かって、その場で前足・前拳を伸ばして4回刻み突き入れ、5回目で台が後ろに下がるとともに、飛び込んで刻み突きです。
予備動作「起こり」をおこさない様に注意が必要です。
台は下がり過ぎず、実際の間合いを取ります。
上段逆突き:5本目を突く時は、腰の回転を意識します。また、遠間から入ると上段のカウンターを食らうので構えも大事です。
構えが高ければ相手の突き(カウンター)が決まらず、低ければ自分の前拳を相手は抑えて入れます。
なので、攻撃側は4本突く間は前拳を低めに、5本目は高めに構えます。
【コーナーに追いつめた時の得点法】(両者とも正体)
-逃がさない。技の組立てで出ばなを取る-
シチュエーション:コーナーにいる相手に自分がプレッシャーをかけている状態
相手が横から逃げようとしている時、
・失点する
・逃げられる
・時間の浪費
これは避けなければいけません。
・自分の左側に相手が逃げた場合:上段蹴り、上段突き
・自分の右側に相手が逃げた場合:中段蹴り、上段突き、裏回し蹴り、裏拳
相手が逃げる方向によって、最適な技を選択します。
間合いが合っていれば、前足の足払いでプレッシャーをかける事も出来ますが、距離を誤ると上段逆突きを被弾しますので要注意です。
遠間からは前拳を防御に使いながら足払いで、距離を詰めます。
足払いや刻み蹴りのあと、前足を戻すとき相手は攻撃に移ろうとします。
その瞬間が突きで得点するチャンスです。
大切なのは良い距離を保つこと。相手の技が見切れます。
右に逃げても、左に逃げても蹴りが来るっ!と思わせれば相手は下がるしかありません。
少しずつ詰めて足払いすると、相手は上段突きを出したくなります。
そこを上段蹴りを狙えますし、上段蹴りを避けさせて突きで得点することも可能です。
重要なポイントは、プレッシャーと間合いです。
【初動に反応する】(ペア練習)
・相手が前足でフェイントしたら、刻み突きを入れます。
・相手が後ろ足を動かしたら、上段逆突きを打ちます。
相手の出ばなに反応する練習です。
技が出終わるまで、あるいは技を出し始めるまで待たず、初動に反応する癖をつけます。
【コーナー際で「あとしばらく」の使い方】
・C2が累積している時の回り込み方
シチュエーション:1-0でリードしている状態とします。
このまま逃げ切りたいし、相手は得点を狙ってきます。
またC2を取られていれば、場外に出ると反則なので防御するしかありません。
ここで有効なのがダッキングからポジションを入れ替え、相手を誘い込み突きを狙います。
回り込む時も歩くのではなく、上半身で避けて回り込みますが頭が相手から離れると蹴りをもらうので注意が必要です。
以上、戦術練習でした。
世界王者たちの合宿 -エジプト式最新刻み突き編-
こんにちは!
世界最先端をシェアナショナルコーチ・現役チャンピオンの豪華セミナー4本立て!
内容がとにかく豪華なのでチャプター毎に分けて内容を少しだけシェアしたいと思います。
(2015年発売なので少し内容が古いかもですが)
国際親善が目的のこの空手合宿。
日本・グルジア・アメリカ・イラン・アルジェリア・ブラジル・カナダ・韓国・トルコから参加です。
では内容の紹介です。
エジプト式刻み突きをシェアしてくれるのは、フランスのタレックコーチ。
フランスナショナルチームに7年間在籍し、タイナショナルチームのコーチをされています。
リラックスした緩いリズムでフットワークし、技をお互いに出し身体を温めます。
一般的に安全圏と呼ばれる、遠間からの超ロングの刻み突きです。
「空手は常に進化して技を最新型にアップデートしていきます」
2015年の時点でこの刻み突きを、エジプトとイタリアが取り入れているようです。
身体も腕もリラックスして、構えは降ろしていても良く動きの中から長い突きを出します。
イメージはフェンシングのような突き方です。
リラックスした状態から技を出すので、あえて腕を降ろさせていました。
常に動きっぱなしでコート内をサークル状に動きます。
ペア練習では、相手が遠い間合いから詰めてきた瞬間、刻み突きを放つ練習をレクチャーしています。
台になる方も、時には下がって、時には詰めたりして打たせます。
「間合いで防御」し、組手の駆け引きを行います。
【前脚だけで移動する刻み突き + 逆突き】
先にの述べましたが、力んでいたら前に出たくても動きが重いし遅くなります。
刻み突きを打ったら、相手は下がりますので、そこを逆突きで追います。
それを片足だけで行います。ケンケンでワンツーするって訳です。
この打ち方の利点は力が乗って、より遠くまで突けるから。
身体を柔軟に使って前に出ます。荒賀先生の得意技ですね。
注意するポイントは、間合いの調整です。例えば遠すぎる間合いから入ればカウンターの蹴りをもらいます。
誘ったり間合いで駆け引きして、自分の距離になった時に攻めれば相手の意表をつけます。
【拳サポーター練習】
タイミングと反応の練習です。(ペア練習)
1・拳サポを1ケ床に置き、その周りをフットワークします。
2・相手が前足で拳サポを踏んだら刻み突きで反応します。(フェイントで踏まない時もある)
【刻み突きから裏回し蹴り】
これまでは自分が前に出る練習でしたが、次は刻みの後に相手が来ることを想定し前足の裏回しを練習します。
タイミングは相手の前拳を自分からタッチし、相手が詰めて来た時に引き込みます。
ポイントは、
・膝の抱え込み
・自分の前足も相手に寄せる
・身体を間合いに入れて、引き込む
【コーナー練習】
(ディフェンス)です。
相手の攻撃を見切って、体を入れ替える練習です。
ガードを上げて反応したり、ウィービングとダッキングを上手く使っています。
攻め手:刻み・逆突き・回し蹴り・裏回し
受け手:コーナーを背にし防御のみ
コーナーに押し込まれた状況で良く見かける光景です。
攻め手はプレッシャーをかけ続け、守る側にとっては場外に出れないキツい状況ですが、このようなケースも想定して練習する必要があります。
ポイント
1・スピード勝負ではなく、集中しリラックスする(力んでしまったら身体が反応出来ません)
2・前に出て相手の技をつぶす
3・身体をさらすと足が居つくので、片足を後ろに置いておく(胴と頭を後ろへ倒して守れる)
背を向けたり、身体をさらすと全力で来る相手に当たり負けします。
ゲーム感覚で繰り返していました。
2022年10月15日 (土)道場稽古25
こんにちは!
9月に初めて挑戦した審査会の免状授与からスタート。
折ったり曲げたりせず大事にしまっておいてね。
改めて伝えますが、普段の道場稽古でゆりの審査基準をクリアしていること(挨拶や集中力ね)
四の形・十二の形が正しく打てなくてはいけません。
12月、全員で審査を受けれるように頑張ってください。
限られた時間の中で、メニューを組立ているので「おしゃべり」・「行動をテキパキ」・「ボーっとしない」まずこれを直そう。
また言葉使いも学ぼう。
ここは空手教室です。お友達に話すのと同じではありません。
・トイレに行って良いですか
・帯を締めてください
・返事は大きな声で、はい・いいえ
・押忍 ありがとうございます
【本日のメニュー】
1・筋トレ・体幹トレ
2・固定式基本
3・形(四・十二・平安二段)
4・組手(フットワーク・中段逆突き)
1・腹筋がついてきたのか、号令に合わせて遅れることなくついてこれるようになった気がします。継続は力なりですな。【トータル90回】
組手で中段突きがありますが、お腹は突きを当てますので、少々の突きをもらっても耐えられるよう鍛える必要があります。(蹴りも)
体幹も手を抜かず続けます。形に変化が訪れるのはまだ先かも知れませんが、やらないと良くなりませんので、これも継続です。【トータル25分】
2・先週から取入れた「手刀受け」・「内受け」をおさらいです。ゆっくりの動作で形を覚え、少しずつスピードを上げていきます。
突き・中段横受け(外受け)・上段揚げ受け・下段払い受けを丁寧に繰り返します。
普段私が指導していることを意識して自分で修正出来るようになれば良いのですが突きのコースも左右バラバラで、まだまだ意識が足りていません。
3・形です。
毎回行う四の形と十二の形。一番初めに覚えた形ですが、大会で打つ事はもうありませんが稽古では暫く続きます。
この形を打つ目的を今日説明しましたが、軸の体重移動を使った転身が有効だからです。
この形で身体の使い方を学んでいます。
観ていたら順番を覚えたことで満足している生徒がいるように思えます。
順番は覚えて当たり前で、身体の使い方を練習しています。軸移動が身体に染み込んだら、基本形で応用しやすいのでいつも始めに打っています。
上手くなるためにアドバイスしていますので聞き逃さないように意識を高く稽古に励んでください。
今日、みんなのお手本となる素晴らしい前屈立ちを見せてくれた生徒がいました。
何か感じるものがあればと思い、皆に見てもらいました。
1・前屈立ちの幅(肩幅)
2・前屈立ちの長さ(基立ち+一足分)
3・軸足の張り(後ろ足の角度は20度)
4・上半身の姿勢(前足付け根に上体が乗っています)
5・払い受けの高さ(膝から拳一つ分上)
※注文をつけるとすれば、右腰をもう少し前に向ければなお良い
4・組手の稽古となるとみんなの目が輝きだしますね。
まずフットワークのおさらいから。膝に「ため」を作るが前回のテーマでした。その上で次のステップに移りたいところでしたが、、
今はフォームを固めている段階。ここをいい加減に覚えてしまうと、癖を矯正するのに時間がかかります。
基本的な事を教わっている間は、ムダな事はひとつも言ってないつもりです。「良く聞いて実行に移す」を心がけてください。
今日は中段逆突きを学びました。
1・真半身(横向き)に構えた状態から、前足を大きく前に踏み込む(相手の両足の間をめがけて)
2・軸足親指の腹で立つ
3・逆突きと同時におへそを相手に向けて突く(真身)
4・突きと反対の手の位置は、2種類
4-1・引き手を取る(力いっぱい引くと突きのスピードが増す)
4-2・左手を右耳に沿える(相手の刻み突きの軌道を反らす)
号令に合わせ何本打ったでしょうか。みんな頑張ってついてきます。
形になり始めたところで、ペア練習に移ります。お互い向き合ってブザーに合わせて「中段差し合い」の稽古です。
黄色信号の距離を取り、相手の道着にかする位にフルスピードで突きます。
途中説明と実演を交えながら、1時間組手を頑張りました。
いよいよ来週は、刻み突き・中段逆突きをミックスした連続技に入ります。
もっと組手が楽しくなっていきますよ!
※上段逆突きは、メンホーをつけていないこともあり見送りました。
なんということでしょう!
生徒と写真撮るの忘れてました、、
糸東会レベルアップ講座
こんにちは!
ずっと気になっていた「糸東会レベルアップ講座」
かなり古い(平成15年)DVDで情報量も少なく、購入を決めるまでハードルが高かったですが、、
収録時間の120分の内、60分間長谷川 伸一先生・行光先生に質疑応答が収録されています。
実技内容の方は、長谷川空手スクールの生徒達が、長谷川先生と普段道場で行う基本・移動・形稽古を糸東会本部の生徒の前で紹介する形で進みます。
形がとても好きな私的には、道場稽古のヴェールが明かされる訳でして、興味津々です。
長谷川 行光先生が指導する、正面蹴りの移動基本では、蹴った後の腰の入れ具合。
前後に一つずつ動くその場基本では、追い突きと四股立ちを繰り返します。
追い突きは軸移動の練習に効果的ですし、四股立ちは前後の切り返しがあるセイエンチンで活きてきます。
長谷川 伸一先生が指導する、「三戦」・「天掌」の形で呼吸法の練習。鼻から吸って口から吐きます。
次に、バッサイ大の見せ場(横払いからの突き、受けの連続技)・(気合の後のすぐの手刀受け)どちらもアドバイスが目から鱗で指導の引き出しが増えます。
中でも参考になったのが、終盤の振り捨て。挙動を2回繰り返しますが、1度目と2度目とでスピードと極め方が異なっていました。
私は、2度同じリズムで振り捨てしてましたが、とても新鮮です。
しっかり覚えて道場稽古に活かさないといけませんね。
観てますと、部分練習がほんとに多いです。指導者がテクニックを身振り手振り伝え、全員で何度も同じ挙動を繰り返しています。
傍で見学している道場生は、一言も聞き漏らすまいとメモ取りまくりです。
長谷川先生の一番弟子?片田 貴志先生がアーナン最大の見せ場、間接蹴り→引き込み→頸動脈チョップの挙動をとても詳しくレクチャーしています。
ここは私がとても知りたかったところ。これだけで大いに価値ありです。スピードを変えながら何度も何度もお手本を見せ全員で稽古するのですが、特に驚いたことが長谷川先生自身が
弟子である片田先生に教えを請うています。コツやらタイミングやら質問を繰り返しながら先生自身も我が生徒と同じように稽古に励んでいます。
「ドキュメント長谷川空手スクール」の紹介でも触れましたが、先生自身も稽古を重ね、上達することが道場全体の底上げに繋がるとコメントしていましたが、正にその通りでした。
最後に長谷川 伸一先生の一言がこちら。
「練習から形を上手くやろうと思わないこと。ふらついても良いから思いっきりやる。一か八か積極的に、攻めの形を打とう!」
新設! 組手の基本【ヒントはいっぱい! 予測の基本】
こんにちは!
Vol.11はヒントはいっぱい! 予測の基本 (2020年6月号)
最終回は攻撃の予測について。
対戦相手のデータがゼロに等しく、タイプが全く分からない場合、とりあえずこちらから仕掛けてみます。
しかし、ただやみくもに攻めるのではなく、データ収集が目的なので、まずは相手の反応を探る事が重要です。
深く攻撃してカウンターをもらわないように注意します。
①相手の反応を見る
まず、相手のタイプは主に自分から攻撃してポイントを取るタイプか、カウンターで取るタイプか。さらに、刻み突き・逆突き・蹴り等どの技がとっさに出るか、相手の傾向を探ります。人間の反応は本能的に体幹の動きに反応しています。つまり、手足を動かしてもあまり効果はありません。
体幹を動かしさえすれば、防御を空けることなく相手の反応を見ることが出来ます。
【刻み突きを出した時の反応】
自分の前拳側の肩だけを前に出せば、自分が刻み突きを出した時の相手の反応が読めます。
腕の構えは動かさず肩だけを素早く前に出すと、
(1)相手がそのままバックステップするか、
(2)中段に潜ろうとするか、
(3)突きを叩き落として刻み突きのカウンターを狙うか
(4)蹴りのカウンターをしてくるか
ある程度分かってきます。
【逆突きを出した時の反応】
自分の後ろの拳側の肩だけを前に出せば、自分が逆突きを出した時の相手の反応が読めます。
上段を出した時の反応は肩を相手の顔にぶつけるように、
中段は相手の腹部に肩をぶつけるようにすると、そこを突いた時の相手の反応を探ることが出来ます。
【蹴った時の反応】
足を掻い込んだ時に、骨盤を相手にぶつけるように、押し出すと反応を探ることが出来ます。カウンターを十分に注意して、蹴る側の腰を素早く押し出します。
②反応に対する対処法
軽く仕掛けて、相手の傾向を把握した後は、その対処法を知る必要があります。
相手が刻み突きタイプか、逆突きタイプかで、構えも目線も変えないといけません。
【刻み突きタイプの対処法】
相手の全身を視野に入れながら、相手の前拳側の肩口を抑えるようなイメージで構えます。
肩口を抑える場合、相手の左肩には自分の右手、相手の右肩には自分の左手を使うようにします。
【逆突きタイプの対処法】
逆突きが得意なタイプの選手に対しては、相手の全身を視野に入れながら、相手の後ろの拳側の肩口を抑えるようなイメージで構えます。
【蹴りタイプの対処法】
蹴りが得意なタイプの選手に対しては、脇を空けずに、縦に構えます。
蹴れるスペースを作らないことが蹴りを防ぐ第一歩です。まずは防御を心がけます。
腰回りを常に視界に入れておくと、反応が早く対処が可能になります。
癖を見る
対戦相手の癖を盗むことも必要になってきますね。例を挙げると、
①刻み突きの時に、予め前拳を下げる
②上段逆突きの時に脇を空ける
③中段逆突きの時に目線が下がる
④蹴る時に構えを開く
⑤攻める前に身体に力が入る
⑥攻める前に顔の表情が変わる
相手の癖を観察出来れば、心に少しだけ余裕が持てそうな気がしますね。
あくまでも確率からの一般論ですが、相手の前拳が下がった時は刻み突きが多く、逆に前拳が上がった時は中段突きが来る確率が高いと思います。
競技の達人シリーズ(DVD)や、今回の組手の基本シリーズで日々進化する「競技空手の今」を学ぶことが出来ます。
どれも理にかなっていて、目から鱗が落ちる知識が沢山詰まっています。